機動戦艦ナデシコａｎｏｔｈｅｒ 楔 kusabi 〜 第４話
ガイが死んだ。
――いや、そうであろうという調査結果が出た。
ムネタケ副提督と、その部下達の脱走。
そして、格納庫に残された、大量の血。
遺体こそ発見できなかったが、血痕によるＤＮＡ照会の結果、それはヤマダ・ジロウ、つまりガイの血であることが確認されたのだ。
その血の量は、ガイが生きていないと思わせるのに十分なものだった。
遺体は、ムネタケ副提督らが、なんらかの理由で持ち去った。
そう報告書にはまとめられた。
“元”ガイとアキトの相部屋で、今はアキトとジュンがひざを並べ、ゲキガンガー３を見ていた。
なんの会話もなく、ただ、なんども繰り返される２７話――海燕ジョーの死を見つづけている。
そのうちに、ぼそりとジュンが口をひらいた。
「なあ、アキト。ヒーローとか、正義って、なんなんだろうな」
「……わかんねえ」
スクリーンでは、事切れるジョーを抱きかかえ、天空ケンが絶叫していた。
「ね、ね、リョーコちゃん。毎日、ジムに通ってるんだって？
さすがパイロット、体が資本なんだ」
軽薄な笑みを浮かべ、男がスバル・リョーコに近寄ってきた。
胸章で通信士であることがわかる。
足早に歩くリョーコの後ろを、まとわりつくように歩いていた。
「ああん？ だから何だってんだよ。オレがジムに行っちゃ、いけねぇってのか？」
露骨に顔をしかめながら、リョーコはその通信士を睨みつけた。
リョーコがサツキミドリ２号コロニーに来て以来、見境なしに言い寄ってくるのだ。
いいかげん、リョーコはキれかけていた。
「そんなことないさ。最近、俺も運動不足でね、リョーコちゃんと一緒に運動したいなと思ってたんだよ。
どうだい、今日あたり。時間を教えてくれれば、俺、都合つけてジムまで行くからさ」
肩にまわされる手を払いのけ、リョーコは立ち止まった。
「いいか、耳かっぽじって、よ〜く聞きやがれ！ オレたちはな、遊びで鍛えてるわけじゃねえんだ！
自分の命がかかってんだよ。ついでに言やあ、このコロニー全員の命もな。
テメエ、ヘラヘラとそのツラ出してみやがれ、殺すぞ！？
事故ってことにして、バーベルでその軽薄なツラ、ぶっ潰してやる！」
通信士は堪えた様子もなく、あいかわらずの笑みを浮かべている。
「怖いな、リョーコちゃんは。でも、俺もこのコロニーの一員だからね。ジムへの出入りは自由だろ？
偶然に出会っちゃうこともあると思うんだよね。そのたびに殴られちゃ、たまんないなぁ」
リョーコのこめかみに、びしびしと血管が浮き出た。
目付きが、かなりヤバイことになっている。
その顔で睨まれながら、通信士はそれでも笑っていた。
相当度胸が据わっているのか、相手が女と思って、なめているかのどちらかだ。
おそらく後者なのだろう。
それがさらにリョーコの怒りを掻き立てた。
通信士はとろけるような笑顔を浮かべ、とどめの一言を吐いた。
「怒った顔も、カワイイなぁ、リョーコちゃんって」
「ざけんじゃねえぞ！」そう怒声をあげ、通信士の胸倉を掴もうとしたとき、逆に通信士の方が、リョーコに抱きつくような格好でおおいかぶさってきた。
「っな！！ この野郎！」
バックステップして、通信士をぶん殴ろうとしたが、通信士の体は、そのまま丸太のように床に倒れてしまう。
「お、おい……」
どうした、と屈みこんだリョーコは、通信士の後ろに、別の人影があることに気づいた。
「げ。――ヒカル、テメエか！？」
「はーい、どもども」
ぴっと前屈みで敬礼しながら、アマノ・ヒカルは何を考えているのかわからない、独特の笑みを浮かべていた。
リョーコは、どうもこの娘が苦手だった。
何を考えているのか理解しづらく、ときどき、突拍子もない行動をとる。
いまもそうだ。
敬礼しながら背に隠した左手に、スタンガンが握られていたことを、リョーコは見逃さなかった。
「おめえ、こりゃ酷くねえか？」
「そう？ いやぁ、この手の男には口で言っても、わかんないっしょ。びしっと態度で示さないと。
アタシも、迷惑してたんだよねぇ」
だからといって、背後からスタンガンで気絶させたのでは、何の意味もあるまい。
リョーコはそう思ったが、いちいち言ったところで、この娘が相手では何とかに念仏だと、沈黙を守った。
リョーコとヒカルが出会ったのは、このサツキミドリに来てからである。
しかし、リョーコは、その名前だけは、ずっと昔から知っていた。
パイロット養成学校として、もっとも古い歴史を誇り、名門として知られるウラヤス養成学校。
そこを、９５年度最優秀の成績で卒業したのがヒカルである。
ヒカルは、もう一人、マキ・イズミという同期生とコンビを組み、数々の異名を轟かせていた。
曰く、戦場に舞い降りた漫才コンビ。
曰く、歌って踊れる非常識。
曰く、骨抜きダークサイドマスター。
どうしようもない噂ばかりだったが、コンビを組んでの模擬戦では無敗という、飛び抜けた成績である。
同様に無敗のまま、カワサキ・シティのパイロット養成学校を卒業したリョーコは、その名をライバルとして記憶していたのだった。
ヒカルとイズミは卒業後、ドロップアウト気味に姿を消してしまい、連合宇宙軍に籍を置いたリョーコとは顔をあわせる機会はなかった。
しかし、リョーコは、ある理由からネルガルのスカウトを受け、ナデシコに乗艦することを決める。
そのときに、サツキミドリで合流する予定の二人のパイロットの名を聞かされ驚愕したのだ。
アマノ・ヒカルとマキ・イズミ。
そして、サツキミドリで二人に出会い、さらに別の意味で驚愕してしまったリョーコは、二人を『苦手な生き物』というカテゴリーに分類することに決めたのであった――
その『苦手な生き物』の一人であるヒカルは、物怖じしない態度で、リョーコに近寄ってきた。
「ねえねえ、リョーコちゃん。アタシとシミュレータで模擬戦してみない？
ブランクが長いから、ちょっと心配なんだよねぇ」
リョーコの眼がスッとほそまった。
「ほう。オレと勝負しようってのか？
ウラヤスのダークサイドマスター様は、ずいぶんと自信があるみてえだな」
「やだぁ、リョーコちゃんったら、眼が怖いよぉ？
せっかくの美人さんが、台無し。笑って笑って。はい、スマ〜イル」
ころころと笑うヒカルを、さらに据わった眼で睨みつけ、リョーコは立ち上がった。
「いいぜ、やってやる。――いますぐでいいんだな」
うん、と笑顔でうなずくヒカルだったが、その眼の中に、笑みとは微妙に異なる光があることを、リョーコは見て取っていた。
その光は、リョーコにとっては身近なものであった。
強い相手と闘うことへの期待。
闘志。
そんな言葉で言い表されるものだったのだから。
ヒカルは、はじめから、リョーコと模擬戦をするために、ここに姿をあらわしたのだろう。
どうも、リョーコは、このヒカルという娘の本性を取り違えていたのかもしれなかった。
――オレの同類なのか？
リョーコは、背にぞくぞくとする感覚を覚えた。
気絶している通信士のことなど、二人とも完全に忘れ、ジムへと向かう。
エステバリスのシミュレータは、ジムの片隅に設置されていた。
二人は、シミュレータのアサルトピットに乗り込む。
慣れ親しんだシミュレータの内装は、エステバリスのアサルトピットと何の違いもなかった。
「フィールドの設定はおまえがやれ。せいぜい得意な戦場を選択するんだな」
ＩＦＳのリンクレベルを確認しながらリョーコは言った。
『いいよぉ。それじゃ、アステロイド帯の０Ｇ戦を設定っと。
０Ｇ戦フレームの練習にもちょうどいいよね』
エステバリスの０Ｇ戦フレームは、最新のフレームとして、つい最近、サツキミドリに搬入されたばかりだった。
シミュレータでも、二人がそれを操縦するのは初めてのことである。
つまり、ヒカルは、二人にとって平等な設定を選択したということだった。
「とことん、なめてくれるじゃねえか、えぇ？ 手加減してもらえると思うなよ」
『うふふぅ〜。その言葉、そのまま返しちゃおうかなぁ。
ブランクの長い相手に負けたら、リョーコちゃん、恥ずかしいよぉ』
「へっ、言ってろ！」
どうしても笑いを抑えられない。
楽しくてたまらないという顔をしている自分を意識しつつ、リョーコは宣言した。
「それじゃ、いくぜぇっ！」
『はいは〜い！』
リョーコの右手の甲で、ナノパターンが光り輝いた。
同時にシミュレータが起動。
スクリーンに灯が入り、あちこちに岩石が浮かぶ、宇宙空間が表示された。
ヒカル機の反応をレーダーで確認。
索敵範囲外らしく、反応がない。
リョーコは、機体のステータスを確認した。
武装は、０Ｇ戦フレームの標準装備である、ラピッドライフルのみ。
あとは、リョーコの得意とする、接近戦用のＩＢＳがあるだけだ。
しかし、その機動性は、空戦フレームを大きく凌駕していた。
スラスターの出力が尋常ではない。
「こりゃすげえや。使いこなすのに苦労すっかな――」
そのとき、いきなりレーダーに反応があらわれた。
極端に近い。
最低レンジですら、ほとんど接触しかけている。
距離にして、１キロもないのだ。
「なんだぁ！？」
驚愕するのと、回避行動をとるのが、ほとんど同時だった。
前方に浮遊している岩石の影から、ヒカル機がラピッドライフルを連射しながら飛び出す。
何発か喰らったが、回避に成功。
スラスターの加減がわからず、リョーコは、そのＧに悲鳴をあげる。
「はじめっから奇襲か、こらぁ！」
『油断してる方が悪いんだよぉ！ うりゃうりゃ！！』
追撃から逃げ回りながら、リョーコはブチ切れた
「っざけんな、ヒカルっ！！」
ディストーション・フィールドを展開しながら、真正面から突っ込む。
『ひょいっと♪』
その突進をあっさりと避けながら、ヒカルは、さらにラピッドライフルを連射。
リョーコ機のダメージが蓄積されていく。
リョーコが接近戦を得意とするように、ヒカルは中距離から近距離を得意とするのだろう。
距離のアドバンテージをヒカルに握られ、リョーコは攻め手を欠いた。
「ぬあぁぁっっっ〜！！ いい気になってんなよ、このやろう！！」
次のリョーコの行動は、ヒカルの予想を超えていた。
ＩＢＳで、近くの岩石を爆砕したのだ。
飛び散る石片が、ヒカル機に襲いかかった。
『こんなんじゃ、フィールドは突破できないも〜ん！』
「だがよお――」
次々と岩石を爆砕しながら、リョーコは言った。
「ラピッドライフルも威力半減だろ、ええっ？」
ライフルの弾丸は、無数の石片に遮られ、リョーコ機のディストーション・フィールドを突き破るだけの威力を維持できなくなっていた。
ヒカルも、攻撃がことごとくフィールドに弾かれていることに気づく。
「これで、いやでもオレの距離でやるしかねえな！ 来な、ヒカル！！」
『もう、しかたないなぁ』
ぶつくさ言いながらも、ヒカルはその挑戦に応じてみせた。
二機がお互いに触れるほどに接近する。
そのまま、しばらく対峙していた。
「へへ。オレは養成学校んときから、おまえと闘ってみたかったんだ。
噂は、いろいろ聞いてたぜぇ、ヒカル。イズミと組めば、無敵なんだってなぁ」
『そうでもないよ。でも、負けたことはなかったけどね』
さらりと言ってのけるヒカルに、リョーコは笑った。
「そうかい。なら、次はチーム戦でもやるか。
ナデシコにゃ、もう一人、ヤマダとかいうパイロットがいるらしいしな」
『ヤマダ・ジロウくんだね。あの人も、ヘンな噂いっぱいあったんだよぉ』
「お？ 知ってんのか」
『同期だもん。イズミより、ヘンな人だよ。でも、ホンキ出すと強いと思うな』
イズミよりヘン、という言葉に、リョーコはいやな顔をした。
「会いたくねえなぁ。ヒカルよりは弱いんだろ？」
『わざわざ、次の攻撃を大声で言うんだよね、あの人。
おっもしろいの！ 俺の名前は、ダイゴウジ・ガイだぁ、って』
「なんだそりゃ？ それじゃ勝てねえだろ」
『いやあ、それでも勝っちゃうんだから、不思議なのよねえ。
シミュミレータの戦績はアタシの次ぐらいだったんじゃないかな』
「そりゃすげえな」
『でしょ。ナデシコはいろいろとおもしろそうだよ。だからアタシ、契約したんだ。
次の同人誌のネタにもなりそうだしぃ。
リョーコちゃんは、どうしてナデシコに？』
リョーコは苦笑いした。
「まあ、ちっと、上官を病院送りにしちまってな。宇宙軍に居辛くなってたんだ。
渡りに船ってやつだよ」
『へー、やるぅ！ ――うん、おもしろい！！ アタシ、断然、楽しくなってきた』
ヒカルの声は、本当に楽しそうな、生気に満ちたものだった。
リョーコも、自分が似たような気分になっていることを自覚する。
「へへ、オレもだ。続き、いくか」
『やろう！』
二人の機体が、わずかに距離をひらき、おたがいにぶつかり合おうとしたときだった。
星々の映像が、スッと遠のいたと思うと、そこに赤い文字が点滅していた。
■■ ！！ 警告 ！！ ■■
■■ 第一級戦闘体制発令中 ■■
■■ シミュレータは凍結されました ■■
その赤い輝きは、不吉な予感を伴い、明滅を繰り返す。
「蜥蜴か！」
『あらら〜』
リョーコとヒカルは、お互いの声にわずかな緊張の色を聞き取っていた。
敵は、レーザー駆逐艦級のトンボが６、バッタ、ジョロといった小型無人兵器が無数。
しかも、それで全部ではなかった。
地球への落下軌道をとるチューリップが、サツキミドリと近接して交差しようとしている。
これらの敵兵器は、第一陣として、チューリップから出てきたに過ぎないのだ。
本隊が出てくるのは、チューリップがサツキミドリと最接近するそのときだろうと予測されていた。
サツキミドリ側の戦力は、リョーコたち三人のエステバリスと、常駐している連合宇宙軍のデルフィニウム隊。
戦艦クラスは、地球の防衛を最優先とするため、サツキミドリにはまったく配備されていない。
小型無人兵器はともかく、レーザー駆逐艦を相手にするには、あまりにも戦力がなさすぎる。
地球の連合軍参謀たちにとって、サツキミドリは、すでに過去に属する場所として扱われているのであった。
「だあぁぁーっ！！ 敵が多すぎんぞ！ デルフィニウム隊のヤツラは、なにやってる！」
０Ｇ戦フレームに換装したエステバリスで、リョーコは小型無人兵器を相手にしていた。
倒しても倒しても群がってくる。
バッタというよりは、イナゴの大群といった感じだった。
『これじゃあ、トンボに近づけないよぉ。まずい〜』
リョーコ、ヒカル、イズミの三人は、イズミを後衛にした逆三角のフォーメーションで、最大の脅威であるレーザー駆逐艦に向かっていた。
ザコはともかく、レーザー駆逐艦にはサツキミドリを落とすだけの火力がある。
あれをサツキミドリに近づけるわけにはいかなかった。
「おい、サツキミドリ！ チューリップと交差するまで、あとどれくらいだ！？」
リョーコの焦りをふくんだその問いに応えたのは、いつもの正通信士の軽薄な声ではなかった。
あの男は、まだ気絶したままなのだろうか。
代わりに聞こえてきたのは、副通信士の澄んだ声である。
紅い頭髪をボブカットにした、元気のいい少女の顔が思い出された。
『あと、８分です。それまでに、敵先発部隊を可能な限り減らしてください。
ナデシコは、あと一時間ほどで、通信可能な範囲に入ります。
それまで現在の戦線を維持すれば、サツキミドリは助かりますから』
必死に隠そうとしていたが、その声はかすかに震えていた。
正通信士の男であれば、とっくに職場放棄して逃げ出していただろう。
いや、もう逃げ出したからこそ、この少女が代わりを務めているのかもしれなかった。
リョーコは、少女を元気づけようと、無理に明るい声を出した。
「心配すんなって。たった、一時間ぐらい、オレたちがなんとかしてやるからさ。
通信士が泣いてちゃ、士気が落ちちまうぜ。
せっかくカワイイ声してんだから、もっと元気出せよ」
『――ぐしゅ……はい……ありがとうございます。リョーコさんも、きっと帰ってきてくださいね』
「当然。リョーコ様を信じろって！」
通信が切れるのを待っていたかのように、ヒカルが口をひらいた。
『リョーコちゃんって、そっち系の人なんだぁ』
リョーコの口元が、ヒクッとひきつった。
「そっち系ってな、どういう意味だ。ええ、ヒカルさんよ？」
『うんうん、ますます、おもしろいなあ。次のコスミケのネタは、これに決定！
――あ、でも、アタシとイズミは、その趣味ないから。ゴメンねぇ』
「どういう意味だって言ってんだろうが！ ここで、模擬戦の決着つけるか、テメエ！！」
『あ、ほらほら、新しい敵が来たよ。大変だぁ！』
「覚えてろ、ぜってぇ決着つけたる！！」
変な方向で怒りをたぎらせたリョーコは、それをバッタの群れにぶつけた。
「どりゃぁっ！！ ついてこい、ヒカル、イズミ！！」
『おー、勇ましい』
ディストーション・フィールドを全開にして、リョーコは敵陣を突っ切る。
リョーコを追うように、白い爆発光が次々に広がっていった。
リョーコが作った空間を、ヒカルとイズミが続く。
しかし、リョーコ機のディストーション・フィールドの出力は、あっという間に低くなっていった。
こんな無理な特攻が、そう長続きするはずもないのだ。
『こうた〜い』
リョーコ機のディストーション・フィールドが限界に達したそのとき、背後についていたヒカル機が、先頭に立った。
ヒカル機のディストーション・フィールドの陰に入ったリョーコは、フィールドを停止してチャージに努める。
ヒカルの次は、イズミが前衛に。そしてまたリョーコというローテーションで、三機のエステバリスは、その背後に一直線の閃光を残して敵陣を突破していった。
そしてついに、無人兵器の陰から、レーザー駆逐艦トンボが姿を見せたのだ。
「うっしゃ、見えた！ イズミ、援護しろ！ オレとヒカルで墜としてやる！！」
『――灰だらけのオリンピックマーク……白い円が五で、援護しろ……くくく』
怒鳴りつけたいところをぐっと我慢すると、リョーコはトンボに突っ込んでいった。
「りゃあぁっ！ ぶっつぶれろぉ！！」
ディストーション・パンチを繰り出したリョーコ機は、しかしその途中で、強力な反発力に押し返され、逆方向にはねかえされてしまった。
『あららぁ〜。敵さんもディストーション・フィールド持ってるんだぁ』
「だぁーっ！ 感心してんじゃねえ！ 同時に突っ込むぞ！ うらぁっ、ダブルアタックだっ！！」
『リョーコちゃん、ヤマダくんみた〜い』という、リョーコにとってはかなり不快な言葉を吐いて、ヒカルはリョーコにタイミングを合わせた。
初めてとは思えないタイミングで、一点加重攻撃が決まると、トンボのディストーション・フィールドは、内側に向けて大きく変形する。
「いまだ！ イズミ！！」
『今田さんちのポチは――』
「アホかあっっ――！！」
ちっと舌打ちすると、イズミは剥き出しになっていたトンボの赤い球体部――相転移エンジンのコアブロック――をラピッドライフルで狙撃する。
爆発は、内側から広がった。
ボコボコと痘痕（あばた）のように表面が膨れ上がり、最後には大きな火球と化して、宇宙を照らしだした。
「よし！！」
『たまやぁ〜』
『かぎやぁ』
リョーコは、それを無視。
骨抜きダークサイドマスターに、暗黒面に引きずり込まれてしまいそうだ。
「次いくぞ、次っ！！」
そう言ったリョーコだったが、悲鳴のような通信に動きを止めた。
『リョーコさん！！ チューリップが、チューリップが活動を――ああ、出てくる！！』
副通信士のその言葉は、リョーコに絶望感を与えた。
――間にあわねぇ……
サツキミドリを振り返り、リョーコは自分の無力さを呪った。
大きく口を開いたチューリップ。
その無限遠の深さをもつ穴から、三隻のトンボがズルリと吐き出されていく。
サツキミドリが落される――
「――くっそおぉぉーーーっ！！」
叫んでもどうにもならなかった。
しかし、その瞬間、戦場を蒼い輝きが疾り抜けた。
蒼い光をまといながら、サツキミドリに接舷するように姿をあらわしたのは、流線型の優雅なシルエットの巨大な戦艦。
『新手！？』
『なんだい、今の。いきなり出現したみたいに見えたけど』
さすがのイズミも、冗談は言えなかったらしい。
それほど衝撃的な光景だったのだ。
光とともに姿をあらわした戦艦は、その艦首をチューリップと、三隻のトンボに向けた。
長い船体にそって、黒い光が生み出される。
その光は、圧倒的な破壊力をもって、直線状の無人兵器を粉砕しながら放たれた。
そのまま三隻のトンボを巻き込み、チューリップの側面に直撃する。
「グラビティ・ブラスト！！」
『えぇっ〜！？ じゃあ、あれって、ナデシコなの？』
『私らが見せられた映像と、ずいぶん違うねえ』
その通りだった。
三人が知っているナデシコは、艦首にグラビティ・ブラスト用の二本のブレードが突き出ている。
しかし、この戦艦は、円錐形の艦首に、四本の長大なセンサーのようなものを展開していた。
まったくの別物なのだ。
その戦艦は、もう一度、グラビティ・ブラストを放った。
その黒い光は、チューリップを完全に包み込むと、恐怖すら感じる破壊力で、宇宙から完全に消し去ってしまった。
『――こちらは、ユーチャリス――』
映像とともに、通信がつながった。
顔に灰色のバイザーを着け、淡い瑠璃色の髪をツインテールにした少女がそこに映っている。
感情を感じさせない口調で、その少女は続けた。
『これより、ユーチャリスはサツキミドリの防衛にまわります。
リョーコさん、ヒカルさん、イズミさん、大丈夫ですか？』
衝撃にリョーコは呼吸をすることすら忘れた。
「なに！？ なんでオレたちの名前を知ってんだ！ どこの所属だ、おまえら！！」
少女の映像と入れ替わるように、こんどは黒いバイザーで顔を隠した黒髪の男が通信してきた。
『そんなことは、どうでもいいだろう、リョーコちゃん。俺が前衛で行く。援護頼んだ』
言葉の内容に思考が追いつかない。
前衛だの援護だのという単語が、むなしく頭の中を回っていた。
「なに言ってんだ！？ 援護だ？ ちょっと待て、おまえらいったい――！！」
戦艦――ユーチャリスから、一機の黒い機動兵器が発艦した。
膨大な噴射炎を撒き散らし、その機体は信じがたい機動性で、まわりの無人兵器を無造作に殲滅すると、そのままこちらに向けて突っ込んでくる。
リョーコたちが三人がかりで突破した無人兵器の大群を一騎で軽々と突破し、機首をひるがえして一隻のトンボに突進した。
『巡洋艦クラスは、こうやって墜とせばいい』
静かな声で言いながら、その機体は凄まじい加速力で、艦首方向から斜めにトンボのディストーション・フィールドに突入する。
じりじりとディストーション・フィールドを押し込み、ついには、その相転移エンジンのコアまで到達した。
ハンドカノンが火を噴いた。
それはコアを完全に撃ち抜き、反対側のディストーション・フィールドの内側に跳ね返される。
爆発するトンボから離脱しながら、男はなんでもないというように言い足した。
『入射角に注意すれば、エステバリスでも有効な戦法だ。――残りの敵を殲滅する。行くぞ』
黒い機体の鬼神のような戦いぶりを目にし、リョーコは恐怖心を覚えていた。
「なんなんだ、おまえら。――なんなんだよ！！」
破壊を撒き散らしながら、黒い機体は、水に還った魚のような躍動で宇宙を疾りつづけていた。
ナデシコは、サツキミドリ２号コロニーへの停泊軌道を取り、接近していた。
スクリーンでは、隕石コロニー、サツキミドリの外観が、わずかに視認できる距離にまで近づいている。
「ディストーション・フィールド解除。停泊準備」
ユリカのその命令を受け、メグミはサツキミドリとの交信を開始した。
「こちら、ナデシコ。サツキミドリ、応答願います」
メグミの声は、よく訓練された、聞くものに安心感を与える声だった。
それは、彼女が元声優だからというだけではなく、人と会話をすることを楽しむ温かさが含まれているからだろう。
『こちらサツキミドリ。了解。――いやあ、それにしてもカワイイ声だねえ』
サツキミドリから返ってきたのは、やけに軽薄な男の声だった。
メグミは、わずかに微笑む。
「これよりナデシコは、サツキミドリに停泊します。準備の方、よろしくお願いしますね」
『了解、了解。任せてよ。
――それよりどうだい、カワイイ声のお嬢さん。停泊したら、今夜あたり、一緒に食事でも……
え！？ なんだ――ぐあぁっっ！！』
それは、断末魔の悲鳴だった。
ナデシコのブリッジに、一瞬にして緊張が走る。
「え！？ どうしたの、サツキミドリ！ 応答してください、サツキミドリ！！」
メグミは叫んでいた。
それに答える声は返らない。
静寂が満ちるブリッジに、メグミの声だけが響いていた。
「サツキミドリ、どうしたの！ お願い、答えて！ サツキミドリ！！」
『――いやあ、失敬失敬』
いきなり、軽いノリの少女の声が返ってきた。
『驚いたかなぁ。ごめんねぇ』
状況が把握できず、メグミは何も答えることができなかった。
『ヒカル！ てめえ、なにやってやがる！！』という、別の少女の声。
『えぇ〜？ 態度で示しただけだよぉ。ビリビリ〜って』
『バカか、おめえは！ ちょっと、こっち来い――！』
どたばたという音がしばらく続いた後、さらに別の少女の声が聞こえてきた。
それは、メグミと同じ、よく訓練された、澄んだ声であった。
『こほん。
――申し訳ありませんでした。これより誘導を開始します。
サツキミドリにようこそ、ナデシコの皆さん』
「「今の……なに？」」
メグミとユリカの声がハモる。
『ごめんなさい、私の口からは、とても……』
それは、辛そうな声であった。
「それでは、確かに」
書類に判子をポンっと音高く押すと、プロスペクターは続けた。
「いや、しかし驚きましたなあ。
補充パイロットの三人と、０Ｇ戦フレームはともかく、
三人のマシンチャイルドまで追加だなんてねえ。
ネルガルの本社は、なにを考えおいでで？」
目の前には、灰色のバイザーを着け、全身を白づくめの服で覆った女性が、車椅子に座りこちらを見ている。
その横には、彼女を守るようにして、同じように黒づくめの格好をした男が立っていた。
絵になる光景ではあったが、ネルガルの関係者だという言葉は、とてもではないが信じられない。
この場に、ネルガルの会長、アカツキ・ナガレと、その秘書であるエリナ・キンジョウ・ウォンの通信がつながっていなければ、真っ先にその身元確認から始めていただろう。
『キミが、いちいち口を出すようなことでは――』
「――気になさらないでください。三人のマシンチャイルドは、私の独断でナデシコに乗せるのです」
アカツキの居丈高な言葉を遮り、白い女性が、落ち着いた声で言った。
「あの子たちに、経験をつませるためです。
これは、ネルガル本社の意思とは、あまり関係はありませんわ。
ナデシコに乗艦させる許可を得るために、ネルガルを利用した、そう思ってください」
会長の言葉を途中で遮った事実は、彼女が会長と同格か、それより高い地位にいることを感じさせた。
しかも「利用した」とまで言い切っている。
かなりの驚きを、プロスペクターは笑顔の下に隠していた。
「いくつか、質問よろしいですかな。
いや、契約は承知しましたが、それにしても、あまりに異例な事態なもので……」
一つの戦艦に五人のマシンチャイルドが集まるのだ。
至宝ともいえるマシンチャイルドを、いくら最新鋭艦といえど、ナデシコ一艦に集中させる理由などあるはずがないのだった。
白い女性は、小首をかしげて、優雅に微笑んだ。
「どうぞ。できるだけ、お答えするように努力しますから」
会長よりも、むしろ重要なのはこの女性だ。
プロスペクターは、そう決断し、注意のすべてを彼女に向けた。
「そうですか。これはご親切に。――いきなりで申し訳ないですが、そのバイザーですな」
プロスペクターは笑顔のまま、静かに言った。
「私、職業柄、相手の眼を見ながらでないと、落ち着いて会話ができない性質でしてねえ。
とくに自分の視線を隠そうとする人は、信用できないと考えているわけでして。
どうでしょうかねぇ、この場だけでも、なんとか、それを外していただくわけにはいきませんでしょうか」
本心であった。
名前さえ知らされなかった相手の、せめてその素顔だけでも見ておきたいという思惑も含まれている。
これを相手が拒否すれば、この先の交渉は硬質なものになるだろう。
信用できない相手には、それ相応の態度で返すのが、プロスペクターの流儀だった。
「ごめんなさい――」
そう言いながら、白い女性はバイザーをわずかに下にずらした。
その眼を直接見たプロスペクターは、思わず息を飲んでしまう。
スクリーンの向こうで、同様にアカツキとエリナも驚愕していた。
蒼銀の、ぬけるように透き通った瞳。
一片のくもりもない、ガラスのような眼であった。
白い女性は、バイザーを元に戻した。
「色素欠乏症なんです。強い光を直接浴びつづけると、ちょっと辛くて。
こっちの彼は、私とお揃いにしてくれているだけ。なかなか様になっていますよね？」
静かに笑いながら言うその女性に、プロスペクターはすっかり飲まれてしまっていた。
交渉の達人のはずの自分が、顔を赤らめて、一体何をしているのか。
プロスペクターという名前への自覚だけが、辛うじて彼に言葉を続けさせた。
「そうでしたか。大変に失礼なことをお願いしてしまったようで。
それでは別の質問を。
そちらのあなた――そうあなたです。
テンカワ・アキト、という少年の名に、聞き覚えは？」
黒いバイザーの男は、とくに隠そうという雰囲気は見せず、簡明に答えた。
「一年間、戦闘の技術を叩き込んでやった。
偶然出会ったときには、負け犬のようなツラをしてやがったんでな。
あの手の顔を見ると、踏み潰してやりたくなる性質なのさ、俺は」
「なるほどなるほど。
いえねぇ、彼から聞いていた『謎の教師』の特徴に、あなたがソックリだったもので。
いやあ、偶然とはすごいものですな。
まさか、こんなところで、その謎の人物とお会いできるとは」
もちろん、本気でこんなことを言っているわけではない。
こんな偶然など、起きるはずがないのだ。
しかし、これ以上の詮索は難しいと判断したプロスペクターは、よけいなことで時間を取られることを恐れた。
本当に訊ねたいことは、このあとに控えているのだから。
「では、最後の質問をさせていただきましょう。
――件の三人のマシンチャイルドなんですがね、こちらでＤＮＡ照会をしたところ、
どうにも不可解な結果になってしまいまして……」
「ＤＮＡ情報が、重複しているのですね？」
プロスペクターは、白い女性の言葉にうなずいた。
「ラピス・ラズリとコラピス、私どものマキビ・ハリとそちらのコハーリー。
それぞれのＤＮＡがまったく同一のものなんですなあ。これはいったい、どういうことでしょうか」
『待ちたまえ！ なんだ、それは！ ボクは報告を受けていないぞ！？』
アカツキの声であったが、その声も、白い女性はあっさりと無視して答えた。
「クローンです」
うすうすプロスペクターもそうではないかと睨んでいたのだが、こうもあっさり認められてしまうと、驚くしかない。
「なんと。実際にそんなことが行われているはずが……」
「ネルガルは、秘密裏にそれを行っていたのです。
そもそもマシンチャイルドも法で禁じられた技術。
大量生産を目論み、クローン化の実験が行われたとしても、
なんの不思議もないのではありませんか？
プロスペクターさん、あなただって、そう疑っていたはずです」
あまりにも筋が通っている。
真実は、プロスペクターの想像のはるかに及ばない場所にあったのだが、真っ赤な嘘のほうが現実味があるのだから、プロスペクターが騙されてしまっても、誰も責めることなどできないだろう。
現実は小説よりも奇なりであった。
『冗談はやめて！ ネルガルは、そんな実験はしていない！ 私、そんな話は知らないわよ！？』
エリナが叫ぶように口をひらいた。
驚愕に染まったその顔は、本当に何も知らないのだと、はっきりと主張している。
黒いバイザーの男が、そのエリナを制した。
「エリナ。君は黙っていたほうがいい。君が知らないことなど、いくらでもあるんだよ。
ネルガルのトップの座に、エリナは、まだまだ遠いということだ」
黒いバイザーの男の視線を浴び、エリナは悔しそうに口をつぐんだ。
プロスペクターの知るエリナであれば、ここでさらに食い下がっていたはずだ。
こうも簡単に引き下がるのは、黒いバイザーの男が相手だからなのではないか、プロスペクターはそう推測していた。
『エリナ君はともかく、ボクは会長だよ。ボクが知らないことなど、あるはずがないだろう。
いいがかりはやめてくれたまえ！』
そう言うアカツキを、白い女性はバイザーを下ろしながら見つめた。
その視線に気圧されたかのか、アカツキは身をのけぞらせる。
「本当にそうかしら、アカツキさん。
あなたのお兄様、そして前会長である、あなたのお父様。二人のすべてをあなたは把握しているの？
あなたには、二人を超える器があると私は信じています。でも、いまのあなたは、まだまだね。
――努力なさい。そうすれば、あなたは必ず二人を超えられる」
兄の名を持ち出され、アカツキは激昂した。アカツキにとって、その名は最大の禁句であったのだから。
『ふざけないでくれ。ボクは、ボクさ。もう兄さんの背を追いかけていた頃のボクじゃない。
ボクはネルガル重工会長、アカツキ・ナガレだ！』
「そう、あなたは、アカツキ・ナガレ。そうあろうと努力をしている人。
でも、あなたが知らないことは、まだたくさんあるのよ。これもその一つ。それは認めないと」
二人の視線は、長い間からみあっていた。
そして、先に視線をそらせたのは、アカツキであった。
『そうさ……ボクの知らないこともまだあるかもしれない。特に、あの狸親父に関してはね。
しかし、なんで、キミがそれを知っているんだ。親父たちと、どんな関係だったのさ！？』
白と黒の二人は、お互いに顔を見合わせた。
しばらくして、白い女性が、ふりかえる。
「――それは、秘密にしておきます。謎が多い方が、カッコいいですもんね」
微妙に脱力しながら、プロスペクターは「はて、この脱力感、よく知っているような」などと考えていた。
「では、よろしいでしょうか。プロスペクターさん、三人のこと、よろしくお願いします」
車椅子の背を黒いバイザーの男に押され、彼女は、会議室から出て行った。
あとに残された三人は、それぞれに物思いに耽っている。
そのまま、長い時間が経過した。
そのうちに、エリナが静かに口をひらいた。
『会長、すこしよろしいかしら』
『なんだい、エリナ君』
『――顔、ずいぶんと赤くなってますわよ』
してやったりという声であった。
あとがき
逆行組が、本格的に活動を始めました。
すこしは遠慮しろよ、黒アキト……って感じもしますが（笑
前回でギャグが苦手ということが発覚してしまったため、今回はかな〜り、シリアス一辺倒です。
でも、リョーコとヒカルの会話だけは、どうしても井戸端会議風になってしまうんですよね。
なんででしょう。不思議です。もっと、熱血させるはずだったのに。
以下は、勝手に作った設定の補足とか、いろいろです。
◆ヒカルについて
いじりました。
リョーコと同格になって欲しかったからです。
劇場版でも、反射神経と戦闘の組み立てはリョーコ以上という描写もあったし、まあいいかな、と。
スタンガンは、今後も常備させとこう（笑
イズミは……触れたくないです（おい
◆５人のマシンチャイルドについて
かなりの大人数になってしまったので、ここで年齢なんかをまとめておきます。
名称は、作中準拠で。
・ルリ （１１）− 正史
・ラピス （１４）− 逆行
・コラピス （ ７）− 正史
・ハーリー （１２）− 逆行
・コハーリー（ ５）− 正史
というわけで、ラピスが最年長です。劇場版では１３歳だったということにしてあります。まあ、年齢と
外見が、全然噛み合っていないので、あまり最年長という感じはしませんが。
これに黒アキトのもとに残った逆行ルリ（１７）が加わると、６人のマシンチャイルドが存在する
ことになります。
どうすんだろう、こんなにいて（＾＾；
当面のキャラも出揃ったので、次回は、ほのぼの風味で御贈りする予定です。
よろしければ、お付き合いください。
ではでは……。
代理人の感想
怪しいぞ逆行者どもっ！（爆）
せめて名前とかなんとか、多少は怪しまれないような工夫はしないもんでしょうかフツー（笑）。
リョーコ達もどう反応していいかわからないみたいだし、ヒカルは随分と過激な性格になってるし・・・
イズミだきゃあ相変わらずですが（笑）。
しかし気になるのはガイ。
やはりキャプテン・ガヴァメントと名を変えて復活か！？（爆）