カリカリカリカリカリ・・・・・・

 ピタッ

 浦島アキトは勉強中、はたとその手を止めた。

 彼は唐突に思ったのだ。

「(2泊3日ぐらいの旅(世間ではそれを“旅行”という)に出よう)」 
 
 アキトはそれを次の日に実行した。

「2泊3日ぐらいの旅に出ます。探さないでください」という書き置きを残して・・・・・・





                        ナデひな外伝
                  シリーズ        浦島  アキト   ぶらり旅
                                                                                  
              in 隆山       
  
 
 
 
 
「何だこれはーーっ!!!?」 

 今朝のひなた荘は、この声で目覚めた。

 ・・・素子の叫び声で・・・・・・

「何や!?どうしたんや、素子!?」

「どうしたの、素子ちゃん!?」

「どうしたんですか!?素子さん」

「どうしたんやー?素子ー」

 ロビーに出てきたひなた荘の住人に素子は声と手を震わせていった。

「これを・・・見てください・・・・・・」

 素子が手にしていた紙を見、書いてあることを読み上げるキツネ。

「えーと、なになに・・・

 “2泊3日くらいの旅に出ます。探さないでください”

 ・・・・・・ふっざっけんなーっ!!!」
 
 キツネがメモを取り上げる。

 丸める。

 床に叩き付ける。

 ゲシゲシ踏み付ける。

 蹴り上げる。

 秒間数千発の核をも凌ぐ威力のパンチを叩き込む。

 空手○剣をかます。

 どこからとも無く取り出したズブロッカを口に含み、やはりどこからとも無く取り出したライターで○ガフレイムをかまし、紙を燃やし尽くす。

「はぁはぁはぁはぁ・・・・・・」

「き・・・キツネ・・・・・・大丈夫?」

 

 

 そんな騒ぎがひなた荘で行われている頃・・・・・・

 アキトは隆山に到着していた。

 とりあえず、昨日中に予約をしておいた旅館に向かった。



 ンで、旅館“鶴来屋”に着く。

「う〜ん、ここが“鶴来屋”かぁー」

 とか呟きつつ、

「ごっめんくださ〜〜い」

 アキトは鶴来屋に入る。

「はい、いらっしゃい」

「えーと、夕凪の間に予約している神奈川の浦島ですが」

「少々お待ち下さい・・・浦島様ですね」



 キーを受け取り、夕凪の間へと行くアキト。
                  とこ
「う〜〜ん、景色のいい部屋だな〜〜」

 旅行鞄を置くなり、大きくのびをしながらそんなことを言うアキト。

 夕凪の間は、畳張りで、なかなか広い。

 ・・・訂正。

 2、3人でもスペースが余りあるほど広い。

「さ〜てと、とりあえず観光観光。

 ・・・全く知らないけど・・・・・・」

 アキトはクリーム色のコートに、財布などの必要最低限の物を入れ、キーを指で回しながら部屋を出た。





 PM 1:30

「へ〜ぇ、ここが例の殺人現場の公園かぁ」

 ・・・観光地に、殺人現場の公園を選ぶアキト・・・・・・センス最悪、考えてることが全く分からん。

 ってゆーか、分かりたくもないし。ンーなセンス。

 アキトは何かの本(ガイドブック:本屋で購入した)を取りだして、パラパラとめくる。

 お目当てのページを見つけ、そこに書いてあることを読み上げる。

「えーと、なになに・・・『4人の人間が、人間業とは思えない殺され方をし、一人の少女が誘拐された曰く付きの公園』・・・・・・か」
 
 何故ガイドブックにンな事が書いてある!? 
 
 ・・・・・・謎である。

 世の中には、我々が想像するよりも遥かに謎が満ち溢れているのである。

 と言うことで納得していただきたいが・・・いかがなものか?

「う〜〜〜ん・・・・・・」

 唸り声をあげるアキト。

「こんなトコ見てもつまらない・・・・・・(涙)」

 いや、泣くぐらい何だったら最初っから来るなよ。





 PM 2:05

「ふむ・・・ここが“鶴来屋”のオーナーの家か・・・・・・

 何となくひなた荘に雰囲気が似てるな〜」

 今度アキトが来たのは、“鶴来屋”のオーナー“柏木 千鶴”の家。

 ・・・これもまたガイドブックに載っていた。

「? 何でこんな普通の家に五つもこんな強力な“気”があるんだ?

 しかも、感じからすると、これでも抑えてるみたいだし・・・・・・でも何だ?一つが何かかなり弱ってるが・・・・・・

 しかし、俺や北斗より少し弱い程度かな?本気だと」

 家から感じられる“気”を、そう分析するアキト。

 唐突ですが。

 どっがあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!! 
 
 そんな音と共に家から煙が立ち上った。

「!? なんだ!?」

 突然のことに驚くアキト。

「何だ?この異様な気は・・・・・・

 闘気でも狂気でも殺気でも鬼気でもない。

 一体これは・・・・・・はっ、これは“嫉妬”かっ!!!」
                    いずみ
 “嫉妬パワー”のことは某水○ 一純や某柾木 ○地などと同じか、それ以上に知っているアキトだ。

 その言葉が間違っているはずがない。

 すぐに、そのアキトの言葉を裏付ける言葉が聞こえてくる。
 
「ふっざけんじゃないぞ、この偽善者がぁっ!」
 
 
「誰が偽善者よ、誰が!」
 
「そう言いながら反撃してくるところが偽善者なんだよっ!」
 
「これは正当防衛よ!」
 
「うっさい偽善者っ!
 
 耕一の看病は私がするんだぁっ!!」
 
「何を言うのよ梓!
 
 耕一さんの看病は私がします!!」
 
「姉さんは便所掃除でもしてろぉっ!!」
 
「あなたこそお風呂の掃除でもしてきなさい!」
 
「私が看病するんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 
「私が耕一さんの看病をするんですぅっっ!!」
 
「・・・・・・・・・・・・看病・・・ねぇ」

 ふと、ナデシコにいた日々を思い出すアキト。

 見も知らぬ“耕一”とやらに同情してしまう。

「(・・・彼女達の看病で、治るのが長引かないことを・・・・・・)」

 ついついそんな冥福まで祈ってしまう。

 そんな事をしている時だった。

 またもや、

 どっがあああぁぁぁぁぁぁぁぁあんっ!!!
 
 という音がした。

 しかも今回はアキトの目の前の壁から。

 まあアキトにかかれば自分に向かって飛んできた壁の破片を全て迎撃、もしくは回避することなど朝飯前であるが・・・

 今回に限り、それは出来なかった。

 何故なら・・・・・・

 壁を破った人物をまともに見てしまった(=二人の“嫉妬パワー”をまともに浴びた)からである。

 それ故にトラウマ・・・・・・某妖精や某幼き妖精、某天真爛漫などの、つまり“某同盟”のお仕置き時の“嫉妬”を思い出したのだ。

 そのお陰で・・・

 ぷちっ☆

 とかいうコミカルな音を立てながら潰された。

 そしてそのショックでアキトは“無敵コマンド”を入力されてしまった。

 行けっアキト、必殺の山嵐(柔道の投げ技)だ!

 ・・・じゃなくてぇ、

 無意識に何か蒼銀色のオーラ(“昂気”のことっス)を纏う。

 そして長い黒髪の女性と、茶髪(地毛)でショートの女性に殴りかかる。

              どがっ!        めぎょっ!
  
                              ばきっ!
 
 アキトは二人を殴って昏倒させた瞬間に正気に戻った。

「はっ、俺は何をしていたんだ!?

 !? 女の子が二人・・・俺がやったのか!?」

「お姉ちゃん達!?」

「むっ! しまった、人が来る。

 この二人をほっとくわけにもいかんし、かといって俺がこの二人を倒したとなるとどうなるか分からない・・・・・・

 どうする?」

 そんな風に悩んだのがまずかった。

 アキトの足を持ってしても目撃されずに逃げることは出来ない位置(この二人以外の“気”も異様に大きい。そして“気”の大きさはほぼあらゆる身体的能力の高さと比例関係にあるといってもいい。視覚も当然なので、目撃される公算が大きい)まで人が来てしまった。

 なので、しょうがないから“浦島アキト”だと不審がられるだろうから(一般市民があんな力を持った二人を昏倒させられるはずがないから)、“漆黒の戦神 テンカワアキト”としてならば不審がられることもないだろう、と考え、コートのポケットから例のバイザー、黒マントなどを取りだし、一瞬にして着替えた。

 何てったって、羽織るのと被る(?)だけなのだから。

「お姉ちゃん達!?」

 崩れた壁が巻き起こした煙の向こうから最初に現れたのは金髪の小柄な少女だった。

「嘘・・・気絶してる・・・・・・」

 次に現れたのはショートの黒髪の女の子。

 もう一人は会話から察するに出て来れないだろう。

「・・・すまん、俺がやった」

 アキトは二人の少女に正直に言う。

「・・・あなたは?」

「あ、私知ってる!

 この格好、“漆黒の戦神 テンカワ アキト”!」



「・・・とまぁ、そーいうわけで・・・・・・」

「そうですか、それはまたご迷惑をおかけしました」

 何だかんだのうちに柏木家に上がったアキトは、自己紹介をし、柏木一族の秘密(鬼の血のこと)を聞き、どうして二人を昏倒させたかについて説明した。

 それに対して長女:柏木 千鶴は深々と頭を下げた。

「悪かったな」

 次女:柏木 梓はぶっきらぼうにそう言った。

「梓!仮にも迷惑かけたんだからちゃんと謝りなさい!」

「なんだよ、千鶴姉、そんなこと言いながら後頭部に青筋立ててんじゃないか!」

「こ!これは・・・!」

「やっぱり千鶴姉だって怒ってんじゃないか。
                                     ・ ・ ・ ・
 頭殴られてそう簡単に謝れますかってんだ!(二人とも頭にたんこぶが出来てます。それもおっきな)

 この偽善者がっ!」

「誰が偽善者ですってぇ!?」

「千鶴姉に決まってんだろ!」

「そんな悪い事言う口はこれか!これか!」

 梓の口の端をぐいぐい引っ張る千鶴。

 ・・・・・・ガキかよ、アンタは。

「あにふんあよ!(訳:何すんだよ!)」

 お返しとばかりに千鶴の口を引っ張る梓・・・・・・

 ・・・マジでガキだよ、アンタらは・・・・・・

 そして殴り合いへと発展してゆく・・・・・・

「お姉ちゃん達〜(涙)」

「・・・すいません、また止めてもらえませんか?」

 三女:柏木 楓に頼まれたアキトは二人の延髄に手刀を入れる。

「「うっ・・・」」

 二人は呻き声をあげ、再び昏倒した。

 

「・・・本当に、お姉ちゃん達がご迷惑をおかけしました」

 礼儀正しく、本当にすまなそうに柏木家四女:柏木 初音。

「後で姉さん達にはきちんと謝らせますので・・・」

「はあ・・・・・・(汗)

 ところで一体何なんです?二人の喧嘩の原因は」

「それが・・・・・・」

「いとこの耕一お兄ちゃんの看病のことで・・・・・・」

「? 耕一さんとやらも“鬼”の血を引いてるんだろ?

 だったら何でまたそんな人が看病を必要とするんだ?」

「それはね、千鶴姉のりょ(ドゴっ:千鶴がいきなり復活して当て身を食らわせた音)・・・・・・(気絶)」

「あら初音、どうしたの?」

「・・・・・・だから“偽善者”だってンだよ、千鶴姉」

 後頭部を押さえながら起き上がる梓はそう言った。

 そこに、

 ドゴオッ!!
 
 千鶴が当て身(初音に対してよりも強く)を食らわせる・・・・・・(梓、三度目の昏倒)

 アキトが楓を見ると、彼女は小さな声で言った。

「私は命が惜しいですから」

「う〜む」

 妙に納得してしまうアキトだった。

 そして気絶した二人を後目に三人(アキト、千鶴、楓)が話をする。

「・・・つまり、あの喧嘩の原因は千鶴さんのりょ(ビクゥっ:千鶴が視線で人が殺せたら絶対にアキト死んでるよ〜、ってな程殺気を込めた視線でアキトを見やった)・・・・・・それは置いといて。

 で、耕一さんの看病は結局どうなるんだい?」
 
「私がお粥をつ「千鶴姉さんに作らせるわけにはいきません!!」
 
 ・・・・・・どうして?」
 
 楓は千鶴のその言葉を聞き、はぁ、っと溜息を付いて小さな声で言った。
 
「無知とは恐ろしい・・・」
 
 まったくである。

「俺が何か適当なモンでも作ろうか?」

「えっ、そんな、悪いですよ」

「俺が二人のこと殴っちゃったからね、ごめん、って意味で」

「すいません」

「いや、いいよ。

 で、台所は何処だい?」

「あ、はい、こっちです」

 台所に向かうアキトと楓を見送りつつ千鶴は呟いた。

「・・・・・・何で私が作っちゃいけないの?」

 嗚呼、本当に無知とは恐ろしい。



「こ〜いっちさ〜ん、お粥持ってきたぞ」

「(びくっ)そ・・それ、誰が作ったんだ?」

 黒マントに黒いバイザーの怪しい男よりも料理作ったヤツの方が気になる耕一。

「安心しろ、千鶴さんじゃない。俺が作った」

「そ・・・そうか。ところでアンタは?」

「ん?俺はテンカワ アキト。

 ちょっと、千鶴さんと梓ちゃんの姉妹喧嘩に巻き込まれて。

 それでちょっと御厄介になってるんだ」

「・・・よく、あの二人の喧嘩に巻き込まれて生きてたな」

「まあ、あれ以上の戦い(対北斗戦、対D戦など)も何回も経験してるからな」

「・・・・・・そういや、テンカワ アキトって聞いたことがあるな。

 ! そうか、“漆黒の戦神”テンカワ アキトかっ!」

「ああ。

 まあそれよりも、お粥食べなよ。冷めちゃうよ」

「ああ、そうだな」

 そして耕一がアキト製のお粥を食べようとしたとき、再び姉妹喧嘩が始まった。

「私が耕一さんにお粥を食べさせてあげるんです!」

「耕一にお粥を食べさせてあげんのは私だぁっ!」

「いえ、耕一さんには私が・・・」

「私が耕一お兄ちゃんに食べさせてあげるの!」

 ・・・・・・引っ掻き、突き、蹴り、クロスカウンターが炸裂する。

「・・・・・・・・・すいません、止めてもらえます?」

「・・・・・・・・・・・・・・・分かった」

 アキトは四人の延髄に手刀を入れた。

「はうっ」

「またかっ」

「うっ」

「はっ」

 ・・・四人は昏倒した。

 

 アキトの料理で千鶴の料理を中和したからなのか、四人が目覚める頃には耕一はすっかり回復していた。

 そしてその例に梓がおやつを作ってくれるという(現在時刻2:50)。

 で、梓は先程台所に行った。

 今頃料理を作っているだろう。

 だが、その時に事件は起こった。
      ・ ・
 彼女のあの行動に気付けばこんな悲惨な事件は起こらなかったのだが・・・・・・

 

 アキト、楓、初音、耕一が料理を待っている間に麻雀をやっていた(千鶴はちょっと前に席を立った。本人曰く:おトイレに行って来ます)。

 その時、
 
 ガタっ
 
 突如襖に何かがぶつかった。

「なんだ?」

「何でしょう」

「何かな?」

「? この気配は梓ちゃんの・・・・・・?」

 四人は麻雀を中断して何があったのかを見に行くと、梓が部屋の外で横たわっていた。

「どうしたの、お姉ちゃん!」

「うぅぅ・・・・・・千鶴・・・姉さんが・・・・・・台、所に・・・・・・・・・」

 梓は重大なメッセージを残し、事切れた(ホントは死んでないけど)。

「ち、千鶴姉さんが!?」

 楓が血相を変える。

「早く!アキトさんは逃げてください!」

「へ?」

「千鶴お姉ちゃんの料理は人が殺せるの!」

「じゃなければ耕一さんが人事不省になったりなんかしません!

 ここは私たちが足止めします。

 可能な限り遠くまで逃げてください!」

「分かった。それじゃ!」

 ・・・・・・柏木家は戦場と化した。

 アキトがその神速を持って逃げようとしたが・・・・・・・・・遅かった・・・・・・

 千鶴が出てきてしまったのだ。

 手に虹色の(見た目は)ケーキを持って。

「・・・・・・何処に行くんですか?アキトさん」

 にっこりと微笑んで彼女は言ったが・・・・・・目が笑ってない。

「い、いえ、ちょっと・・・」

「これはお礼のケーキです。
              
 見た目にちなんで“レインボーチョコレートケーキ”と名付けました」

 嗚呼、なんて毒々しい色のケーキなんだろう。

「食べてくれますよね、勿論」

 ズイッ

「い、いえ、ちょっと」

「食べてくれますよね、当然」

 ズズイッ

「いえ、今お腹いっぱいなんで」

「食べてくれますよね、ちゃんと」

 ズズズイッ!

「はい・・・食べれば・・・・・・いいんですね・・・・・・・・・(涙)」

「はい(ハート)」

 この勝負、アキトの負け。

「(ああ、アキトさん・・・・・・)」

「(アキトお兄ちゃん・・・・・・)」

「(死ぬなよ、アキト)」

「・・・・・・・・・(梓、未だ気絶中)」

 ぱくっ、むぐむぐむぐ・・・ゴクン

「・・・ぐふっ(顔が赤くなったり青くなったりを繰り返す)」

「どうですか?

 七つの味を一度に味わえるんですよ。

 甘味、酸味、苦味、辛味、渋味、エグ味・・・・・・」

「「「(((七つの味じゃなくて七つの地獄の間違いじゃ・・・・・・?)))」」」

 常人でない耕一すら倒れる毒料理。

 しかし、アキトも常人ではなかった。

 異様な進化を遂げたナノマシンが有り、そうでなくとも、ユリカ、メグミ、リョウコの毒料理で死ななかった実績を持つ男だ。

 ・・・結論。

 アキトは死ななかった。

 しかも顔は未だ青ざめているものの、倒れたりしなかったのだ。

「どうでしたか?」

「・・・・・・御自分で食べてみてください・・・・・・・・・(アレは絶対に毒味なんかしてない。ユリカやメグミちゃんやリョーコちゃんと一緒だ・・・)」

「はぁ・・・・・・」

 アキトの答えを聞き、ケーキを食べる千鶴。

 口に含んだ瞬間。

 彼女は卒倒した。



「本当にご迷惑をおかけしました。

 でも、これに懲りずにまた遊びに来てください。

 今度は絶対に千鶴姉さんに料理を作らせたりしませんから」

「ああ、約束だ」

「それじゃあさようなら」

「また来いよ、アキト」

「また来てね、アキトお兄ちゃん」

 楓、耕一、初音のお見送りを受け、アキトは鶴来屋へと帰っていった。

 なお、梓と千鶴はいまだに気絶している。





 二日後・・・・・・

 アキトはひなた荘に帰った。

 そこで土産話をさせられた。

 その中でひなた荘の住人の頭にこびりついている言葉がある。

「初日、ちょっと人におやつを御馳走になったんだけど・・・・・・

 久々に地獄を見てきたよ。

 はは、カズシさんやメティちゃんが川の向こうで手を振ってたんだ・・・・・・

 こないだのバレンタイン以来だな、二人に会ったのは・・・・・・」

 という言葉だ。

 彼女達は、そのことについて聞かなかった方が良かったかも知れないと思っている。





 本星への報告書 N−1

 執筆時間5時間半の作品です。

 皆さんはこれをどう思うでしょうか?

 どっかのホームページで「もしも景太郎が強かったら」というのがあって、それを読んで思いついた作品です。

 ところで、公園で殺されたのって7人でいいんだっけ?

 もし違ってたら、鋼の城さん、修正お願いします。

 それではこの辺で。
本星への報告書 N−1 終

 

 

 

代理人の感想

 

公園で殺された人数って、五年も前のゲームなんぞ事細かに覚えてるわけないでしょうが(苦笑)。

 

 

・・・・・・確か最初が一般人四人+誘拐一人で次の日が警官四人+誘拐一人だったかな? ←覚えとるやん。

まあ、「誘拐が一人」と言うことでしたんで「四人」にしておきました。

確かあの後記者のお姉さんがさらわれる時(変身後の千鶴さん初登場の時)に

警官が四人殺されているはず・・・・多分。

 

それはともかくとして・・・・何故キツネはあんなに怒ったのだろうか。

文中には描写がないけど何か約束なりなんなりしてたのかな?