機動戦艦ナデシコ  アナザーストーリー


                            世紀を超えて

                        第59.5話 木連の始まり

 

…ゴゴゴゴゴゴゴ…


「おっと…皆、来たみたいだね…。」


…山崎は、急作りな大型輸送艦のブリッジで…迫ってくるシャトルを眺めていた…。

そして…それを収納した事を確認すると、さっさと木星に向かうべくオートパイロットを起動する。


「さて…と、では出迎えに行くかな…。」


だが…そこで山崎が見た物は…。


…。


「アキト…ううううう…。(泣)」

…泣きじゃくるナツメ。


「…。」

デカイたんこぶ作って気絶する白鳥。


…そして…、


「ずーいずーいずっころばーしごーまみーそずい…」

…何故か?現実逃避している月臣だった…。(笑)


…。


「月臣さん…なに体育座りの上、部屋の隅っこで丸まってるんですか…。」

「…しっあわっせはーあるいーてこーない…だーからあるいて…みつからねぇ…。


…山崎は、やむなくハンマーを取り出し…、

…ぴこっ!


「はっ!…俺は一体!!」

「それはこっちの台詞。…どうしたのさ一体?」

「…ふっ…。(泣)」


月臣は答えず…ただ…胃薬を飲み込むだけだった…。(笑)


「月臣さん…胃薬…お菓子代わりにしちゃ、かえって体に毒だよ?」

「…それは違う…。(涙)」


…。


ナツメ以下、主要な連中は行動不能…。

…だが、それでもシャトルは平然と飛びつづける。


いや、だからこそか。(爆)



…そして…。



前方に木星が大きく見える。

…そんなサロンで、月臣・白鳥・山崎が何やら話して居た…。


「見えた!…あれが…木星プラントだよ。」

「…ほう…。」
「大きいですね…。」


「いやいや…アレだけじゃない。…あちこちに、居住用のコロニーも用意しておいたんだ…。」

「…良くそんな用意が出来たな…。」
「それ以前に…これは何なんです?」


「うーん、詳しくは知らない。…使い方が解ってるだけだね…。」

「…謎だと?」
「浪漫ですねぇ…。」


「まあね…古代遺跡の一種らしいけど。…ま、使えるものは使うって事で…。」


…今回…火星から脱出してきた者達は前回とは比較にならない程に多かった。

だが…設備などには全く問題が無い…。


…何故か?


実は…予め、今回の移動が大規模になったときを想定して…
アキトは山崎に頼んで、木星プラントを増産していたのだ…。


故に、今回は様々な意味で余裕があると言えよう…。


…。


「…まあ、なんにせよ…ここなら連合も来ないと思うよ?」

「まあ、当然だな。…来てくれたら困る。」

「…しかし…山崎さんはこんな情報何処から?」


「ああ、テンカワさんから頼まれてね…。…寂しかったよ…。(泣)」


…ドドドドドドドドドドド!!


「アキト!?…アタシのアキトがどうかしたの!?」


「な、ナツメさん!?…いや、テンカワさんから」
「アキトは何処よ…もしや、山崎君が隠したの!?」

「へ?」

「出せ!…アキトを出せ!…さもなくば…!!」


バァン!…バァン!


「…撃つわよ!!」


…お気持ちは解りますが…撃ってから言わないで下さい…。(汗)

…元ネタが解る人…います?


「…がっはぁ…。」

「や、山崎!?」
「山崎さーん!!」


「いたたたた…酷いよナツメさん…。」

…なんで脳天を貫かれて、
生きているんだお前は…。(汗)



「アキトを出しなさ−い!」

「僕は知りませんよ…。」


「じゃあなんで、さっきテンカワさんって…!!」

「…いえね…。」


…山崎は事情を説明した。


「ああ、成る程ね。…でも、やっぱりアキトだな…みんなの事を考えてくれてたんだ…。」


…だったら山崎の事も考えてやれ。(爆)

いや…それ以前に自分の女遍歴を何とかするほうが先では無いのだろうか?


「しかし…謎の多い男だった…。」


ガチャ!(撃鉄が引かれる音)


「…もとい、謎が多い男だ…。(汗)」

「ええ、そうね月臣君…アキトって…何者だったのかな?」


「さあねぇ…アムちゃんは何か知ってたみたいだけどね…。」


…はっ!


「そうよ!…山崎君…アムちゃんは!?」

「…木星に…居るよ。」

「そっか…アムちゃんも…皆の為に働いてくれてたんだね…。」


…クルリ


「…山崎?」

「…酷いよなぁ…ホントに酷いよ……。(泣)」


…どうした…山崎?(汗)

…。

と、そこで思い出したかのようにナツメがポンと手を叩く。


「あ、そうだ…ねぇ山崎君?」

「はい?」

「…君って…確か月に抑留されてた筈じゃない?…どうやって脱出したの?」


「ええ、テンカワさんが助けに来てくれたんです。」

「へぇ…やっぱりアキトは凄いな…。」


「あ、そうだ…月臣さんも有難う御座います。

「ん…まあ、気にするな。」

「え?…なんで月臣君まで?」


…首を傾げる一同。


「ええ、なんでもアムちゃんを火星に預ける際、月臣さんが僕の境遇を話してくれてたらしいんだ。」

「へぇ…成る程…ん?


…あ。(滝汗)


「まって…何かおかしくない?」

「はぁ?…自分にはよく解りませんが…。」


…そろ〜り…そろり…。

がしっ!


「ねぇ…月臣君?」

「…ふぁい?」


…こっそり抜け出そうとしていた月臣の襟首を、容赦無く掴み上げるナツメ!!


「…ひとーつ、聞いておきたい事があるんだけどさぁ…。(怒)」

「…済まんが用事を思い出した…ではこの辺で…。(汗)」


カチャ!!


「…アタシへの偽証は…命に関わるよ?」

「………はひぃ…。(滂沱)」

 

…。(月臣…自白中)

 

「…で、弦悟郎はどうなったんです?」

「ああ、反省してたみたいだから、軽く制裁加えといたわ。」


…ホゲェェェェエエエ…。


「…アレでですか…。」

「…そうよ。」


…月臣は…ナメクジ風呂に入れられていた…。(汗)


…どんな物かって?

そりゃ勿論、風呂桶一杯に、お湯の代わりにナメクジが…うぞうぞ…と…。


ぎゃー!
…聞いてるだけで痒くなるっ!!(爆)




…。



そして…一行は何事も無く…木星に到着したのであった…。
(あれで何事も無く?)


「…ここが…。」

「はい、ここが木星プラント。…僕等の生命線ですよ。」


「ここが…アキトが残してくれた…土地…。」


…因みに整備したのは山崎だし、アキトは場所を知って居たというだけです。


「…アキト…見ててね…アタシ…ここを素晴らしい場所にしてみせ」
「…ナツメさん…大変です!!」


「…白鳥君!…人の思考を邪魔するとは良い度胸ね!?」

「…い、いえ…南雲さんが!!」


…木星に着いて、早速…妻の近況を書かれたメモを取り出した南雲さん…。
(ここより再現VTR)


「…七瀬…元気にしているかな…?」


《…奥さんは貴方との生活を幸せだったと言っていました…。》


「…。(じーん)」


…。(読みふけっている)


《…そして…静かに息を引き取られました…。》


「え…?」


…もう一度読んでみる。

《…そして…静かに息を引き取られました…。》

…。

……ぱたっ

南雲は倒れた…。(爆)



…。



「…と言う訳です。」

「…ふーん、でも、アキトが居なくなった事に比べたら、小さな事よね。」


…そうか!?(劇爆)


…そして…その横を月臣が運ばれていく…。


「あ、本格的な制裁に行くから…厨房に運んでおいて。」


ナツメさん…まだあるんですか!?(驚愕)


「…テンカワさんって…サディストが好みだっんですかね?」


…白鳥…それは違うと思う。(爆)

 

 

…。

 

 

…ナツメは厨房に向かうと…月臣を、五右衛門風呂に入れた。

…但し、蓋は頭の上だけど…。(爆)


要は、大鍋に月臣を放りこんで、蓋を硬く閉めただけ。(だけって…)
…なお、空気穴はストロー1本。



…そして火をかけると、そのままアムの元に向かう。

…これはついでだった様だ…。(汗)


…。


…そして…いま、ナツメは山崎に連れられて、奥の部屋に向かって居た。

その横では娘のアキラ(明)ちゃんが、携帯通信機を使っている。

「あ、木星のお姉ちゃんだよ。…元気だった?」



なお…山崎は、ナツメが僅かに纏う狂気に…多少怯えている…。(汗)

…アキトが居なくなって…彼女にも多少の変化があった…と言う事なのだろうか…?


「…ナツメさん、こっちだよ…。」

「ありがと…山崎君……え!?」


…そこにはアムが居た。…間違いなく居た…。

だが…!!


「アムちゃん…?…なに冷たくなってるのよ!?」
「そもそも…なんでそんな箱の中で眠ってるのよ!?」



「ナツメさん!…叩かないで!!…静かに眠らせてあげよう?」


「…なんで?…なんでこんな事に!?」

「…アムちゃんは…『アキトさんの所に行く』って言ってた…。」


…ナツメはガクリと膝をつく…。


「…どう言う事よ、アムちゃん…。(涙)」


…そこに、山崎がなにやら大量の書類を持ってきた。


「…これは、彼女が残しておいてくれた物だよ。」

「…何なの?」


「…今後の組織運営に対する指針だよ。」

「…後は任せた…って事?」


「さあ?…だけど、これならどんなに大きな組織になっても対応できる形になってる。…それに、」

「それに?」

「…基本的な方針や、今後暫くの行動について、きちんとした道筋を考えてくれてるから…。」

「要は…慣れるまではこれに従えってことね。…流石は王族…か。」


「それと…これ。」


ことっ…山崎は一本のDVDを渡した。


「これは?」

「…今後の為に役立つ筈だ…って、コピーしてくれたんだ。」

「…中身は?」

預言みたいな物…だって言ってた。」


まさかそれは……いいのか?…ホントに…。(汗)


…。


…そして…ナツメは、アムを見上げる。


「アムちゃん…アタシ…頑張るよ。…だから、そこで…見守っててよね…。」


…そしてこの日…木星に、臨時自治政府が発足。

後に木連と呼ばれる組織・・・その始まりであった・・・。






























…その時…アムはを見て居た…。

コールドスリープによる黄泉の眠りの中…ほんの僅かだけ目覚めた意識が、幸せな夢を見せる…。


「…むにゃ…あきと…さ・ん…。」


夢の中で彼女はアキトに手料理を作っている…。

…そんな…彼女の夢がかなうときは…来るのだろうか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


白い鉄さん…CG…有難う御座います!!


…。

 

幸せな夢に浸るアム…。

…でも、その前に殺人料理を何とかしようね!(ヲイ)

::::後書き::::

BA−2です、第59、5話…かなりイレギュラーですが、やむを得ない事情で二つにしました。


…白い鉄さんからCG頂きました!
本当に…有難う御座います!!


…さて…今回は木星に行った人達の話。…如何でしたでしょうか?

月臣が哀れ過ぎる気もしますが…生き延びてますから、まあ良いでしょう。


…これで、過去編は完全に終結した事になります。


…こんな物でも応援して頂ければ幸いです。

では!

 

 

代理人の感想

 

いいのか? アレでいいのか!?

 

と言う以前に、

 

あの状態で生き延びたのかっ!?

 

 

まあそれはともかく。

 

百年後の木連ってどんな国家になってるんだろう(汗)?