第二話 契約









俺が格納庫でユリカと話をしているとルリちゃんたちブリッジクルーが格納庫へやってきた。

そしてみんなの視線の先に顔を向けると先ほどの機体が格納庫に到着したところだった。

エステと並べるとよくわかるが2mほどエステより背が高いがかなり軽装に見える。

そんなことを考えているとアサルトピットのハッチが開き中から先ほどの青年が姿を現した。

黒いブーツに黒いジーンズ、上も黒いシャツの上にこれまた黒い革のジャケットを着ておりまさに全身黒尽くめだった。

そしてそれとは対照的な腰まで伸びた長い銀髪・・・・・。

しかし俺が1番目を引いたのは目を隠している漆黒のバイザーだった。


「あなたがその機体のパイロットですか、先ほどはありがとうございました

 よろしければ名前を教えてほしいんですけど」


青年の服装に皆一瞬引いていたようだが意を決したようにユリカが真っ先に口を開いた。


「鳳 レイだ、別に礼を言われたくてしたわけじゃない・・・・・・・それよりネルガルの代表者は居るか?」


青年―レイの言葉にプロスさんが前に出る。


「私ネルガル重工会計士プロスペクターと申します

 ミスターでもプロスでもお好きなように呼んでいただいて結構ですので」


プロスさんがいつもの笑顔で名刺を差し出す。


「どうやら私と話をなさりたいようですが・・・・・・

 誠意を見せるためにもそのサングラスははずしていただけないでしょうか?」


「わかった」


そう言ってレイがバイザーをはずした瞬間この場にいる全員の目が驚愕に見開かれた。

バイザーをつけていたため解からなかったがかなり整った顔立ちで綺麗という言葉がそのまま当てはまるほどだった。

だが俺たちが驚いた理由はそれだけではなかった・・・・・・

深紅の右目、俺にとって最強にして最悪の宿敵を思い出させる瞳の色。

そしてルリちゃんやラピスと同じ金色の左目。

ふとルリちゃんのほうを見ると流石の彼女も驚きを隠せないようだった。


「これでいいな・・・・・できれば場所を変えたい、それとあんた以外には誰もいないほうがいい」


レイがそう言った瞬間プロスさんの雰囲気が一瞬だけ鋭くなった。


「そうですか、では然るべき場所へと案内しましょう、ついて来て下さい」


プロスさんは一瞬だけ考える素振りを見せたがなんでもないように歩き出しレイもそれに続き歩き出そうとした。

しかし・・・・・・・。


「どわぁぁ、なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?」


俺は突然響いた声の方を見る、あらかた予想は付くが。

そこには案の定レイの機体を分解としていたのかスパナを持ったウリバタケさんたち整備員数人が尻餅をつき

その目の前に開かれたウインドウには『自爆シークエンス機動』の文字が表示されていた。


「なっ、自爆!?」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」×女性陣


俺が声を上げた瞬間にユリカを筆頭に周囲に居た女性人から悲鳴じみた声が響く。


「何をしている」


「い、いや・・・・・ちぃとばかし分解して中の構造を見ようと思ったら・・・・・・」


ウリバタケさんもかなり動揺したようで目が泳いでいる。

レイはそんなウリバタケさんをさして気にするでもなく悠長にため息をついている。

そんなことより自爆装置を止めろよ!!


「レディ、おふざけが過ぎるぞ・・・・・」


『失礼しました、しかし正当防衛です』


呆れたように再びため息をつくレイの前にウインドウが開く。


「この機体・・・・AIを搭載しているのか?」


ウリバタケさんが立ち上がり興味津々と言った顔でレイに尋ねる。


「忘れるところだったな・・・・レディ、挨拶」


『了解、私は当機【ヴァイパー】のサポートAI・・・R−DI型コードネームは【レディ】です

 以後よろしくお願いします』


ウインドウが消えると黒髪に黒いスーツ姿の女性が現れ深々とお辞儀をする。

ユリカたちもつられてお辞儀をしていたがウリバタケさんは感心したように女性の周りを回っている。


「ホログラムまでついてんのか、すげぇな〜」


ウリバタケさんは女性の姿を見ながら何やらぶつぶつと呟いている。


「話がそれたな・・・ミスタープロス、どこか落ち着いて話のできる場所は無いか?」


「おぉ、そうでしたな・・・・・ではこちらへどうぞ」


プロスさんに連れられレイが格納庫を出て行き俺たちはその後姿を見送っていた。







俺たちは格納庫からしばらく歩き応接室のようなところにいた。


「ではお話とやらをお聞かせ願いましょうか」


「単刀直入に言う、俺をこの船で雇ってほしい」


プロスペクターの眼光が一瞬鋭くなる。


「ほう、これは唐突ですな」


そう言いながらもプロスペクターはほとんど動じもせずに小型の機械を取り出した。

そんなものを持っていたようには見えなかったんだが。


「雇うのには何の問題はありませんよ、まずDNAを調べさせていただきましょうか、舌を出してください」


「無駄だ、データバンクに俺のデータは無い」


俺がプロスペクターに待ったをかけると今度は一瞬だけ眉が動く。


「ほう、妙ですな・・・今のご時世だと登録されて無い人間などいないのですが」


プロスペクターの眼光が先ほどよりもさらに鋭くなる。


「さっき言っただろう、ビジネスの話だと」


俺は上着の胸ポケットから1枚のディスクを取り出しプロスペクターに差し出す。


「これは?」


プロスペクターはディスクを手に取るとまじまじと眺めた後視線を俺に戻す。


「小型相転移炉の設計データと空間跳躍のデータだ・・・・

 空間跳躍と言ってもネルガルの求めているものとは違うがな」


俺の説明を聞きプロスペクターがかなり動揺した。


「これはこれは・・・・すばらしいものを持っているようですな」


プロスペクターは感心したような表情で俺とディスクを交互に見る。


「俺をこの船で雇うこと、そして俺の過去の経歴や機体を機密扱いにすること・・・・これが条件だ、安い買い物だろう?」


俺がそう言うと一瞬だけ考えるような素振りを見せ1枚の書類を取り出す。

本当に何処からそんなものを取り出すのやら。


「確かに安い買い物のようですな、ではこちらにサインを・・・・・」


渡された契約書に一通り目を通す。

ふと1番下の方にやたらと細々とした文字で何かが書かれている。


「恋愛は手を握るまで・・・・・・まるで幼稚園だな」


「気が付かれましたか、気づいた方にのみその部分を削除することができるようになってますが・・・・・」


プロスペクターは少し残念そうな顔をしながら俺を見ている。

確信犯にもほどがあるな・・・・・・。


「このままでいい、色恋には興味が無い」


俺がそう言うとプロスペクターは一瞬安堵したような顔になったがすぐさま営業スマイルに戻った。


「では役職は・・・・・・パイロットでよろしいですね」


「あぁ、それと渡したデータについての質問などは一切受け付けない

 調査や解析は自力で行えと上司に伝えておいてくれ」


「手厳しいですな」


俺の言葉にプロスペクターは苦笑を漏らす。


「おっと、忘れるところでしたな」


そう言ってプロスペクターは腕時計のようなものを取り出す。

もう何もいう気になれんな。


「・・・・・・これは?」


口に出すつもりは無かったが俺の声から呆れの色が聞いて取れただろう。


「コミュニケといって、映像付きの通信機だと思っていただければ」


俺はプロスペクターの説明を聞きながらそれを左手首につける。


「では契約成立ということで、それとネルガルの社員になったということで制服を着用してほしいのですが」


「制服か・・・・・黒なら文句は無い」


俺はそれだけ言うと部屋を後にした。







部屋を出て格納庫の方へ向かう途中一人の青年が立っていた、おそらく先ほどの機動兵器のパイロットだろう。


「プロスさんと何を話していたんだ?」


俺が青年の前を通り過ぎようとしたとき突然青年の方から話しかけてきた。


「機密だ」


「秘密じゃなくてか・・・・まぁ、お前がプロスさんと何を話そうが大して興味は無い・・・・・

 だが前にも言ったがナデシコのクルーに危害を加えるようなことがあれば・・・・・・・・・・・・」


青年はそこで言葉を区切るとまっすぐ俺の目を見る。


「全力でお前を排除する」


青年の目つきと言葉、そしてすさまじいほどの殺気に俺の背に冷や汗が流れる。

まったく、涼しい顔してあじなことをしてくれる。


「そんなつもりは無い・・・・・今のところは、な」


俺はそれだけ言うと再び歩き出す。

ふと聞き忘れていたことがあり立ち止まり青年の方へと振り返る。


「そういえば名前を聞いてなかったな」


「アキトだ、テンカワ アキト」


「アキトか・・・・俺の目的とお前の目的が一致することを願うよ・・・」


そう言って俺は格納庫へと向かった。

アキトの視線を背に感じながら。



























後書き

B「2話めっす(苦笑)」

R「どうかしたのか?」

B「ちょっち・・・・・」

R「どうせ誤字や脱字だろう」

B「ぐはぁっつ!?」

R「オーバーなやつだ・・・・・・それにしても話に無理があるんじゃないか?」

B「書いてて自分でもそう思ったんすけどねぇ〜

  プロスさんだったらビジネス的な話になれば相手がどんなことを考えてるかわかるんじゃないかと」

R「そんなもんか?」

B「そんなもんっす」

R「ところで俺の容姿にモデルなんかはいるのか?」

B「とりあえず北辰を美形にしてみようかな〜なんて企みがあって」

R「止めてくれ・・・・・・・」

B「まぁ、髪や服装は自分の好みっす」

R「まぁ、いまさらどうでもいいがな」

B「そうっすか、まぁ〜、今回はこんなもんっすね」

R「そうか、それでは次回まで」

B「さよ〜なら〜っす」

 

 

 

代理人の感想

んーと(苦笑)。

なんでこう、銀髪とか金の目とかロンゲに走るかな(爆)。

これでブサイクなら逆に感嘆したのげふんげふん。