機動戦艦ナデシコ  アナザーストーリー


世紀を超えて

第85話 臨戦体制下の"ほのぼの"




トビウメの一件後…ナデシコが連合軍との交渉を始めようとしていたその頃…、

木連側の戦艦"皐月"の船内でも動きが起ころうとしていた。


…全ては、食事中の『ちょっとした事』が原因。

だが、それは本人達にはかなりの大事として認識されていたのだ…。


…。


ここは食事中の食堂である。


「…うぅ…お姉ちゃん達が怖いの…怖いの…。(泣)」

「さ、さふぃーちゃん、落ち着かなきゃ駄目だよ…?(汗)」



何だか知らないが、初っ端から修羅場が展開されている。…場所は木連戦艦の食堂だ。

そして、サフィー・コガネのお子様コンビが冷や汗かきながら見つめる先では…、


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


「なかなか…良い度胸されてるじゃないですか…?(怒)」

「そっちこそ。…アー君は枝織のお婿さんなんだからねっ!」


…謎の擬音の下、ルリVS枝織の火蓋が切って落とされかけている。

何故って?…無論、アキト争奪戦だ。(爆)


…猫と犬をバックに、燃え盛る炎のイメージが周囲を制圧せんとしていた。

…もっとも、双方子犬と子猫なので迫力は皆無だが…。(汗)


…。


さて、その日…彼女たちの食事は海産物中心のメニューだった。

ちゃぶ台を囲むのは、右からルリ・枝織・舞歌・コガネ・サフィーの5人である。


そして、食べ始めてから暫く後…ルリはお刺身を突付きながらボソッと呟いたのだ…。


「思ったより美味しいです。…木星に海は無いはずですが…。」


…無論、プラントで生産された物だ。地球での海産物に比べれば格段に味が落ちるはず。

だが今回は準備期間などの関係も有り、木連側の食糧事情はかなり良いと言えたのだ。


そして…ルリの台詞に答えたのは…枝織であった。


「そう?…枝織が料理したんだよコレ。」

「…料理って…材料を切っただけじゃないですか…。」


そんなルリの暴言に、枝織がプンスカと反論を始める。


「むむっ…それは認識が甘いよ。…切り方次第で随分味が変わるんだから!」

「はぁ…そうですか。」


「…そうだよ!…アー君のお嫁さんになる為に随分練習したんだから!」

「…は?」


…。


…その後の事を多くは語るまい。
(爆笑)


売り言葉買い言葉全て過激エスカレートしていく様は、余り語りたい類の事では無い。


…そして、冒頭のシーンの後、二人は戦闘開始。

体力と暗殺技能で迫る枝織に対し、ルリは頭脳プレーで対抗した…。


因みにその結果…最終的には周囲3区画に致命的な損害を与え、

更にルリの流したウイルスによって、コンピュータの擬似人格誤作動を起こす事になるのだが、

それをこの時点で予測できた者は居なかった。


…なお、その時残された方々はと言うと…、


あむあむ…美味しくないの…。(泣)」

「さふぃーちゃん、カマボコの板は食べなくて良いんだよ?


先程までの怖がりようも何処吹く風…で、意外と和んでいたりする。(笑)

周囲では爆風が吹き荒れていると言うのに、大した度胸である。


…もしくは…ただ慣れただけなのかも知れないが…。


「ふぇ…これはたべなくてもいいの?」

「…知らなかったんだ。…あっ、危ない!


…いきなり飛んでくる謎のヤカン(熱湯入り)!

ルリと枝織の争いから出た流れ弾だ!


「えい!…舞姉シールドぉっ!」

「は?…ええっ!?」


ゴィン…ばしゃぁあああっ…!!


…しーん


「…あ、熱いぃぃいいいっ!!
 (七転八倒)」

「…ふー、危ないところだった。」


顔面に熱湯入りヤカンの直撃を食らい、のた打ち回る舞歌さんを尻目に、

何事も無かったかのように一人汗を拭くコガネちゃん。…流石は北辰の子だ。


…ある意味将来が楽しみである。(爆)


「あぐあぐ。」
「もごもご。」



…そうしてお子様コンビは飛び交う銃弾と爆風の中、

静かに食事を続けていくのであった…。


…残り3人の分まで。(爆)


…。


…結局、二人の戦闘はその後30分間も続き、意外な人物が仲裁に入るまで止まる事は無かった。

…なお、意外…と言うのは、止めに入ったのが北辰だったと言う事だ。


「貴様ら…もう少し静かな方法で決着を付けられんのか…?」


…二人の戦闘の余波を食らい、松葉杖姿でなければもっと良かった…と言うのは余談である。(爆)

ついでに言えば、周囲はスパークと火花が散る危険な状態だ。


「うう…お父様、ごめんなさい…。」

「…。(北辰なんかに謝れますか!)


…流石に素直に謝る枝織ちゃん。

だが、ルリとしては北辰に頭を下げるわけにはいかなかった。


「謝罪無しか。魔女よ…貴様らの戦闘の余波で何人死んだと思っておるのだ…?

「…貴方は人を殺すのが商売の筈です。…その際に貴方は謝りますか!?」


確かに、『暗殺者が語る人の道』なんぞに素直に賛同は出来まい。


「…謝らん。(断言)」

「じゃあ、私も謝りません!」


「…では、貴様も外道なのか?

「は?」


…唖然とするルリちゃん。


「我が謝罪をせんのは外道だからだ。…ならば貴様も外道と言う事になるぞ?」

「…ごめんなさい、私が悪う御座いました!!(泣)」


「うむ、人間素直なのが一番!」


…なお、何処か会話が噛み合っていない気がするが、きっとそれは気のせいである。

だが、それに気付く事もなく北辰は続ける。


「だが、このままでは埒があかんのも確かだ。…そこで我に提案がある。」


…持ち前のニヤリ笑いで高らかに宣言する北辰。既に周囲は2〜3歩引いている。

だが、それに反して提案の内容は至極まともな物だった…。


「…料理勝負はどうだ?…若い娘なら料理の一つや二つ出来るだろう?」


「はーい、枝織はいいよー!」

「…良いでしょう。…な、何とかなりますよね…?(汗)


…しかし、あの北辰がそれだけで終わるわけも無い。


「なお、審判は双方が相手の料理を食べあうという形で行う。」

「「はい?」」


「…つまり、戦う相手に敗北を認めさせれば勝ちだ。…遺恨が残らなくて良かろう?(邪笑)」

「でもそれって…勝負つくのかしらね?(汗)」


…舞歌が突然割り込んできたが、至極当然な疑問である。


「馬鹿者…不毛な争いをさせて、大人しくしている内に木星まで運ぶのだ!…余計な事を言うな。」

「…成る程、流石は外道ね。」


ああ…成る程…そういう事ですか…。


…。


…そして…何処から持ってきたのか調理台をセットして、不毛な戦いが始まろうとしていた。

なお、「面白そう」と言う理由でコガネ・サフィーの両名も参加するらしい。


ままごとセットで何処までやれるかは不明であるが…。(爆)


「…ふふふ、アー君の妹だと言っても手加減はしないからね!」

「枝織さん、一応言っておきますけど私はアキトさんの『義理の妹』である事をお忘れなく。」


…バチバチバチ…


交錯する視線から飛び散る火花…周囲の観客(一般兵)達も固唾を飲んで見守っている…。

…北辰は何処か寂しそうに見えるが。(汗)


「いざじんじょーにしょーぶ!」

「お料理なのー!」


…そして、飛び散る火花の横でほのぼの系のオーラを放ち続けるお子様二人。

…だが、コガネちゃんの横にあるドクロマークのビンは一体…。(汗)


…だが、それを追求する間もなく…勝負は始まってしまった!


「行きます!」

「…枝織も行くよ!」


…ひゅ……ん!…トトン!!

お互いの顔面すれすれを突然包丁が横切っていく…!(ヲイ)


「ごめんなさい…少し手が滑って。」

「枝織もだから安心していいよ?」


台詞が棒読みのルリと不自然なほどに爽やかな笑みを浮かべる枝織…。

…わざとではない…と信じたい。(汗)


…因みに、アキトがナデシコから出撃したのはその頃である。

…この馬鹿騒ぎに夢中になって、殆どのクルーがそれに気付いては居なかったが…。(ヲイ)


…。


時折、醤油のビン包丁まな板等が飛び交う中、料理は進んでいく…。
(本人達に言わせれば『事故』らしいが…)


…そして、遂に完成の時がきた!





「さあ、出来ましたよ!!」


自身ありげなルリの作品は…、

…カップ麺だった。(汗)


…ホカホカと立つ湯気が、食欲を誘う。

…が、それは反則な気がする。…周囲も何処か呆れ気味だ。(汗)


「ふふん!…それなら枝織の勝ちだよ!」


そして…ドドンと置かれる鯛らしき魚の生け作り…。

流石に暗殺者の手際で解体された魚は美しいの一言である。


「くっ!?」

「どう?…生きの良いのを選んだんだから!」


…確かにまだ生きて動いている。


「いて−よー…いてーよー…。」


しかも喋っている!…信じられないほどの生きの良さだ!!

…ちょっと待て!?(汗)


「おーい、ウチの実験体…一尾知らないかい?」

「あ…ヤマサキ博士。枝織、ちょっと借りたから!


「あ、そう。…まあ良いけど。」

「ありがとう!」


ちょうど良い具合に乱入してきたマッドに、とんでもない事をのたまう枝織ちゃん。

…実にデンジャラスだ。(汗)


…しーん


「ん?…食べないの?」

「「「「…食えるかぁぁぁぁぁっ!!」」」」


…取り合えず、その場に居たほぼ全員で突っ込みを入れる。

無論、その生け作りが速攻で片付けられたのは想像に難くない。(爆)


…。


こうして、メインの二人が共倒れになった頃、一人の幼女が奇声を発した!


「凶悪料理コガネスペシャル・電波風味…完成!」


…実に危険そうな名前。

コガネの触覚のような前髪もビンビンに立って反応している…。


だが、幸い見た目と匂いはかなり上等だ。

…ルリ・枝織の両名は、一応味見を試みる…。


…ぱたぱたっ


…そして一瞬で昏倒。(爆)

素晴らしい出来だったようだ。…毒薬としては。


「おねえちゃん…大丈夫なの!?」

「な…何故だかピースランドの両親と弟達が手招きしていたような…?(汗)」


「ふ、ふぇ…!?」

「あ、サフィー、何でもないですから!」


…驚いたような表情をするサフィーに対し、ルリは何でもないと答えた。

そう、ルリがこの時点で両親を知っている筈が無い。


因みにその時枝織はと言うと…。


「た、助けて北ちゃん…がくっ。」


…完全に気を失っていたりする。


なお、この所為で料理合戦は中止のやむなきに至る。

…残念なのは、まともな勝負にならなかったことだろうか…?


…。


「しかしまぁ…流石は魔女よね…艦内ボロボロよ。」

「舞歌さん、私…本当はそんな子じゃあないんです…!!(必死)」


…ここは、戦艦内の大浴場である。

あの後、彼女たちは勝負中の事故(?)で醤油まみれになったりして汚れた体を清めるために風呂に入る事となったのだ。

…何故醤油まみれなのかは推して知るべし…である。


「きゃはははははは…」
「ぷくくくくくくく…」


じゃばじゃばじゃば…

お約束どおり、お子様達は湯船で泳いでいる。


「とりゃ…うぉーたーびーむ!」

「ひゃ…コガネちゃん止めてほしいの…。」


ばしゅ…ばしゅ…


…遂には手で水鉄砲を作って遊びだす始末…。

こう言う時、普通は真琴さんが止めるのだが(実力で)…彼女は木星で居残りをしている。


そして枝織は…、


「止めろ零夜ーーーっ!!」

「うふ…うふふふふふ…北ちゃんと裸の付き合い…くくくくくく…。(崩壊)」


…枝織、もとい北斗は何処からか湧いて出てきた零夜の処置に追われていたりする。(爆)


零夜の壊れは確実に次なるステージに進んでいるようだ。

…目がキュピ−ン…と、なっているのがその証拠だろう。


「北ちゃ〜〜〜ん♪」

「黙れぇぇぇぇえっ…以前の零夜に戻ってくれーーーっ!!」


…バキィッ!!…キラッ!


…北斗の渾身の一撃で零夜は星となった。(爆)

まあ、ギャグキャラモードだから死ぬ事は無いと思うが。


…。


そして、風呂上り…。

…コガネが北斗に擦り寄ってきた。


「ねぇ…北姉。」

「ん…どうかしたか?」


「さふぃーちゃんの真っ青な髪…綺麗だよねー。」

「ああ、そうだな。」


「…北姉の真っ赤な髪も綺麗だよね…。」

「…そうか?」


…何故かコガネには何時もの快活さが欠けているようだ。


「…いいなぁ…コガネの髪って北姉より色が薄いから…。」

「…俺は…お前の色も柔らかくて好きだぞ?」


「えへへ・・・嬉しいな。」

「ま、身体的な特徴は持って生まれた物だ…変えられやしない…。」


…そう言う彼女の顔色は余り良いとはいえない。


北斗は、女性としての肉体を持ちながら男性的な意識を持つ。

…身体的な事での苦しみは、他人とは比較にならないのだろう。

…だが、本当にそうなのだろうか?…この話の北斗には微妙な不自然さが目立つのだが…。

…。


「…あの、お取り込みのところ悪いんですが…。」


…突然、ルリが割り込んできた。

考えてみれば彼女たちも一応捕虜のはずなのだが…結構自由に動き回っているような…。(汗)


「ん?」

「…その、サフィーの事なんですけど。」


北斗はちらりとサフィーを見る。


「…黒帝の妹らしい黒尽くめか。…誰のか知らないがいい趣味しているな…。」

「さふぃーちゃん、ニーソックスも似あってるよー。」


…そう、何故かサフィーには、黒いコートとニーソックスが着替えとして用意してあったのだ。

…ルリの服は洗濯が完了していたのにも関わらず…である。(爆)


「おかしいわね…コンピュータに用意させたのは違う服だったんだけど…。」

「…それもそうですが…舞歌さん。そうじゃなくて。」


舞歌はもう一度サフィーを見た。…そして真っ青になる。


「ど…どうしたのそのほっぺ?…青く痣になってるじゃない!?」

「…痛いの…。(泣)」


…そそくさ………がしぃっ!


「待ちなさいコガネ?…どういう事かしら!?」

「はうっ!…コガネは水鉄砲で遊んでただけーっ!」


…確かにそうなのだが、彼女は馬鹿力であった。(爆)

サフィーは一撃だけまともに食らったのだが、そのまま壁際まで吹っ飛ばされたらしい…。


「…コレはお仕置きが必要ね…。」

「…はうっ!?」


「そうよ、他人に怪我させたんだから正当な行為なのよ…くくく…。」

「ま、舞姉が…おかしいよー!?」


…普段の恨みもあり、当社比三割増の剣幕でコガネに迫る舞歌さん。(笑)

だが…


「やだあああああっ!!」

「…おごっ!」


…危険を察したコガネはいち早く目潰しを食らわして逃走を開始!

そして舞歌も、


「いい度胸ね…日ごろの恨み…今ここで晴らさせてもらうわよ!!」


…凄まじい剣幕で追って行く…。


「あ、コガネちゃん待って欲しいのー!」

「…ちょっ…サフィー、何処いくんですか!?」


更に妖精姉妹まで駆け出していく。

…そして、その追いかけっこは艦内全域に及んだ…。


…。


ここは木連戦艦"皐月"のメインコンピュータルーム。


…過去偏…つまり100年前から使われている老朽艦ではあるが、

各設備は改修を重ねて現在でも使い続けられていた。


そして、それはこのコンピュータルームも例外ではない。

…コガネと、追いついてきたサフィーは、コードの海となった室内に潜伏していた。


「ふう…流石の舞姉でも完全に見失ったかな?」

「あぅ…コードが絡まるの…。」


…確かにウゾウゾと、サフィーはコードの中で絡まってしまっていた。

コードはまるで意思があるかのように、サフィーを絡め取っていく。


「ううう・・・出して欲しいのー。(泣)」

「もがくと逆効果だよ。…ちょっと待っててね…アレ?」


…うぞうぞうぞうぞ…

二人とも完全に絡め取られる。


「…お、おかしいなー…。(汗)」

「…怖いのー…。(泣)」


…彼女たちは知る由も無いが、昔…ここのコンピューターにとある同人ゲームをインストールし、

仕事の合間に遊んでいた不真面目なプログラマーが居た。


…そのデータが、先程のルリVS枝織の戦闘の最中にメインプログラムに混入

そして、AIに異常を生じさせていたのだ…。


なお、サフィーの格好はそのゲームのヒロインの物らしい。

…髪の色が青かったために抜擢(ヲイ)されてしまったと思われる。(汗)


まあ、あくまでコスプレの域は出ないものだが…。


…。


うぞうぞうぞうぞ…


気が付けば…二人はメインコンピュータ本体と思われる物の前で吊るされていた。

…何処となく怪しい雰囲気がするが、気にしてはいけない。(爆)


「…こ、こんにちはなの…。(汗)」

「離せー、下ろして−!」


…にやり


…そのコンピューターは笑った。

…箱に表情なんかある訳は無いが、二人は直感でそう感じていた。


…一人は電波で…だが。(爆)


…。


「お、下ろしてよー…。」


…じー。

コンピューターは拒絶した。…ような気がする。

…そして、しゅくしゅ…もといコードで、とある場所を指差した。


「…コンセント?」

「…あそこが弱点みたい。…でも、遠すぎるよ…。」


…どうやら二人は馬鹿にされたらしい。

だが、


「えい。」


すぽっ…


「あ、抜けたの。」

「…コンセント直通のコードが手元にあって助かったよぉ…。」


…ぽてっ


…電源を失ってコードは稼動を止めた。

…二人は暫くコ−ドと格闘していたが、何とか抜け出したようだ。


「ねぇ、さふぃーちゃん。コレ…どうする?」

「…うーん。」


…ごそごそ


サフィーは懐から一枚の板を取り出し、コガネに渡す。(因みに先程食べていた蒲鉾の板)

…そして、コガネは予備電源で辛うじて動いているコンピュータのカバーをあけると、


ごすっ


…おもむろに突き刺した!(爆)


「…処刑執行。」

「…止めなの!」


そして、そのコンピューターはガタガタと震えたかと思うと、突然喋りだした!!


『死ぬならレ〇たんの胸の中がいい〜〜!!』


…生まれて初めて喋る言葉がそれかい。(汗)

だが、それを聞いたサフィーはぽてぽてと歩いていって、ぽふっ…と抱きとめてやった。


「これでいいの?」

『うんうん。』






…。






「…じゃ、もう死んで欲しいの。」

『……………。』






…。







『…本艦は現時刻より30分後に自爆します。
 乗組員は速やかに退去してください、繰り返します…』


…ウィーン!…ウィーン!…ウィーン!


…突然鳴り響くエマージェンシーコール!

…流石に「死んで」は無いだろサフィーちゃん…怖かったのは判るけど…。(汗)


「ふぇ…コガネちゃん、困ったの…。(汗)」

「…でもでも、コガネでもああ言ったと思うから大丈夫!」


「…はいなの。」

「じゃあ…逃げよっか?」


…そうして、そそくさとお子様達は去っていった…。

因みにこれはアキトがビッグバリアに向かい、ジュン達を突破していた頃の話である。



…。



そして…突然のエマージェンシーに艦内が混乱する中…一人の少女が艦内を徘徊していた。

…時折起こる小爆発の為に激しく振動する艦体に翻弄されながら、彼女は一歩一歩進んでいく…。


「アキト…アキトが来ていル…。」


…ラピス・ラズリ…。

彼女もまた、この艦に乗り込んでいたのだった…。


…。


数々の想いを乗せ、戦艦"皐月"はその長い生涯を閉じようとしていた。

…果たして…アキトは船が自爆する前に妹達を助け出す事が出来るのであろうか?


…激動する状況は、全く予断を許さないのであった…。

続く


::::後書き::::

どうも、BA−2です。


…さて、今回何処かで聞いたような名前が出てきましたが…多分別人です。(爆)

…確かにご許可は頂いていますが…全くの別人(AI)です。


今回は、アキトが必死になってルリ達の元に向かっているその時の、ルリ達の状況だと言っても良いでしょう。

…あんまりな状況ではありますけど…ね。


…こんな物ですが、読んで頂けるなら幸いです。

応援よろしくお願いします!

では!

 

 

 

代理人の感想

うむ、彼の人ならそれくらいは言いそうだ(爆笑)。

ん? 誰の事かって?

まぁ一応プライバシーと言うのもあることですしそれはヒミツ・・・に全然なってないか(爆)。