Act.0 朝の風景

「う゛〜〜、ねむ〜〜〜」


 朝日が顔に当たり、アキトは目を覚ました。

 昨夜は、夜遅くまで眠れなかった。

 というか、眠れたのは昨夜ではなく、今日になってからだった。

 理由は、言うまでもなく隣にミナトがいたからだ。

 この時既に鈍感王と呼ばれていた彼だったが、異性と一緒にいて緊張しないわけではない。

 しかも、それが可愛い女の子なら尚更だ。

 ユリカやカグヤは、常に付きまとわれていたので、『ウザイ』というぐらいの感情しか持っていなかった。

 イツキは、近くにいすぎたため、そういった感情はない。


「う、うぅ〜〜〜ん・・・・・・」


 だが、自分の顔を胸に抱いて眠る美少女は、つい数ヶ月前に出会ったばかりなのだ。

 その数ヶ月の間を2人っきりで、一つ屋根の下で過ごしたとはいえ、同じベットで寝るのとは勝手が違う。



 甘い体臭が鼻腔をくすぐる。

 ミナトには抱きつき癖があったらしく、抱きつかれた。

 幼児体型とはいえ、思春期に入った少女の体は、暖かく、柔らかかった。





 髪や、熱い吐息が頬を愛撫し、アキトは初めて、眠りが疲れをもたらすことがあることを知った。








機動戦艦ナデシコif 
AnotherNADESICO 

第11話 『発見』










Act.1 エレベーター内にて

 昨日、探せど探せど結局見つからなかった『火星資料館』。

 今日の午前中いっぱいの予定は、各自自由行動だった。

 しかし、その予定を変更し、意地でも火星資料館を発見することにした。

 ユウノ曰く、


「ホワイトホール、白い明日が・・・・・・もとい、火星資料館が待ってるぜ!」


 ついでとばかりに、


『にゃーんてな♪』


 と、レイとジュウゾウ以外が続いた。

 ガイはまだしも・・・・・・・・・

 と思ったあなたは、まだまだ甘い。

 復刻されているのは、何もマンガだけではないのだ。

 アニメの方も復刻されている(第2話を読んでみよう。ちゃんと書いてあるゾ)。

 ・・・・・・ちなみに『ゲキ・ガンガー3』はビデオディスクが少しだけで回っている程度だ。

 なんたって、ファンが極々一部の、コアーな人間しかいないからだ。

 皮肉にも、それが理由で希少価値が高く、マニアの間では高額で取り引きされていたりするが。


 (ガイは全巻入手)


 レイは存在は知っているが、あまり漫画やアニメに興味はない。

 好きなものもあるにはあるが、子供も好きでも、本当に理解することは出来ないような作品、『ガンダム』シリーズだった。

 『新機動戦記ガンダムW』のガンダムデスサイズ(H、並びにHカスタム)と、デュオがお気に入りらしい。

 ジュウゾウはアニメや漫画は全く見ないと言っていい。

 だが、その代わりに映画を見る。

 赤い火星が出てきたりするかもしれないような、オールド・ムービーだ。

 一番好きなのは『TheBodyguard』と『2001年宇宙の旅』、『リーサル・ウェポン(全部)』だとか。

 その上、A級よりもB級映画の方が好みらしい。


 ・・・・・・まあ、この際彼らの好みなどはどーでもいい。


 チーーン


 そんなこんなで、エレベーターが一回に到着した。










Act.2 いざ『火星資料館』

「さあ・・・・・・

 Let’s search out (さあ!探すわよぉ)!!」


 ユウノが拳を振り上げながら叫んだ。


「おお!!!」


 だが、それに返事したのはガイだけだった。


「お、お姉ちゃん! 恥ずかしいでしょ!!」

「え? 何が」


 コトミの言葉に、心底不思議そうに首を傾げる。

 それに、イツキが言った。


「こんな街中・人前で叫ばないでください、って言ってるんです!!」


 だが、そういうイツキ自身叫んでいたりするのは御愛嬌?


「でも、どう探すの?

 結局昨日、見つからなかったよ?」


 ミサオが指摘する。

 はるかもそれに追従する。


「そうよね。

 それで結局2時間以上無駄に過ごしたのよね」

「う゛っ」


 痛いところをつかれて声をあげる。

 だが、大人なレイが提案する。


「普通に、交番や在る筈の辺りの店で訊けばいいでしょ?

 それが賢い判断、ってものよ?」

「まあ、その通りだろうな」


 ジュウゾウがその意見に賛成し、アキトもその意を表明する。


「そうだね。

 昨日みたいにならないように、人に訊いた方がいいよね」


 この一行、不思議と一番年下のアキトの意志が強く反映される。

 というわけで、当然の如く、考えてみれば一番理性的な行動がとられた。





ーーー 例の歓楽街にてーーー

「ここだな」


 ポツリと呟くジュウゾウ。

 それに頷くユウノ。

 辺りを見回せど、昨日と変わったところは何もない。


「それじゃあ、そこで訊いてみよう」

 言いながら、ミサオがラーメン屋『幸薄』に入る。

 ・・・・・・・・・なんか、嫌な名前だなぁ。


「すいませーん、『火星資料館』探してるんですけど、知りませんかー?」


 店主は親切できさくなオッちゃんだった。


「おう、そこに『月招(げっしょう)』って看板があるだろ?

 その右側に階段があんだろ。

 そこを降りりゃ、『火星資料館』だ」










 沈黙。










『は?』










 随分と間を置き、やっとそれだけの声が出た。

 それは、レイやジュウゾウでさえも例外ではなかった。










オリキャラ設定(その7)


ジーネ・H(アクライア)・クサカベ(Zine・Haclia・Kusakabe)♀
 ○難波 零ことNo.0の本名。

 ○特に書くことはないが、2つだけ。

 ○好んで使う得物は銃(リボルバー。種類に拘りはない)と、サーベル。

   サーベルを持ち運ぶときには、カモフラージュ用のオーボエ(金管楽器の一種)のケースに入れる。

   ・・・・・・なお、怪しまれないようにするため、オーボエをマスターしており、大会にも出ている。

 ○2つ目は、名前について。

   名前の綴りが乗っているのにはワケがある。

   ・・・・・・・・・それだけ。


日下部 夏伸(クサカベ カシン)♂
 ○ジーネの父親。

 ○クリムゾングループが保有する『トライデント』と呼称される裏の部隊の一つ、『虐殺部隊(ジェノサイド・フォース』指揮官。

 ○外見は、筋肉質な大男。

   生粋の日本人と言うことなのだが、家系図によると、『坂上田村麻呂』がいるあたりが何とも・・・・・・

   ・・・・・・坂上田村麻呂は当時のロシア人という説があるッスよ。

 ○膂力は外見に相応しく、200キロのバーベルなど、欠伸混じりに持ち上げる。

   だがしかし、その俊敏性も侮れないモノがある。

   体力は言うに及ばず、短距離(100m)など11秒代前半が平均タイム(しかも連続で4会ほど走って、だ)。

 ○得物はナイフと拳銃(ジーネ同様リボルバーというだけで、その他の拘りはない)。

   ナイフは両手に持つ。

   そのナイフから逃れた者は、数少ない。

   拳銃についても同様で、4、50メートルぐらいなら、動かない標的ならば百発百中、動いたとしても8割以上の命中率を誇る。

 ○率いる部隊は、ナンバーズの『潜入・偵察、及び破壊工作』とは違い、『直接的な制圧』を任務とする。

   ・・・・・・なお、No.13のシャトル破壊については、『破壊工作』と言うことになっている。

   実状としては、個人用の携帯ミサイルやグレネードランチャーの命中率最高を誇るのが彼だったからである。

   でなければ、『ジェノサイド・フォース』の誰かがこの任務を果たしたはずである。










後書き

 まず最初に、『湊 はるか』は別人28号さんの許可の元出演しています。

 ちょいと今回は短め。

 でも、しょーがないんです。

 だって、『火星資料館』を発見したところで終える予定だったから。

 ・・・・・・で、どうでしょうか?

 地下にある博物館ってーのは?

 なお、地下にあるのは大きく2つ(3つ?)理由があります。

 さあ! 正解を当てて、E.Tから『正解ダヨ〜』というメールをもらおう!!



 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 ごめんなさい。

 ですけど、そういうのを予想してみるのも、また一興。



 それでは。




追伸
 前話で別人28号さんに『シャワーとか風呂とかは?』というツッコミがありました。

 それは、空白の1時間半の間に済ませています。


コメント代理人 別人28号のコメント


アキト、この時点で何才でしたっけ?

異性を気にする年令でもないような・・・マセてる?




やっとこさ火星資料館をみつけみたいですが

今回はホントに短いですね〜




いろいろと趣味に関する事もありましたが

そういうのって火星にはどれぐらい存在するんでしょう?

地球ならともかく、火星で一般需要のない商品が普通のルートで手に入るのか?


答えはおそらくNOでしょう


にも関わらずゲキガンガー全巻を手に入れたガイ

・・・色んな意味で恐るべし

独自のルートでも持ってるのでしょうか?