機動戦艦ナデシコ  アナザーストーリー


世紀を超えて

第86話 勝利への意思…そして蛇足な連中




「行くぞ…こんなチンケなバリアなど一撃で突き破ってやるさ!!」

「無茶だ…テンカワ、戻れ!!」


「煩い!…第一俺は、アキト・ラズリだ!!」

「そう言う問題じゃないだろ!!」


…第三次防衛ラインの上方で、アキトとジュンの追いかけっこが続く。


「隊長、このままでは引き離されます!!」
「そうだっ…なんとしても追いつくぞー!」
「無視されたまま通り抜けられるわけにはいきません!!」
「その通りッ!」



デルフィニウム部隊の雑魚達も、無用に大きなプライドをかけて追いすがってきていた。

…だが、アキトはそれを完全に無視して上へ…上へと上昇を続ける…。


ピキー…ン!


そして、遂に…上方、第2次防衛ラインのミサイルがアキト達を捉えた。

…食らえば爆散させられるのは間違いない火力である。


「テンカワァっ…いいから戻ってくれ!…このままじゃミサイルの餌食だ!!(泣)」

「おおおおおおっ…ルリ…サフィー!!」


「た、隊長…聞いてないよコイツ!!」
「一度下がりましょう!!…どうせこのままじゃ死ぬのがオチです!!」
「そうですよ、俺らみたいな名も無き一兵士が生き残れるわけが無い!」
「…あ、来る…。(泣)」


…シスコン兄貴の本領を見せ付けるアキトと、追いかけるのに必死のジュン。

そして、段々と及び腰になるデルフィニウム隊の名も無き一兵士たち…。


…なお、既に隊の半数は離脱済み。(爆笑)


…ミサイル発射までカウントダウンが始まっている事を考えると、

この場に残った全員、かなりいい度胸をしているといえよう。(笑)


「うわぁぁああああっ…もう砲門がこっち向いてるー−−ッ!?」

「黙れ!…びびるぐらいなら帰れっ!!」


…そして…ミサイルが…


ガチャ


「く、く…来る来るクルクルクルクルーーっ!?」
「ひぇえええええっ!?」
「おがあちゃ−−−−ん!!」



「煩いぞ、名も無き一兵士ども!!(非道)」

「テンカワァッ…彼らは普通の人間なんだ!…余り酷い事言わないでくれよ−−−ッ!」


結構な暴言を繰り返すアキト。


なお、デルフォニウム部隊ではまた一名逃げ出したようである。

…非常に賢明な判断だ。(笑)


…なお、ジュンの台詞の"普通の人間"に、ジュン自身が含まれているのかは不明である。


…。


…軽口を叩きながら上昇を続けていたアキト一行(爆)だが、遂にミサイルの射程範囲に入る時がやってきた。

ミサイル衛星は、もう暫く前からアキト達を捉えて離さない…。


「…なんで僕たちまで…。(汗)」


…ついでにデルフィニウム達も照準を受けていたりする。

…見捨てられたのだとしたら哀れでならない。(笑)


「…おい。」

「…何だよテンカワ…。」


「恐らく発射まで3分無いぞ。…命が惜しくばさっさと消えろ。」

「…。(青)」


…血の気が引くジュン以下のデルフィニウム達。

だが次の瞬間その顔は、驚愕に歪む事となったのだ!


…ビーム!、ビーム!、ビーム!、ビーム!、ビーム!、ぐわっ…ビーム!、ビーム!、ビーム!、ビーム!


「な…何だ!?」

「隊長!!…下から何かが!!」
「凄い勢いで迫ってきます!!」


…その"何か"は、謎のビーム砲の一斉掃射によりミサイル衛星を破壊!

そのままの勢いで彼らに追いつこうとしていたのである!!


…なお、誤射により戦死したデルフォニウム部隊の名の無き兵士の一人に黙祷。(笑)


「…何て威力。」

「全くだな。…一体誰が何のために…。」


『全ては神の思し召しである。』


がくぅっ…!


いきなりの野太い声に、誰しもがバランスを崩した。

…アキトですら例外ではない。


既に真空に近い遥かなる高空で、
一斉にこける機動兵器達はまさしく壮観であったと言う…。(笑)



「な、ゴート・ホーリ!?」

「…ご、ゴートさん、何やってるんですか!?」


『大いなる神の意思により、神機を駆って貴様達を救済しに来たのだ。』


…余り助けられたくは無い状況である。(笑)

なんだか救済と言う名目で、洗脳されかねない雰囲気だし…。


「神機…ですか?」

「…何処の神様だよ一体…。(汗)」


『貴様ら!…この神機を馬鹿にするな!!』


…そう言って、ゴートはバタバタと機体が腕に持った団扇をばたつかせる。

それに連動するかのように、腰の中華キャノンもゆさゆさと揺れている…。


…賢明な読者各位ならばもう、お気づきだろう。

そう、先行者…堂々の復活である!!


『我が先行者は、相転移の力をえて空戦型に生まれ変わったのだ!!』


…空戦型先行者…

それは名の通り、空中戦に特化した先行者である。


以前より、大地のパワーで動く先行者には、大地から離れると出力が落ちると言う弱点があった。

その為に相転移エンジンを新たに装備し、天高く舞った後の出力源としたのだ…。


…だが、先行者の骨組みの見えるボディーは空中では揚力を上手く発生させることが出来なかった。

そしてその解決策として、
両手に大団扇を持つ事とした。


…無論、これでは中華チョップや中華ドリル等の近接専用の装備は使えない。

その為に
中華キャノンの先に銃剣を装備し、近接戦の要としてあるのだ!


…想像してみよう…。


…。


…すいません、お食事中の方に失礼でした。

もう、考えなくていいです。(笑)


…。


…ともかく、予想外の援軍によりミサイル衛星…第2次防衛ラインが消滅した。

アキトはこれぞ好機…とばかり、上昇速度をあげていく…。


「とにかく助かった。…じゃあな。」

「あ、待て…!!」


…ジュンも負けじと追いすがる!

最早ただの意地でしかないのが残念だが…。


「た、隊長を追え!」
「急げ…今ならまだ間に合う!!」


ずずっ…


デルフィニウム部隊の雑魚達の行く手をゴートが遮った!


「退いてくれ…!」
「…。(目を逸らしている)」


『悪いが、君達を先に進ませるわけには行かぬ。』


「え?」
「それって…」


『…行くぞ。…新たなる同志となる者達よ!!』


…ぐわっ!

中華キャノンの先の銃剣が、怪しくうごめきながら彼らを捉えた…!


「ぎゃぁあああああああっ!!」
「いやだぁぁぁぁああああっ!」


…合掌。




…。(閃光)




その後の彼らの事を知るものは誰も居ない…。

ただ…後に彼らに良く似た人物が、怪しげな宗教の勧誘を行っているのを見た者が居たらしい。




…。


…さて、そんな事が有った事など露知らず、アキトとジュンは上昇を続けている。

既にビッグバリアは視認出来るほど近くに迫っていた。


「ちっ…このまま突っ込めばお陀仏だな…。」

「…お、追いついたぞ!」


…玉砕を恐れたアキトがスピ−ドを緩めた時、遂にジュンがアキトに追いついた!


「…何しに来た?」

「君を止めに来たんだ。…テンカワ、とにかく一度下に戻った方がいい。」


当初の予定など全て無視するアキトに、流石のジュンもこう言うほか無い。(笑)

だが、すべからく運命と言う物は思い通りに行かない物で…、


「断る。…妹達を助けるまでは、下りるなんて選択肢は無い!」

「だからと言って…どうやってこのビッグバリアを通り抜ける気なんだ!?」


「努力と根性で何とか…。」

「出来ないよ!!」


…うーん、と唸るアキト。

そしてアキトは、唖然としているジュンに更に追い討ちの一言をかける。


「ならば兄ので…」

「出来るなら苦労しないってば!」


「じゃあ取り合えず、予備バッテリー渡しますよ。」


…がしゃ


「あ、ありがとさん…。」

「…僕には無いのか…。」


…。(謎の沈黙)


「「って…誰?(汗)」」


…気付くと、二人の傍にノーマル戦闘機が一機浮かんでいる。

ナデシコから出発したらしいその戦闘機のハッチが開き…突然ペンギンが飛び出した!!


やあ!…僕ハリえもん!
 23世紀の未来からやってきたペンギン型サイボーグさ!(キラッ)」


「…5年後じゃないか。(汗)」
「…何しに来たんだい?(汗)」


突然現れた闖入者に対し…世間は…とことん厳しかったようだ。(笑)

第一…何でこんな時に彼が出てくるのだろう…?


…ハーリー、哀れである。(ヲイ)


「さて、テンカワさん。」

「…なんだペンギン、なれなれしいぞ…。」


…後にアキトは言う。

あの時『コイツは間違いなく敵だ!!』と、思った…と。(笑)


まあ…その懸念はある意味現実の物となるのだが…。


「お困りですねぇ…。(ニヤリ)」

「…黙れキグルミ…。(怒)」


何故か沸き起こる敵愾心に突き動かされるまま、アキトはノーマル戦闘機を殴り壊した!!

世間一般(?)で言うところの「せっかくだから」と言う奴だ!(ヲイ)


…ドッゴォォォオオオン!!


「ふっ…俺をなめて掛かるから…」

「…で、良い案があるんですけど…。」


ぱたぱたぱたぱた…


「…なあ、ペンギン。」

「…はい?」


ぱたぱたぱたぱたぱたぱた…


「…ペンギンが飛ぶな。」
「そのご要望は承っておりません。」



…何気に噛み合わない会話。(とことん…とも言う)

だが、この際アキトはそれを無視する事にした。


…羽根で羽ばたくだけで飛べるペンギンに、興味を持っただけ…なのかも知れないが…。


「まあいい、では君の言う"良い手"とやらを聞かせてもらおうか…?」

「了解、ぽちっとな。…行け、ジュンさんミサイル!!


…はい?


「…な、何で僕…がはぁぁあああああっ!?」
「…こ、これは!!」


「えー、デルフォニウムの増槽の燃料を、このスイッチで強制点火します。」


…どしゅぅぅぅ…!

ハーリーがスイッチを押した瞬間、デルフォニウムの増槽…下の燃料部分が赤々と燃え上がる!!


「ほお…。」

「そして急激に加速された機体はジュンさんごとバリア衛星に突っ込んで、それを破壊します。」


「…な、…な……ナニィィィいいいっ!?…あ、あ、あ…ぎゃああああああああああああああああああーーーーっ!!」


…ドゴォォォオオオオン!!

そして…本人の意思とは関係なく、ジュンは機体ごとバリア衛星に向かって突っ込んでいった…。


「なんで僕なんだ!?…ユリカァアアアアアアッ!!」


「…さようならジュンさん、今の貴方なら多分死なないはず…。」

「…結構酷い奴だな、お前…。(汗)」


なお…デルフィニウムミサイル(笑)は、見事にバリア衛星に直撃!

完全にその機能を停止させる事に成功した。


…なお、これにより ハーリー>ジュン の図式が完成してしまったりしている。(爆)

が、それを気にする者はこの場に誰も居なかった…。


…。


そして…黒焦げになり眼下に落ちていくジュン…。

それを見ながら、アキトはビッグバリアの裂け目を潜り抜けて行く。


そのとき突然…エステの右肩に張り付いたペンギンが騒ぎ出した!


「大変です!」

「…何だ小動物!!


「…北斗さんみたいな事言わないで下さい…。まあいいか…敵が近づいてます!!」

「ナニッ!?」


…既にバッタの群れが円を描くように周囲を包囲している!

例え上の人間達がどんな状態でも…優秀なAIは侵入者の排除を自動的に開始したのだ…!


「…こんな雑魚ごときに俺が止められるか!!」

「そうでもないです。」


…ぎろり


「…俺を誰だと思っている!?」

「いえ、高度的に空戦フレームの使用限界を超えかかってるんです。」


…。


「…何だと−−−!?」

「もうこの高さじゃ、0G戦を使った方が良いくらいですよ。」


残念ながら、屈強な傭兵と言えどもアキト・ラズリにとってエステは、言わば、畑違いの兵器。


…重火器や戦闘機などを使う事はあれど、基本的に身一つで戦ってきた男には、

エステのフレームごとの差異が良くわからなかったのだろう…。


「ちっ…一度戻るしかないのか…!?」

「ナデシコに現在0G戦フレームはありませんよ。」


…ピタッ

ハーリーの言葉に、突然アキトの動きが止まる。


「…今から火星に行くんだよな…。(汗)」

「はい。」


「…なんで宇宙用の戦闘装備が無いんだ!?」

「コロニー・サツキミドリ2で補給される予定だそうで…。」


…さーっ…っと、アキトの顔から血の気が引く。


「その前に襲われたらどうする…。」

「…さぁ。」


…因みにナデシコに対空砲火は無い。

基本的に火器はミサイルとグラビティーブラストのみなのだ…。


「…ネルガルめ。…やる気無いな…。(汗)」
「…確かに。」



…酷い言い方ではあるが、確かにそうである。

普段ならともかく、今は戦時中…非常時なのである…。


…ズザザザーッ…ズザザザーッ…


そうこうしている内にも、敵の包囲網は狭まっていく…。

だが…既に高度限界を超えた空戦フレームで、何処までやれるかは全くわからなかった…。


「ちっ…こんな所でお陀仏かよ…。」


…そうしてすっ…と見上げた大空で…彼は見てしまった。


…ボガァーーーン…!


「…なっ!?」

「敵艦が…爆発してる…みたいですね…。(汗)」


「なんで…だ、小動物…。」

「ルリさん達が自力で脱出しようとした…とか…。」


そんなハーリーの憶測に、アキトはプルプルと震える。


「…な、なんて無茶な事をするんだ…!(汗)」

「いえ…唯の憶測です。」


…ひゅーーーーん


その時…艦から足を滑らせたらしい木連の一般兵が、アキト達の真横を落ちていった。

…そして、摩擦熱により発火し…消し炭になって地表に落下していく…。


…タイミングとしては最悪だ。


…。


「「…。」」


気まずい沈黙の中…絶句する二人。

双方心なしか冷や汗をかいているように見える…。


「ルリ…サフィー…急がないと二人も…。」

「ま…まさか。」


…ゆらり

アキトの空戦フレームが動き出す。


「…急がないと…。」

「ですが…今以上の高度には、空気そのものが殆どありません。…空戦フレームでは…。」


…ごぉっ

スラスターが唸りをあげる。…だが、高度が思うように上がらない…。


「…急がないと…間に合わない…。」

「今、行っても…犬死にですよ!?」


…ガキィィィィン!!


そんな、アキトの状況を見たバッタの一匹がアキトに対しタックルを仕掛ける…。

…普段ならば生身でも勝てる相手にすら、易々と弾き飛ばされるアキト…!


「…うわっ!?」

「言ったでしょう…ここではもうそのフレームは使えないんです!!」


「畜生…取替えてる暇は無いんだ…代えてる間に妹達に何かあったら…!!」

「…お気持ちは痛いほどわかります…ですが!!」


…既にアキトの目からは血涙が流れ出している。

今の彼は…無力さに苛まれていたのだ…。


…。


「そう…何時も俺は無力だった…。」

「…テンカワさん…?」


…突然、アキトが独白を始めた。


「両親が殺された時…俺は唯…怯えるだけだった。
 …実験台にされても…自分じゃあ逃げ出せすらしない!!」


ガリィッ…硬く握り締められすぎた拳から、血がにじみ出る…。


「…姉さんが殺された時なんか…ただ…眼を抉られてのた打ち回っていただけ。
 あの時俺が…もっとしっかりしてたら…!!」



…怒りと後悔の念で、顔が歪む…。

…余りに大きな感情の波がかつての古傷…顔の傷を浮き上がらせた!


「何時もそうだ…俺は…無力なだけ!!
 誰かに助けられるだけ…くそっ…
畜生!!


…瞳が大きく見開かれる。

もう既に…感情制御が全く出来ていない!!


「畜生!…畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生…ちくしょぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおぁああああっ!!」


…魂の咆哮。…血涙すらもそのままに。

…既にもうそれは人の叫びではなく、獣そのものだった…。


…。


「何時も…いつもいつもいつも!!…なんで俺なんだ…なんで俺だけっ!?」

「お、落ち着いてください!!」


…叫びは…止まらない。

今までの不幸な記憶が…今、彼の脳裏を駆け巡っていた。


「今度は…今度こそは守るんだ!!…もう失わない…何一つ失いたくない!!…もう嫌なんだよ!…何かを失うのはもう沢山だアアアアアアッ!!」

「く…狂ってる…!?」


…その時である。

今まで高度を維持するだけで精一杯だった空戦フレームに異変が起きたのは…。


「…俺は無力じゃない…少なくとも今の俺はっ!!」

「…ん、これは…重力波…かな…?」


…ぐぐっ

僅かだが…機体が上昇を始めた。


「…力が…力がみなぎる!?…これは!?…だが、これなら!!」

「…相転移反応…これは…コクピットから!?」


…アキトが気付く事はなかったが…彼の顔にはナノマシンが凄まじい勢いで浮かび上がっていた。


…そして…彼が気づくはずも無かったが…、

彼の体は…その時、微小な相転移エンジンの集合体と化していたのだ…。


その時…アキトは叫んだ。


「…ナノメタルシステム…起動!」


…思わず口走った言葉…それは…本来アキト・ラズリという男が知る由も無い単語である。

だが…それは思わず彼の口から突いて出たのであった。


…それが何を意味するか…己自身でもわからないうちに…。


…。


…一方、ナデシコブリッジ。

黒焦げとなったジュンを回収(笑)した後、ナデシコはアキトを追うように上昇を続けていた。

なお、ジュンの再生率は現在30パーセント強であるらしい。(爆)


「…あーん、もう…アキトにはまだ追いつかないの?」


…だが、ユリカのそんな言葉に答える者は誰も居ない。

ジュンは再生中、アキトも不在、ルリは浚われゴートすら出撃中なのだ。


…なお、プロスペクターは現在今回の戦闘での被害額を見て卒倒していたりする。(笑)

ゴート、ハーリーの使った機体…資材の私的流用についても、頭の痛い問題であろう。


「でもねぇ…艦長。…彼の機体…もう崩壊寸前のはずよぉ?」

「ええっ…なんて事、アキトってばそんな状態でも私の為に戦ってくれるなんて…!」


「…艦長ってお気楽ですね。」

「メグちゃん…そういう事口に出して言わない方が良いわよー…。(汗)」


…どうやら、事ここに至っても、ナデシコのマイペースは崩れないようだ。

だが…とある人物の台詞が、この場に居る全員の意識を一手に引く事となる。


「艦長…相転移エンジン反応が現れました。」

「え…ジルちゃん、何処?」


「アキト機のコクピットルームからです。」

「「「…ええーーーっ!?」」」


ジルコニアの突然の爆弾発言。

…そして…ブリッジは途端に騒々しくなった…。


…。


なお、この時と同時刻に、

木星戦艦"皐月"から、一人の船魂が下界に向かってダイブを敢行していたりする。


…どうやら、本来沈む予定なんか無かったのに、

自爆装置のスイッチが入った為に急遽降りることにしたようだ。(笑)



なお、その容姿が黒コート、ニーソックスに無表情な"彼女"のそっくりさんであったのは、最早

『気が付けばお約束』…だったのかも知れない。



そして…船魂が飛び降りていった後AIが悲鳴らしきノイズを上げたと言うが、真相は闇の中。
『あ"あ"あ"…アアアアアアアアアァァァァァァアアアッ!!(絶叫)』

…ただ、その衝撃波のような爆音ノイズで、捕まっていたウリバタケが弾き飛ばされ、

艦から転げ落ちたのだけは厳然とした事実である。(ヲイ)


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああっ!?」


…そして…ウリバタケは星になった。(爆)

だが…幸い、死ぬ事も無くナデシコに収容された事も追記しておく。


…因みに…そんな凄惨な落下風景でも、誰一人動じる事無く仕事に励んでいたそうであるが、

…実はただ忘れられていただけと言う可能性も大であった。(笑)


…。


「俺って一体…。(泣)」
「泣かないで下さい…僕らは同志です…。(泣)」


そして…不幸な二人は手当てすらされずに医務室に放置される羽目になっていた。

…但し、片方は人の形をまだ取り戻して居なかったりするが…。(笑)


…。


アキトが壮絶な戦いを繰り広げようとしていたまさにその頃…、

…裏でもここまでの人間ドラマ…らしい物が進んでいたのである。


…尤も…蛇足であるのは間違いの無い所ではあったが。(爆)

続く


::::後書き::::

さて、世紀を超えて86話です。

…楽しんでいただけたでしょうか…?


しかし…また先行者出してしまった…。

反響があれば今後も出しますけどね。(ヲイ)


…さて、アキトの方もきな臭くなってきました。

次回をお楽しみに!(駄文ですけど)

では!

 

 

 

代理人の感想

ハーリー大出世。(笑)

ヒエラルキー最下層から一気に二階級特進です(爆)!

まぁ、ジュンが勝手に落っこちただけかもしれませんが(爆笑)

 

 

>黒コートにニーソックス

いやまぁ・・・確かに船魂って女の子の姿をしてますけどねぇ(笑)。

・・・・まぁ、いいか。アレだし。(爆)