『時の流れに』アフターストーリー

軍師見参

 

 

 

 

木星と地球、この両者で行われた不毛な戦争は一人の英雄の活躍によって終結を迎えた。      

 

 

……其の名は、テンカワ・アキト。またの名を『漆黒の戦神』…。      

 

ビィー−−ッ・・・ビィー−−−−ッ!  

 

ラー・カイラム艦内にエマージェンシーコールが鳴り響く・・・。  

 

新たなる同志が救いを求めているのだ・・・。  

 

「だが…今私が動くわけには行かない。」  

 

シャア・アズナブルが呟く。  

 

「テンカワ達が不在の今・・・これ以上機動戦力は割けんのだ。」  

 

・・・。  

 

「と、言う訳で君達の出番だ…頼む。」  

 

ブライトとシャアに見送られ、ある一団がシャトルで降下していった・・・。  

 

「・・・これでは道化だよ・・・。」  

 

シャアの呟きを聞いた皆は・・・。  

 

『俺達全員そうじゃないのか?』  

 

と、心の中で突っ込んでいたりする・・・。      

 

 

…その一団はある場所に降り立つ。さて・・・ここは・・・  

 

 

 

城が動いてる!・・・と、言う事は・・・。  

 

移動要塞国家 ママトト   

である。  

 

・・・。      

 

今から時を遡る事、数時間・・・。  

・・・銀髪の青年が旅立つ…全てが終わり、平和を見届けつつ・・・。  

 

「僕は・・・なんて甘えていたんだろう・・・」  

 

等と言いつつ自室の窓から鍵縄を降ろすナナス。…そのベッドに…幼馴染の弓使いが居るのは多分…目の錯覚だ・・・。  

地上に降り立ち、愛しいものを見るようにママトトを見上げる。

屋上に姉のような女性を見つけて…冷や汗を掻きつつ、じりじりと後ずさっているのは気のせいだと思う事にする。  

 

「…時間を遡る技…か。確かに世界は救えたけど…。」  

「もてようなんて考えるんじゃ無かったかな?…ちょっと父上に似てるなんて言われたし…。」  

「…まあ、いいさ。前回の人生でも、このまま旅に出たんだから…。」  

 

自分に言い聞かせながら予め荷物を隠しておいた場所に向かう。      

前回の旅立ちは未熟な己を考え直す為。  

今回の旅立ちは女性関係の縺れの為。(アンタがか!?)      

 

二股・三股…が…今までばれなかったのが奇跡だったのだから・・・。      

ここは逃げるっきゃ無い!!(ヲイ)      

 

…純白の聖賢も…地に落ちたものである…。  

 

・・・。  

 

走る…走る・・・そして、荷物のある場所に辿りついたナナスは・・・。  

 

!!!  

 

絢爛舞踏並みの移動方法で後ずさり、向きを変えてダッシュした!  

ナナスの用意した旅装の前では…。  

先日までカカロの玩具にされていた薄幸のメイドさんにして亡国の王女  

のぞみさん『本名…パイローラ姫』  

が、ナナスを待っていた・・・。   否。   待ちうけていたと言っても良い・・・。  

 

・・・。  

 

肩で息をしながら、『こんな事も有ろうかと用意していた予備の荷物』を背負ったナナスが街道を行く。  

 

「はあ。はあ…一時はどうなる事かと思ったよ。(汗)」  

 

それでも、決して歩を緩める事は無い。  

もし…追いつかれたら…  

 

・・・(思考停止)。  

 

・・・歩行速度が上がった!…大荷物を背負っているくせに競歩で進む。  

・・・よほど恐ろしいらしい。  

 

ガッ!  

 

目の前に巨大な戦斧が落ちてきた!…思わず立ち止まる。  

 

「あなたも行ってしまうの?もう名前も顔も思い出せないあの人のように。」  

 

ゆったりと、後ろから・・・ライセンさん、現る。  

微笑んではいるものの…その手には…カカロ暗殺時に使う予定だったダガーが握られている…。  

 

…まずい、目がマジだ・・・。  

 

ナナスは取りあえず微笑み返す。

…最も、脳裏には何時ぞやの花畑が浮かんでいた。…この場での現実逃避は危険なのだが・・・。  

 

…良く見ると、前方にまったく同じシルエットが二つ。…分身しているシェンナさんだ。  

…もはや、逃げ道は無い  

 

「ささ、こっちへ来るのネ〜ン!」  

 

天の助け…?と思ったナナスは取りあえず指示に従う。  

が…脳裏に何かが浮かぶ。  

 

《にょほほほほほほほほ!》  

 

「!!」  

 

何処に連れていかれるか悟ったナナスは即座に逃げ出す!  

 

・・・。  

 

…追っ手が迫る!   …が、なんとか振り切れると思った矢先!  

 

ガッ!…ズザザー−−−!  

 

「…痛た…何だ!?」  

 

良く見ると足が棒に引っかかっている!…何故こんな所に!?  

 

「こんにちは〜!」  

 

現れたのは緑の髪の少女…。爽やかに笑ってはいるものの、額に青筋が…。  

 

「や、やあココナ。…如何したんだい?」  

 

もはや無駄な抵抗なのは分かりきってはいるが、一応聞いてみるナナス。  

 

「あ、ナナス…『偶然』だねぇ。…新作のパンが焼けたんだけど…食べて。」  

 

良く見るとその手にはトレイが乗っている。  

但し   …その上の物体は、如何見ても『炭』にしか見えないが・・・。  

  良く見ると木目が付いている。…これホントに炭なんじゃあ…。  

 

ズイ…  

 

「…食べて。(ニコニコ)」  

 

青筋が2本に増えた・・・。怒ってる・・・絶対怒ってるよ…この子。  

 

・・・。  

 

そうこうしている内に全員から追いつかれる。  

最後の逃げ場と思っていた方向からは、アーヴィとエイベル。  

・・・そして、今回の騒動のきっかけを作った、『予定外』の少女…。  

最初の人生では仲間にし損なった傭兵系武将・・・。      

 

マカロニ・ホワイト      

 

…今回、ナナスはどうせならもてて見ようと、結構頭を使って動いていた。

前回の経験もあり、楽勝ムードだったのだが、今回偶然仲間にした彼女については考えていなかったのである。  

が、この世界観はナデシコ…しかも『時の流れに』がベースに有るので、落とせないはずの人も落としてしまったのである・・・。

 

・・・先日。屋上の甲板にて。  

 

…ナナスはいわゆる告白という奴を受けた。  

まあ、それだけなら『2周目』な人達には良くある事だ。  

 

が・・・、

それを洗濯物を干していたココナと、手料理を食べさせるべくナナスを追いかけてきたラミカに聞かれてしまったのが

運の尽きである。  

 

・・・その後の事は、読者諸兄のご想像に任せるとして・・・。  

 

ナナス・・・人生最大の危機であった!  

 

ズズイ・・・と迫る女性陣。…なにか喋ったら最後、破滅は間違い無い。  

 

・・・。  

 

ズドドドドドドド・・・。  

 

…何かが近づいてくる・・・。  

 

「掴まれ!」  

 

ガシ・・・・・・どどどどどどどど  

 

ナナスは連れていかれた。

…呆然とする女性陣。  

 

何故なら『彼等』は…大きな黄色い鳥に乗っていた。  

いわゆる…チョコボと言う奴だ。  

 

「ナナス・アルフォリアか?」  

「は…ハイ!…あなた方は、もしや!」  

「『自由への脱出』のメンバーだ。」  

「やはり!」  

「俺はスコール。陸戦隊・突撃第1班(仮名)のリーダーを務めている。」  

 

因みにこの部隊は歴代FFの主人公達で構成されている。

…結構女グセが悪い連中が揃ってると思うのは俺だけだろうか?  

 

「因みに貴方は一体誰から?」  

「魔女と先生だ。」  

「は?」  

「それ以上は言えない。」  

 

・・・ご愁傷様です。  

 

…ようやく現実に復帰したママトト女性陣が追撃を開始した・・・!  

先陣を勤めるはファイタン100体・ワプワプ20体の大軍だ!!  

 

流石に凄まじいまでの転送攻撃に追い詰められるナナス一行。  

が、前方に誰かが居る!  

その少年といっても差し障りの無い年齢の男性が地面に手を当てる…。      

 

ズグァァァァァァン!!      

 

地面が割れた!!  

 

流石は『龍の軍師・天地志狼』!!  

やる事が無茶苦茶だ!  

 

…伴侶を捜し求める旅の途中で、あちこちの女を落としては去っていく…。  

…何時か刺されそうな人生だが、ついに逃げ出したか!      

 

…そして、彼等は去っていく・・・。夜叉10名余りを残して・・・。  

 

−−−一方その頃−−−  

 

アキト率いる機動部隊は某同盟の艦隊と戦っていた・・・。  

 

「アキトだ…皆、大丈夫か!?」  

「こちらは良いが…。5時の方向が危険だな。」  

「…サイバスターとライブレードの両機、危険な状態です。…如何します?」  

 

…夢の競演だ!  

 

「特に…複座の筈のライブレードを無理やり単独で動かしてるから危ないみたいだね。」  

「でも…まさか、こんな所でダミープラグが役に立つなんて。」  

 

あまり、想像したくない情景だ。  

 

・・・。  

 

「全機、交渉役の奴が戻るまでの間の辛抱だ!」  

『アキトさん。』  

「ル、ルリちゃん。…こ、こちらの話は解ってくれたかい?」  

『ええ。』  

「じ、じゃあ・・・。」  

『あの、ラブメシアNGとか言う方がこう言ってたんですよ。』  

「?」  

『「君はそのままで良い」って…だから私達はそのままで居ます。』  

(あ、あいつめ!…しくじったか!)  

『NGさんは奥さんの元に送っておきましたんで。』  

「そ…そう。」  

『アキトさんも…戻ってきてください!』  

 

そう言うと、ルリはサッと手を上げた。  

 

『…それは子供の頃に聞いた御伽噺♪』  

 

5121小隊女子によるガンパレード・マーチだ!  

…男性陣の勝利条件変更  

〇2ターン以内に当空域からの脱出

〇敵の全滅(恐らく無理)  

 

・・・。  

 

追いかけっこはまだ続く・・・。  

 

::::後書き::::  

BA−2です。

如何でしたか…書けそうも無い連中はこうして他の連中と組ませると書けるみたいです。

では、駄文では有りますが、応援よろしくお願いします!

 

 

管理人の感想

 

 

BA-2さんからの投稿です!!

段々、凄い事になってますね〜(笑)

しかし、軍師と題名に書かれていたので、そのままナナスが主役かと思っていましたが・・・

『竜の軍師』が出てくるとはね〜(爆笑)

FFの歴代主人公も参加して、最早留まる事を知らない彼等達!!

無事に2ターン以内にアキトは逃げ切れたのでしょうか?

 

ではBA-2さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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