『時の流れに』アフターストーリー外伝



テンカワアキト・ネバーランドを行く

第一話



木星と地球、この両者で行われた不毛な戦争は一人の英雄の活躍によって終結を迎えた。




……其の名は、テンカワ・アキト。またの名を『漆黒の戦神』…。



これは…彼が花嫁候補から逃げ回っていた時期

即ち『逃亡シリーズ』と世で言われる一連の事件の中でも

とある世界に暫く留まっていた時期を描いた物語である…。



…後に彼は言う。


「あの時の事は全て忘れたい」


…そこまで言うほどの事が果たして本当にあったのか?

今回はその経過を追う事で、彼に何があったかを皆さんに知って貰おうと思う…。





…ここはスペクトラルタワー…。

地上一万階にまで達すると言われる彼の世界でも屈指の人工建造物である。


…資源の無駄と言ってはいけない。


この巨大、かつ超高層のタワーの何処かに、『逃亡者』達の溜まり場が存在した。

…彼らの殆どはやむにやまれぬ理由(笑)により、元の世界から逃げ出してきた野郎どもだ。


『自由への脱出』


この名を知るものは…

ある者は頬を赤く染め、
ある者は嫌悪感を露にし、
ある者は突然殺気立ち、
ある者は突然
娘を押入れにしまい込む…。


…それぐらいデンジャラスな集団なのだ。


だが、真に恐ろしいのはそんな彼らを追う集団『同盟』である。

いや、むしろ『同盟軍』と、言ったほうが正しい。


各世界から集めた恐るべき軍事力と技術力。

世界すら買い占めると言われるほどの財力。

一声で国家の運命すら操る権力…。



更にそれを『嫉妬』『ヲトメ心』の名の元に、無慈悲・かつ容赦無しで使用する、

『自称・愛と純情に生きる集団』…なのである。


…そんな連中に終日追いかけられる彼らに同情するものも多い。

…無論、唾吐きかける者の一千万分の一ぐらいの数ではあるが。(爆)


…。


…では、始めよう。

『自由への脱出、第8支部』の物語を!!


…。


「…皆…生きてるか…?」

「うん…。」


…彼ら、自由への脱出第8支部の面々は…疲れていた。(爆)

何故なら足がつくことを恐れ、支部の場所を毎日のように変更していたからだ…。


だが、そんな涙ぐましい努力により、未だこの場所は『某同盟』には知られていない。


「…しかし…何時までこんな逃亡生活を続けないといけないんだ…?」


…我らが戦神、アキト君である。

なお、


『無論、君が観念するまでだよ♪』


とは、余りに可哀想なので言ってはいけない事であった。

『同情の余地なし』も当然ではあるが。


…。


「…所で…アキトさん。…もう水も食料も残り少ないんですけど。」

「そうだねシンジ君。…しかし、下手に塔の外に出るのは拙いだろうな…。」


「じゃあ…塔の中で…何か…」

「この辺で食べれそうなものはあらかた捕り尽くしたあとだが…。(汗)」


…かつん…


「「「「!!!!」」」」


ガタゴトガタタン!!


…。


「行ったか?」
「行きました…。」


ごそっ…


凄まじいスピードで周囲に溶け込む逃亡者の面々。

…環境適応とは恐ろしい…。


が、元の世界では殆ど敵無しの連中も多いはずなのに、なんでこう…

小動物っぽい行動

ばかり取りたがるのだろうか…理解に苦しむ。(爆)


「…今のは・・・?」

「モンスターだな…彼女たちじゃ無さそうだ…。」



…ふうと息をつく一同。(笑)

だが…其処にかかる一声があった!


「…異界の…魂…。」

「「「「誰だ!?」」」」


男の声なので妙に強気な一同。(笑)


「我が名はウェイブ…人間を極めし闘神なり…。」

「何!?」


なんだか知らないが、闘神と戦神が今、この塔で一堂に会することとなった!

ここに軍神でも加わればもっと面白いことになったかも知れない。(爆)


…だが、自体はかなり予想外の方向に向かう事となるのである。


「異界の魂…素晴らしい輝きだ…。」

「はあ…そりゃどうも…。」


「さあ、最後の輝きを放つのだ…!」



…。(沈黙)



「秘剣・飛竜翼斬。」
「絶技・精霊手。」



…ちゅどーーーん!!


吹っ飛ばされる闘神。(笑)

まあ、戦神魔王のコンビではさすがに分が悪かったのかも…。


…むくっ


き…効いてない!?

普通なら骨も残さないコンボだと言うのに…。(汗)


「ふふふ…こんな事で止められると思うな。」

「ほう、流石に人間を極めたと言うのは伊達ではないんだな…。」


と言う割りに、ウェイブさんの脳天からは血がぴゅ−ぴゅ−噴出してるし、

アレだけの攻撃でも倒れない相手に、アキトもかなり顔色が悪いが。(笑)


…なお、知らない人の為に補足しておくと…、


このウェイブと言う人…この塔でアカシックレコード(世界のあらゆる情報の入った物)を手にして強大な力を手に入れたのはいいけれど、自らの魔力の暴走で世界の自然の25%を破壊した挙句、心まで失ってしまっているらしい。

地上一万階に達したものの末路…。

一瞬、『高山病』という言葉が脳裏をよぎったが、多分それは関係ない。

…いや、絶対に。(爆)


だって、そんなオチ…嫌過ぎじゃないですか…。(ヲイ)


…。


「…ふふふ…闘神の真の力…見せてやろう!」

「何!?」


…すると、ウェイブは一振りの剣を取り出した。


「天魔剣・流星だ…。」


…天魔剣・流星…
それは、滅びた古代文明の作った最強の兵器である。
決して…ありがちな話だと言ってはいけない。
かつて…この世界の意思、『ヘルガイア』を封印したと言うこの剣…。
そう、神すら倒すことのできる剣を…彼は所有していたのだ…。



「行くぞ…。」


…流石のアキト達も、相手から伝わってくるある種の気迫に押され、満足に動くことも出来ない。

…向こうは…本気だ!!


「くっ…速水君!!」

「分かってます…非戦闘員2名を後ろに下がらせ」


「見よ…これが闘神の実力だ!!」


「ちっ…遅かったか!?」
「あ…剣を振り上げて…」


…。


ぼりぼり…ごっくん


…。


……。


…食った。っちまったよ…。(汗)


伝説の武器を!
神すら封印する剣を…!!

ぼりぼりと…煎餅の様に…。(滝汗)

音を立てて噛み砕いてるよ!?
…剣だよ…普通口に入れるもんじゃないよ?

























…冗談抜きでゲーム本編(スペクトラルタワ−2)でも食ってしまえるんだよね…。(汗)

「伝説の剣もウェイブの胃袋には敵わなかった!」

だったかな…。(汗)

























…まあ、とことんまで鍛え上げなきゃいけないんだけどね。

消化能力…つまり胃袋を。(ヲイ)


…。


まあ、…そんな事はともかく。


「「「「…。」」」」

「ふふふ…さあ…最後の輝きを…。」


…もはや固まるしかない面々(笑)

…ああ、彼らはこのまま同盟メンバーとは全く関わり無い所で命を落としてしまうのだろうか…?


…。(刹那)


どごっ…


その時…何故か突然ふっ飛ばされるウェイブ(闘神)。

光になって天空高くに飛ばされていく…。


…きらっ

あ、星になった。(汗)


そして…残されたそこには巨大なエヴァの腕…。

ああ、本当に母は偉大なのであった。(笑)


…タワーにしがみつき、内部に腕を突っ込むエヴァ初号機。

周囲住民は大魔王の化身だと信じて非常に怖がったらしい。


…が、そんな事は、アキト達には関係ない。(爆)


「…はあ、一時はどうなる事かと思ったぜ…。」


…今回新規参入の4人目のキャラが、初めて口を開いた。(爆)

が…残り3人は何故か一言も喋ろうとしない。


「あれ…アキト…さん…。」

…ずずず…あとずさるアキト。


「速水…どうかしたのか…。」

「藤田君…済まない…その件については拒否させてもらうよ…。(汗)」


…この辺になると、『彼』も段々と現状を認識し始めた。

足元にすがりつく緑色の髪とヘッドセットにはよーく覚えがあったのだ。


「碇ぃっ!?…あの、シンジ君…?」

「裏切ったんだ…父さんと同じで…。」


「へ?」

の気持ちを裏切ったんだ!…ごめん!!」


…だだだだだだだっ…


走り去る3人分の足音。(笑)


「あ…あ…あ…。(崩壊)」

「ヒロアキさーーん…寂しかったです−ーーっ!!」


ぎゅむー…


「あ、いや、マルチ…苦しいから離して…(滝汗)」

「駄目です…皆さん来てから放します。」


「みなさん?」

「はい、あかりさんや綾香さんレミィさんに…それからそれから」


「…。」

「ヒロアキさん?」


どさっ…


「…寝たふりはずるいですーッ!」


…ころっ


その時、彼の懐から一本のビンが転がり出た。

…マルチは結局それの正体が分からなかったが…ラベルにはこう書いてあったと言う。


『青酸カリ・お徳用300錠入り』


既に手段を選んでいないな…逃亡側も。(爆)


…。


…一方…追撃の魔の手を逃れたアキト達は、今後の逃亡計画を練っていた。

仲間の事はいいのか…君達は…?(汗)


「…正直…第8支部を失ったのは痛いな…。」

「いや、まだあの塔に支部があることは知られて無いんじゃないかな?」

「でも、留まって居る訳にも…。」


「あ…。」

「どうしたんですか速水さん?」


「ステータス画面見たら、藤田君…『失われている』みたいだ。(汗)」

「え?…死亡じゃなくて?」


「恐らく…何らかの争いに巻き込まれたんだろう…。」


…何の争いだ…と、突っ込むのは野暮と言うものである。

ましてやステータスが何でウィザードリィなのかも聞いてはいけない事なのである。


彼女たちも…『某同盟』毒されている以上、まともである可能性は低いのだから…。(ヲイ)


「…でも、これで決まったな。…速水君はこの藤田君の遺髪を例の場所に…。」


「はい。…じゃあ、今度はリルガミン迷宮地下5階でお会いしましょうか…。」

「じゃあ、僕は第8支部を建て直します。…アキトさんは!?」


「囮が居るだろう?」


「…何処に行く気ですか?」

「取りあえず、世界は変えずに30年ぐらい先の時代に行くつもりだ…。」


「死なないで下さいよ…。」


「捕まるのとどっちがましかなぁ…。(汗)」

「う…。」


…。


…そして…彼らは別れ、旅立っていった。

アキトが向かうのはこの世界の30年後…。


『GOC(ジェネレーシュン オブ カオス)』


そう呼ばれる時代で、アキトはどんな逃亡生活を続けることになるのか…。

それは未だ誰にも分からなかった…。


続くんです!


::::後書き::::

BA−2です。

…逃亡シリーズ最新作は連作ものです。

短期連載企画として立ち上げてみました。


スペクトラルシリーズをご存知の方なら更に笑えると思いますが、一応原作を知らない方でもわかるようにはして見ました。
…上手くいっているかは別問題として。(爆)


…なお、ギャグなので怒らないで下さい。

…何気なく別な作品も混じっていますが…まあ、そこもお気になされませぬ様…。


 

 

代理人の感想

・・・・・・・毎日支部の位置を変えてるって・・・・・・なんか微妙にたいむりぃ(謎爆)。

ネタがわからないので突っ込んだコメントは出来ませんが、

ウェイブくんの同類の登場を期待しましょう(爆)。

 

それにつけても暇のほしさよ。(訳:PSOやりたいぞコン畜生!)

 

>高山病

 

ああ、遂にBA-2さんも嫌の領域に足を踏み入れつつあるのかッ!?

 

>遺髪

用意がいいなオイ。(爆)