NADESICO in PHANTASY STAR
THE DARK SOUL
第1部 -PHOTON MANAGER-  3話 とまどいU

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

「ふざけるなぁぁぁぁ」

 

「ふみゃぁ()」

「あうぅぅ()」

エルノアとフィラは二人して縮こまっている。

「うぅぅ、こわいぃぃ(涙涙)」

「こわいですぅぅ(汗汗)」

小さな女の子と、ピンク色のアンドロイドが手を取り合っておびえている様子は

ある意味可憐かもしれない。

「ふん、もういい。(怒怒

一応助けられたようだからな、礼を言っておく。」

こいつ(フィラ)のことをいちいち気にしていれば、こっちがまいる。

 

「うぅ、こわいよぉ。

エルノアちゃん一緒にいこぉ。」

「え、もう帰っちゃうんですかぁ?」

「怖いからかえる・・・・」

フィラはエルノアの袖(みたいな物)をとって外に出ようとドアに足を向ける。

 

「ああ待ってくれフィラ君。

帽子代の代わりと言っては何だが一つお願いしてもらえるかな?」

何を思ったか、博士がフィラを引き留める。

帽子以外にも何か修理に出していたのか?

「なに?

タダじゃないの?」

フィラが少しむっとした表情で博士を見上げる。

・・・・おまえはそれしかないのか。

 

「いや、テンカワ君の後見人になってもらいたいんだよ。

ハンターズギルドのね。」

博士の言葉に俺は耳を疑った。

意味は何となく分かる。

この世界では身よりのない俺だ。

ここにいるためには、俺に後見人がつくのは仕方のないことかも知れない。

ん?、いつまでもここにいる必要など本来ならないはずだ。

ボゾンジャンプで元の世界に戻ればいいんじゃないか?

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

いや、ここにいるのも悪くはないだろう。

どっちにしろ今帰ったところで俺の罪が消えるわけではない。

・・・・・・・・・・・・

少し待とう、テンカワ アキトが己の罪に耐えられるまで

 

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

だが・・・・・こんなふざけたやつが後見人?

それにハンタースギルドとは何だ?

 

「おい、いったい何なんだ?」

「ああ、君が退院したら生活しなきゃならないだろ?

で、君がここで何が出来るかっていったらそう選択肢はないよ。

君たちのいたところとここでは技術力がちがうから技術職は無理だろう?

やるといったら、肉体労働しかない。

で、きみはかなりの戦士とみた。

だったら、ハンターズギルドが一番いい。」

ここでの生活か?

まだ考えてなかったな。

まぁ目を覚ましてまだ一日も経っていない。

考えるのは無理か・・・・

「で、ハンターズギルドとは?」

 

「ああ、ハンターズギルドというのは言ったら便利屋だよ。

民間、公的機関を問わずあらゆる依頼をこなしていくんだ。

あ・・・エルノアも実はハンターズの一人だよ。

ただ、エルノアはまだまだ未熟だからね。

だからかなりの実力者のフィラ君に君の後見人を頼んでいるんだよ。

あ・・・・フィラ君?

たぶん、テンカワ君はかなりの実力者だ。

そう、悪いことではないと思うよ。

それに、テンカワ君をもらってくれたらおまけで君のほしがっていたあれをあげよう。」

 

ぴくん

今まで、あまりものショックのため放心状態だったフィラの耳が動いた。

 

「あれって・・・・あれ?」

「そうあれ。

ずっとほしがっていただろう?」

「やる、やる、やりゅぅ。

フィラたんもらうぅ。

ついでに、こいつももらってあげるぅ。」

フィラの顔はにこにことほほえんで、博士に抱きついている。

「ちょっと、くるしいよ・・・・」

「マグちゃん(はーと)・・・・」

「フィラさん!!

このままでは博士が気を失いますぅ。」

嬉しかったんだろうな。

フィラは博士に気絶寸前まで抱きついて、エルノアに止められた。

 

「いやだ・・・・」

俺の口から一言漏れた。

意識はしてない、俺の心から漏れた一言だろう。

「そういわないテンカワ君。

どっちにしろハンターズにはいるには後見人がいるんだ。

まぁ市民番号やその他は僕に任せておいていいよ。

ただ、後見人はねぇ・・・・

きちっと選ばないと後悔するからねぇ。」

 

「いや、かなり後悔するんじゃないか?

特にこいつが後見人とやらになればな!」

博士、あんたは言ってることとやろうとしていることが矛盾してるぞ。

天才とはこんなもんなのか?

非常に迷惑だ。

 

「ん〜〜。

フィラ君の実力を疑っているのかい?

シミュレーターで一緒に行動すれば分かると思うけど・・・・

そのためにはハンターズにならないとねぇ」

 

「それほどの実力なのか?」

俺は半信半疑で答える。

どう見ても、子供だぞあいつは・・・・

ちらっとフィラを見と、にこにこしながら「マグゥ、マグゥ」とつぶやいている。

怖いな・・・・

 

「うーん。

あそうだ、うんうん。

ねぇ君が倒れていた場所覚えているかい?」

「倒れていたときの記憶はないが、確かラグオルの遺跡とやらか?」

確かエルノアが言っていたな、そんなこと。

「うん、あそこに行けるのはごく限られたハンターズのみなんだよ。

君は知らないかも知れないけど、君が現れたとき一緒に大量のモンスターも同時に発生したんだ。

その数合計256匹・・・・」

「256??」

そのモンスターの強さは分からないが、256匹という言葉に俺は驚いた。

モンスターが狂犬程度の物であったとしても、200匹も出てこられてはたまった物じゃない。

「ああ、それをほとんど200以上フィラ君が倒しているんだ。

エルノアも居たんだけど、研究用の装備だったからね。

そこまでの大量のモンスターを考慮してなかったんだよ。

 

あ、そうだエルノアそのときの戦闘ログあったよね。

だしてくれ。」

「あ・・・・はいぃ」

エルノアが電子操作板を操作すると、ベッドの前にディスプレイが現れた。

 

「今から写しまぁす。」

ディスプレイ上には見知らぬ部屋が写っている。

正面を向くと、巨大な緑色の丸い玉が二つ見えた。

その丸い玉は規則的に上下に揺れ、ゆっくりと前に進んでいる。

視点の人物も急いでいるらしく上下に多少カメラが揺れるが、見にくいほどではない。

「つきはどこぉ?

早く終わらせて遊びにいこ〜〜」

「まってくださいぃぃ、追いつけないですぅ。」

よく見ると二つの丸いふわふわした玉は、かなり遠くに離れてしまった。

離れてしまったため、丸いふわふわした玉の全体が見える。

ふわふわした玉が付いた帽子を来た少女が手を振っている。

「こっちだよ。

はやくぅはやくぅ」

 

「これは・・・・どう見てもピクニックだな。」

「はは・・・・まぁ彼女からみれば本来ならこの程度のミッションは

ピクニックになってしまうね。」

本当にこいつ(フィラ)は実力者なのか??

ディスプレイに写る光景を見て俺はますます信じられなくなった。

 

 

あとがき

フィラ  「第三話です・・・」

エルノア「あのぉフィラさん?
      ちょっとお聞きしてもいいですか?」

フィラ  「なに?」

エルノア「このメールなんですけど・・・・」

フィラ  「ん?  なになに・・・・・
      TA同盟入会案内??
      あ・・・これ私のところにも来たよ
      差出人は・・・・テンカワホシノ ルリ・・・・
      やっぱり・・・間違いないよ。」

エルノア「どうしましょう??」

フィラ  「まさか会費取られることはないよね。」

エルノア「会費はいらないみたいですねぇ」

フィラ  「他には・・・・ん?
      テンカワ アキトのレポートを出してくれ?」

エルノア「どういう意味でしょうか??」

フィラ  「??ふみゃ??
      まぁ、ハンターズの後見人はレポート作らないといけないんだけど
      そのまま送っちゃおうか・・・・」

エルノア「いいんですか??」

フィラ  「まぁよく分かんないけど・・・・いいや。」

と言うことで漆黒の戦神 外伝 「フィラの場合」 鋭意制作中です。(うそ)
まぁこっちのアキト君は正確には「時の流れに」ではなくて、
劇場版の方なんだよね・・・・。

「さっさとボゾンジャンプで元の世界にもどらんかい」
と言うツッコミが来そうですが、
奥さんの方(ユリカ)はピンピンしているんで、
アキト君は急いで帰る必要はないんです。
(代理人さん感想ここにどーぞ)

代理人の感想

>奥さんはぴんぴんしてる

つまり、

急いで帰る必要もないから
ちょっと遊んで行こう

 

というわけですか(爆)?

さすがはナデシコ一代無責任男。

 

BACK ROOM NEXT