時の流れに 〜現在(いま)を・・・〜 外伝

ハーリー君のお仕置き『ムキムキメモリアル



ウリバタケの秘密研究室

「ふっふっふっふっふっふ・・・目がさめたか?ハーリー?」

「うっ、ウリバタケさん!!何のつもりですか!?突然拉致するなんて。」

「は〜り〜、この前、南アフリカに行ったよな〜。これはそのときの写真なんだが・・・」

そういって縛られたハーリーの前に一枚の写真が突きつけられる。

「・・・・・これは!!!」

その写真には、ハーリーと赤い髪の女性が手をつないで写っている。(振り回されているとも言うかもしれない)場所は空港のようだ。

「実はこの写真をキョウカに見つかっちまってな〜。」

「ええ!?って言うかこんな写真何時とったんですか。」

「それはともかく、キョウカの奴泣き出しちまったんだよ・・・そして俺はキョウカを泣かした奴を許しては置けないんだよな。」

一見落ち着いて話しているようなウリバタケだがその目に正気の光はない。

「というわけでお仕置きの時間だ!!」

ハーリーの頭にバーチャルルームのヘルメットがかぶせられる。

「こいつはちょっと改造してあってな、縛られててもバーチャルの中じゃ手足を動かせるし五感も現実と大差が無くなってる。・・・・・っと、準備完了。お仕置きプログラムスタート!!」

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」




好きだぜ、兄貴とか〜

最初に言い出したのは〜だ・れ・な・んだろう

駆け抜けて行く

あ・に・き・の、めもりあ〜る

今日も鏡の前でポージングをする

つやつやワセリン マッスルポージング!!

とっておきのポーズ

ムキムキ

ムキムキ

ムキムキ

だ〜いす〜き〜

兄貴だけに〜

みつめ〜て、ほし〜い〜

ビルドアーップ つめえ〜りのボタン〜

マッスルポーズ 弾き飛ばしたら

今日こ・そ・いえそ〜

『CALL ME ANIKI!!』


「ハーリー!!起きないと遅刻するぜ〜!!!」

ここはハーリーの部屋外からハーリーを呼ぶ声が聞こえる。

「ちょっと待ってください白鳥さん。」

外でハーリーを呼んでいるのは白鳥 九十九、ハーリーの通う街与(マッチョ)高校の同級生でハーリーは隣に住んでいる九十九になついていた。

「お待たせしました・・・行きましょうか九十九兄さん。(ニッコリ)」

「おお!!」

何故か白鳥の顔は赤くなっていた。


街与高校

この高校には一つの伝説があった。『この高校の創設前よりある伝説の木の前で行なわれるポージング大会に勝つと意中の相手と義兄弟の契りを交わす事が出来る。そしてこのとき交わした契りは永遠に壊れる事が無い』という伝説が・・・

ちなみにこの高校は男子校である。そして、ハーリー君はこの高校のアイドルであった。というかここの生徒はハーリー以外は一人を除き、みなマッチョであった。

授業中

「草壁先生、ハーリー君が貧血で倒れました。」

誰かが報告する、この一言がバトルの始まりだ。

「なに!それはいけない。先生であるこの草壁が責任を持って保健室に連れて行き、手厚い看護をしてやろうではないか!!そういうわけで後は自習だ、みなしっかり体を鍛えるように。」

「草壁先生ここはハーリーの幼馴染である私・・・白鳥 九十九がハーリーを連れて行きます。先生は授業を続けてください。」

・・・・・しばしの睨み合いのうち・・・・・ガバッ!!突然服を脱ぎビキニパンツだけになる二人。

「マッスルファイトー!!」

「レディー・」

「「GO!!!」」

「いくぞ!まずはこてしらべだ」

「受けてたとう。」

「鋼の上腕二等筋んんんんん〜!!」
「素晴らしき腹筋ッ!!!!」

両者がポージングし、互いに全身から謎の光線を放つ。放たれた二本の怪光線はちょうど両者の中間点で相殺しあっている。

「なかなかやるな・・・・さすがは三羽烏の一人ということか。」

「草壁先生こそ・・・・さすがですね。しかしこれならば!!!」

「なんの!!!」

「幻惑の前鋸筋!!!」
「魅惑の外腹斜キィィーーーン!!」

両者の放つ怪光線が威力を増す。やや光線の相殺点が九十九の方へと移動する。

「クッ、このままでは・・・・・こうなれば!!!」

「フッ・・・・・来い!!白鳥九十九ぉ!!!」

「必殺の大腿四頭キィィィィィィィン!!!」
「爆裂の下腿三頭筋ンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!」

両者から放たれる怪光線が最大級になり教室中を満たす。

チュドォォォォォォォォン

こうして記念すべき第100回目の『ハーリー君争奪 マッスル・ファイト』は幕を閉じたのであった。


昼休み 屋上

「白鳥さん大丈夫ですか?」

「おお、このくらいのダメージ、どうってことないさ。ほら・・・・ふん、ふん・・・・」

いいながらその場でスクワットを始める九十九。

「おお、やってるな九十九。」

「また草壁先生とやりあったそうじゃないか。」

「しかし白鳥先輩もすごいっすね。草壁先生と引き分けるなんて。」

九十九と同じ街与高校の三羽烏、三年の秋山源八朗と九十九やハーリーと同じ二年の(クラスは違う)月臣元一郎、そして三人の追っかけ・・・というか弟分の一年の高杉三郎太(木連時代バージョン)が屋上に現れる。

「あ、源八朗さん、元一郎さん、三郎太さん。もうお昼の準備できてますよ。」

実は、ハーリーは自分の分と三羽烏+1の弁当を毎日つくってきている。

「いつもすまんなハーリー。」

「いえ、皆さんにはお世話をかけてますからね。今日だって九十九兄さんに怪我させちゃったし・・・」

ハーリーはちょっと暗くなる。前にも書いたがハーリーはこの街与高校のアイドル的存在である。いかがわしいことをしようとするものが入学当初から大勢いるのだ。それを幼馴染の九十九率いる三羽烏+1が今までハーリーをガードしてきたのである。

「何を言うんだハーリー!この程度の怪我気にするな!!な、元一郎」

「そうだとも、ハーリーを守るためならば例え腹筋が切れようが(ピクピク)僧帽筋がちぎれようが(ムキッ)我らは痛くも痒くもないぞ。」

「月臣先輩の言う通りですよ、ハーリー先輩のためならどんなオーバーワークもきつくないですよ。」

「弁当もうまいしの・・・・フハハハハハハハ・・・」

実際にハーリーのつくる弁当はうまい。入学当初はハーリーの弁当が盗まれ高値で取引されるということもあった。

「皆さん・・・じゃあお昼にしましょうか。」

「「「「オウ!!」」」」

しばし、平和な時間が続く・・・・・・

ガシャン

「ふっふっふっふっふ・・・・ここにいたかハーリーよ。今日こそは我と一緒に来てもらおうか。」

屋上の扉を蹴破り蜥蜴面をした男が乱入してくる。

「貴様!外道北辰!」

「まだあきらめてなかったのか。」

「?・・・誰すか?北辰て?」

「そうか・・・お前はまだあったことがなかったんだな三郎太。こいつは『筋肉(にく)』の道を踏み外し男・・・外道北辰。こやつは筋肉の道を極めようとするあまり、筋肉(にく)の暗黒面に取り付かれ、ドーピングという方法に魅入られし男よ。三郎太、こやつ用にだけはなるんじゃないぞ。」

「筋肉の道を極めようとする奴が薬物に頼るだなんて・・・そんなことが。」

「ドーピングをして何が悪い。薬の力を使えば例えハーリーとてすぐにマッチョにしてみせるは!出でよ『六連』!!」

「「「「「「は、ここに。」」」」」」

北辰に続いて六人の男達が入ってくる。薬物の影響かまともな顔をしているものはいない。

「これで戦力比は7対4だ。」

北進がニタリと笑う。

「くっ、どうする九十九。退路は無いし、さすがにこの戦力比はきついぞ。」

「やるしかないだろう。いくぞ、元一郎!三郎太!源八郎!」

「「「オウ!!!」」」

「来い!」

ハーリーを除く全員が戦闘体勢に入ろうと、ある者は服を脱ぎ、またある者は己の筋肉で服を破りさっていく。

その勝負、ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

突如、九十九をより濃くしたような顔の男がビキニパンツ一丁という格好で乱入してくる。

「お前、山田次郎!!」

三郎太は面識があるようである

ちっがぁぁぁぁう!それは仮の名だ。俺の真の名、魂の名はダイゴウジ・ガイだ!!

「知り合いか?三郎太。」

「はい、奴とは同じクラスなんです。なかなかの実力なんですけど・・・・・頭が・・・」

「・・・・・・そのようだな。」

「そこ!何をぶつくさ言ってる!」

「ところで何しに来たんですか、山田さん?」

ガイだ!!・・・・あまりにそこの蜥蜴が卑怯なんで見ていられなくってな、助太刀してやろう。」

「よかろう。虫けら一人増えたところで同じこと。いくぞ!!」

北辰の声を合図に北辰を中心とした陣形をとる六連達。

「なんか勝手に話が進んでるような気がするんだが・・・・」

「背に腹は変えられん・・・見た所そこそこ実力もあるようだしな。これもハーリーのためだ。」

「よし、いくぞ!!」

「「「「オウ!!」」」」

「ゆくぞ・・・」

北辰達が最初に動く。

「筋力・・・融っ合!!!」

北辰達がポージングすると彼らの全身から赤い怪光線が発射される。

「くそっ・・・・こっちもいくぞ。合体筋肉奥義・・・・」

「「「「「ゲキガン・フラァァァァァァァッシュ!!!!!!!!!」」」」」

九十九たちの全身からも怪光線が発射される・・・・が、しかし数の差から来るものか九十九たちの表情は険しい。対して北辰達はまだ余裕がありそうである。

「クックック、クハハハハハハハハハハ。ぬるい、ぬるいぞ。所詮三羽烏といってもこの程度か。」

「皆さん!!」

ハーリーの悲痛な叫びが響く。

「そろそろ遊ぶのもあきた・・・・とどめだ!」

北辰達からの怪光線がよりいっそう強力になる。

「クッ・・・」

「グアッ!!」

ついに三郎太とガイが膝をついてしまう。それみよって全体の美しさがそこなわれたのか九十九たちの光線も弱くなる。北辰達の光線が九十九たちの届くのも時間の問題であろう。

「僕も・・・・僕も手伝います!!」

ハーリーが九十九達に加勢しようと服を脱ぎ始める。

「「「「「「な・・・なにぃ!?」」」」」」

全員の目がハーリーへと集中する・・・・もはや全員が戦い(?)の事を忘れ、自分を抑えるのに必死である。

「あれ?・・・・皆さんどうしたんですか?(汗)」

さすがに九十九や北辰達の異常に気づいたのかハーリーが脱ぐのをやめ服で体を隠そうとする。その瞬間・・・・

ブチッ!!!!×13

「「「「「「「「「「「「ハーリー!」」」」」」」」」」」」」

全員がハーリーに向かって突進する。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ハーリーは全員に囲まれ、勝負していたために汗にまみれてかった筋肉を押し付けられる。

「ハーリー今まで我慢していたがモー我慢できん。俺と一緒にレッツゲキガイン!!」
「何を言う!!九十九よ。ハーリーは俺といっしょにダブルゲキガンフレアーだ!!」
「はっはっは・・・ハーリーよ。私とダブルゲキガンビームでも使用ではないか!!」
「いえ、ここは俺いっしょにダブルゲキガンパンチでも!!」
「い〜〜や!ハーリーは俺と一緒にクロスクラーーッッシュだ!!」
「フハハハハハハハハハハ!我と共にいまだ誰もたどり着いておらぬ世界へ旅立とうぞ!!」
「「「「「「北辰様!お供いたします!!」」」」」」

もう滅茶苦茶である。

「う・う・う・うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」




現実某所

楽しげにそして眼鏡を光らせながらモニターを見ていたウリバタケではあったが突如ハーリーに異変が生じる。

「う・う・う・うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

バキンッ

ハーリーが叫ぶとそれまでいくら暴れてもびくともしなかった拘束具が弾け飛ぶ。

「な・・・なにぃ!!アキトか北斗くらいしか脱出できない拘束具が?!」

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおう!!!!!!!」

ハーリーはウリバタケを見つけると突進し、足払いをかけ倒した後マウントポジションをとる。

「わ・・・・悪かったハーリガスッ!!!

ガスッ、ゴスッ、・・・・ガガガガガガガガガガン

ハーリーがウリバタケをメッタ打ちにする。

「う・・・・・うわぁぁぁぁぁ・・・・・筋肉が筋肉がぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜」

ウリバタケが動かなくなった後、ハーリーはそう叫んで走り去っていく。見事なダッシュである。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ガスッ・・・・ゲシっ・・・・・ベキッ・・・バキッガッ・・・・ガスガスガス・・・・・ゴキャッ・・・・ドスッ・ゲスッ・・・・

ハーリーが片っ端から道行く男を殴り他をしながら失踪する。たまに念入りに攻撃される人物は皆筋肉質な方々である。

「うわあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ハーリーの暴走は続く・・・もはやハーリーはこのまま地の果てまで走ってしまうのであろうか?・・・・・と、幸運(?)なことにハーリーが突進する先に色白でピンク色の髪を持つ美少女が見える。そお、ラピスである。隣にはキョウカちゃんもいる。

「ねぇ、ラピス?」

「なに?」

「アノものすごい勢いで走ってくるのハーリー君じゃないの?」

「あ・・・ほんとだ。」

見ると男の人を殴り倒しながら迫ってくるハーリーが見える。

「なにか変じゃない。」

「はぁ・・・まったく、面倒かけさせるんだから・・・キョウカちゃん下がってて。ハーリー止めるから。」

「うん、分かったけど御手柔らかにね。」

言ってキョウカが離れる。ラピスはどこからか槍(練習用)を取り出し構えを取る。

ぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ

「ラピス対ハーリー用オリジナル・・・・刺!

ドスッ

ラピスの槍(練習用)がハーリーのみぞおちに突き刺さる。(もちろん貫いたりはしてない)

「旋!!」

ブンッ

刺しただけでは消えなかった突進のエネルギーのベクトルを変化させ横に円運動をさせる。

「落し!!!」

1回転させた後、今度は回転運動のベクトルを縦方向えと変化させる。

ガスッ

勢いをつけられたハーリーが頭から地面に突き刺さる。

「・・・・・死んじゃったんじゃない?(汗)」

「ハーリーがこのくらいで死ぬわけ無いじゃない。たんこぶ作るくらいですむでしょ。」

「・・・・・・・・そうかなぁ・・・・(汗)」

こうして街を襲った『無差別筋肉攻撃事件』は終わりを告げた。

追記
真相を知ったキョウカが怒ってウリバタケ氏はしばらく口を利いてもらえなかったらしい。






あとがき

「ぉぉぉぉぉおおおおおお俺はーーーーーあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・・・」

ゲフゥッ!!

作者吐血のためあとがき終了