>OOSAKI

「おっ。いよいよ、あのお嬢ちゃんの初陣か」

画面に映る弐号機の姿を眺めながら、慎重に出陣のタイミングを計る。
何となく、某お凸な正義の少年になった様な気がしてくる辺り、もう俺は手遅れなのかも知れない。

『リアクターとの直結完了! 予備電源、準備OK!』

護衛艦を次々と踏み台にして向ってくる弐号機を前に、オーバー・ザ・レインボーは、てんやわんやの大騒ぎに。
だが、着実にその準備は進んで行く。
その動きはキビキビとしており、彼等の錬度の高さが伺える。
流石、常に実戦に身を置いているだけの事はある様だ。

『総員、耐ショック姿勢!』

『EVA弐号機、着艦しまーす!』

そして、場違いなほど嬉しそうアスカちゃんの声と共に弐号機が着艦。
と同時に、用意されていた外部電源を素早く接続し、コンテナからソニックグレイブとハンドガンを取り出した。
此方もまた、修練の跡を伺わせる洗練された動きである。

かくて、TV版のそれよりも良い環境が。
ぶっちゃけて言えば漫画版の設定での戦闘態勢が整った訳なのだが、生憎と秒殺はまず無理だろう。
何故かと言えば、事前に先行偵察させた新生特殊車両小隊からの報告によれば、

   ザパ〜ン!

『『な…なんてインチキ』』

そう。漫画版ではエヴァとほぼ同じ。TV版でさえ、数倍程度だったガキエルの体長が、なんと500m以上もあったりするからなのだ。(苦笑)
これでは、たとえ全く動かなかったとしても一刀両断するなんて夢のまた夢。
まして、相手はその巨体で俊敏に動くもんだから、それだけで大津波となり、

   ザパ〜ン!

『『うぎゃあ〜っ!』』

とまあ、この様に、それだけで強力な武器と化すのである。
さて。大佐は反対、艦長は条件付で賛成だったが、コレで決まりだな。
『状況を見てから』と昨日の会議で玉虫色な態度をとってしまった俺も賛成に一票。
今回も、エヴァと使徒との対決が終る前に参戦するとしよう。
最後まで反対していた大佐もコレなら納得するだろう。
何せ、このままほっとくと、対決とやらが始まる前に海の藻屑となりそうだし。

   ピコン

「春町三尉、戦闘機小隊の発進準備を。
 それと、例の三人組に、弐号機のフォローをするよう指示してくれ」

『了解しました』

画面上で拝命する春待三尉。その隣りのサブ・オペレーター席には、ハーリー君が座っている。
その表情は何故かえらく硬いが、かえって初陣らしさが出ているので良しとしておこう。

そう。今回から、彼は表舞台に参戦。
その任務は、メインオペレーター役の春待三尉にくっついて来た弟分なキャラとして、御茶の間の特殊な趣味人達の支持獲得である。
従って、当然ながらこの二人は、新制服の方を着ているのだ。
いやもう、別な路線の大きなお友達にもサービスサービスだな。

   ザパ〜ン 

と言っている間に、新兵器、三機合体万能潜水艦トライデントΔが、その舳先に弐号機を乗せて浮上してきた。

『提督、弐号機の救助、完了しました』

そして、コミニュケ越しに報告してくる小柄な少女。
例の三人組みのリーダー格である霧島マナ三曹だ。
ちなみに、今回、彼女の愛機は海中仕様。
ストラスバーグ三曹の乗機、トライデントβと共に、探査プロープ状に、潜水艦ゲンゴロウを改修してでっち上げた新トライデントΓの艦底に接続されている。
この無茶な設計が、誰の手のよるものかは言うまでもないだろう。
思わず『合体させる意味なんて無いだろ!』とツッコミたくなる形状である。
だがまあ、実はコレ、まったくの無意味という訳では無い。
この二機。戦闘時には、スパロボ版のエヴァの様な感じで母艦からケーブル付きで出撃するのだが、
有線によるバックアップによって、エネルギー切れを起す心配が無いのだ。

………う〜ん。一応、フォローらしき説明セリフを入れてみたが、やっぱ無意味だよな。(笑)



『データー収集完了。  敵の全長は、約557m。体重は測定不能なれど、少なくとも900t以上。瞬間最大速度は、およそ80ノット。
 体表部にはコアを確認出来ず。おそらくは、TV版と同じく腹の中ってトコなんだが、どうするね提督?』

使徒の調査を終えた時田博士から、戦術確認の連絡が来た。
正直、ゲンゴロウの………じゃなくて新トライデントΓの艦長席に座ったその白衣姿が、何かのジョークとしか思えないくらい似合っていないが、
話の内容自体は真っ当なもの。此処は当然、

「判った、すぐにソッチに行く。
 トライデントΔは、そのまま弐号機の足場になってやってくれ」

   ピコン

さてと、いよいよ本番だ。



   シュッ

『お茶の間の皆さん、お待たせしました。
 悪の秘密結社ダークネス、海の上でも出動OKです。ブイ!』

かくて、カヲリ君のジャンプによって、何時通りの名乗り上げでロサ・カニーナ登場。
だが、その時、目の前に信じられない光景が。

『ちょ…止めなさいアスカ』

『うっさい! 負けてられないのよ、アタシは!』

それまで沈黙を守っていた弐号機が、突如、大きくジャンプ。

『でや〜〜〜っ!』

大上段にかまえたソニックブレイブで、八艘飛びにガギエルへと切り掛り、

   パクッ

そのまま、アッサリと食われてしまったのである。

   シ〜〜〜ン

あまりの事に、静まり返るブリッジ。艦長なんて、ブイサインを出したポーズのまま固まっている。
無理も無い。あの娘の性格からして、大人しくしてはいないだろうとは思っていたが、まさか此処まで短絡的に………

『戦闘機小隊発進。続いて、ダーク・ガンガー発進』

『りょ…了解。各機、発進して下さい』

と、俺が呆れている間に、艦長に変わって大佐が戦闘指示を。
それを受けアマノ君が機械的に発進プロセスを整える。

『春待、使徒の内部をスキャン出来るか?』

そのまま、矢継ぎ早に的確な指示を出す大佐。
いや、流石は退却戦の鬼才と呼ばれた男。トラブル慣れしている。

『駄目です。ATフィールドと分厚い肉に覆われている所為で測定不能です』

『そうか』

だが、そんな彼を嘲笑うかの様に、更なる凶報が、ハーリー君経由で春待三尉からもたらされた。
そう。本来ならば、今回は組し易いパワーアップ。
おもいっきり伸ばしたDFSで一刀両断という、ビジュアル的にも良さげな手の使える相手だったのだが、
腹に弐号機が居て、しかも、その位置が判らない以上、それを実行する訳にはいかないのだ。

『ブリッジよりトライデントΔへ。これより、敵生体の体内へと突入せよ。』

と言ってる間にも、大佐は次の手を打った。
差し詰め、作戦名『一寸法師』と言った所か。
無謀極まりない策だが、まあ仕方ない。
あの巨体では、胃袋のどの辺りに居るかなんて見当もつかないし、端から少しずつ刻もうにも、S2機関があるから、受けたキズはすぐに回復してしまう。
従って、使徒撃破と弐号機確保を両立させるには、多分これしかない。

『無茶です、大佐。溶けちゃったらどうするんですか!』

大佐の命令に反抗し、画面越しに噛み付く霧島三曹。
これも、まあ無理も無い反応だわな。
漫画とかじゃ定番な策だが、現実にやらされる方にしてみれば、たまったもんじゃない。
おまけに、トライデントシリーズって、基本的に有人機だし。
いや。戦闘機や戦車と違って機構が複雑なんで、遠隔操作だと、どうしてもタイムラグがでちゃうんだよね。

『溶けるのか?』

オペレーター席に座る春待三尉の方に振り返りつつ尋ねる大佐。
その質問に、彼女は淡々と。それでいて、けしかける様な口調で事実だけを答えた。

『はい。送られてきた涎等のデータを基に算出した予測値では、敵生体の胃液を浴びた場合、およそ4分程で致命的な溶融が起こります』

『そうか、4分ももつのか。充分だな』

それを受け、我が意を得たりとばかりに、大佐がニヤリと笑う。
そんな彼に向かって、駄目もとの抗議の声を上げる霧島三曹とストラスバーグ三曹。
そして、達観した顔でそれを見詰める、トライデントΔのメインパイロット、浅利三曹。

『って、ケイタ! お前、何をボーとしているんだよ!』

『そうよ! いくら不幸慣れしてるからって、そんな簡単に諦めちゃダメよ! 
 諦めたら、そこでゲームセットだって、安○先生も言ってるじゃない!』

何を言っても大佐が小揺るぎもしない事もあって、二人は半ば八つ当たり気味に同僚の弱腰を非難する。
それでも彼は顔色一つ変えずに。有態に言えば、殉教者の様な面持ちで、

『いやだって。潜水艦に乗せられた時から、大体、こんな事になるんじゃないかなと思ってたし。それに、今回は一人じゃ無いから』

と、悟った事を淡々と語った。
思わず神妙な顔になる霧島三曹とストラスバーグ三曹。
特殊効果として、放送にはBGMに友情フォーエバーを流しておく。
うん。予定とはかなりズレたが良い画が取れた。後は頼むぞ、時田博士。

『(コホン)あ〜、マナ君、ムサシ君。
 友情を確かめ合っている所を悪いんだが、そろそろ脱出準備をしてくれないかね?』

『『『へ?』』』

『いやだって、当然の選択だろう? 
 何せ、トライデントαとβの基本装甲の硬度は、新Γよりも数段低いんだから。
 おまけに、合体状態だと装甲でジョイント部を守れないから、無理についていっても只の足手纏いだし」

そんな俺の心の声が届いたかの様に、時田博士は、絶妙のタイミングでオチを口にした。
数瞬、彫像の様に固まる三人組。そして、

『さ…さてと、行こうかムサシ』

『そ…そうだな。そういう事なら仕方ないよな。後は任せたぞケイタ』

予想通り、二人は日和った。

『話は纏まった様だな。それでは、αとβのパージと共に、突入開始。
 通信は不可能と予測される故、エヴァ弐号機発見後、内部より主砲による合図を。
 また、可能であれば目標を救助せよ。以上だ』

それに合わせ、大佐から最後通告が。
かくて数十秒後、ケーブルをパージして発進したαとβとは逆方向に。
『薄情者〜!』と、叫び声も勇ましく、浅利三曹は突入作戦を開始した。

『艦長! JAローダーを射出してくれ!』

それと入れ替わりになる形で、戦闘機小隊と共に、太平洋艦隊の撤退支援をしていた、ヤ…じゃなくて大豪寺から通信が。
その顔は、何時も以上に暑苦しく、しかも、期待に満ち満ちている。
やっぱ、アレが相当気に入ったらしい。
まったく、時田博士も余計な事をしてくれたものだ。

『今、敵生体の体内へ偵察部隊を出した所だ。
 コア及び弐号機の位置確認の報が来るまで、現状のまま牽制を続けろ、大豪寺』

やや苦い顔をしつつ、いなしにかかる大佐。
無理も無い。既に不測の。それも、かなり危険な事態となっているのだ。
彼的には、あんな無意味な。自ら勝率を下げる様な欠陥兵器なんて使いたく無い筈。

『危険なのは判っている! だが、他に方法が無い!』

って、折角、大サービスで魂の名で呼んでやってるのに、聞いちゃいないし。
う〜ん。最近じゃ、呼ばれ慣れているからなあ。非常に拙い傾向だ。
と、俺が将来へ不安に頭を抱えている間にも、擦れ違い捲くってる押し問答が続き、

『あのあの。確かに危険ですけど、やるしかないじゃないでしょうか?
 そろそろ、偵察部隊からの報告が来る頃ですし。大豪寺さんてば、ああなると絶対に後に引かない人ですし』

『………判った。これより、JAローダーを射出する』

艦長のとりなしもあって、ついには大佐が匙を投げた。

『ガイ君、あと5秒で予定空域に到着するわ。合体シーケンスに入って』

『おう! 任せろヒカル!』

かくて、お約束なやりとり後、射出されたJAローダーは戦闘空域に到着。
それと同時に、その胴体部分が開き、格言が得意な剣狼の御兄さんがパ○ル・フォーメーションするが如くダーク・ガンガーを収納。
同作品のBGMのアレンジバージョンが流れる中、『説明しましょう!』と、ここぞとばかりに、イネス女史がそれっぽい薀蓄を語り、新兵器JAD・ガンガーが完成した。
その勇姿は、3.5頭身だった従来版よりもシャープになり4.5頭身に。
より、正義のスーパーロボットぽっくなっている。
だが、いかにも無敵っぽいこの合体には、致命的な欠陥があった。
実はコレ、只のハリボテも同然なのである。(笑)

いやもう、中の原子炉をとっぱらってあるから、動力関係は全部、中のダーク・ガンガー頼みだし。
全長約40mと無駄に大きくなってるから、動きは格段に鈍くなるし。
当然、それを包むDFの守りも弱くなるしと碌なもんじゃないんだよねコレ。
まあ、純粋にショーアップの為の装備だから、そこに文句をつけるのは御門違いなんだけどさ。

『JADナッコー!』

   バキッ

『JADフラッシャー!』

   キュイ〜ン

と、盛り下がる俺と反比例するかの様なハイテンションで、ワイヤードフィストモドキや、
背後の制御棒を外して取り付けた五連レーザー砲で、絶好調に攻撃を仕掛ける大豪寺。
だが、当然、ATフィールドに阻まれ、全くダメージを与えられない。
そう。JAの基本武装を流用しているから、出力がまったく足りないのだ。
だって、『くっ、なんて硬さだ。コレまでのヤツとは違うぜ』とか言わせる為の機体だし。(笑)

そんなこんなで、エンターティナーな戦いは続く。
ブリッジの大佐は、それを渋面で見詰めている。
呆れ果てている内心を隠すべく、外面を取り繕うだけで精一杯という所だろうか?
だが、そんな必死の渋い演技も、バックで春待三尉とハーリー君がイチャついているので、ちっとも締まらない。
いや、より正確には、春待三尉が一方的に絡んでいるだけなんだが。
いずれにせよ、困ったもんである。

おっと。そう言えば、中の状況はどうなってるかな。
突入して、もう三分になる。そろそろ合図がこないと拙いんだが。
アーク、チョッと中の様子を見せろ。

   アイヨ

…………って、まいった。
既に、半壊状態。いや、破棄するしかない所まで腐食が進んでるなんて。
ATフィールドは? 確かに、第三使徒戦での暴走データが手に入らなかった所為で、TVの様に楯として使う事は出来ないが、
シンクロ中は恒常的なものが張られていて、ダメージの軽減&敵のATフィールドの中和をしている筈なのに。

嗚呼、アンビリカルケーブルが切れている!
畜生、前回の使徒戦で、葛城ミサトがハイパー○ンチユニットをぶっ壊してくれた事が此処に来て響いたな。
あの時は、寧ろ好都合とか思ったが、それがこんな結果になるなんて。
と言って、もう一度プレゼントってのも不自然だし。何より、送りたくても、アレは試作品なんで物が無いし…………
いずれにせよ、弐号機はもう諦めるしかないな。
何とか、別の戦力増強策を考えねば。

   ザパーン

と、俺が混乱気味に善後策を練っている間に新トライデントΓが到着。
胃液の海に潜水した状態から弐号機の下に回りこみ急速浮上。
上からも胃液は降ってくる故、気休め程度の効果しかないものの、その安全を確保した後、主砲のレーザーによって合図を送ってきた。

『攻撃をさける位置は判ったな、大豪寺。至急、敵生体の殲滅を開始せよ』

心なしか、やれやれと言った雰囲気を漂わせつつ、使徒撃破を指示する大佐。
これで終わったと、俺も内心ホッとする。
だが、アレの馬鹿っぷりは、俺達の右斜め上を行った。

『けどよ。コッチの攻撃が通じねえんだよ、大佐!』

と、珍しく弱気な事を、目線を明後日の方に逸らしつつ言い放ちやがった。
オマエなあ。何の為にわざわざ、予備の荒御霊と静御霊はJAの腰に付けたと思ってるんだよ。
持ち手の部分もそれ様に改造してあるから、普通に使えるだろ。DFSの刃は伸縮自在なんだから。

『大豪寺君、JADスパークを使いたまえ!』

そんな俺の疑問に答える様に、既に安全海域まで退避したトライデントαから、時田博士が勢い込んで通信を入れてきた。
画面をそちらに向けると、そのすぐ横を、メバチマグロを抱えたシンジ君と救命ボートのオールを漕ぐトウジ君の姿が。
いかんなあ。主人公ともあろう者が、こんな通行人Aみたいな体たらくでは。
次の定時報告では、この辺の事を北斗に注意しておくとしよう。

『良いのか? JAを潰しちまう事になっちまうぞ』

『無論だ、他に方法は無い!』

『へっ、判ったぜ!』

いや、こんな現実逃避をしている場合じゃなかった。
あの馬鹿を止め………る必要なんてないのか。
元々JAは、キノコへの嫌がらせで強奪してきた物。
ボーナス代わりに、時田博士の好きにさせても問題ないだろう。
とゆ〜か、今後の事を考えれば、是非とも此処で使い捨てて欲しいし。

『JADシャ〜イン!』

と、俺が善後策を巡らしている間にも、済崩しに事は進んで行く。
ちなみに、このJADスパーク。
開発当初、要諦は至ってシンプルな。
まず、外部スピーカを切ってフル・バーストのコードを入力し、改めてスイッチを入れて本命の技名を叫びつつ、ゲキガンフレアの要領で体当たりをかますだけのものだった。
だが、これには、嬉しい事に致命的な欠陥があった。
実は、外部装甲であるJAが、その際の衝撃に耐えられないのだ。
そこで、技名の由来となったシャ○ン・スパークにヒントを得て、DFを纏ったJAをパージし、搭載した高性能爆薬によって激突した敵もろとも大爆発させるという、
一回限りのダイナミックな必殺技が誕生したのである。

『JADスパ〜〜〜ク!』

蛇足だが、ペダルを踏むタイミングを合わせる必要は無い。だって、一人乗りだもん。
もっとも、脱出のタイミングを誤ると只の自爆で終るので、ある意味、本家以上にシビアなんだけどね。

『うおおおお〜っ』

   ドカ〜ン!

そんな脳内解説と共に、プロセスは最終段階へ。
御約束な絶叫と共にJADガンガーは特攻し、ATフィールドと分厚い使徒の身体を貫いて、その体内への風穴を開けた。
これで、残り時間は後10秒。

9・8・7・6………おっ、良かった。弐号機を乗せたトライデントΓは間に合った様だ。

   ドゴ〜〜〜ン!

そして、安全圏への退避が終るのを待っていた様なタイミングで起こる大爆発。
さしもの巨体も、身体の半分を持っていかれ、体内に隠されていたコアが顕に。

『見てるかJA! これがお前への手向けの一撃だ!』

そして、爆煙の中から現れる、荒御霊と静御霊を手にしたダーク・ガンガー。
クッ。やはり、わざとか。この為だけに、わざと脱出タイミングを遅らせやがったな、あの野郎。
チョッとだけヒヤっとしたコッチが馬鹿みたいじゃないか。

『鷹翼十字撃!』

とまあ、色々とアクシデント続きだったものの、最後は目一杯伸ばした荒御霊と静御霊を十文字に薙ぎ払ってコアを撃破。
ミッションコンプリートである。

   チャ〜〜〜、チャ、チャ、チャ、チャッチャチャ〜、
                  チャラララ、チャチャチャチャ〜

鳴り響く宙明節な勝利のBGMに合わせ、徐々にズームアップ。
上半身が画面一杯になる位置まで近付いた所で、今度は大豪寺のバストショット。
意味も無く号泣している様が、実にうっとおしい。
だが、送られてくる感想メールを見る限りでは、何故かこの辺の暑苦しい演技(?)がウケているらしいのだから、世の中というヤツは侮れない。
ホンにTV放送ってのはディープである。或いは、2015年特有のものかも知れんが。

   シュッ

そして、何時も通りの転生の舞を終えて、カヲリ君が帰ってきた。
だが、今回も瞬時に交渉成立したにも関わらず、その顔は御機嫌斜めな感じだ。
不審に思って、その辺を訪ねると、『この件は、また後程。今はアスカさんのケアの方が先決ですわ』と逆に諭されてしまった。
名誉挽回とばかりに、弐号機の大破を確認した時から、無い知恵を絞って捻り出した腹案を語る。
とある問題点を理由に、最初は良い顔をしなかった彼女だったが、最後には快諾。
かくて俺達は、回収した弐号機の残骸の元へ向かった。



   〜 三時間後、転生の間 〜

「さ〜て、そろそろやるか」

「もう少し、お休みになってからの方が宜しいんじゃありませんか?
 正直申し上げて、彼女は提督のお考えになっているよりも、ずっと難物でしてよ」

言わんでくれ。『ある意味、ラナ以上に問題のある娘なんです』って聞いた時から、もう逃げ出したくて堪らないんだから。
内心では、そんな情けない絶叫を上げつつも、表面上は笑顔で胸など叩いてみせる。
そう。この辺の事は、俺が最後まで死守せねばならい責務なのだ。

不安が顔に出ないように気を配りながら、新調した転生用のフラスコを見詰める。
まあ、何とかなるだろう。
先程、最大の懸念事項も目鼻が付いた事だし。

そう。使徒戦が終ったあの後、ゲジュタルト崩壊を起こしかけていたアスカちゃんを無理矢理眠らせ、用意しておいた策を実行した所、これが予想以上に効果的だった。

というのも、カヲリ君の懸念はまったくの杞憂。
意外な事に。本当に意外な事に、弐号機のコアに眠るアスカちゃんの母親は、確かにマッドな性格ではあったが、チャンと母親をしている人格だったのだ。

とまあ、こう言えばもうお判りだろう。 彼女の心の拠り所である母親との対話。これが俺の考えた策なのだ。
カヲリ君にコア内部にダイブして貰い、その回線を通じて、アークに夢と言う形で二人の間を取り持たせる。その環境設定と、他のクルーへの説明が俺の仕事だ。
かくて、標準時間にして1時間。体感時間にして約1週間後。
10年近くも別れ別れだった親子の語らいは終わった。
今少し時間をやりたかったが、この辺が俺とカヲリ君の限界だった。
後のケアは、ネルフの連中に任せる事になるのだが、ハッキリ言って期待出来合い。
正直、このまま手元に置くことも考えなくは無かったが、此方には、知り合い一人居ないし、
何より、ワーカーホリックの権化の様な彼女向きの目標となるものが無いので帰さざるを得ない。
2Aに転校してき次第(その前に関わるのは立場的にチョッと無理)、カヲリ君もフォローを約束してくれたが、その前にも何かしらの手を打つべきだろう。
無論、一番望ましいのは、惣流=キョウコ=ツェッペリンのサルベージなのだが、肉体と魂の一部が現世で自殺してしまっているので、現状ではまず不可能。
どうしても必要となったら、サード・インパクトのドサクサに、アークの上役に頼むしかない。
だが、本音を言えば、そんな自然の摂理に反する真似はしたくない。
アスカちゃんが、自力で立ち直ってくれる事を期待したい所である。

………何せ、本気でマッドだったからなあ。
出来れば、このまま寝た子を起こさずに済ませたいものだ。

まあ良い。いずれにしても、一朝一夕に解決する問題じゃない。
今少し経過を見てから考えるとして、今は、目先の問題に取り組むとしよう。

「それじゃカヲリ君、ガギエルの魂を出してくれ」

「了解ですわ」

俺の求めに応じ、カヲリ君は、体内に封印していた魂を取り出し胸元に掲げる。
早速、噂のコマッタちゃんを説得すべく、アークを通じて、その精神世界へとダイブした。



感知できるかガギエル。俺は………で………という立場の者だ。
なんか知らんが、カヲリ君の話じゃ、人間化するに際して駄々を捏ねてるそうじゃないか。
転生自体には異存が無いんだろ? 一体、何が不満なんだ?

   ………

え? 転生先が人間じゃ不満なのか。判った、それなら何が良いんだ?

   ………

チョッと待て! いくらなんでも、それはないだろう!

   ………

五月蝿い。ボツと言ったらボツだ!
せめて既存の生物にしてくれ。でないと、誤魔化しようが無い。



   〜 二時間後。日々平穏、ロサ・カニーナ支店〜

疲弊しまくた我が身を奮い立てつつ、俺は歓迎式の司会を始めた。
そう。思考を高速化した状態で尚、あの娘との交渉は長時間に及んだのだ。
体感的には、約3日といった所だろうか。いやもう、しぶとい相手だった。
だが、その甲斐あって、最低限………いや、チョッピリ逸脱してはいるが、どうにか一般社会に適応する形での転生となった。
思えば約2月半前、アニタ君の紹介を行った時に感じた予感。
『最大、後13回行う事になるこの歓迎式に於いて、彼女以上の難物を紹介する事になる可能性は結構高い』ってヤツは、まさに完璧なまでに的中。
まるでジャ○プの漫画の如く、回を追う事にコマッタちゃん度が上がっている。
せめて、この辺でこのインフレ現象が終ってくれんものだろうか。
そんな事をつらつら考えつつ、俺は台本通りに彼女の経歴を読み上げた。

「それでは紹介しよう。彼女が俺達の新しい仲間だ」

   ピラリ

そして、垂幕を払い、水槽の中でのたくっているそれの紹介を行う。

「ナマコのナッピーちゃんだ。皆、仲良くしてやって………」

「「「提督!!」」」

たちまち上がる嵐の様なブーイング。
ううっ。俺だって、好きでこんな事やってる訳じゃないのに。

「落ち着けお前ら!」

と、取り敢えず、一喝してそれを静めた後、

「確かにチョッと狙った事は認めるが、嘘は一つもついとらん。
 一応、コレは、今回の使徒娘である魚住ウミの親友って事になっている。
 んっでもって、肝心の彼女は、転生と同時に母なる海へと帰っちまったもんだから、その代理として出席して貰ったんだよ。
 つ〜か、俺的には、アレに比べればナッピーちゃんの方がナンボかマシだと思うぞ。
 良く見れば愛嬌のある顔立ちだし、何より人様に迷惑を掛けないし」

と、一気に捲し立てた。
だが、それでも止まないブーイング。
特に、整備班の連中は、過剰なまでに期待しているもんだから、このままでは収まりそうに無い。
仕方なく、用意していた次善の手を使う事に。
ううっ。ホント、カヲリ君には、苦労のかけっぱなしだな、俺。
何時か、この埋め合わせはしなくては。

「判った、判った。
 それじゃあ、現地からのライブ映像を送って貰うから、それで我慢してくれ」

そんな事を考えつつ、俺はとある海中を散策中の彼女に連絡を入れた。

「「「おおおおっ!」」」

数瞬後、プロジェクター風に拡大したコミニュケに映る映像に感歎の声が上がる。
実際、俺としても、それは意外な光景だった。
無数の魚達と戯れる、セパレートの水着を着たスレンダーな肢体。それに合わせて揺れるセミロングの髪。
転生直後、親の敵でも見る様な形相で『海、海に連れて行って』と喚いたあの少女の顔が、まるで天使の様に輝いていたのだ。
拙い。これでは、その無茶苦茶な性格を知らない者に、いらん先入観を与えてしまう………って、もう手遅れか。(嘆息)

「イイ! まさに海のプリンセス」

「まったくだ。ごく自然に、魚と友達になっているって感じだよな!」

「まるで人魚姫の様だ!」

(ハハッ)人魚姫か。最悪、そうなっていたかも知れないんだよなあ〜
整備班が口々に語る賛美の声に、思わず胸中でそう愚痴る。
そう。彼女が最初に転生を志望したのは、まさにその人魚なのだ。
それに駄目だしした後も、スキュラやナーガといった、下半身が社会不適合なものばかりをチョイス。
無論、そんなもの認める訳にはいかない。
海で暮らしたいのなら、せめてイルカのホ○イティくらいにしてくれと懇願したが、
それだと、愛する海の仲間達を糧としなくてはならなくなるから嫌なんだそうだ。
つまり、食生活は陸上で行いつつ、実生活は海で行うのが彼女の理想。
上記の様な身体を求めるのも、上半身で、他の姉妹達とコミニケーションを取る為の発声器官と手先の器用さを確保し、
下半身で水中での行動力を確保と、その方が都合が良いかららしいのだ。
我侭も此処に極まれり。俺がそう思ったとして、一体誰に責められよう。
そんなこんなの激しい口論の末に。

『班長にハイドロジェット付きの赤いスーツを作って貰うから、それで我慢しろ!』

『嫌よ。それじゃ、母なる海を直接肌で感じられないじゃない!』

といった感じの激しいやりとりを繰り返すこと約3日。なんとか人間バージョンに。
アークに言って、チョトだけ当人が持っていた特殊能力を強化し、水中でも問題なく行動出来る様にするという事で、今の形に落ち着いた訳である。

かくて、魚の天使ガギエルこと魚住ウミの、『海が好き〜!』な人生が幕を開けた。
長かった激闘と、これから起こるであろうトラブルに思いを馳せつつ、俺は目の前のグラスを手に取った。
今夜は自棄酒だ。とことん飲むぞ。




>SYSOP

   〜 同時刻 新横須賀港 〜

「はい、どうぞ」

「Thank you」

6月半ば。常夏の国と化した日本ではあるが、夜のとばりが降りる頃には、それなりに冷え込んでくる。
まして、救命ボートで命からがら海を渡って来た者にとっては尚更である。
そんな訳で、零夜は炊き出しを。
港の魚問屋さんが好意で提供してくれた食材を使って、おにぎりと石狩鍋風の味噌汁(具材は例のメバチマグロ)を作って皆に配っていた。

「シンジ、おにぎり切れちゃったから追加を持ってきてくれる?」

「はい」

そんな配給所へ、一人の初老の男性が、

「私にも、一杯貰えるかね?」

「提督! ご無事だったんですか!」

「当然だろう。潜った修羅場の数が違うんだよ」

そう言いつつ、彼は零夜にウインクしてみせた。



   〜 同時刻、アマノイワト先生の潜伏先への途上 〜

「まったく、一体、何をさせたのよ貴女は?
 あの子達は、少々の重労働くらいでくたばる様なヤワな鍛え方をしてないっていうのに。
 ヴィヴィ君は5日前にリタイヤ。残りの三人も、肝心の使徒戦を前に起き上がれないほど酷使するなんて」

「ま…まあ良いじゃない。御蔭で、先月分と今月分の原稿が上がったんだから」

ブリブリとご立腹なイネスを宥めながら、2015年に設けた、絶対に担当さんに見つからない潜伏先へと向かうヒカル。

「ちっとも良くないわよ。それと、私の出番を削った件。アレだって、まだ納得した訳じゃないんだからね」

「いやその………だって仕方ないじゃない。
 唐突に、イネスさんがアキト君を『お兄ちゃん』なんて呼んだら読者が混乱するし」

諸般の事情から。具体的に言えば、最後通牒を出してきたイネスに押し切られ、新たな使徒娘の誕生パーティは欠席である。
実を言えば、今回の使徒戦に参加した時、『このままヒカル君達くれない? いや〜、アノ子達が居ると何かと便利でさあ』
とか打診するつもりだったのだが、どうもそれは無理っぽい。
内心、意気消沈しつつ潜伏先に到着。偽名で借りた安アパートのドアを開けた。

「あ〜げろ、あ〜げろ、原稿あ〜げろ〜、担当さんに悪魔は宿〜る。(レッツゴー)
 苦しみをもたら〜す、徹夜明け〜、黒い睡魔のエネルギ〜」

「落ち着け愛君! 昨日、原稿は完成した。もう終ったんだよ!」

そこには、何やら逝っちゃ目で調子外れな歌声を上げつつ踊る、ヒョロヒョロな身体にグルグル眼鏡を掛けた少年と、
それを取り押さえようと奮闘するマント姿な少年の姿があった。

「…………いったい、どこまで追詰めたのよ貴女は?」

「あ…あははははっ」

笑って誤魔化すしかないヒカルだった。



その頃、白鳥沢 愛の発作が再発しているとは知らない紫堂ヒカルは、とある本屋に。

「すみません。『Hできれいなお姉さん』という本はありますか?」

「ご…ごめんなさい。その商品は、18歳未満の子供には売っちゃいけないの」

「なるほど。それでは仕方ないな」

困惑する本屋の店員の返答にも顔色一つ変えず、手元のメモ帳に掛かれた物品の一つにバツ印をつける。
そう。彼は、他の隊員達からのリクエストをもとに、御土産の物色に余念が無かった。



   〜 同時刻、とあるアパートの一室 〜

「あら。珍しいわね、今日はゲームなの?」

買物から帰ると同時に、志保は、何やら携帯ゲーム機でゲームをしているらしい相方に向かっってそう言った。
半分は何時もの小言だが、半分は一寸驚いていた。
この一年、TVのチャンネルを変えるのも億劫とばかりに、延々と日本テレビばかり見ていた男だ。
成長と呼ぶには微妙なものがあるが、自発的に何かを変える作業を始めただけでも………

「なあ灰原、俺のHP、まだ残ってっか?」

「って、どうしたの? 私は志保よ。10年以上もそう呼んできた癖に、今更、昔の名前で呼ぶなんて?」

思わず、質問を質問で返す志保。
今日の彼は、本当におかしい。これは、ひょっとして………

「ああ、そうか。(チッ)また54歳かよ。くそっ。こりゃマジで脳味噌が腐ってやがるぜ」

そのフレーズから、某CMを思い出す。
テーブルをみると、そこには『脳のDSトレーニング7』の外箱が転がっていた。

「俺さ、また探偵やってみようかと思ってるんだ。
 そんでよ。あのHPでまた、仕事を募集しようかと思ってさ。
 一年以上もほったらかしだったとはいえ、ネームバリューゼロから出発するよりはマシだろ?」

前向きなのか後ろ向きなのか微妙な話だが、これで期待は確信に変わった。
彼は、復活への第一歩を踏み出したのだ。
そして、そう遠くない未来に、再びナイト・バロンが。
伝説のネット名探偵が、世間を騒がす事になるのだろう。

「そう。まあ、復職する気になったのは結構だけど、せめて実年齢程度の点数をとってから言ってくれない、そういうセリフ」

憎まれ口を叩きながらも、内心では嬉しくて堪らない………

「(ハア〜)まったく。世話が焼けるんだから」

もとい。第一歩を踏み出した相方が、途中で投げ出さない様、目を光らす算段を始めた。
そう。自分達には時間がタップリある。挫折は論外だが、簡単に復活して貰っても面白くない。此処でタップリと恩を売っておかなくては。
15年も待って漸く巡って来た、相方の二文字を己の望むものに書き換えるチャンスを前に、
心が沸き立つのを押さえられない志保だった。



   〜 5時間後、2199年では午前7時の某会長の私室 〜

男は、夢幻の中を彷徨っていた。
そこは心地良く、何時までもそれに身を任せていたかった。
そう。隣りには愛する人が居て、自分の勝利を喜んでくれているのだ。
他に何を望むものがあろうだろ。
だが、何かが違う様な気がする。一体、なんなのだろう、この微かな違和感は?

『いい加減にしなさい! 何時まで現実に背を向けているつもりですか!?』

誰かに頬を叩かれた様な気がする。
だが、何故か、痛みよりも喜びがこみ上げて来る。
そうだ。彼女は、隣りにいる様な軽薄な女じゃない。
僕が浮かれてれば『調子にのるのは、お止めなさい』と叱咤してくれる。
そんな毅然とした女性なのだ。

   バタン

「おはようございます、ご主人様!」

「おはよう、ラシィ君」

今朝も賑やかな朝の挨拶をしてきたラシィに向かい、アカツキはベッドから笑顔で返答した。

「ご…御主人様、お目覚めになったですか!?」

驚愕と共に破顔するラシイ。
それもその筈、彼女の主人は、もう二週間近くも昏睡状態にあったのだ。

「不覚にも、長い夢を見ていた様だね。
 だが、どんな良い夢も何時かは醒めるもの。僕が欲しいのはそんな浅薄な物じゃない。この手に掴める現実だけさ」

「ご立派です、御主人様! 
 そうです。一度や二度の敗北がなんです! 倒れたらまた立ち上がり、前よりも強くなれば良いんです!」

紙吹雪を撒き散らしつつ、左手に持った陣太鼓を打ち鳴らすラシイ。
昨日までは、アカツキを起すべく用意していたそれも、今や激励の為の小道具の一つ。
もはや、チンドン屋まで後一歩な彼女だった。

「ありがとうラシイ君。僕はやるよ。やってやるとも!」

こうして、勇者は不死鳥の如く蘇り、新たな第一歩を踏み出した。



某天使「(クスッ)やはり、好意に値しますわね、貴女は」

某女性士官「め…命令だからやっただけです。他意はありません」




次回予告

展開される大がかりな水際作戦。
エヴァ2体による初の連携攻撃だったが、
心がてんでばらばらなミサトとレイは使徒にコテンパンにのされてしまう。
加持は二人の完璧なユニゾンを目指し、一計を講じた。
ネルフの存亡を賭けた六日間のドラマが始まる。

次回「瞬間、心、重ねたつもり」

夜の闇が茶番を隠す。




あとがき

『連載〜続くのか〜、ピリオド打つ〜のか〜、
 タイムリミット(締切)、タイムリミット(締切)、タイムリミット(締切)は近〜い』

………すみません。もはや、1話分書き上げるのに一ヶ月は掛かってしまう体制となってしまった、でぶりんです。
おまけに、歌って誤魔化していますが、今回は本当に挫折しかかりました。
というのも、アスカが話に絡むと、どうしても第一話&第二話の様にヘイトな話になってしまうからです。
ぶっちゃけて言いますと、私の認識では『向上心豊かなミサト』というのがアスカなので、
北斗陣営に対して、どうしても当初のミサトと同じリアクションを取るとしか思えないんです。
嗚呼、前回の轍を避けるべく、書いては消し、書いては消ししたら、すっかり影が薄くなってしまって。
次回Aパートでの復活話で、何とかこの埋め合わせをしなくては。

それでは、もったいなくも御感想をくださる皆様に感謝すると共に、再びお目にかかれる日が来る事を祈りつつ。

PS:今回の話しのテーマは『挫折からの再出発』であり、当初は、TV版と同じくアスカの出オチにする予定だったのですが、
   書いている内に、ミサトとシンジの和解(単にミサトに慣れただけとも言いますが)には四話も掛けてやったのに、
   弐号機を失うという人生最大の挫折を味わっているアスカが、一話でアッサリに復活するのも不自然な気がして、次回に持ち越しました。
   また、今回のゲストキャラには、あえて不幸になって貰いましたが、これは今回のテーマに即してのものであり、
   と同時に『絶対に転んでもタダでは起きないキャラ』だと確信しているが故であって、決して悪意を持っての事ではありません。
   ご不快に思われた方が居ましたら申し訳ありません。




【アキトの平行世界漫遊記C】

 

 

 

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代理人の感想

とりあえず・・・「爪」なのに「クレイジー・ホーク」とはこれ如何に(爆)。

名前が「鷹の爪」なのにエンブレムには「EAGLE TALON」とデカデカと書かれてるどこかの秘密結社と同レベルですな。

たーかーのーつーめー。(謎)

 

それはともかく、確かにアスカが薄いですねー。

脇キャラとして突っ込んではいますが、多分でぶりんさんの内に篭っているだろう怨念みたいな物が感じられないというか(爆)。

ただ、個人的には母親との会話をじっくり描いていれば多少印象が違ったかもとは思います。

 

 

ところで、あのゲストキャラは一体何しに出てきたんだ(爆)。

 

 

>語散る

「ひとりごちる」(独り言を言う)という言い回しはありますが、こういう言い回しはありませんね。

 

>子悪魔

良くある間違いですが、本当は「小悪魔」ですな。