>OOSAKI


   〜 同時刻。ダークネス秘密基地、ロサ・カニーナの提督室 〜

「さ〜て。今回の使徒戦はコッチが主役。精々派手にやりますか」

とある海域を先行偵察中のトライデントΔ改EXからの映像を。
モニターに写る第9使徒マトリエルの姿を眺めながら、久しぶりの活躍の機会を前に、期待に胸を膨らませる。
だが、そんな俺とは正反対なテンションの人物が。

「なにも、そんなに落ち込まなくても良いんじゃないかい?」

「舞台に立つ直前までには気持ちを入れ替えますので、どうぞお構いなく。私など居ないと思って欲しいってことね」

そう言って、部屋の隅っこで体育座りをしたまま動こうとしないカヲリ君。
つい先程、部下のご乱行を止めに行き、帰ってきたと思ったら、この有様。
どうも、あのマサキの生態を目の当たりにした際のショックが、予想以上にデカかった様だ。

いや、あれくらい余裕で流すと思っていたんだが………普段の言動とは裏腹な、なんとも意外な弱点である。
偶に思うのだが、この辺の精神的なアンバランスさの克服こそが、使徒娘達の最大の課題かもしれない。
実際、最も安定した自我を誇る彼女をして、こんな風に、同世代の少女よりも脆い部分があったりするし。
と言っても、某同盟の娘達みたいに自我がやたらと強くなられても、またチョッと困るのだが。特に俺が。
そんな事をツラツラ考えた後、

「鷲爪さん、今月のお給料30%カット………いえ。あの人ったら、巧妙に伝票を操作してデート代を経費で落としたりしますから、あまり効果がありませんわね。
 いっそ、有給を全面カットして休日出勤を強要………駄目ですわね。きっと無断欠勤の日数が増えるだけに終わりますわ。嗚呼、なんて御し扱い難いのかしら、あの人は。もう処置無しってことね」

と、何やらブツブツと不穏当な事を呟きながら思考の迷宮に嵌り込んでいるっぽいカヲリ君をスルーして話を進める。
些か不人情な気もするが、たとえ何を言ったとしても、今は慰めにさえなりそうもないし。

   ピコン

『時田博士、マトリエルの様子はどうですか?』

『御覧の通り、TV版との共通点は見出せませんね。強いてあげれば、昆虫っぽい所でしょうか?
 データ収集の方も芳しくありません。判った事と言えば、約60ノットで航行する体長150m前後の、ゲンゴロウ的外観の使徒だという事くらいです。
 特殊能力とコアの位置を確認するには、実際に当たってみるしかなさそうですね」

「矢張り、隠し玉があると?」

『当然でしょう。たしかに大きめの体躯ですが、第6使徒ガギエルの様に規格外と言う程じゃありませんからね。
 まして、最高スピードですら劣るときては、何らかの特殊能力で勝負するタイプと考えた方が自然です』

つまり、仕掛けてみなけりゃ手の内は判らんってことか。
時田博士からの報告に、そう結論付ける。
さて。それじゃあ、いってみようかね。

   シュッ

『お茶の間の皆さん、お待たせしました。
 悪の秘密結社ダークネスの女幹部、御統ユリカ、逆境にもめげずカンバックです。ブイ!』

俺のGOサインを受け、マトリエルが移動中の海域へと現れるロサ・カニーナ。
そして、艦長が何時も通りの。否、何時も以上に気合の入った名乗り上げを。

嗚呼、『や…やだなあ、提督。幾ら私でも、こんな良くある誹謗中傷を真に受けたりはしませんよ。ア…アハハハッ』とか口では言っていたが………
やっぱり、この前送られてきた『とうとうリストラですか? やっぱり若い娘には勝てないみたいですね』という心無い内容のメールは相当ショックだったんだね。
でも、艦長。その意気込みってば、おもいっきり空回りしてるよ。
敢えて特定はしなかったけど、ダッシュの話ぶりからして、君が意識している相手は、今回、この放送を見れない地区の住人っぽいもの。

いや、送電がストップするのは、ジオフロントとその直上にある都市部だけなんで、困るのは主にネルフの面々だけだし、
使徒戦への出撃不能を咎めようにも『では、停電の原因は?』って事になってボロが出かねないから、政府もあまり煩い事は言わんだろうし。
それに、あまり露骨に変えちゃうと今後の展開が読み難くなるかもしれないんで、今回の停電ネタはスルーしたんだけど………考えてみれば、視聴率の問題があったんだよね。
こんな事なら、ナオかサイトウに妨害工作をさせておくんだった。

『それでは、海中戦だと決定打を出し難いので、前回同様、挟撃作戦を行ないます。
 ダーク・ガンガー発進。トライデントΔ改EXは、使徒の下に潜り込み、海上へと追い込んで下さい』

と、俺がチョッと後悔している間に、第9使徒戦が開始された。
まずは、トライデントΓ改EXの合体形態であるトライデントΔ改EXが、500m程深い海域より使徒の背後をせまり、レーザー攻撃を開始した。
無論、その特性上、海中では決定打とはなり難い。
あくまでも、海上へと追い込む為の牽制攻撃である。
だが、画面下のサブ画面に映る浅利三曹の顔は鬼気迫る物が。
言葉にこそ出していないが、見る者に『此処で決めてやる』という強固な意志を感じさせる裂帛の気迫があった。
この間よりも、更に激しい拒絶反応。どうも、ヤマダ………じゃなくて、大豪寺と御剣君が考案した例のアレをやるのは、いきなりマグマの中に特攻させられるよりも嫌らしい。
確かに、使徒さえサッサと倒してしまえば、やらんで済むのだろうが………なんとも往生際の悪い事である。

そう。この使徒戦中に、アレをやる機会は必ずやってくるという確信が、俺にはあった。
何せ、彼一人でも回避は絶望的なのに、ハーリー君まで関わっているのだから。
嗚呼、素晴らしきかな厄災コンビ。敢えて根回しをする必要性さえ感じないよ。(笑)
ちなみに、彼の駆るトライデントΓ改EXは、ウリバタケ班長と時田博士の愛情が惜しみなく注がれた結果、
今や、水陸ならぬ空水陸地中と活動場所を全く選ばない万能潜水艦(?)という稀有な機体。
しかも、そのスペック以外にも、アレをやる為に若干の改造が施されている。
もう絶対無敵だね。色んな意味で。

『大豪寺ガイ、出るぜ!』

そして、もっと無駄に無敵な男が、ダーク・ガンガーにて急発進。
何故か、全く反撃をしてこない使徒とトライデントΔ改EXとの、一方的な戦闘が繰り広げられている海域の上空を旋回し始めた。
云わば、前回のエヴァ初号機の役目を担っている訳である。
そして、そんな展開が2〜3分も続いた頃だろうか、

  ピコン

『艦長、大変な事が判りました!』

時田博士より、ダレ始めた展開に巻きを入れる、タイムリーな報告が。

『此方の攻撃で削り取った肉片を採取して調査した結果、あの使徒の細胞組織は極めて流動的………
 端的に言いますと、変態直前の昆虫のそれに非常に似かよった物の様です』

途中、専門用語に走りそうになった所で言い直し、ぶっちゃけた説明をしてくれる時田博士。
うんうん。イネス女史には絶対出来ない技。矢張り、彼を雇ったのは正解だったな。

『つまり、今のゲンゴロウ状の姿は幼生態なんですか?』

『ええ。それに、此方の攻撃が始まった瞬間から、内包するエネルギー量がドンドン上昇しています。多分、もうすぐ脱皮しますね』

なるほどねえ。それが向こうの切り札って訳か。
いや、大変結構。此方が戦力を小出しにする。最後にアレを出す大義名分を立てて貰った様なもの。
寧ろ、感謝したくなる様な特種能力だ。

『判りました。戦闘機小隊及びロサ・フェティダ発進。予想上陸ポイントへ先回りして下さい。
 大豪寺さんも、攻撃の際には次が。予想外な方向からの反撃がある事を前提にお願いしますね』

『『『了解(判ったぜ)』』』

暫し考え込んだ後に出した、第2ラウンドを想定した艦長の命令に従い、発進するトライデント中隊。
大豪寺も、一応、了承の返答を。
その間にも、既に陸地が。先の第7使徒戦の舞台ともなった砂浜が見え始めた。
浅瀬になり始めた事もあって、海中から追い立てられ、その姿を海上に現すマトリエル。

『おっしゃあ、貰ったぜ!』

それを狙って、漸く出番が回ってきたとばかりな歓声を上げつつ、上空のダーク・ガンガーが攻撃を開始。
海面上スレスレを水平飛行してマトリエルに肉薄。

『鷹嘴月斬撃!』

お約束の技名の掛声と共に、着水直前となる瞬間を狙って、海中の獲物を啄ばむ海鳥の如く、左手の荒御霊を擦り上げる様に高速で振り抜いた。
正に一瞬の早業。それに一拍遅れて、血飛沫を上げるマトリエル。

にしても『月斬』ってフレーズはどこかで聞いた様な気が………おお。そう言えば、切った瞬間も海面が全然揺れていなかったな。
所謂、月斬剣(水面に映った月を、その像を崩す事無く切り裂く技)の亜流に当たるものなのか。
あの野郎、何時の間に、そんなシリアス系武道マンガみたいな技まで身に付けたんだ。

   ドカ〜〜〜ン

と、感心している側から、マトリエルの自爆に巻き込まれるダーク・ガンガー。
まったく。チョッと見直すと、すぐこれだ。何の為に、艦長があんな忠告したと思ってるんだか、あの馬鹿は。

『ガイ君!』

そんなアマノ君の叫び声を合図にしたかの様なタイミングで、爆煙の中から飛び出す巨大な影。
体躯が一回り小さくなり、クモ形態となったマトリエルが、爆風を利用して浅瀬までの大ジャンプを。
そのまま、TV版のそれとは似ても似つかない俊敏な動きで、シャカシャカと上陸を開始した。
その数秒後、爆煙の晴れた上空には、中破状態のダーク・ガンガーの姿が。

『(ヘッ)心配すんな、ヒカル。大丈夫だ、俺はまだヤレるぜ!』

『馬鹿! 何が大丈夫よ、左手がもげちゃってるじゃない。無茶しちゃ駄目、一旦帰還して!』

かくて、艦長の読みどおりの展開の下、アマノ君をヒロインに、そんな御約束なやりとりをしている間に、
先回りしていた戦闘機小隊と、ロサ・フェティダよって上陸予想ポイントに投下されたコンテナより出撃した戦車小隊とが接敵。そのまま時間稼ぎを。
次いで、トライデントΓ改EXからパージされて上陸したトライデントα&βが参戦。データ収集を開始した。
対するマトリエルの方も、アグレッシブな反撃を。
走破性の悪い砂地というハンデをものともしない敏速な動きでかく乱しつつ、四方八方に溶解液を撒き散らして来た。
ハッキリ言って、これはかなり性質の悪い攻撃である。
ラミエルのレーザー掃射と違って緩急が付けられる上に、飛び散る飛沫でもダメージがあるもんだから、回避が極めて困難なのだ。
正直、唯一パレットライフルでアッサリ止めを刺された使徒として、全使徒中最弱の呼び声も高い相手とは思えない手強さである。

  キュイン、キュイン
          カサ、カサ、カサ、カサ………

海中からのトライデントΓ改EXのレーザー攻撃も、『八本足は伊達じゃない!』と言わんばかりな変幻自在な動きで連続回避され、偶に掠るのがやっとな状態。
先程とは逆に、コッチが劣勢。このままでは、包囲網を破られるのも時間の問題だろう。

そんな中、情報収集中のトライデントαに乗った時田博士からの追加情報がもたらされた。
興奮からかチョッピリ長めとなったその報告を要約すると、どうも、あのクモ型の姿は最終形態じゃ無いらしい。
ぶっちゃけて言えば、このままじゃ第2ラウンドの勝利も怪しいといのに、第3ラウンドへの突入が、ほぼ確実になったという訳である。

『艦長、俺を出撃させてくれ!』

と、此処で、俺が指示を出すまでも無く、大豪寺が出撃をアピール。
御剣君もまた、TV画面に映らない位置で、例の新兵器の出撃準備を始める。
うんうん。以心伝心、良い流れだ。

『駄目です。中破した機体で勝てる相手じゃありません!』

『でもよ!』

と、いった感じに、暫し押し問答を入れてタメを作り、

『良かろう。艦長、マッハ・シューターの出撃準備を』

『大佐!? あれはまだ開発中の。それに、万葉さんの腕では、まだ合体の成功率は40%を切ってるんですよ』

『構わん。このままでは、座して勝利の可能性をゼロにするだけだ』

さも根負けしたかの様な仕種を取った後、さりげなく新兵器と御剣君の演じるキャラのプロフィールを語る大佐と艦長。
そんな御約束の展開を経て、リターンマッチと言う名の新兵器&新必殺技のお披露目式が始まった。

『大豪寺ガイ、出るぜ!』

『御剣 万葉、出ます!』

まずは、左手がパージされているダーク・ガンガー(換装出来ない訳じゃなくて、只の演出)が出撃し、
次いで、御剣君の乗る可変型ジェット機が飛び立った。

『システムロックを解除!』

二機の出撃を確認した後、手元のコンソールに、『この為だけに』急遽設置した解除キーを差し込むスリットに、胸ポケットから出した金色の鍵を差し込む艦長。

『合体シーケンス、開始!』

『了解。主線軸合わせ完了。ドッキングシステム、オールグリーン』

それ受け、大佐の指示の下、オペレーター席のアマノ君が、復唱しつつコンソールを叩くフリをする。
ダッシュが画面に高速でプログラムが流れている様子を映し、最後にGOサインを赤く点滅。
それに合わせ、第3使徒戦での失態の反省から、コンソールの一部が反転して大型の赤いボタンが出てくるという方式を採用した非常用ボタンが。

『プログラム、ドラィィィブ!』

   カチッ

彼女がそれと力強く押す同時に、画面がダーク・ガンガーとマッハ・シューターの合体シーンに切替わり、BGMもそれに則したものへを変更される。
言うまでもないとは思うが、総てがハッタリだ。(笑)
成功率の件も、40%どころか100%。
初練習の段階から何故かシミュレーションでは失敗した事が無く、今となっては、二人は目を瞑っていても、マニュアル操作で合体出来るレベルにあったりする。

さて。此処で少々、この新兵器について語らせて頂こう。
可変型ジェット機、マッハ・シューター。実はコレ、量産型ガイアを有人機に改装した物だったりする。
そして、ダーク・ガンガーと合体するよって、御剣君はサブパイロット兼ジャンプ制御担当に。
A級ジャンパーである彼女の能力をフルに生かし、懐かしのマジンや、いまだ試作段階なアルストロメリアなど問題にならない精度での短距離ジャンプが可能な、

『ス〜〜パ〜〜、ダ〜〜ク、ガンガ〜〜〜ッ!!』

と、今、絶好調で大豪寺が叫んでいる様な強襲殲滅型エステバリスとなる訳である。
ちなみに、ネルガルの次期主力商品となる筈だったこの量産型ガイアなのだが、その結果は惨憺たるものだったらしい。
何でも、その目玉とも言うべき機能であるDFS制御プログラムを組み込むと、思っていた以上にコストが掛るとかで、バカ高い物に。
結果、買い手が全く付かなくてお蔵入りになったんだそうだ。
そんな訳で、まともに起動している唯一の機体は、アカツキの専用機に。
その雛型となった三機の内の一台が、御剣君の愛機となったという訳である。

『ジャンプ!』

かくて、御剣の掛声と共に初ジャンプが。
次の瞬間には、今まさに溶解液を浴びようとしていた阿間田三曹の機体をガードする位置に。
う〜ん。彼のあの棒立ち癖は、今の内になんとか矯正しないといかんなあ。
今は良くても、将来は命に関わる事。このままだと、何と無く、ナデシコ張りに大艦巨砲主義な機体の主砲を貰って、雪山イベントとかを起す前にリタイヤしそうな気がするし。

『クレイモア・バースト!』

   ズガガガッ!

『ナイス、万葉! 後は任せな!』

そんな、おかしな電波を受信している間に決着が。
再度のジャンプで懐に潜り込んだスーパー・ダーク・ガンガーが、マッハ・シューターに内臓されている重火機による全力攻撃を。
その隙を突いて大豪寺が、100m位まで伸ばした右手の静御霊で、マトリエル(クモ型)を下段から一気に切り上げた。

『鷹翼右羽撃!』

   ドカ〜〜〜ン!

本日二度目の技名の掛声と共に一刀両断され、再び爆発するマトリエル。
ちなみに、今回はいち早くジャンプで回避しているのでノーダメージ………って、チョッとポンポンとジャンプし過ぎだぞ、御剣君。
それじゃ、ビ○オ戦士レ○リオン並の反則技じゃないか。
う〜ん。これはもう、この件が片付きしだい厳重に注意すべきだな。

   シュバッ

と、俺が心の中の考課表に、すぐにでも生活指導をすべき二人の名前を書き込んでいた隙に、
爆炎の中から現れ、高速で飛び去って行く影が。
舞い上がって行く、クモ形よりも更に二周りほど小さな体躯の蝶を模した姿。それがマトリエルの第3形態だった。
そして、その主武装は、

『なっ!? リョウ!』

飛び立った際の進行方向に居た塩沢三曹の乗った戦車が、接触した訳でも無いのにドロドロに。
そんな暴虐な威力を持った、そのモ○ラちっくな外観通りな毒鱗粉だった。
これには堪らず、即座に、大佐が戦闘機小隊と戦車小隊に撤退指示を。
DFを持つ機体以外の全機を戦闘区画から退避させた。

その間にも、どんどん撒き散らされる毒鱗分。
辺りは砂浜なので暫くは大丈夫だろうが、このままでは、いずれ風に乗って都市部にも被害が出てしまうかも知れない。
だが、不用意に近付けば、二機分の強固なDFに守られたスーパー・ダーク・ガンガーといえど、只では済まないだろう。


つまり、アレをやるしかない御膳立てが、一部の隙も無く整ったという訳である。
まったくもって素晴らしい。只の偶然なのに、まるで入念な打ち合わせがしてあったかの様な展開だ。
此処までくると世界の意思とか言うヤツかも知れない。

『大豪寺、トライデント・クラッシャーを使え』

かくて、発案者である二人が騒ぎ出す前に、苦渋の満ちた顔の大佐が、そう指示を出した。
先日までは『こんなものを投入しては、戦略・戦術の意味など無くなってしまう』と言って、強硬に反対していたにも拘らず、この素早い決断。
流石、伊達に数多の厳しい戦いを生き抜いていない。

『よっしゃあ! いくぜ、万葉! ケイタ! ハーリー!』

『おう。やるぞ、ガイ!』

『『ほ…本気ですか〜?』』

威勢の良い大豪寺の音頭に、御剣君は元気良く応えたものの、残りの二人はヘタレた返事を。
ええい、往生際の悪い。サッサと覚悟を決めんかい!

『大丈夫よ、ハーリー君。貴方なら必ず出来るわ』

『どこにそんな根拠があるんですか!?』

『貴方は、私が守るもの。絶対に!』

『でも』

『お願い。照準セットと交差タイミングの制御を行う、私を信じて』

『わ…判りました』

そんな彼等を。より正確には、只一人を諭すべく、
今回からシステム掌握&放送用のツールを使用し、本当に各種オペレーティング作業をしている春待三尉からの激励が。
それに乗せられ、顔を赤くしつつアッサリ丸め込まれるトライデントΓ改EXのオペレーター席に座るハーリー君。
嗚呼、そういう属性の子だとは思っていたが……………もう、完全に捕まってるんだね。(泣)

『トライデントΓ改EX、浮上。突撃形態へ』

と、俺が未来ある少年の行く末を憂いている間に、唯一の味方を失った事で漸く諦めたらしく、イイ感じに穏やかな顔をした浅利三曹が、愛機をゆっくりと上空へ。
その上昇に合わせて、ハーリー君が規定の操作を実行。
ホバー以外の推進装置を格納し、その後部に、取っ手状の接続部を露出させた。

『ドリル・コネクト!』

大豪寺の掛け声と共に、スーパー・ダーク・ガンガーの右手が、その取っ手を掴む。
と同時に、DFを始めとする各種データがリンク開始。
統合されたデーターが、ロサ・カニーナのオペレーター席へと転送される。

『ジャンプアウトの座標軸を確認。照準セット完了』

『DF全力展開』

『掘削機、始動開始』

『ジャンプ開始まで5、4、3………』

ダッシュが算出した10秒後のマトリエル(蝶型)の飛来位置へと向けてのジャンプのサポートデータを、春待三尉が御剣君に向けて転送。
と同時に、ハーリー君がDFの制御を、浅利三曹がトライデントΓ改EXのドリルの回転を開始。
そして、アマノ君がカウントダウンを。

『2.、1、GO!』

『『トライデント・クラッシャ〜ア〜〜〜!!』』

カウント0に合わせて、大豪寺と御剣君が絶叫。
と同時に、スーパー・ダーク・ガンガーと連結されたトライデントΓ改EXの巨体が掻き消え、
次の瞬間、

   ドシュルルルル〜〜〜!

『穿ちぬけ〜〜〜っ!』

先端部のドリルが、計算通りにヒット。大豪寺の裂帛の気合と共に、そのドテッ腹に風孔を空けた。
数瞬、ピクピクと身を震わせた後、羽をダラリと垂らして海へと落下してゆくマトリエル。
既にコアを失った所為か、その身体は、己の毒鱗粉によってドンドン融解し始めている。

そして、突撃の際に接触した先端部のドリルと、その後ろにあるホバーの一部もまた融解した。
その結果、元々が申し訳程度の航空能力しか持っていなかった事もあって、高度を維持し得る推進力を失い、

   ボキッ

『『うわああ〜〜〜っ!』』

二人の少年の絶叫も高らかに、スーパー・ダーク・ガンガーの右腕をもぎ取りながら、マトリエルの後を追う様に落下してゆくトライデントΓ改EX。
そんな御約束なオチが付いた所で、第9使徒戦は終了した。

『見てるか、リョウ! お前のカタキは取ったぜ!』

両腕を失った姿を写すのもアレなので、今回はのっけからコックピット部を。
漢泣きに泣く大豪寺と、貰泣きして顔を伏せる御剣君の姿をアップに。
当然ながら、『現在進行形でピンチな、僕等の心配もしてよ〜!』とか言って騒いでいる某少年達のカットは入れないのがミソだ。
映像データも、御剣君に渡す前に、ラストの落下シーンを削除編集した方がモア・ベターだろう。
うん。総合的には、木連人受けしそうな実にイイ勝負だったな。某道場主の反応が楽しみだ。

   シュッ

そんな事をつらつら考えている間に、公約通り、先程までの不調を感じさせない見事な舞を披露し終えたカヲリ君が帰ってきた。
その苦労を労いつつ交渉の首尾を尋ねると、転生の承諾はしてくれたものの、何やら絶対に譲れない条件が。
それが何かと尋ねれば、責任者である俺を通さなければ言えないとの事。
しかも、交渉の感触からすると、かなり物騒なものらしい。
察するに、先の海好き娘のような武闘派タイプだろうか?
と、実際の交渉を前に、大雑把な対策を検討していると、顔色からそれを察したらしく、カヲリ君が謝罪の言葉を。

「本当に、ご無理なお願いばかりをして申し訳ありません、提督。
 しかも、無二のパートナーたるアークさんに去られたばかりの、今、一番お辛い時だというのに。もう、お詫びの言葉もないってことね」

「とんでもない誤解だよ、カヲリ君!
 とゆ〜か、アイツが居なくなった御蔭で、もうこれ以上ないくらい清々しているぞ、俺は!」

その中の看過し得ない無い内容に、思わず声を限りに絶叫する。
だが、何故かカヲリ君は、『私の前でまで、その様な強がりを』とか『本当は御寂しいでしょうに、気丈に振舞われて』とか言いながら、
何やら慈しみの篭った潤んだ瞳で此方を見詰めるばかり。
嗚呼、そんな目で俺を見ないでくれ! 違うって言ったら、違うんだあ!



   〜 2時間後。日々平穏、ロサ・カニーナ支店 〜

「………という訳で、早ければ、明後日には此処を立つつもりだ。今まで世話になった」

最後にそう締め括って、深々と頭を下げ最後の挨拶を。 そう。塩沢一曹(二階級特進)改め、司馬リョウ君は、本日只今を持って正式に除隊する事になった。
通常なら、使徒戦終了まで待って貰うところなのだが、彼の決意は固かった。
と言うのも、この進路を彼が決意したのは、実の祖父と会う為だからである。

切欠は、ダークネスに寄せられた各種メールの中にあった、彼個人へ当てられた一通。

『私にはセカンドインパクトのドサクサに生き別れとなった娘と産まれたばかりの赤子が(中略)その子の名前もリョウと言って、生きていれば………』

という、割りとありがちな内容のものだった。
それでも、名前ばかりか、生年月日や年齢を始めとする簡単なプロフィールまで記載されていた所為か、なんとなく気になったリョウ君は、ラピスちゃんに分析を依頼。
その結果、なんと、本当に彼の祖父である可能性が高い事が判明したのである。

そんな訳で、以前より彼から『会ってみたい』と打診はされていたが、メールの発信元は中国の奥地。
しかも、カヲリ君に彼の老人を迎えに行って貰ったら、これが、けんもほろろに門前払いに。
何でも、何処かの流派の道場主だとかで、立場上、そこを動く訳には行かないとの事だった。
そして、諸般の事情から、動けないのは此方もまた同じだった。

だが、幸か不幸か、今回の使徒戦にて表向きは戦死。晴れて御役御免になっている。
名前変更後の『偽造国籍』と『偽造パスポート』も既に完成しているし、場所が中国の奥地なら、ほとぼりが冷めるのを待つ必要性も薄い。
かくて、彼自身が会いに行く為の条件は総て整った。
後は、肉親との対面が上手く行く事を祈るのみという訳である。

「寂しくなるな」

「身体に気を付けろよ」

口々にそんな事を言いながら、らしくなく、しんみりとするトランデント中隊の子達。
無理もない。何せ、彼の行き先が行き先だけに、これが今生の別れとなる可能性が低くないのだから。
まあ、なんとなく、また5〜6年後には再会しそうな気もするが………って、何を考えているんだ、俺は。

「それでは、司馬リョウ君の除隊式に引き続き、新たな使徒娘の紹介を行なう」

頭を振って電波の受信を遮断した後、場が落ち着くのを待ってから、今回の宴会の第二幕目を。
とってもデンジャラスな、今回の使徒娘の紹介を始めた。

「………それでは紹介しよう。彼女が俺達の新しい仲間だ」

   ピラリ

一通りの前口上を述べた後、垂幕を払い登場を促す。と同時に、

「大豪寺ガイ、覚悟!」

裂帛の気合と共に、飛び出してくる藍色の影。
水○黄門のかげ○うのお銀の様な感じの、くの一ルックに身を固めた17歳くらいの少女が、ジャンプ一番、ヤマダ ジロウを強襲。

   ガシャン

ヤマダは、これを難なく回避。
だが、その御蔭で、料理の乗った最寄のテーブルが完全に大破した。

嗚呼、幾ら仇討御免状を与えたからって、まさか此処まで短絡的に討って出るなんて。
オジサン、チョッと困っちゃうよ。(泣)

「って、アブね〜な、おい。 つ〜か、一体何者だ、オマエ!」

ヤマダの問いに、その無知を嘲る様な。
それでいて酷薄な笑みを浮かべつつ、彼女は、おかっぱ髪の下に嵌め込んであったバンダナ状の鉢金を外し、その額の傷を顕にした。

「この傷が疼くのさ。前世の仇を討ってな」

「前世?」

「まだ判らんのか? (フッ)良いだろう。改めて自己紹介だ」

そう言いながら、両手に持った二振りの小太刀を構え治し、

「私の名は雨宮カスミ。お前に殺された、マトリエルの熟れの果てだ!」

名乗り上げと共に、再び、一気呵成に攻め立てるカスミ君。

さて。もうお判り頂けた事だろう。
そう。彼女が出した転生の条件。それは、自分を殺した『芸名:大豪寺ガイ』への復讐の許可を明確な形で出す事。
具体的に言えば、事の総責任者である俺が認めた仇討免状の発行だったのである。
いや。言われた瞬間は、何を言っているのかさえ理解出来なかったが、良く良く考えてみると、それほど不自然な話じゃない。
寧ろ、殺された遺恨など欠片も残していないっぽい他の使徒娘達よりも、ずっと人間的な発想の様な気さえする程だ。
とは言え、無差別な復讐などされたら堪らないし、取り分け、東中将からの預かりものである御剣君にまで累が及んだりしたら目も当てられない。
そんな訳で、やんわりと制止しつつ、その真意を探るべく色々カマを掛けて聞き出した所、復讐の対象者は、あくまで主犯のヤマダ一人だった。
なんでも『女子供を切る剣なども持たん』というのが、彼女のポリシーらしい。
しかも、どうにもその言動が、復讐者特有の負のイメージと重ならない。
どちらかと言うと、主人公を偏執的に付け狙うエキセントリックなライバルキャラの様な、チョッと歪んだ賞賛の念さえ感じられる程だった。
そんな訳で『まあ、死にはせんだろう』とヤマダを信頼し、仇討の許可を出す事にした訳である。

「なっ! 今の踏み込みと下段の逆風(股下から真上に切上げる太刀筋)は鷹翼右羽撃!?
 何故お前に、真刀荒鷹流の技が使える!?」

「愚問だぞ、大豪寺! 自分が喰らった技を覚えていない筈があるまい!」

かくて、予定が多少前倒しになったが、俺の予想通りの展開に。
どっかの格闘マンガの様な、命懸けの馴れ合いっぽい戦いが始まった。
無論、ドン臭くもそれに巻き込まれる様な未熟者など、ウチには約2名しか居ない。
うち一人は春待三尉が抱えて逃げたし、もう一人も友人達が確保済みだ。
そんな訳で、既に会場は御祭りモード。
参加者達は、それぞれ手に料理を確保して会場の隅に陣取り、先程までの湿っぽい雰囲気が嘘だったかの様なテンションで、この一戦を観戦中。
アマノ君や御剣君にも心配する素振りさえ見えず。班長の音頭で、トトカルチョまで始まっている。
そう。戦闘中の二人からは、陰惨さが感じられなかった。
あるのは、技量を競い合う武芸者が放つ、純粋な闘気のみだった。
ぶっちゃけ、何時ぞやの御剣君の暴挙の焼き直し。過激な愛情表現と呼んでも過言では無い程である。

………まてよ。良く考えてみると、この線も無いとは言い切れないな。
何せカスミ君は、チョッと気になって聞いみた、『最後の一撃は腹部に決まった筈なのに、何で額に傷が付くんだい?』という質問に、
『決まってるだろう、この方が格好良いからだ』と、真顔で答える様な娘だし。

悪くないな。(ニヤリ)
ヒロインポイントだけでなく、最大のアドバンテージだった相棒ポイントでも並ばれた格好。
しかも、外堀ポイントに関しては、御剣君に一歩も二歩もリードされていると言うのに、余裕綽々なヒカル君の危機感を煽る。
所謂、温い三角関係に落ち着いてしまっている現状を打破し得る一石となるかもしれん。

「おい、ダッシュ。この戦闘は映像として記録してあるだろうな?」

『モチロンダヨ』

「(フッ)流石に判ってるじゃないか」

と、どこかの落第生(仮)とは比べるべくもない察しの良さを賞賛した後、その使い道を検討する。
取り敢えず、後で編集して、今回の使徒戦のオマケに付けるとしよう。
ターゲットはズバリ、例の道場主。
いや、どんなリアクションを取るのやら。実に楽しみだ。

「貰ったぞ、大豪寺! 鷹嘴月斬撃!」

「させるかよ! 鷹翼十字撃!」

かくて、雨の天使マトリエルこと雨宮カスミの、血の雨が降るスパルタンな人生が幕を開けた。
このツンデレ娘の………いや、ツンケンどころか刀でグサリな、サドデレ娘の活躍に期待するとしよう。




>SYSOP

   〜  同時刻。 2199年のテシニアン島、アクア=マリンの別荘 〜

始まりは、半年前。趣味で取り付けたアンティークな電話機からもたらされた、6歳年上の兄からの依頼だった。
内容は、ある偶発的な事件により身柄を確保したという、あのロバート=クリムゾンの孫娘、アクア=クリムゾンの護衛という、正気の沙汰とは思えないものだった。
当然ながら、即座に断ろうとしたのだが、

    ガチャ

『ハロハロ〜♪』

何故か、その護衛対象であるアクア嬢が、電話中の自分の目の前に『単独で』現れた。
しかも、各種防犯設備が施してある筈の事務所に、その主である自分に気付かれる事無くだ。
一瞬、状況が理解出来ずに、頭が真っ白になる。
その間隙を付くように、

   ガガガガガッ
             チュイン、チュイン、

響き渡る盛大な銃声。かくて、この依頼を事後承諾で引き受けざるを得なくなった。

その後の事は、あまり思い出したくない。
目の前で倒壊し、もう永遠に帰れなくなった己の城の姿。
大人しく守られてくれず、行く先々で厄介事を起す警護対象のお嬢様。
逃亡中、ひょんな事から行動を共にする事になった、ネルガルのゴート=ホーリー。
そのツテで、『此処まで逃げればなんとかなる』という話の、テシニアン島までの珍道中。
その間、二人に口を揃えて『役立たず』と蔑まれ、しかも、反論の余地が無かった事。

何故か知らんが、彼女はやらたと身が軽く、イザと荒事となると、護衛である筈の自分の方が足手纏いだったりするのだ。
正直、今もってトラウマになっている。
そして、今現在、

「(クス、クス、クス)あ〜、面白かった」

「そ…そうですか」

額に冷や汗を浮かべつつ、どうにか月並みな相槌を打つ。
目の前にいる自分の雇い主(済崩しにそうなった)は、本当に理解不能なメンタリティーの女性だ。
実際、あの衝撃の邂逅から、もう半年が経過しているにも拘わらず、いまだ相互理解の取っ掛かりさえ見出せない。
今回だって、下手をすれば生命に拘わる案件について報告中だったというのに、いきなりそれを遮ったかと思えば、一人、頷きながら百面相を。
その挙句、先程の様な意味不明な感想を洩らす始末なのだ。
偶に、本気で見捨ててやろうかと思うのだが………

「って、そんなに怒らないでよ、ケンちゃん。チョッとしたオチャッピーじゃない。(ハート)」

こんな風に、絶妙なタイミングで、その出鼻を挫く事を言ってきたりする。
職業柄、ポーカーフェイスにはそれなりに自身があるのだが、一体何故なのだろう?
いや、今はそれどころじゃない。

「俺の機嫌なんかより、ロバート会長の機嫌を取る方が先でしょう!
 直系の孫でありながら勝手に姓を捨てた事だけでも大問題なのに、事あるごとにクリムゾンを引っ掻き回す様な行動ばかり取って!
 貴女には自殺願望でも………(ハア〜)あるんでしたねえ」

余計な口を挟まれないよう、一気呵成に捲し立てたものの、途中で虚しくなる。
そう。この少女には、万人に有効な筈の脅し文句が通じない。
何しろ、数多の自殺未遂暦を誇る身。死は憧憬の対象にしかならないのだ。

「大丈夫よ。少なくとも、来年の4月辺りまでは死ぬ気は無いから安心なさい」

「なら、少しは生きる為の努力をしたらどうです?」

「あら。貴方よりは、ずっとしてるわよ」

「えっ?」

予想外の返答に言葉を詰らす。そこへ、急に真顔になったアクアが、

「逃げてるだけじゃ、生きているとは言えないってことよ」

まるで、総てを見透かしている様な声音でそう言った。
言い返そうとするも、自分でも思い当たる節があるのでグウの音も出なかった。

彼の名は、日向 健二。
何気に不幸体質な。とある淑女への一途な愛の果てに性犯罪(未遂)に走ってしまった過去を持つ、
ひょっとすると、ネルフの日向マコトの遠い子孫なのかも知れない男である。


   〜 同時刻。木連の某特設リング 〜

晴天の中、今回は幽○白書の小兎のコスプレをしたマリアのレフリーの下、既に第4回目を数える、『ドキッ! まさかの時の武道の達人!』が開催中。
会場は湧きに湧いている。それもその筈、リニューアル後の先の2回とは一線を画す試合内容。
これまで一方的なヤラレ役と化し、せっかく盛上がった番組に水を差して来た一般参加者に、
都合5人目(毎回2試合ある)にして、ついに達人の牙城を崩さんとする強者が現れたのだ。
判官贔屓もあってか、声援は挑戦者一色だった。

   カ〜ン

「はい、此処で一分間の休憩です」

「「「うおおおおっ!」」」

そして、試合はついにインターバルへ。
安全性の確保の為、三分で一ラウンド、最大で四回戦とされていた公式ルールが、初めて適用される局面にもつれ込んだ。

「(ハア、ハア)見てくれましたか、師匠? 師匠が編み出したあの技が、アイツを翻弄している所を」

「馬鹿モン! 今、アイツと戦っているのはヌシだろうが。
 ワシの事などに意識を散らすな。まずは息を整えろ。そして、目の前の戦いに集中しろ」

勝利への手応えを感じ、意気上がる挑戦者サイド。

対照的に、達人サイドは静かなもの。
東の達人、ウサギの白カブトさんの予想外な苦戦にも微動だにしない、セコンド席のミルクちゃんと向日葵のヒナタさんの姿が、彼への絶対的な信頼感を醸し出している。

そんな熱いドラマが繰り広げられている特設リングのその下で、

「(チュー、チュー)いい加減、お家に帰りたい。(泣)」

「って、泣かないでよアカリ」

「だって…だってもう、無断欠勤三日目なんだ。私、クビになっちゃう。(滂沱)」

暗闇の中、ヴィ○ーinゼリーでエネルギー補給をしながら、ひっそりと隠れ潜む少女達の姿があった。

「にしても、何か騒がしいわね。お祭りかしら?」

「そうだね。もう此処を離れた方が良いんじゃないのか?」

ウミの今更な疑念に、男言葉でありながら弱気丸出しな口調のアカリが応える。
そんなこんなの問答の末、再び逃亡を図るべく、二人はダンボールハウスの中へ。

そう。既に木連全域に指名手配されているにも拘わらず、いまだ捕縛されずに逃げ延びられているのは、ひとえに、この特種能力の御蔭だった。
おそらくは、アカリが『もうイヤだ』とばかりにウミを放り出せば、この逃亡劇はすぐにでも幕を閉じるだろう。
彼女的にはサッサと帰りたいにも拘わらず、彼女の能力がそれを回避している。
この構造的矛盾に気付けないのが、アカリという少女の限界だった。

   カサ、カサ、カサ、カサ…………

コソコソとリング下から這い出し、会場出口を目指す二人。

と、その時、持ち前の空間把握能力によって、まるでボルトで固めた様に自分の距離をキープし、
変幻自在なジャブとガード崩しなダブルアッパーを主軸に戦いの主導権を握っていた挑戦者が、白カブトの術中に。
知らず知らずの内に逃げ場を削り取られてコーナに追詰められ、

   ドゴ〜ン!

体制を入れ替え様と苦し紛れに放った左フックにカウンターを貰ってしまい、まるでダンプカーにでも跳ねられたかの様に、車田チックに場外へ。

「「拓三〜〜!」」

そんな老齢な師匠と眼鏡の兄弟子の悲痛な叫び声と共に、二人が被っているダンボールハウスの上に落下した。

「痛たたたた。って、何するのよ!」

抗議の声を上げるウミ。
だが、周り反応はと言えば、ただザワめくばかりだった。
それもその筈、どこからともなく唐突に、つい先日、木連全域ネットで流れた指名手配犯が会場に現れたのだ。
困惑しない方が不自然だろう。

「お〜と、魚住ウミです。魚住ウミが、此処、特設会場に姿を現しました。
 皆さんもご存知の通り、達人を破った勝者には、主催者である東提督の後援を受けられると言う栄誉が授けられらます。これは恩赦狙いの飛び入り参戦か?」

と、此処で、疑問系でありながら断定口調で、会場に向かってそう宣うマリアちゃん。
そのまま、いまだ状況が理解出来ていないウミの手を引いてリングに上げると、

「逃亡劇は、この辺で終わりにして欲しいんだね、ウミさん。
 幸い、北斗さんは、そんなに怒ってないし、今回の事も、素直に神楽坂先生の補習を受けるのであれば大目に見てくれるって言ってるよ。
 それと、これから達人達の誰かと試合をやってね。不本意だろうけど、この場を誤魔化すにはそれしか方法がないの」

と、素の口調でコッソリと前後の事情を耳打ちした。
これを切欠に、ウミに関係各所と和解して帰還して欲しい。それに出来れば番組を潰したくないという、彼女の事情からの咄嗟の機転である。

「判ったわ。でも、やるからには勝ちに行くからね」

小声でそう囁き返す、ウミ。
そう。彼女のモチベーションは、別の意味で上がっていた。
何か知らんが、この勝負に勝てば強力なスポンサーが付くらしい。
色々と野望を持つ身としては、是非ともゲットしておきたい所だった。
しかし、肝心の自分の戦闘能力は、陸上では著しく低下してしまう。

「つ〜わけで、タッグ・マッチを希望するわ!」

そんな訳でウミは、一転大声で。
赤コーナーの達人サイドに向かって、有無を言わさぬ口調で高らかにそう宣言した。

「タッグ・マッチって………私も闘うのか? そんなの無理だ」

当然ながら尻込みするアカリ。
だが、ウミ的には、此処で引く訳にはいかない。一気呵成に強引な説得を。

「気持は判るわ。でも、私達が生き残るには他に道がないのよ。(注:勿論、そんな事実はありません)」

「で、でも………私には戦う力なんて無いぞ」

「大丈夫! 貴女には、まだ眠っている能力(ちから)があるわ。自分を信じて」

「自分を………信じる………」

ウミの勢いに飲まれ、呆然とした顔でそう呟くアカリ。
その隙を付いて、ダンボールハウスをマリアちゃんに預けると、

「さあ、行くわよ!」

ウミは、済崩しに試合を開始。
かくて、達人VS使徒娘という、ドリーム・マッチが幕を開けた。
ちなみに、結果は使徒娘達のボロ負け。自身の特種能力を封じられたアカリが、都合良く新たな能力に目覚める事は無かった。

「おかしいわね。戦闘能力皆無だから、戦う意思さえ生まれれば、てっきりactUに進化すると思ってたのに」

「ううっ。無茶だ、そんな御都合主義。エ○ーズのス○ンド使いと一緒にしないで。(号泣)」



   〜 5時間後。ネルフ本部の屋上 〜

時刻は既に午後8時を回っていたが、ジオフロント内とその直上の都市には、いまだ最低限の電力しか供給されていなかった。
人工の灯りがない中で見る星空は、今にも落ちてきそうなくらい満天に輝き、人間の営みが、いかに矮小なものであるかを実感させてくれる。

「街の光が無いと、星がこんなに綺麗に見えるのね」

そんな夜空を見上げながら、ポツリとそう呟くアスカ。
その顔には、憧憬とも自嘲とも取れない表情が張り付いている。

「でも、明かりが無いと、人が住んでる感じがしないです」

隣に座っていたマユミが、それに応える。
口調こそシッカリしているものの、やや優れない顔色だ。
長年、本とPCを友とする生活を送ってきただけに、薄暗い灯りの中というのは、生理的にに不安が募るのかもしれない。

「あっ、灯った」

ぽつりぽつりと。街に灯りが戻ってきたのを見て、ホッとした様な顔となるマユミ。

「ほら、こっちの方が落ち着きますよね」

「そうね。人は闇を恐れ、火を使い、闇を削って生きてきた。
 灯りの無い街は、そんな人間の営みを否定するものでしかないわ」

「てっつがくてき〜」

反対側に座っていたレイが、マユミのフォローを。
その内容に感しんしつつも、おどけた様な声音でアスカが混ぜっ返す。
静かだった場が和み始める。それに気が緩んだのか、

「って、三人とも。僕を残して戦線離脱しないでよ!」

そんなシンジの悲痛な訴えによって、彼女達は現実に引き戻された。
意図的に作り出した架空の静けさが掻き消え、やけっぱちな喧騒が辺りを侵食してゆく。
各所からの突き上げに冬月が全面降伏した結果、電力復旧は街の方が優先。
ネルフ本部の方は、依然として蝋燭の明かり頼みなのだが、そんな事はお構いなしな勢いだった。

「ドチクショー! 判っていたけど再確認したわ。やっぱアイツ等は私の敵よ〜!」

既に完全に出来上がっているミサトが、酔いに任せて罵声を吐く。
普段であれば冷ややかな目で。否、それ以前に、厄災を恐れて彼女の側に近付く者など皆無なのだが、
今日ばかりは、周りには整備員達が囲んでいて、彼女の言に、しきりに同意している。
そんなヤケ酒丸出しな酒宴のテーマは、半日程前に終了した第9使徒戦だった。



  〜 7時間前。ネルフ本部、ゲイジ内 〜

『お茶の間の皆さん、お待たせしました。
 悪の秘密結社ダークネスの女幹部、御統ユリカ、逆境にもめげずカンバックです。ブイ!』

携帯用ポータブルPCに映ったTVから、ユリカの名乗り上げが響き渡る。
その声に、一瞬、顔を顰めた後、

『みんな! 今、ダークネスが使徒と接触したわ。作業に巻きを入れていくわよ!』

『『『お〜〜っ!』』』

エヴァ初号機の肩口に仁王立ちしたミサトが、作業ピッチを上げるべく檄を飛ばす。
それに応え、ケイジ内に響き渡る整備員達の叫び声。
今、彼女達の心は一つだった。
総ては人類の滅亡を防ぐ為? 否、そんなものが只のお題目なのは判っている。
まして、ダークネスが現れ、ネルフの存在意義が薄らいだ今となっては尚更だった。
復讐心や使命感といった熱いものから、自分の生活を守る為といった切実なものまで、その理由は千差万別。
だが、求めるものは只一つ。エヴァによる使徒の撃破という目標だけは、全員が等しく同じだった。
熱意の差こそあれ、これは特務機関の職員としての最後の意地だった。

『停止信号プラグ(エヴァ暴走・あるいは搭乗者のいない状態での誤起動を防ぐ為の物)、イジェクト!』

掛け声と共に、バッテリーに蓄積されたなけなしの電源によって、手元のコンソールを操作。
それによって、半身を冷却水面下に沈めて佇むエヴァの脊髄部分に刺さった停止信号プラグの上部が露出。
と同時に、それに複数の箇所にチェーンフックを引っ掛けるミサト。
その先に繋がれている鎖は、滑車を伝ってケイジの上部タラップに伸び、そこにひしめく男達の手に握らされていた。

『停止信号プラグ、排出開始!』

『『『OK! せえの〜! オーエス!オーエス!』』』

ミサトの号令に従い、整備員の有志達が、鎖を渾身の力で引っぱり上げだす。

   ガラ、ガラ、ガラ、ガラ………

『いいわよ、そのままスト〜〜プ!』

停止信号プラグが排出位置までせり上がった所で、制止の合図を。
プラグの側に控えていたミサトと整備員達が、持ち上げた停止信号プラグが落下しないよう、ジャッキとストッパーで固定する。

『さあ、次はエントリープラグよ!』

ミサトの指示を受け、所定の位置より運ばれてきた初号機用のエントリープラグが、鎖に繋がれガラガラとケイジの上部へ。
初号機へと挿入すべく、先程の排出作業とは逆の手順でその直上へと昇ってゆく。
それに合わせて、

『予備電源用の板状電池固定しろ!』

   ガチャ、ガチャ

『LCLの手動注水、準備急げ!』

   ブッシュ〜〜〜!

初号機の周りを作業員達が走り回り、各種作業を。
ほぼ総てが人力での作業。拘束しているロックボルトも、中の油圧を抜いてロックを解除し、実際の拘束具の排除はエヴァ頼みである。
しかも、最大稼働時間は、予備電源も含めて約10分。
零号機の分まで注ぎ込んでも、20分と持たないだろう。
だが、エヴァが使徒を倒す為には、その限られた時間内に、接敵から撃破までの総てを実行しなくてはならないのだ。

『おっしゃあ! 出撃準備かんりょ〜う!』

そんな心もとない。いっそ絶望的とも言える迎撃体制ながらも、現場の士気だけは異常なまでに上がっていた。



無論、この間、チルドレン達とて遊んでいた訳ではない。
西園寺市長候補と別れた後、規定のルート辿って、徒歩にて本部へ。
途中、警備員有志による、メガホンでの使徒来襲の一報を聞きつけ、一大事とばかりに歩を急がせたのだが、

『って、ゲイジまで一本道の筈なのに、何で外に出ちゃうのよ!?』

『仕方ないだろ! 人間には向き不向きってのがあるんだ!』

TV版とは異なり、アスカの事前調査は万全。
ゲイジへのルートも、最も簡易なものを選んだにも拘わらず、彼女達は在らぬ場所へと行き着いてしまった。
そう。有事に備え、北斗を先頭にした彼女の用心は、おもいっきり裏目に出たのである。

『え〜と、此処が第11通用門だから本部への道は………』

そんなこんなで、アチコチを練り歩き東奔西走。
案内図にも載っていない様な廃棄通路を通り、壁が崩れていたり、ドアが錆付いていたりして行き止まりになっていた所は、北斗の手を借りて強行突破。
更には、排気ダクト内を匍匐前進と、ジオフロント内を大冒険。
ひたすらネルフ本部を目指し、地下を彷徨い続ける(外見的には)3人の少女と、(性別的には女性な)その保護者。
そうした必死の努力の末に、

   ドポ〜〜〜ン!

ダクト内を進軍中、重量オーバーで下の金網部が破損。
その結果、咄嗟に回避した北斗以外は。チルドレン達三人は、揃って初号機の冷却水プールに落っこちるという惨憺たる有様ながらも、どうにかゲイジに到着した。
奇しくもそれは、エントリーブラグの挿入作業が終了した直後の事だった。

「ナイス・タイミングよ、アスカ!」

「それはコッチのセリフよ。正直、見直したわよミサト!」

ミサトは都合良く話が運んでいる事に。アスカは、ミサトが発進準備を整えていた事に驚きつつも、互いの機転を称えあう。
ゲイジ内の整備員達にも、ある種の達成感が生まれてゆく。
だが、そんなポジティブな雰囲気は、

『あの。それで、どうやって現場まで行くんですか?』

シンジのこの一言で、一気に凍りついた。

『『『………………ああっ!』』』

ゲイジ内に悲痛な慟哭が響き渡る。
そう。電源が無い以上、ウィングキャリアを飛ばせる筈がない。
ミサトの勢いに飲まれていた所為か、そんな中学生にも判る問題点に、誰も気付いていなかったのだ。

その後はもう、阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
せめて使徒戦の結果だけでも確認しようと、各々が私物のノートPCでTVを観戦。
普段からマメに充電していなかった所為で、途中でバッテリーが切れる者が続出という更なる悲劇を生みながらも、使徒撃破までの一部始終が確認された。
だが、彼女達にとってそれは、到底喜べるものでは無かった。
たちまち、ダークネスへの罵声がゲイジ内へと響き渡る。
それも、今回はミサト一人ではなく、その場に居た者のほぼ全員が逆切れしていた。
そう。八つ当たりだと理性では判っていても、胸を滾る悔しさのぶつけ所が他に無かったのだ。



   〜 現時刻。再び、ネルフ屋上の宴会会場 〜

「と言った経緯で、このジャ○アンツの優勝が決まった直後の道○堀飲み屋街の様な宴会が開かれたのでした。
 ちなみに、定員の関係で選挙カーに乗せて貰えなかった俺達は、あの後、そのままシェルターへ避難。
 んでもって、ヤケになって『死なば諸共』って考えたらしい惣流の呼び出しで、今、此処に居るってわけ」

「って、誰に説明してるのさ、ケンスケ?
 いや、この際そんな事はどうでも良いから助けてよ!」

悲痛な声でそう訴えるシンジ。だが、ケンスケはそれを一顧だにせず黙殺し、

「それと、シンジは、今もウグイス嬢の格好で酒宴のコンパニオンをさせられているんだ。
 結構似合ってるんだけど、写真には取っていないよ。武士の情けってやつかな。まあ、親友だしね」

「…………他人のふりを決め込んでいる時点で、もう友情もへったくれも無いと思うよ」

親友のつれない態度に。
師匠の『我関せず』とばかりに、整備員達が持ち寄った食材が無作為に突っ込まれた闇鍋をかき込む姿に。
遡っては事の原因に。面白がったアスカの『は〜い、ウチのbPのシンちゃんで〜す』とか言って、自分を狼の輪の中に放り込んだ仕打ちに。
チョッぴり人間不審になりそうなシンジだった。

「(ペシッ)碇君のお尻に触っちゃ駄目」

「せやで。コンパニオンさんには手を触れないのがマナーやろが」

「って、フォローの方向性が間違ってるよ、二人とも!」

酒の勢いで不埒を働こうとしていた整備員の一人を糺すレイとトウジに、思わずそう突っ込む彼だった。




「お〜い。いい加減ここから出してくれ〜」

そんな加持リョウジの嘆きの声は、エレベーター内にて虚しく響くのみだった。




次回予告

ある者は、一つしかないものだと言う。
ある者は、星の数程あると言う。
ある者は、容易に捏造されるものだと言う。
度し難いまでの愚行を繰り返し、求める先にあるものとは?

次回「外伝 僕らの一ヶ月間出張」

真実、そんなものに意味は無い。




あとがき

皆、聞いてくれ! 俺達はとんでもない勘違いをしていたようだ。
これを見てみろ。たしかに、回を追う事に掲載間隔は雪達磨式に伸びている。
だが、第1話の総バイト数はオマケも含めて90KB。(投稿前のデータ)
そして、今回の第11話の総バイト数が、オマケも含めて204KB。(以下同文。但し、あとがき分の追加は除く)
つまり、1話当たりの分量もまた、それなりに増えていたんだよ!

な、なんだって〜〜っ!



………すいません。何をするにも、まず言い訳が先に立ってしまう、小心者のでぶりんです。
第8話のあとがきで『1話分書き上げるのに一ヶ月』と言っておきながら、二ヶ月近くも間を開けてしまい申し訳ありません。
嗚呼、もうすぐ連載一周年。当初の目算では、最低でも1クルー分は終っている筈だったのですが………己の遅筆を過小評価し過ぎていた様です。
正直申しまして、もう完結まで何年掛かるか判らない様な状況ですが、どうか見捨てないでやって下さい。(土下座)

と、言っている側から次は外伝です。
お腹立ちになるのもごもっともと思いますが、これは第一話を書く前から決まっていた事。
第一中学校が夏休み中の時期にしか使えない。冬休みだと、ゼルエル戦とアラエル戦の中間なので別の意味で不許可なネタなのです。
どうかご容赦の程を。(再土下座)

それでは、もったいなくも御感想を下さる皆様に感謝すると共に、再びお目にかかれる日が来る事を祈りつつ。

PS:真に勝手ではありますが、胎動アカリの声は、椎名へきる嬢の声を当てて読んで下さいませ。これは、私の、ゆず〜れな〜い願いです。




【アキトの平行世界漫遊記F】

 

 

感想代理人プロフィール

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代理人の感想

あー、なんというか、相も変わらずどこから突っ込んでいいものか(爆)。

そう言うわけでたった一話で完全燃焼して力尽きた某OGとか、

ゴールデンタイムのアニメでもそうそうありえない声優陣揃えた某弟子とか(声だけならワンピ並だ)、

シビアな予算配分の苦労が見て取れる某ブチマケとか(演出とシナリオが頑張ってるからまた泣ける)、

我々は」「オッパイだっ!」が削られたので見る気を失くした某南瓜鋏とか(ぉ

土曜日の午後6時に食人ネタやった某時代劇アニメとか
(いや、当時実際に起きてたことではあるんだけどねー)、

阿鼻叫喚渦巻く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

特に最後。

 

つーかなー。

まさかあの謎の物質で出来た精神波受容体がまんま出てくるとはおいちゃん予想もしなかったなー(爆)。

しかもよりによって彼女が。

「レッド」ならぬ「クリムゾン・レンズマン」とでも言いたいのかね? ん?(爆)

まぁもっとも彼女は金髪ですが。

原作の見どころである出撃の努力が完全に無意味になる位はあるかと思ってたんですが、さすがにこれは予想出来なかった、うむ。w

 

しかし今回思ったんだけど、エッ○ール人って本当に道を違えたアリシア人じゃないのか?

邪悪さ加減が余り変わらないような気がしてきた・・・・。

 

 

>舞歌さん

うーん・・・・・・・結局は結構いいお姉さんなんだよなぁ(笑)。

この妹思いのお姉さんの愛情を千沙にせめて1/100でいいから分けてあげればいいものをw

 

>人間に認識出来ない

すげぇぜダンボール!

すげぇぜ特殊工作員!