I NA T

 

 

 

 

 明人と九十九の兄弟は、深夜のドライブをしていた。

「兄さん、何時になったら、父さんはこっちに戻ってこれるのかな?」

「そうだな。

 今回はちょっと長引きそうだと言っていたな」

 九十九と明人の父親は、いま、どこぞの国に出張している。

 ふと、大きな音がした。

  ドドドドドドドド

 その音はだんだん近付いてくる。

 ズゴゴゴゴゴゴゴ 

 車の右前方に何かが落ちた。

 そして、巨大なクレーターが出来た。

 キキィッ

「何だ何だ!?」

 車を急停車して、飛び降りる九十九と明人。

「兄さん、あそこ!」

 明人が指さした方を見ると、巨大なクレーターの中に人影が見えた。

 それを近付いてみると・・・

「何だァ!?」

 

 

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 人影の正体は、やっぱり人間だった。

 性別は♀。

 何故か裸。

「うっ!」

 九十九が鼻頭を押さえた。

 結局、鼻血が美しい軌跡を描いたが。

「何なんだ、こりゃ!?」

「何だ・・・・・・って、女の人じゃ・・・」

「アキト、お前普通、女が空から降ってくるか!?」

「じゃあ・・・この二人は・・・」

「とにかく、この二人を家に運ぶぞ」

「運ぶって・・・運んでどうするの?

 とりあえず警察に届けた方がいいんじゃない?」

「バカ者め!

 女性は国の宝だぞ!

 それを、最近、私利私欲の追求ばっかりしている警察になぞ任せておけるか!!」

「兄さん・・・その発言ヤバイよ・・・」

「まあいい。

 早速運ぶぞ!」

 何か九十九はやる気満々だ。

「あれ?」

 明人が何か、カバンを見つけた。

「よーし!やるぞ!!」

 明人には、九十九の後ろに炎が燃えているように見えた。

「まあいいか」

 明人はカバンを手に取り、中から覗いている物体を取り出してみた。

「何だろ?これ」

 物体は、何かのディスクのような、櫛のようなモノだった。

「? ?」

 何かのディスクかなぁ・・・、とか呟いていたら、九十九に呼ばれた。

「明人!早くしろ!!行くぞ」

「あ・・・うん!!」

 

 

 ------次の日の朝------

「ふわぁ〜〜あ」

 欠伸なんぞをしながら九十九が飯を食いに出てきた。

「あ、おはよう、兄さん」

「彼女たちは?」

「まだベッドの中だよ」

 料理をしながら明人が答えると、

「そうか。それじゃあオレはちょっと様子を見てこようかな」

 と言い、二人を寝かせた両親の部屋に行く九十九。

 ・・・因みに、二人の両親は離婚している。

 

 バタンッ

 両親の部屋のドアを開け、中に入る九十九。

「ホントだ、まだ寝てる。

 日常とは違う朝を期待していたんだが・・・・・・」

 んなもん期待してたのか?

「つまらん」

 何がだよ。

「これでは拾った意味がないではないか」

 酷いこと言うな、お前。

「この二人・・・どうしてくれようか・・・」

 とか呟いて、

「ふむ・・・」

 まじまじと眠っている二人を見る九十九。

 一人は、栗色の髪の、耳にイヤリング(だろう、多分)を付けており、一言で言うなら、“ないすばでぃ”なお姉さんだ。

 もう一人は、水色・・・というか、薄い瑠璃色の髪の、十五、六歳の、体もまだまだ発展途上の少女だ。

 近付いて、顔に触れてみる。

「やっぱ・・・ただの人間かね?」

 髪を掻き上げてみる。

「ん・・・?

 んななななぁぁあああぁぁああぁぁぁ!!?」 

 九十九のその声で・・・白鳥家の家は震えた。

 

「兄さん!どうしたの!?」

 ドアを乱暴に開けつ、明人が部屋に乱入してくる。

「おいアキト・・・

 やっぱりこいつら、人間じゃねぇ・・・」

「え?」

「頭に何か穴が・・・スリットがいっぱい付いてるんだ!

 何なんだよ、一体・・・

 カードを入れるわけでもあるまいし・・・・・・」

「カード・・・・・・」

 ポケットをまさぐる明人。

「ひょっとして、これを入れるためのモノかな?」

 あの、ディスクのような、櫛のようなものを取りだし、九十九に見せる。

「それは?」

「昨夜落ちてたんだ。トランクも一緒に」

「何かのディスク?櫛みたいだが」

「トランクにはこれが目一杯詰まってたけど・・・・・・」

「彼女達のモノ?だろうな・・・」

[そのトランクは無事なのね。

 壊れてないのね?]

 何処の国の言葉かも分からない謎言語で、いつの間にか起きていたナイスバディなお姉さんが言った。

[それは私たちの大切なモノなの。

 返してちょうだい]

「お、起きた・・・

 しかも---外人さんだったとは。

 まいったなー」

 しかも裸だし、とか呟く九十九。

「で・・・でも、何処の言葉だろう兄さん。

 ・・・英語じゃないよね」

「えーーーと、自分は白鳥 九十九。

 こいつは弟の明人。

 君達は何処から来たんだい?」

 頬がひくひく引きつっている。

 九十九は外国人が苦手だ。

「に、兄さん、日本語じゃダメだよ・・・・

 通じないよ」

[ちょっと、ここ日本とか言ってますよ]

[だから、全部あのチェンバーの中に入ってるって言ったでしょ]

「お」

[さっさと私たちのチェンバーケースを渡してちょうだい。

 さもないと・・・]

「な・・・・・・何だこいつ、なに言ってんだぁ?なあ、アキト!」

 九十九がアキトの方を見ると、アキトは部屋の外に駆けだしていた。

「こらっ、おいアキト!!」

[早く渡しなさいって言ってるのよ!!]

「な・・・なあ外人さん、もうちょっと穏やかに話しません?」

[・・・・・・・・・]

 くるっと振り向いて、もう一人の少女と何かを話す女性。

「ふう・・・

 せっかく拾ってあげたというのに・・

 全く、恩知らずな方々だ」

[アレがないとあなた達と話すことも出来ないの]

 少女がそう言った。

「兄さん、これが必要なんじゃないかな」

 明人がチェンバーケースを抱えて戻ってきた。

「アキト!」

[そう、それよ]

 明人からチェンバーケースを受け取る九十九。

 そして、それを二人に渡そうとしたとき、九十九は見た。

 二人の裸体を。

 もろに。

 この年にしては純情すぎる九十九は・・・・・・

「ぐはっ」

 再び鼻血の軌跡を残し、崩れ去った。

 女性の眉が、ピクピク痙攣している。

 イライラしてきたらしい。

 そしてついに堪忍袋の緒が切れる。

 ドドドドドドオオォォォォォォン!!

 九十九のすぐとなり辺りに、雷が落ちた。

「あれ・・・外は雲一つないのに・・・」

[早くそれを渡してくれないと、この辺からここだけ消滅することになるわよ]

「今のオレが・・・動け・・・るとおも・・・・・・うのか・・・がくっ」

 女性は、倒れたままの九十九からチェンバーケースを奪い取り、ディスクを取り出した。

 そして、それを例のスリットに入れる。

 九十九と明人には、女性の髪が伸びたような気がしたが・・・・・・

 次の瞬間、女性が壁に手をグサッと突っ込んだのを見て絶句した。

「「なっ!?」」

 更に、何か・・・電線の束のようなモノが室内の中を暴れ回る。

「ななななななっ!?」

「うわああぁぁぁ!?」

 最後に、先程よりも大きな落雷が白鳥家を襲った。

 バキバキバキ、ドッガガガアアアァァァァァァァァァァン!!!!

 

 ・・・・・・・・・・・・・

「どう? 思い知った?

 これが私たちの力よ」

「「・・・・・・・・・」」

 いきなり女性が普通の日本語を喋ったことにも気付かず、九十九と明人は倒壊した建物の下敷きになったまま、ぼへ〜っとしていた。

「そして、私の名前はミナト。

 ミナト・ハルカ」

「そして私がルリ・ホシノ」

 バックに朝日を背負って・・・・・・

 彼女達はそう言った。裸のまんまで。

 

 

 本星への報告書M−1

 執筆時間四時間ほど。

 ほとんど書いたところでパソコンがフリーズしてさ・・・

 ほとんど全部書き直ししたからねー。

 ところで、皆さん、これの元ネタ分かります?

 麻宮 騎亜ファンなら分かると思いますが。

 さて、7月1日22時24分現在、アンケートに答えてくださった方は一人のみ。

 ところでhoneさん。

 感想もとても嬉しいのですが、アンケートにも答えてくれません?

 それではでは・・・

本星への報告書M−1 終

 

 

代理人が感想

 

弟=アキトはよしとしよう。

 

(他にいないから)兄に九十九を配するなら姉=ミナトと言うのもわかる。

もっとも兄の性格を考えるとウリピーの方が近いような気もするが、壊れ九十九ならOKか。

(実際既に壊れ始めてるし(笑))

 

けど妹=ルリと言うのは微妙だな〜(笑)

能力と体型的にはその通りなんだけどあのおとなしい妹にしては性格がちょっと・・・・・(爆)

妹はユリカかカグヤにして弟の同級生をもう一人の方にするのも面白かったかな(笑)

(同級生が金持ちのお嬢様と言う事を考えると妹=ユリカ、同級生=カグヤが適任か?)

「同盟」からなら最適任はサラ辺りじゃないかとは思うんだけどね。

 

 

E.Tさんからの投稿です!!

まあ、代理人の意見とほぼ同じなんですけどね?

ただこの世界の明人には・・・彼女がいたでしょ?(笑)

さてさて、誰がその彼女役になるのじかな〜

凄く続きが楽しみですね!!

 

ではE.Tさん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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