「ここに今日から通うのか・・・・・父さん、母さん、オレがんばるよ。」

 

 

そう言って胸の首飾りを握り締める。

 

 

 

 

 

今、1人の少年が新たなる人生の1歩を踏み出そうとしていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナデ()』

嗚呼、文化系!!

 

【class1−A】薔薇色?すくーるらいふ(前編)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはネルガル学園。

中等部から高等部までの一貫教育によるより良い人材育成を目的として創られた学校である。

 

生徒は中学・高校と併せて6年間をここで過ごす事になるのだが、ごく少数、難関をくぐり抜けて編入して来る者もいる。

当然、6年間同じ学校に同じ面々というマンネリな環境そういう者はすぐさま注目の的となってしまう。

加えてこの学校は”キレ者ぞろい”として付近の住民の間では評判の学校である。

この学校で注目を受ける事がどんな結果を招くか・・・・・それは語るまでもない。

 

 

”彼”もまた、そんな不幸な人間の1人であった。

 

 

 

 

「・・・データを。」

 

 

物陰から少年を見つめる怪しい集団。

その中のリーダー格らしき人物が尋ねる。

 

 

「テンカワ・アキト、15才。

両親共にネルガル重工の研究者であるが、急遽、火星への転勤が決定。

息子である彼は地球に残ることを希望したため、ここ、ネルガル学園高等部へ編入となる。」

 

 

1番幼い少女がデータを読み上げる。

 

 

「さて、あなた達の意見を聞かせてもらえるかしら?」

 

 

「お爺様に紹介しなくちゃ・・・」

 

「やっぱり・・・私と姉さんは趣味が一緒なのですね。」

 

「アー君かぁ〜・・・」

 

「私はアキトの目、アキトの耳、アキトの手、アキトの・・・」

 

 

怪しい集団は全部で5人。

 

ここで名前だけ紹介しておくと、若い順にラピス、枝織、アリサ、サラ、エリナである。

 

 

「・・・・・はぁ・・・役に立たないわね。」

 

「そういう会長はどうなんですか?」

 

「ふふん、愚問ね。

初めに目をつけたのは誰だと思ってるの?

それより・・・いまでも例の件に反対の人はいるかしら?」

 

 

皆が沈黙で賛成の意思を表す。

 

 

「そう・・・じゃあ今日のホームルーム終了と同時に作戦を開始するわ。」

 

「「らじゃっ!!」」

 

「いいわね!今年こそステキな男子部員を手に入れるのよ!!」

 

「「お―――!!」」

 

 

 

少年の長い学園生活が始まろうとしていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

き〜ん こ〜ん か〜ん こ〜ん

 

ホームルーム終了。

今日は始業式なので午前中のこのホームルームで終わりである。

 

 

「アキトさんの前の学校ってどんな所だったんですか?」

 

「ああ、え〜と・・・レイナードさんだったかな?」

 

「メグミって呼んで下さい。(はあと)」

 

「は、はは・・・メ、メグミちゃんでいいかな?」

 

「はいっ!(ちっ、ちゃんづけかよ!!)」

 

 

 

 

 

教室の外、ドアの陰に怪しい集団再登場。

 

 

「あのガキが邪魔ね・・・」

 

「うぅ〜、あんなにアキトさんと親しそうに・・・」

 

 

アリサはハンカチを口にくわえて悔しがっている。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

無言&危ない眼つきで近くに設置された消火器を見つめるサラ。

 

 

「枝織もアー君と遊んでこーよぉっと!!」

 

「抜け駆けはダメ!!」

 

「はーなーしーて―――!!

ラピちゃん!枝織はアー君と遊ぶんだから〜〜〜!!」

 

「絶対ダメ!!」

 

 

よくわからない集団である。

 

 

 

ひそひそ

 

他の生徒達は目を合わせないようにしてひそひそ話をしている。

 

 

『また”総研”だぜ・・・あいつ等にはかかわらない方がいい。』

 

『きっとあの新入りが狙われてんだ・・・くわばらくわばら・・・」

 

 

彼女達の評価はかなりよろしくないようだ。

 

 

「・・・データを。」

 

「メグミ・レイナード、15才。

ターゲット”TA”と同じクラス。」

 

「今後彼女を貧乳と仮称!

まずは貧乳を排除するわ!!」

 

「「らじゃッ!!」」

 

 

 

 

 

「ラピス!」

 

「OK!」

 

 

持っていたノートパソコンをカチカチと打ち、最後にEnterキーを押す。

 

 

「下僕2号にメール出しといたよ。」

 

「あのアリサがゲイバーに入って行くところを隠し撮りした奴ね。」

 

「ホント、あいつってば如何にもって感じの顔よねぇ。」

 

「姉さん、そんな本当の事を言ったら可哀想ですよ。」

 

「えーちゃん、ゲイバーって何?」

 

「えーちゃんは止めてって言ったでしょ!

枝織ちゃんはまだ知らなくてもいいのよ。」

 

「ぶぅ!」

 

 

 

ぴんぽんぱんぽん

 

『1年〇組、メグミ・レイナードさん、至急職員室まで来て下さい。

繰り返します、1年〇組・・・・・』

 

「上手くやったみたいですね。

この後はどうするんですか会長?」

 

「これを使うわ・・・」

 

 

エリナはポケットから小さなスプレー缶を1本取り出す。

 

で〜れってれ〜〜〜

 

「アイちゃん印の眠り薬〜〜〜!!」(注:だみ声で)

 

「「おぉ!?」」

 

「これはシュッと噴きかけるだけでゾウさんもぐっすりっていう優れものよ。」

 

「便利ね・・・私も1つ欲しいわ。」

 

「会長だけずるいです!私だって欲しいです!!」

 

「それもらって何に使うの?」

 

「ふっ、それは”乙女の秘密”って奴。」

 

「ふんだ、そんな事言ってラピちゃんもわからないんだ〜!!」

 

「枝織みたいなお子ちゃまと一緒にしないで・・・

それは恋する乙女の欲望を叶えてくれる魔法のアイテムなの。」

 

「枝織お子ちゃまじゃないもん!!」

 

「・・・・・お子ちゃま・・・」

 

「・・・うぐぅ。」

 

「泣く?泣くの?」

 

「ほらほら、そのぐらいにしておきなさい。

私たちの目的を忘れたの?」

 

「・・・わかった。」

 

「べ〜だ!北ちゃんに言いつけてやるんだから!!」

 

「枝織ちゃん!」

 

「う〜〜〜、枝織は悪くないもん!」

 

「会長、そのへんにしておかないと貧乳が帰って来てしまいますよ。」

 

「そうそう、早くアキトを手に入れなくっちゃ!」

 

「そうね・・・行くわよ!」

 

「「らじゃっ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあアキト、部活はもう決めてるのか?」

 

「ガイか・・・これから見て回ろうと思ってたんだ。」

 

「違うよアキト君、こいつはヤマダ・ジロウっていうの!」

 

「レイナ、余計な事は言うな!!

オレ様の魂の名はダイゴウジ・ガイなんだ!!」

 

「はは、レイナちゃんとガイは何をやってるの?」

 

「私?私は自動車部だよ。

アキト君も一緒にやろうよ!!

機械はいいよ〜機械は、うふふふふ・・・・・」

 

「そ、そう・・・・・え〜と、ガイは何かやってるのか?」

 

「オレか?オレ様は当然ゲキガ・・・・・」

 

プシュ―――

 

突然教室が煙に包まれる。

 

 

「な、なんだ!?」

 

「ちょっ、急に眠くな・・て・・・・き・・・・・・」

 

 

そして突入してくるガスマスク5人組。

 

 

シュコー

「アー君は枝織が運ぶね!!」

 

シュコー

「その役目だけは譲れません!!」

 

シュコー

「アリサッ!姉を差し置いて抜け駆けするつもり!!」

 

シュコー

「私はアキトの目、アキトの耳、アキトの手、アキトの・・・・・」

 

 

4人を尻目にアキトを抱えて1人教室を脱出するエリナ。

 

 

シュコー

「あれ、アー君は?」

 

シュコー

「エリナもいないわよ!」

 

シュコー

「やってくれましたね・・・会長。」

 

シュコー

「エリナ・・・許さない・・・・・」

 

ダダダダダッ

 

光の速さでエリナの後を追う4人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はたして2人の行方は!愛の逃避行の結末やいかに!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【あとがき】

どもです。

さぁ、始まりました『ナデ学(真)』。

こちらは連載ですので、前回のは短編読み切りってところでしょうか?

 

前回の非人道的なストーリーのおかげで管理人様に「喧嘩を売ってる」と言われてしまった私ですが・・・

今回も売ってしまったようです!

よりによってメ〇ミ様に”貧乳”だなんて()・・・

恐ろしや あぁ恐ろしや 恐ろしや  Chobi作

・・・なんてくだらない俳句歌ってる場合じゃない!

 

ところで・・・下僕2号ってもしかして・・・・・北方(核爆)?

ま、まさか!?奴は既に死んだ筈!!

それとも読者の声により復活とか()!?

・・・・・・見なかった事にしておきましょう・・・

 

というわけで今日はこのへんで・・・

ではでは。

by. Chobi

 

 

 

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