火星、ユートピアコロニー宇宙港。

 その到着ロビーに一人の女性がたたずんでいる。

 

「8年ぶりの火星か・・・

 アキト、あいかわらず元気なのかな?」

 

 彼女がそうつぶやきながら見る写真には、

 満面の笑みを浮かべた女の子と・・・

 少し迷惑そうな顔をした男の子が写っていた。

 

 

- G u a r d i a n -

第一話 『重力蛇の章 −前編−』

 

 

「プンプ〜ン!! なによ・・・

 なんだか知らないけど、ネルガル研究所から私に護衛をつけるなんて言っといて

 そんな人どころか誰もこないじゃない。」

 

「・・・おい、本当にターゲットに間違いないのか?」

「写真を見る限りでは間違いないのだが・・・

 天才となんとかは紙一重、とも言うからな・・・」

 

 お前、ほんとはいくつなんだ? と、思わず聞きたくなるような言葉遣いの女性と、

 その女性を見ながら、なにやら確認をしている男が二人。

 

「それより、アキトはどうしてるかな〜

 きっとすご〜くカッコよくなってるんだろうな〜(はあと)

 

「・・・あんなのが、連合宇宙軍提督の娘だと思うか?」

「・・・だんだん違うような気がしてきた。」

 

「8年ぶりに再会した私を見てきっとこう言うの

 『ユリカ・・・綺麗になったね。会いたかったよ・・・』って

 キャ〜〜!! もう、アキトったら〜(はあと)

 

「・・・・・・・・・・・・違うな。(汗)」

「・・・・・・・・・・・・その様だな。(汗)」

 

「・・・・・変わってないな、アイツは(汗)」

 

「へっ?!」

「なんだ!?」

 

 突然、自分たちの背後から聞こえた声に驚いて振り返った瞬間、

 男達の意識は深い闇に沈んでいった・・・

 

 

 

 

 

 

「クリムゾンのシークレット・サービスか。

 あいかわらず情報をつかむのが早いな・・・」

 

 屈強な男達を一撃で眠らせた人物がつぶやく。

 10代後半に、ようやく入りかけたくらいの青年だ。

 

「ハアー、それにしても・・・」

 

 青年が、女性の方を見ながらため息をつく。

 

「やれやれ、8年も経てば少しはましになってると思ったんだがな。」

 

 女性は妄想の世界に入り込んだらしく、

 顔を赤く染めながら、奇妙に体をくねらせている。

 

「やっぱりアキトは、わたしが大大だあ〜い好きなんだね!(はあと)

 

「あの〜? もしもし?」

 

「もう、ダメだったらアキト〜〜(はあと)

 

「ミスマル博士?」

 

「え!? まだ私たちには早いよ・・・

 でも、アキトが望むなら・・・わたし・・・(はあと)

 

「・・・・・・・・(汗)」

 

「アキト・・・・・(はあと)

 

「・・・・・ったく、しょうがないな、

 あっ!! テンカワ・アキト!!

 

「えっ!? どこ? どこに居るの?!」

 

 一瞬にして妄想の世界から帰ってくる女性。

 その女性に、あきれた顔をしながら話し掛ける青年。

 

「ミスマル・ユリカ博士ですね?

 お迎えにまいりました。」

 

「・・・・・・私、ずっと夢をみていた・・・・・・アキトは・・・どこ?」

 

どうやら、まだ完全には帰ってきていないようだ。

 

「・・・ま、まあともかく、

 18歳で博士号を獲得された、言語学の大天才をお迎えできて光栄です。

 火星へようこそ、ミスマル・ユリカ博士。」

 

「あ、あなたですかネルガル研究所の護衛人って

 はじめまして、わたしがミスマル・ユリカです・・・ブイッ!!

 

「・・・・・ブイ?・・・・・

 はぁ、とりあえずネルガル・ユートピアコロニー研究所までご案内します。

 どうぞ、こちらへ。」

 

「はあ〜い!」

 

 疲れた顔をして案内する青年と

 それとは対照的に、能天気に青年に付いて行くユリカ。

 それは8年前まで、ユートピアコロニーに日常的に存在した風景と

 非常に良く似ていた・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 ユリカ達が立ち去ってから数時間後・・・

 

「・・・ん!? いったい何が?・・・・・・

 オイッ!! 起きてくれ! いったい何がおこったんだ?!」

「・・・・・・ううぅぅぅぅん、?」

 

 ようやく目を覚ました二人、しかし何が起きたのかわからないようだ。

 それも無理ないだろう。二人は一瞬のうちに倒されたうえに、気がついてみれば何時の間にか宇宙港の駐車場にいたのだから・・・

 キョロキョロと周りを見渡す二人

 そのうち男達の片方が、街灯の根元に佇む人影を見つけた。

 

 「だ、誰だ!!」

 

「やれやれ、やっと起きたか。

 待ちくたびれちまったぜ。」

 

 そう言いながら近づいてくる人影

 近づくにつれその姿が徐々にはっきりしてくる

 そしてようやく顔が見分けられる程にその人影が近づいた瞬間

 

「お、おまえは!!」

「確か諜報部の・・・」

 

 驚きの声をあげる男達

 それとは対称的に平然とした態度で答える

 

「おや? 俺を知っていたか。

 しかし・・・なさけないな、お前ら

 せっかく”ナデシコ”の実力がみたかったのに・・・

 これじゃあ参考にもなりゃしない。」

 

「なんだと!!」

「き・・・・・きさま!!」

 

「まっいいだろう、お前らの役目は終わった。

 しかし!! クリムゾンの名を汚したお前らをこのまま帰すわけにはいかないな!!

 

 パチン

 ウオォォォォォオオオン

 

 男が指を鳴らすとその背後に小さな竜巻が発生する。

 

「ははははははは!!

 役立たずは死にな!!!」

 

 それが男達が聞いた、最後の言葉だった・・・

 竜巻が近づいてきたと感じた瞬間

 男達の意識は再び深い闇に沈んでいった。

 ただ前と違うのは・・・・・その闇が永遠に続く事だけだった。

 

 

 

 

「ミスマル・ユリカ・・・

 言語学の天才があんな子供だとは思いもしなかったな・・・

 まあいい、俺は言われた通りアイツを手に入れればいいだけだ。

 ・・・手段を選ばずにな。」

 

 そう呟き去っていく男。

 立ち去った後には、広大な血の海と・・・・・・・

 ・・・・・バラバラになった人の体が残されていた・・・・・

 

 

 

 

 

第一話 『重力蛇の章 −前編−』

−終−

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき 「困惑編」

 

ぬう、おかしい、こんな筈では無かったのに・・・・・

あ、どうもBearDogです。最後まで読んでくださってありがとうございます。

私は今、小説を書く難しさをつくづく実感しています。

当初の予定では前・後編で終わる予定だったのに、まず確実に前・中・後編になりそうです。

なにせ、ここまで章全体の約30%ぐらいですから・・・・・

 

さて、キャスティングの件ですが、

今現在までにちゃんと名前が出てるのはユリカだけです。

まあ、もう一名も出てるようなものですけど(笑)

最初ユリカは「染井芳乃」(自己中心的だし、なんとなく遺跡を壊しそうなので)にする筈だったんですけど辞めました。

もしアキトに頼まれれば、遺跡を素直に渡しそうな気がするものですから。(笑)

 

それでは『重力蛇の章 −中編−』でまたお会いできることを願って・・・・・

 

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

BearDogさんから投稿です!!

ユリカっすか?

・・・まあ、幼馴染、一応天才、確かに当てはまりますね。

じゃあ、芳乃は誰なんだろう?

それよりよもやはり朧だよな〜(ニヤニヤ)

さてさて、中編が楽しみです!!

 

それでは、BearDogさん投稿有難うございました!!

 

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