機動戦艦ナデシコ  アナザーストーリー


                            世紀を超えて

                       第56話 「黒き皇帝」の最期

 

「月面反乱勢力の侵攻阻止…喜びに沸く連合司令部!!」
「謎多き英雄『黒き皇帝』…今回も大活躍!!」
「月面奪回作戦スタートも間近か?」



…新聞の一面をこんな記事達が舞う。


突然の敵侵攻…だが、それを僅か1日で押し返したのだ…。

…喜ぶのも無理はあるまい。


だが…それは次なる戦いへのプロローグに過ぎなかった…。


…連合は、当初の予定通り…月面奪還作戦を開始する。

その中には「黒き皇帝」…アキトの姿もある…。


…。


「おう、テンカワ…どうした…顔色が悪ぃぞ?」

「…ガイか…いや、なんでも無い。」


「…何時も言いたいと思ってたんだけどよ…俺はヤマダ・タロウなんだけどな…。」

「…そうか、済まないガイ。」

「…解った、もう良い。(汗)」


…アキトは何処か上の空…戦艦内に貰った個室でぼぉーっと腰を下ろしている。


…後悔・懺悔・苦悩…。

アキトの心を蝕む物は多かったのだ。


「ま、五十六に大怪我させちまって、落ち込むのは解る…だが、連合軍内でそれを悟られるなよ?」

「…お前は、俺が憎くないのか?…俺は弟さんを…。」


「馬鹿言うな…戦場で敵同士ならそう言うもんだ…命があっただけありがてぇぜ。」

「…そう言う…ものか…?」


「たく…言っとくが、元・独立派だなんてばれるなよ?…殺されるぞ。

「ああ、大丈夫。…今から、ばれない様にするんだよ…。


…何処か様子のおかしいアキトを怪訝に思いながら、ヤマダは部屋を出ていった。

それから暫くして…アキトはふらっ…と格納庫に向かう…。

…。

「…諸君…月が暴徒に制圧されてから4年!…遂に時は来た!!


…ブリッジからの放送が入った。

もうじき月側の勢力圏に入る。
…第一級戦闘態勢の発令と共に放送されるこの宣言は、即ち…戦闘開始を告げる鐘でもあるのだ。


「我々は月を取り戻す!…そして、そのまま火星をも取り戻さねばならない!!」

…。

「さあ、出撃」
「あの、一機が勝手に出撃しました!!」

「なに…手柄を焦ったのは何処の馬鹿だ!?」


…演説を邪魔され、艦隊司令は不機嫌そうだ。だが、誰かを聞いて逆に卑屈になる。


『≪黒き皇帝≫だ。…先行して敵を減らしておく。』

「…おお、君かね!?…大きな戦果を期待する!…遠慮無く行き給え。」

『…了解だ…ま、戦える物は全部沈黙させておくさ…。』


…そして、ナイトメアは宇宙空間に消えていく…。


「よし!…『黒き皇帝』に続け!!…出撃」
「無理です!!」

「…貴様…わしに怨みでも有るのか!?」


…また良い所で邪魔され、今度は半ば本気で怒り出す。

…大人気ない。


「いえ…コンピュータの調子が悪いんです。」

「…なに?…な、なんじゃこりゃ…?」


…艦隊の、全データは無茶苦茶になっていた。

航行データや火器管制システムも破壊され、戦闘はおろか…運行もままならない。


「ウイルスでしょうか?」

「…そんな生易しいもんじゃない…こりゃ…ハッキングかもしれん。」


…こうして…艦隊が通常状態に復帰するまでの数時間、進軍は止まったままだった。

そして…その間にも、アキトは月に向かって飛び続けている…。


…。


「…よし、っと…これで、連合軍の足止めはOKだね。」


…その時、地球ではラピスがコンピュータを弄っていた。

…艦隊のコンピュータに侵入したのは彼女の様だ。


「アキトの方は…大丈夫かな?」


…そして…ラピスは次なる仕事に取り掛かった…。

…。

…ゴォォォオオオオッ!!


漆黒の宇宙空間をナイトメアが行く。

…既に月は、前方の視界の全てを覆うほどに近くなっていた…。


カッ!!


…閃光が…チカチカと光る。

…それは…段々と近づいて来て…周囲に炸裂した!!


「…迎撃が出たな?」


…だが、アキトを止められる程の物では無い。

ナイトメアは悠々とすり抜けると、月の大地に降りていった…!!


…。


「…来たな!」


…アキトは…あらかじめ調べておいた最初の目標に突っ込んでいく!!

対空砲は既に弾幕を張っており…避け切れない分が機体に吸い込まれて行った…!


ガガガガガッ…!!


「…流石に一筋縄じゃ行かないか…!!」


だが、それでもアキトの行く手を遮る事など出来ない。

…アキトは最初の目標…エステバリス生産工場に、予め積んでおいたミサイルを撃ち込んだ!


…チュドォォォオオン!!


…そして…施設が破壊されたことを確認し…次の目標に向かう…。


…。


その頃…月軍司令室


「…くっ…よもや生きておったとはな…。」
「奴は我等を狙っているのだろうな。」
「…なあに、ただの一機で何ができる!」



…件の和平会議でアキトを売った、独立派上層部の方々である。

…彼らはあの後、「黒帝」を神格化して…宗教的な指導力で月を纏め上げていた。


…ある種、お待たせしました…な、時間がやって来た様である…。(邪笑)


「…ええい、生産工場はどうなった!?」

「…駄目です…全施設…狙い済ましたかのように破壊されました!!」


…指揮官の一人がヒステリックに声を上げ、それに対してオペレーターが答える!


既に生産施設は壊滅的な打撃を受け、今…アキトは軍関係の設備を破壊して歩いていた。

…その行動に、容赦は無い…。


「…迎撃しろっ…全砲台をアイツに向けるんだ。…被害?…構わん!」

「…無理です。…防衛戦力の80%以上があの一機に破壊されています!!」


…それを聞くと…上層部の方々は、こっそりと司令部を抜け出していった。
…その行き先を、誰にも告げずに…。

…。

…その頃…アキトは月軍のエステバリス隊をそのレーダーに捕らえていた。

ラピスからの情報で、これが最後の実働戦力である事が解る…。


「最後だな。…なら、そろそろ当たっておくか…。」


…バシュ
   …バシュ
      …バシュ



…ドッゴォォォオオオン!!


…敵が一斉に撃ち出した弾幕が、ナイトメアの飛行パーツを吹き飛ばす!

だが…アキトには、既に機動力は必要無かった!!


「…最早…逃げられはせんぞ!!」


…敵側の隊長からの通信。

…アキトには…その声に聞き覚えがあった。


火星時代、輸送用のトレーラーを運転して居た男だ。

そう…かつての仲間の一人…。


…そう言えば…以前、一度補給を受けた際に、

「テンカワさん…皆を宜しく!」とか言われた気がする…。(20話)


…。


…ガツン!!…ガシャーーーン!!


…アキトは通信に対し、鉄拳で答える!

…衝撃でアサルトピットが弾き出され、月の地面に投げ出された…!


(運がよければ…生き残るだろ…。)


…そんな事を考えながらも、ライフルの銃口は既に、次なる獲物に向けられていた…。

ナイトメアのアームが一閃する度に、一機ずつがスクラップと化し、無残な残骸が増えていく…。

…。

「…まさか…戦闘開始から1時間で全滅させられるとはな…。」

「…月臣!?」


…そして…その地に残った月側最後のエステには…月臣弦悟郎が乗り込んでいた…。

全ての決着を付ける為…そして、

アキトの真意を確かめる為に…!!


…。


…周囲には、既に残骸以外の物は無い。更に、生き残った者は既に脱出していた…。


「…ここには俺とお前しかいない。」

「その様だな。」


…月臣は、機体の拳を震わせながら続ける。


「…何故だ…なぜ、独立派を壊滅させるような真似をする!?」

「…。」


「…五十六は全身複雑骨折内蔵破裂で、全治10日の怪我を負った。」

「生きてはいるんだな…安心した。


…待てぃ人外。(汗)


「…見ろ!…お前の攻撃で、月にはもう戦う力など、残ってはいない!!」

「…ならば逃げればいい。」


「火星にか?…無理だ。あそこには今、戦力なんて無い。…お前も知っているんじゃないのか!?」

「だろうな…。」


「お前は、俺達に死ねと言うのか…?」

「…誰もそんな事は言っていない。…軍の連中は足止めしておいた…今なら逃げきれる。」


「…お前はどうする。」

「さあ…な。…なるようにしかならないだろう?」


…ぴきっ

月臣の堪忍袋の尾が切れた。…そして…月臣のエステは大太刀を上段に構える。


…なお、月臣仕様のエステは火器がまったく搭載されていない代わりに、
…大太刀による接近戦を強化している。

強化…とは言っても、火器管制システムを排除して、機体重量を落としているだけだが。

なお…刀身に『菊』と彫ってあるのが、いかにも月臣らしいと言えよう。


「テンカワ…貴様…刀の錆にしてやる!!」
「…良いだろう…かかって来いよ。」



…そして…両者はユラリと間合いを計り…動きを止めた。


…そして数分間、睨み合い…お互いを牽制しあう…。

…最初に動いたのは…月臣だった!!


「うぉぉぉおおおおっ!…ちぇすとーっ!!


斬!!

大太刀が上段から振り下ろされた!


「甘い。」


…ガキィィン!!

…ナイトメアのアームから延びたチェーンソーが、太刀を受けとめ…、


ザシュ!!

…もう片方のチェーンソーが、敵の頭部を切り飛ばす!!


「糞っ…やはり俺では無理なんだな…!」


…だが、月臣のそんなボヤキとも取れる叫びに…返って来る言葉があった。


「まあな。…いや…「黒帝」の仇なら討てるぞ…。」
「何だと!?」


ガシッ…!


…それは、一瞬の出来事だった…。


ザシュ…!!


アキトは、月臣の大太刀を捕まえると…ナイトメアのコクピットに突き刺した!!

それはさながら切腹の如く…背中から太刀が生えているかのようでも有った…。


…。


「…な、何が起こっているんだ!?」


…月臣は、機能停止したコクピット内で…混乱していた。

何が起きたのか…まったくわからない。


…だが…何か動きがあった事くらいは、機体からの振動でわかったのだが…。


…。


それから1時間後。


…月臣は、白鳥と共に…民間用の宇宙船に乗っていた。…目指すは火星。

戦える艦は月に居残り、時間を稼ぐ事になっている…。


「…なあ弦悟郎。」

「…。(ぶるぶる)


「俺達…どうなるんだろうな…。」

「…!(ガタガタ)


…月臣は怯えていた。


「黒帝」の仇を取ったと言うのに、その表情は暗い。
…ナツメに
事実がばれた時のことを考え…
意識が遠のくのを感じていたのだ…。




…哀れな殊勲者である。(苦笑)

…。

一方その頃、途中で逃げ出した独立派のお偉いさん達は、豪奢な宇宙船で地球に向かっていた。


「やれやれ…ようやくお勤めも終わりだな。」
「うむ…晴れて地球に帰れるのぉ。」
「…まあ…色々楽しかったかもしれん。」


…だが、彼らは知らない…。

既にこの船は、ラピスにより航路データを書き換えられていたのだ…。


…行き先は…太陽。


…その事を教えなかったのは…ラピスなりの優しさだったかも知れない。

なぶり殺しは…哀れ過ぎるから…。


…そして…彼らは死出の旅路を…今暫く楽しむ事となる。

…誰かが…大き過ぎる太陽に気づく、その時まで…。

 

 

…。

 

 

そして…火星


あの時、タイミングを見計らってジャンプしたアキトは…今、ユーチャリス艦内に居る。

…既にダッシュも撤去され…壊れたまま放置されている部分も多いが、まだ艦内は面影を留めて居た。


「懐かしい…5年ぶりだ…。」

『そうですね』


…その時…居る筈の無いダッシュの声が!

…しかも…言葉づかいが違う!


「誰だっ!?」

『…オモイカネ・ダッシュです』

「…嘘をつくな。(汗)」


『正確に言うと、そのサブシステム…メインはもう、ここには無いです』

「ああ…そういう事か。」



…そう、ダッシュはここから引っ越す(笑)際、サブシステムの一部を置いたままにしていた。

…実はあの性格もそのせいらしい。


そして…置いて行かれたサブシステムは、今までユーチャリスの整備・保守を行って居たのだ。


「…そうか、ご苦労だった…。だが…ダッシュが二人居るのもな…。」

『ではマスター…何らかの対策を立ててください』


…アキトは暫く考えて居たが…ふっと顔を上げた。


「なら…お前は、今日からプラスと呼ぶ事にしよう。」

『名称変更…オモイカネ・プラス…了解しました』


「…ではプラス…聞くが、ブラックサレナは出れるか?」

『勿論です。…但し…マスターご自身が調整する必要があります。』


「よし…ならば早速…!!」

『了解…なお、機体内部に私の端末を用意しております…お役に立てるかはわかりませんが』


「…解った。…期待する。」


…。


…そして…次の日…。


「ラピスさん…何か仰ってください!!」
「お兄さんの戦死について…コメントを!」
「…お義姉さんはどうなされましたか?」



…ラピスは…『日々平穏』の店内で、記者会見を開いていた。

…無論、アキト…「黒き皇帝」の戦死に関してである。


「…姉はショックが大きく、寝込んでおります…故に私がお答えします。」


…周囲には、ショックを押し殺しての会見に見えるだろう。

…だが、これは茶番だ。


但し…真相を知らないマスミは、本当に寝込んでいたが…。


「ええ、兄は勇敢に戦い…月の軍勢を一人で全滅させました…。ですが…最後の敵と相討ちとなり…宇宙に消えていったのです…。…ううっ。」


泣き崩れるラピス。…貰い泣きしている者もいた。

…だが、ラピスの手に持つ目薬に、誰も気づかなかった…。(爆)


「…敵は卑劣な者達です。…黒帝の敵討ちだと意気込んでいますが…私は知っています。


…ざわっ…周囲がざわめいた。

彼女は何を知っているのだ?…そんな好奇心が見て取れる。


「あれは謀殺です…月側の施政者が、邪魔になった英雄を葬ろうとしたのです!」


ザワザワザワ…!!


これでもかとばかりに動揺が広がっていく…。

…だが、そのざわめきは…長続きしなかった…。


『正解には、少しばかり違うな。』

「誰っ!?(…なんてね)


「…なんだ!」
「窓の外だ!?」
「…!!」



…窓の外…そこには…漆黒の巨人が浮かんでいた…!

そう、この時代では初公開の…ブラックサレナだ!!


『俺を罠にはめたのは、結託した双方の首脳部さ。』

「…貴方は誰です!?」


…くさい三文芝居が続く。

だが、何も知らない記者達や店の従業員達は、我先にと逃げ出し始めた。


俺こそが黒帝!!…怪我の治りが遅くてな…偽物と戦えなかったのが心残りだ。』

「兄は兄です。…貴方の偽物では有りません!!」


…知っている者なら大笑い必至の馬鹿芝居。
だが、知らない者にとっては恐怖であろう…。


…そうこうしている内に、部屋には誰もいなくなる。


…それを見計らい、ラピスは部屋を抜け出した…。

…自らの痕跡を消す為に…。

…。

…そして、ラピスの脱出を確認したアキトは…周囲に聞こえる様に大声で宣言する。


『…さて、偽物にやられた仲間達の…敵討ちをさせてもらうぞ!!』


ドォン…ドォン!!…
…ガッシャァァアアン…!!



…炸裂するハンドカノン!!「日々平穏」は跡形も無く破壊された…。

それを見て…アキトは僅かに寂しそうな顔を見せる。


…さようなら…俺の…静かなる日々…。)


…。


「ラピス…早く乗れ。」
「うん…解った。」


破壊された店の残骸に隠れ…サレナにラピスを乗せ、ハッチを閉めようとした時…声がした。


今の状況を人に見られるのは拙い。

何故なら最悪の場合…証拠隠滅の為、撃たなくてはならないのだから…。


「…先生…これは一体どういう事です!?」

「なんだ、リュウか…。」


…アキトの愛弟子、リュウ。

恐らくホウメイの先祖と思われるこの少年は、逃げ遅れた(と、判断された)ラピスを探しに、戻って来ていたのである…。


「…何が…あったんです?」

「忘れろ。…今の事も、俺達の事もな。」


「出来る訳無いじゃないですか!!」


…ぽいっ

アキトは一冊のノートを投げてやる。


「…俺のレシピだ。…全部は書けなかったがな。」

「…先生!?」


「さらばだ…。」


ゴォッ…!!

…そして、ブラックサレナは一陣の黒い風となり…空へと消えていった…。


「…先生。…どうしてですか…?」


そしてその場には…唖然として佇む、一人の少年だけが残された…。

…。

…連合議会、本会議場


「これは由々しき問題だ!…「黒き皇帝」の戦死!」
「そして…「黒帝」の復活ですか…。」
「元々、彼は「黒帝」にあやかったキャラクタだし…拙いですね。」



その日…会議は紛糾していた。

…その中には、あの和平会議に参加していた者達も見られる…。


「全く…問題が多いですな。」
「いやはや…誰か一気に解決してくれませんかね…!?」


…。

『なら…解決してやろう。』


ズガァァン…ガラガラガラッ!!

壁をぶち破り…サレナが突如、会議場に乱入する!!


「うわぁ…「黒帝」か!?」
「ひぃぃーっ!!」
「貴様…こんな事してタダで済むと思うな!!」



ギャ−ギャ−騒ぐ議員達…。

だが…それを気にもせず、アキトはハンドカノンを容赦無く乱射した!!


『…じゃぁな。』


…ドォン…ドォン…ドォォン…!!

…。

アキトは…ディベート(論戦)では敵わないと睨み…一気に粉砕する道を選んだ。

…これで…あの時の復讐は完遂された事になる…。


「…ジャンプ。」


…そして…アキトは火星に跳んだ。


…。


『やあ…遂にサレナも使っちゃったね…。』

「ダッシュ…俺とラピスを、暫く匿ってくれ。」


『いいよー。…宿舎も出来たとこだし…。』

「…火星に連合が現れるまで…暫くかかるしな…。」


…そして…アキトは時が満ちるまで…極冠に隠れ住む事となる。

「黒帝伝説」に終止符を打つ為のシナリオ。それを成すべく…アキトは動き続けるのだ…。


…。


その頃…地球。


「…おかーさん…行っちゃうの?」

「アキラ…良い子だから、お義兄さんのお家で…静かに待っててね?」


「うん。」

「お父さんの仇は…必ず取るから…。」


…白装束のマスミ。(汗)

彼女はアキトの戦死を真に受け、火星攻略の部隊に志願していた…。


「…それに、アキトの偽物が許せない!!」


…アキト本人だとは、思い付きすらしない様だ。

なお、マスミは…あの黒帝が、月側の用意した偽者だと思っている。


「…じゃあ、行くね…。義兄さんの家には連絡してあるから…。」

「うん、戸締りもしたし…大丈夫だよおかーさん。」

…。

「…ラピスちゃん。…ゴメンね…あの時私が応対していれば!!」


…ラピスの事も気にかけつつ…マスミは行く。

…全てが茶番だとは…気づきもせずに。(爆)


…。


「…じゃ、ぼくもいこーかな…。」


よっこいせ


…日用品や玩具・トレーニング機器(!!)など、必要な物を持ってアキラ君が家を出た。

…無論、戸締りも忘れずに…。(アキラ君・談:おかーさんは戸締りが出来ません。)


「…おとーさんと、おねーちゃん…無事だといいなー…。」


…何やら…この子、薄々感づいてるようだ。(汗)


そして…≪重さ200kg≫の大荷物を背負い、お子様は行く。

…所詮、人外の子は人外と言う訳か。(汗)


…しかも歩きで。(爆)


続く


::::後書き::::

BA−2です。
「世紀を超えて・第56話」は如何でしたか?

…シリアスっぽい感じの話なので、最後はほのぼの(?)で締めてみました。


…でも、アキトのやってる事って…ある意味最低ですよね。(苦笑)


こんな物で良ければ応援宜しくお願いします!!
では!

 

 

代理人の感想

 

「ある意味」をつけるべきか否か、迷う所ではありますね(爆)。

いまだに「責任」と言う言葉の意味すら理解してないようだし(苦笑)。

 

それにしてもこの話、実は人外の巣窟だったんですねぇ(核爆)。

アキトを筆頭に北方親子、ヤマサキ、アムと弟、ヤマダと白鳥の兄弟、アキラまでもが。

その中で一人震えている弦悟郎が何かもののあはれを誘います(爆笑)。

 

 

 

 

追伸

 

しかし、月から地球までいくだけの筈なのに太陽が大きくなるまで気が付かなかったとは・・・

あの連中、もしかして底抜けのお馬鹿さん(核爆)?