『時の流れに』アフターストーリー

彼が不死身な理由(中編)

 

 

 

 

 

 

木星と地球、この両者で行われた不毛な戦争は一人の英雄の活躍によって終結を迎えた。

 

 

 

……其の名は、テンカワ・アキト。またの名を『漆黒の戦神』…。

 

戦争が終結してから3年が経ち、ある少年が行方不明になった。

そして、それから更に1年が経過した・・・。

 

…だが…その少年、マキビ・ハリを助けに来る者は居なかったのである。

 

 

 

「なんでだよーーーーー!!」

 

 

さて、ここはマッドの名を欲しいままにする山崎博士のラボ。

当時、山崎はあるモルモットに掛かりきりだった。

 

「さあ、マキビ君!今日も楽しい実験の時間だよぉ。」

 

心底嬉しそうに山崎登場。

 

「…楽しいのはアンタだけだあぁぁぁぁぁぁ!!

 

…ハーリーは手術台ににされていた。

…点滴がどす黒いのが非常に気になるが、それはあえて無視する。

 

「はっはっは、喋る元気があってとっても宜しいね。」

 

「うぅ…覚えてろ…。」

 

「なにせ君に昨日打ったのは、鯨でも即死確実な猛毒なんだよ?」

 

「なぁっ!?」

 

ハーリー、驚愕

 

「…いやあ、君が丈夫だから研究が進む進む。」

 

「くそぉ…。」

 

「今度、ブーステッドになって見ないかい?…君ならさぞ良い出来に…。」

 

お断りだぁっ!!

 

ジタバタしながら喚き散らすハーリー。だが、山崎には効いていない。

 

「…さあ、今日はナノマシン型の微小相転移エンジンを投与してみようか。」

 

嫌だァァァァッ!!!!

 

…ラボは今日も平和だ。

 

(マキビ君、頑張ってね…。)

(お前だけが頼りだ。)

(出来るだけ長く粘ってくれ!)

 

山崎はこの1年ハーリーに掛かりきり。

他の人のことは忘れている様子だ。

その為か、他の実験体の皆様に異様な期待を持たれる。

 

アキトの役割を押しつけられたハーリーだが、こんな事になるとは思うまい。

 

で…当のハーリーは、と言うと…。

 

(…ラピス役の子は何処だぁぁっ!!!)

 

淡い期待を抱いていたりする。

無論、そんな子は居ない。

それ以前に最早、彼は人の形を留めていないのだが…。

 

…そして、数日後・・・転機は訪れた。

 

その日もハーリーは実験に使われていた。(笑)

 

「さあ、今度はコレだよ。」

 

ぷす

 

「…。」

 

既に、本日だけで10リットルもの薬品を投与されていたハーリーは水ぶくれで酷い状態だ。

因みに今までに投与された量は、アキトに投与された量の一兆倍にもなる。

 

…何故、生きていられるのだろう?

 

「さ、どうなるかな?」

 

・・・。

 

…なんと、ハーリーが半年ぶりに人の形に戻った!!

 

…。

 

「こ、これは?」

 

そう言うや否や、ハーリーを鉈で八つ裂きにする。

 

ズバババババ−−−−−!!

 

すると、あっという間に再生した!

 

…ニョキニョキ…。

 

「凄いや、凄すぎる!!

 

興奮状態に陥る山崎。

 

が、ハーリーは再生の際、拘束具から抜け出していた…。

 

クイ…クイ…。

 

体が思うように動くのを確認したハーリーは・・・。

 

ブン…ドゴォッ!!

 

おもむろに山崎を殴り倒した。

 

「フゲェッッ!!!」

 

山崎が飛んでいく…あ、壁に当たって落ちた。

ハーリーは…運動能力が異常に発達している自分に気づく。

泡を吐いて気絶した山崎から服を奪い取ると、山崎には白衣だけ着せて、その場を後にした。

 

…。

 

だが…直ぐに戻ってくると、コンピュータを操作して、他の人を助け出す。

 

「これ、使ってください。」

 

そう言って、全員にモップ鉄パイプを渡すと、

 

「…殺りますよ。」

 

と、一言。

 

一同「おーっ!!」

 

…そして、大破壊が始まる。

 

・・・。(破壊中)

 

…目に入る全ての物を破壊し尽くしながら突き進むハーリー一行。

その視界にある物が映った!

 

「遅かりし復讐人よ…いや、本当に遅かったな。

 

北辰が現れた…が、相手がハーリーなだけに気合はゼロだ。

 

「北辰…。」

 

ハーリーがにじり寄る…身の程知らずとはこの事だ。

 

「…滅。」

 

あくび交じりに北辰が腕を伸ばした。

 

グサ・・・

 

ハーリーの心臓が潰される・・・北辰が離れる…勝負ありか!?

 

「未熟者が・・・あ?・・・ああああぁぁぁ!!?

 

…だが、ハーリーは死ななかった!鉄パイプで反撃を試みる。

 

ボコボコボコボコ・・・。

 

再生の音と鉄パイプでの攻撃音が重なる・・・。

腕がハーリーにめり込んだままの北辰は避けられない。

だが、このままでは、ハーリーに勝ち目など無い…筈だった。

 

ボコボコズガボコボコズガボコズガ・・・

 

・・・チー−−−ーン

 

 

・・・。

 

き…急所に直撃(痛)…北辰、悶絶。

 

…それを好機と見たハーリーは腕を引きぬくと、懐から山崎のラボで見つけた液体窒素をボンベ一杯分ほど放つ。

 

・・・カチンコチン・・・

 

冷凍北辰完成。

 

さあ、攻撃だとハーリーが思った瞬間、火星の後継者の兵士が踊りかかった!

 

「これぞ好機!うおおおおおおおぉぉぉぉっ!!」

 

・・・ガッシャー−ーン

 

何故か冷凍北辰が砕け散る。…それを見たほかの連中も砕けた欠片を踏み潰し始めた・・・。(ヲイ)

 

・・・アンタ…味方にまで嫌われてたのかい?

 

・・・。

 

そうして、山崎たちへの復讐を成し遂げたハーリーは一路地球へ向かう。

 

・・・。

 

「…マキビ・ハリと言う方は半年ほど前に亡くなられてますが…。

 

「なぁ!?」

 

どうやら、行方不明者として、死亡扱いになっていたらしい…。

 

・・・。(ここより『黒いハリネズミ』モードON)

 

「フフ…そうですか…皆さん…そんなに僕が邪魔ですか?」

 

バリア衛星の上で苦々しく笑うハーリー。

 

「許さない…絶対…。」

 

…ここは真空中のはずだが…とうとう克服したのか?

 

ブツブツ・・・。

 

なにやら呟きつづけるハーリー…。

 

「…地球よ!僕は帰って来たァッ!!」

 

如何やら…ガトー節を披露していたらしい…。

 

ドゴウワッ!!

 

そのまま、バリア衛星を蹴飛ばす!

…ゆっくりと軌道を変える衛星…。

…コロニー落としならぬ、衛星落としだ!!(爆)

 

…コロニーの上で腕組みをしながら大気圏に突入するハーリー…。

 

お前…変わったな…。(苦笑)

 

第2次防衛ラインのミサイルが飛んできた…。

 

が、何故か弾かれる。

 

「…さあ、今日はナノマシン型の微小相転移エンジンを投与してみようか。」

 

話の最初の方の、この山崎の台詞を覚えておいでだろうか?

…どうやら、制御に成功したらしい。(汗)

 

第3次防衛ライン。

 

最早、旧式となったデルフィニウム部隊は、衛星の上に立ったまま大気圏突入を試みるハーリーを発見した。

 

「た…隊長。」

 

「…お前にも、見えるのか?」

 

「こ…子供!?」

 

…この様子は即座に連合軍総司令部に送られた。

 

「…マキビ・ハリ。生きていたのか?

 

「…何するつもりなんでしょうか?」

 

「…衛星の落下予想、出ました。…ネルガル本部です。」

 

「なんだ…じゃ、問題無い。

 

「…なんだ、ネルガルの内部抗争だったか。」

 

「奴らの生き死になど我等には関係無いしな。」

 

ぴく

 

ゴガァッ!!

 

突然ハーリーが衛星を蹴飛ばした!!

 

「…落下コース、変更!」

 

「…何処に落ちる!?」

 

「ここです!!」

 

「え?」

 

・・・。

 

ズドガァァァァァッァン!!

 

連合軍本部大会議場、壊滅。

 

…ハーリー…聞こえてたのかい…?(汗)

 

・・・。

 

ズズーーン!!

 

ハーリー自身はネルガル本部前にクレーターを作っていた。

侵入者に襲いかかるSPの方々を蹴散らしつつ(跳ね飛ばしつつ)突撃を敢行する!

 

…そして…本部ビルの前に立ち…。

 

「出て来ぉい!!アカツキィィッ!!」

 

その声で、入り口のシャッターがひしゃげ、窓と言う窓が全て割れる。

コレが新技、ハーリーシャウトだ!!(ヲイ)

 

…既にハーリーで無くなっている…。

…出迎えは…無い。

苛立ったハーリーは、無断で突き進んだ。

 

…所々で気絶して転がっている一般職員を踏み潰しつつ、会長室に向かう。

…プロテクトも無意味。だってマシンチャイルドだし

 

で、

 

「…アカツキさん?」

 

ズイ…。

 

「ま、待て…ハーリー君。話し合おう。

 

ズズイ…。

 

「…裏切り者。」

 

…アカツキは窓際に追い詰められた。

 

「落ちつけ…落ち着くんだ!!」

 

「問答無用。さようなら、アカツキさん。」

 

だが!

 

「お待ち下さい。マキビ君。」

 

「プロスさん。」

 

「ム…そこまでだ。」

 

「ゴートさん…。」

 

…でた、ネルガル最強コンビ!

 

「…ここで会ったが100年目!!」

 

「「!?」」

 

「なんで助けてくれなかったんですか!!?」

 

ボゴッ!!

 

「ウヲ−−−−−ッ!!」

 

バリー−−ーン

 

…ゴートが殴り飛ばされた(汗)…今のハーリーは相転移エンジン内蔵だ!

コレくらいでは負けないだろう…。

 

…因みにゴートは?

…300km程離れた場所に落ちていた…生きて居るようだ。

 

「そうか…お前がだったのか。」

 

…また、神様と会話してるし…。

 

「やはり、俺は神に選ばれた戦士だったのだな…。」

 

おーい、戻ってこーい。

 

「お前たちに助けられた命、決して無駄にはせん!!」

 

…まあ、命を大事にするのは良い事だが…。(汗)

 

カズシ…そして名も知らぬ少女よ…俺はやるぞ!」

 

な…何ィ!?

 

「…世界を変えてやる!!…うおぉぉぉぉぉ!!

 

…その後、ゴートはネルガルを退社…新興宗教団体を組織するのだった…。

 

…話はネルガル本部に戻る。

 

「あ・・・あ・・・あああ・・・あ・・・。」

 

「あの…ゴートさんが…。」

 

呆然とする二人…だが、問題はそれではない。

 

「さて…アカツキさん…プロスさん?」

 

別人と化したハーリーがそこに未だ居るのだった…。

 

「ま、待ち給え…もう少し、理性を持って…さ?」

 

アカツキにユラリと近づくハーリー。

 

「あ、解りました。…賠償はこのぐらいで…。」

 

電卓を突き出して許しを請うプロス。…情けない

 

・・・。

 

ガシッ…ポンポン

 

電卓を奪い取り、0を2つほど付け足すハーリー。

 

「…こ、これは。(汗)」

 

ポム…とプロスの肩をたたくハーリー。

にこやかな顔だが、顔の青筋がくっきりと浮かんでいる。

 

プロスペクタ−、危うし!!(爆笑)

 

果たして、提示額の100倍を払えるだろうか!?

 

まだ続く

 

 

::::後書き::::

BA−2です。

…なんか書きたい事が多かった所為か前中後の三部作になりそうです。

…次では書きたい事を削ってでも完結させますんで…。

次こそは新型ハーリーダッシュを!!

…もはやハーリーでは無くなってますが、山崎に改造されたと言う事で。

では!

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

BA-2さんからの投稿です!!

人間、止めてますね・・・ハーリー君(苦笑)

ま、ハーリー君ですしね〜(笑)

しかし、凄い復讐劇をしてくれてます。

今後、パワーアップした彼がどの様な可能性を見せてくれるのでしょうか?(笑)

 

ではBA-2さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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