ナデシコ出航からたった数日経過した時点で

 

私がとった行動によって少しづつ、わずかですがズレが生じ始めました。

 

私は正直迷っています。

 

私にとっての過去をこのまま思い通りに変えてしまうことに・・・・・

 

そして、あの人が現れなかったことに・・・・・

 

・・・・・私は今の私でいてもいいのでしょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

誰かのいない世界で

「あの人は」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夢が明日を呼んでいる〜魂の叫びさレッツゴー パッション!

いつの日か平和を〜取り戻せこの手にレッツゴーゲキガンガースリ〜〜

と、くりゃ〜

・・・さてと、デルフィニュウムを六機も倒したんだ

ご褒美のゲキガンシールをガンガン張っても文句ないよな〜」

 

人気の無いナデシコの格納庫

ヤマダさんが一人でそんなことを言いながらゲキガンシールを持って

自分のエステバリス近づいていく・・・・

 

 

 

 

ドカドカドカ

 

「オイ、この脱出艇いけそうだぞ」

 

「よし、全員その脱出艇に乗り込め!!

さあ、准将もこの脱出艇に」

 

「ええ、解ったわ」

 

同じ時間にナデシコを占拠しようとした連合軍の兵士とムネタケが

ここから脱出艇で脱出するためにきていた・・・・

 

運悪くヤマダさんが彼らに気付いてしまう。

そして、もっと悪いことにヤマダさんが彼らに声をかけてしまう。

 

「オ、オイ、アンタら!!」

 

 

 

 

 

 

「チッ、気付かれたか。さあ准将、お早く!!」

 

「何をそんなに慌ててるの、相手はたった一人なのよ。

ちょっとアンタ、その銃を貸しなさい。」

 

「は?はあ・・・・准将、何をなさるおつもりで」

 

 

 

「・・・口封じよ。」

 

タァーーーン

                  タァーーン

                                 タァーン

                                         アーン

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサリッ

 

 

 

 

操り人形の糸が切れたようにヤマダさんの体が床にたたきつけられるようにうつ伏せに倒れる。

そして、倒れた体から染み出るようにまわりを鮮血が床を占めていく

 

「フンッ!!」

 

「じゅ、准将なんて事を!!」

 

それを見て満足そうにするムネタケ

逆に慌てる銃を渡した連合軍の兵士

 

「うるさいわね・・・いいこと、これはアンタの銃。

だから撃ったのはアンタなの。・・・解ったわね。」

 

「そ、そんな・・・・・」

 

「何か文句あるの!!・・・これは命令よ。

この意味、わかるわね。」

 

ムネタケが凄むと兵士は驚きから諦めの表情に変わる。

 

「・・・解ったようね。さ、とっとと脱出するわよ」

 

「はっ、失礼しました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピコッ、

ピコッ、

ピコッ、

ピコッ、

ピコッ、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・―――――――――――――――

 

 

・・・・そして、ヤマダさんの時が止まる。

 

「ガイ・・・・・嘘だろ何か言えよ。

なあガイ、頼むよ何か言ってくれよ。

 

なあ!何とか言えよ!!

 

ガイーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・もう、こんなことは繰り返させません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではお手柔らかに♪」

 

そう言って不敵な笑みを浮かべて振袖姿のユリカさんは連合軍総会の会場との通信をきりました。

 

「さてそれでは、連合軍の偉い人に協力を拒否されちゃったから

ナデシコは強引に地球の防衛ラインを抜けちゃいます。」

 

「ハァ、まあこうなってしまったからにはそれしかありませんな。

防衛ラインを抜ける時に出る費用は出来るだけ浮かしてもらいたかったのですが。」

 

・・・プロスさんそれはユリカさんに交渉を任せた時点で無理です。

 

「でもなんで連合軍に交渉なんてしたんですか?

防衛ラインをうまくよけるようにしていっきにビューンと宇宙に行けないんですか」

 

「それが無理なのよ、メグちゃん。

ねっ、ルリルリ。」

 

「ええ、そうなんです。

ナデシコの搭載しているエンジン、

つまり相転移エンジンは真空をより低位な真空にすることでエネルギーを得る機関なので

大気の薄い高々度まで行かないと地球を離脱する速度までエンジンの出力が上がらないんです。」

 

「フーン、そうなんだ。」

 

・・・それで今、私達は第四ライン突破してる真っ最中です。

ナデシコは、地上からのミサイルをディストーション・フィールドでかわしながら

より高い高度を目指して上昇中です。

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、それじゃあ振袖をずっと着ている訳にはいけないから着替えてきまーす。

っと、その前に」

 

そういいながら私の前に立つユリカさん。

おかしいですね

前回は一目散にアキトさんのところに向かったのに・・・

 

「ねえ、ルリちゃん。アキト、どこにいるか探してくれない?」

 

・・・なるほどそう言う訳ですか。

いくら探しても見つけられないので私に探させようとしているんですね。

 

「はあ、それは構いませんが。艦長、着替えに行くんじゃないんですか?」

 

「もちろんそうだけどその前にアキトに私の振袖姿を見せようと思ってね〜。

やっぱり幼馴染で恋人のアキトにこういう綺麗な姿を見せておかないと。」

 

まあそう言うと思っていましたが

いない人の居場所も教えられません。

ここは理由をつけて断るしかありませんね。

 

・・・? どこからか強い視線を感じます。

一体誰からでしょうか?

そう思って後ろを振り返ると・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・・・原因はメグミでした。

あの人が凄い顔をしてユリカさんを睨んでいるんです。

近くにいるミナトさんが引いています。

 

もうこうなってしまってはユリカさんとメグミさんの

アキトさん争奪戦を開始するのは時間の問題ですね。

何か手を打っておかないと・・・・

 

「というわけでルリちゃん探してくれない?」

 

「公的な理由ではなさそうなのでお断りさせて頂きます。

テンカワさん、艦長とは幼馴染じゃないって嫌がっていましたから。」

 

「嫌がっていた?そんなはずないよ。

それにアキトはユートピアコロニーで家がお隣だったのユリカの幼馴染だよ〜。」

 

「いえ、ですから違うんです。確かにテンカワさんの出身は火星ですけど

ユートピアコロニーには住んではいないんです。

それに艦長、その幼馴染のアキトさんは今何歳になっているんですか?」

 

「えーと、アキトは私より二歳年下だから今は18歳になっているはずだよ。」

 

「だったら絶対に違います。

ナデシコに乗っているテンカワさんは今、24歳です。」

 

「そ、そんな!!」

 

がっくりと肩を落としてユリカさんがブリッジを退出していきます。

御免なさいユリカさん

今、アキトさんはナデシコにはいないんです・・・・・

 

 

 

 

 

ドオォォォォン

        ドオォォォォン

 

こんなことをやっている間もナデシコは第四防衛ラインを突破していきます。

 

・・・・・もうそろそろこの防衛ラインを抜けるはずです。

次は、第三防衛ライン。

ジュンさんがデルフィニュウムで来るはずです。

あの人もナデシコに必要な人ですし回収しないといけません。

 

問題はこれだけではありません。

地球の防衛ラインを全て抜けた後のこともありますし・・・

 

 

 

 

 

 

「第四防衛ラインを突破しました。

続いて第三防衛ライン内に突入します。」

 

「やれやれ、やっとミサイル着弾の振動とはお別れができそうですな。」

 

私の報告にプロスさんがホッとした顔をしています。

 

アキトさんがユリカさんの幼馴染ではないと私が言ってから

かなりショックを受けてブリッジの戻ってからも静かになっています。

・・・・・大丈夫でしょうか。

 

「つぎの防衛ラインは衛星からの機動部隊です。

こちらもエステバリスで対抗します。

メグミさん、パイロットに出撃準備をさせてください。」

 

「はい、了解しました。

テンカワさん、ヤマダさん、第三防衛ラインに侵入しました。

出撃準備願います。」

 

・・・表情は曇っているみたいですけど

とりあえず、表面上は大丈夫みたいです。

 

「こちらテンカワ、了解した」

 

「俺の名前はダイゴウジ・ガイ!!

こっちも了解だ。あんなヤツに負けてられるか!!」

 

ヤマダさん、テンカワ・アキトへの対抗心でやる気満々です。

無茶しなければ良いのですが

・・・特に、あのガンガークロスオペレーションだけはやめて欲しいです。

 

「第三防衛ラインの機動兵器来ました。

デルフィニュウム9機です。」

 

「エステバリス全機、出撃してください。」

 

「・・了解。」 「よっしゃあ!いくぜ!!」

 

そして、ナデシコから青にカラーリングされているヤマダさんのエステバリスと

黒にカラーリングされたばかりのテンカワ・アキトのエステバリスが

ジュンさんの指揮するデルフィニュウムに向かって出撃していきます。

 

 

ピッピッピッ

 

・・・ヤマダさんからのパイロット間の通信です。

 

「おい、テンカワ聞こえるか。今回は俺が主役だ。

だからお前は俺のバックアップに回れ。」

 

「・・・別にそれで問題はないが

ラピッドライフルも持たずにどうするつもりだ。」

 

「フフン、俺に作戦があるその名もガンガー「却下だ。」

 

「オイ!!まだ何も言ってないぞ」

 

「・・・どうせ戦闘中にアサルトピットとフレームを分離させて

新しいフレームに乗り換えるつもりだろう。」

 

「なっ!!」

 

「図星か?

だとしたらやめておけ、換装中に狙われて終わりだ。

成功したとしても分離させたフレームが回収できない可能性がある。

ここを抜けたらすぐに第二防衛ラインのミサイルが来ることを忘れるな。

お前の言う通りバックアップしてやるからそのまま接近戦で戦え。」

 

「くっ、わかったよ。」

 

・・・これでヤマダさんの方はいいはずです。

後はジュンさんをテンカワ・アキトが説得してナデシコに戻さなければいけません。

しかし、電波の状態が最悪のためにエステバリスとテンカワ・アキトを喋らせる私のいるナデシコとを

確実に通信可能な距離まで下がらせなければ説得できません。

ジュンさんを誘導できればいいのですが。

 

 

 

 

 

 

しばらくして、戦闘がはじまりました。

ジュンさん達デルフィニュウム部隊は一斉に主力武器のミサイルで攻撃をしてきます。

 

その攻撃をテンカワ・アキトはスラスターを使いミサイルを回避していきます。

そしてヤマダさんをバックアップをしながらラピッドライフルで反撃。

 

狙いは足の部分であろう燃料の増槽タンクをプログラムで目標にさせました。

ここを狙えばデルフィニュウムの稼働時間が減り軌道衛星に撤退せざるをえなくなります。

こうすれば相手のパイロットも命を落とさずに戦力を削ぐことが出来るはずです。

更にプログラムでジュンさん機体を通信などで選別してを攻撃しないようにしています。

 

対照的にヤマダさんは進行方向にディストーション・フィールドを張り

ミサイルを受けながらデルフィニュウムに突進していきます。

そしてデルフィニュウムに接近してエステバリスの拳で殴りつけて破壊していきます。

攻撃する部分、相手なんてお構いなし、凄い勢い撃墜していきます。

 

・・・ジュンさんのデルフィニュウムを撃墜してしまわないか心配です。

 

 

ガギンッ!!

 

 

 

 

            ドオオオォォォォォン

 

 

 

 

・・・・今のパンチはコクピット直撃です。

ジュンさんでないことを祈ります。・・・・・・

 

 

 

 

 

こうして機体の性能の差もあり、ものの数分で

一番後方にいたジュンさんであろう以外のデルフィニュウムは全て戦闘不能、

もしくは緊急帰還してしまいました。

 

たった一機になってしまったデルフィニュウムが何の攻撃もしないでナデシコにゆっくりと近づいてきます。

そして、その両脇を二機のエステバリスが固めます。

 

「投降でもするつもりでしょうか?」

 

不思議そうな顔をしてプロスさんが言います。

 

 

 

やがてナデシコと通信ができる距離まで来ると

メインスクリーンにジュンさんの顔が映し出されました。

 

「ユリカ、まだ間に合うナデシコを地球に戻してくれないか。

このままじゃナデシコは地球の敵になってしまう。

そうしたらもう、もう地球には戻ってこられなくなってしまうんだよ。」

 

「ごめんジュン君。私、ここから動けない。

ここが私の、私らしくいられる場所だから・・・・」

 

「わかったよ、ユリカ。

僕よりあいつの方が良いんだね。

そういう事なら・・・・

 

「えっ!?」

 

ユリカさんがジュンさんの言葉に驚いています。

 

・・・そうでした。

ジュンさんはまだテンカワ・アキトが

ユリカさんの幼馴染ではなかったことを知らないんでした。

知っていたらこんなことにはならずに素直に協力してくれたのかもしれません。

今言っても遅いことですが・・・・

 

そして、デルフィニュウムが黒色のエステバリスあるほうを向きジュンさんが咆えます。

 

「テンカワ・アキト!!僕と一対一で勝負しろ!!

僕が勝ったらお前もユリカに地球に戻るように説得するんだ。

もし、僕が負けるようなことがあればお前の言うことを何でも聞いてやる。」

 

「テンカワ!!これぞ熱血だやれー!!」

 

かってに焚きつけ始めるヤマダさん。

しかし、第二防衛ラインまで時間もありませんし、

この誘いに乗っておくほうが得策かも知れません。

 

「・・・・いいだろうお前の誘いに乗ってやろう。」

 

「行くぞ!!テンカワ・アキト!!」

 

デルフィニュウムが残されたブースターを使い

テンカワ・アキトのエステバリスに向かって突進して、胴体にしまってあった腕を出しエステバリスを

頭上に持ち上げた腕を振り下ろすようにパンチを繰り出します。

その動きに反応してエステバリスは後ろに下がってかわします。

 

「まだまだ!!」

 

パンチをかわされたジュンさんは、

そのまま突進の惰性を使いデルフィニュウムに体当たりをさせてエステバリスを吹き飛ばします。

その常識外れな攻撃にエステバリスは対応できずにそのまま吹き飛ばされていきます。

 

そしてやっとエステバリスが姿勢を取り戻したところに

デルフィニュウムが両腕のマニュピレーターを使いエステバリスを捕まえて

更に吹き飛ばした方向に進ませナデシコから引き離していきます。

 

 

 

 

・・・まずいです。

恐らくジュンさんの狙いはエステバリスを重力波エネルギー供給圏外まで運び出し動きを止めて倒すことでしょう。

さっきの体当たりで通信可能距離を越えてしまい、

このままでは説得はできません。

 

そしてこのままの状況ではエステバリスに搭載してあるプログラムに負荷がかかって

重力波エネルギー供給圏外に到達する前にシステムがフリーズしてしまう可能性が高いです。

 

そしてナデシコからなされるままに離されていきます。

 

 

 

ピッ!!

 

『エステバリス、システムフリーズを確認。』

 

 

オモイカネがエステバリスの状況を知らせてきます。

メインモニターで確認してもエステバリスの眼からも光が消えています。

完全にシステムフリーズしています。

・・・・・打つ手、無しです。

 

 

「テンカワ機、ナデシコの重力波エネルギー供給圏外に出ました。」

 

投げやり気味に私が状況を報告するのと同時に

デルフィニュウムがエステバリスを開放して両腕で殴り始めます。

 

「ヤマダさんにアキトの救援に向かわせてください。」

 

ユリカさんがメグミさんに救援に指示を出します。

 

右、左、右、左、・・・・・

その間も淡々と殴り続けるデルフィニュウム

 

 

 

「ヤマダさん、テンカワさんの援護を・・・

って、ええっ!!

 

その時でした。エステバリスが急に再起動し、

殴ろうとしてきたデルフィニュウムの右パンチをかわし伸びきった腕を右ストレートパンチで破壊

さらにパンチを振りぬいた動きを使いそのまま左足の回し蹴りをデルフィニュウムに浴びせて吹き飛ばします。

 

そしてエステバリスは距離を取り

両機とも睨むようにして動きを止めています。

 

完全にシステムフリーズしているはずのエステバリスが再起動して

流れるような体術を使い接近戦でデルフィニュウムを圧倒する。

はっきり言ってありえない事です。

 

・・・・・今度、エステバリスを調べる必要があるみたいですね。

 

 

 

やがてナデシコが二機に追いつき重力波エネルギーが届くようになると

二機は睨み合うのをやめてゆっくりとナデシコに向かって戻ってきます。

そして、ジュンさんから通信が入ってきます。

 

「ごめんユリカ、僕が間違っていた。

こんな僕だけど、また仲間に入れてくれるかい。」

 

「うん、もちろんよジュン君。

だってジュン君はユリカの大切なお友達でしょ!!」

 

「・・・・・ああ、そうだね。」

 

ジュンさんが苦笑しながら返事をします。

 

「艦長、まもなく第二防衛ラインから衛星ミサイルが来ます。」

 

「それでは三機とも帰還してください。

全員ご苦労様でした。」

 

 

 

そして、三機の着艦と同時にナデシコにミサイルが降り注いで来ました。

ナデシコはミサイルに動じることなく順調に上昇を続けていきます。

 

 

 

ピッピッピッ

 

ジュンさんからテンカワ・アキトに通信を入れています。

・・・秘匿回線?

 

「もう一度聞くぞ。テンカワ、本当にお前はそれで良いんだな。」

 

・・・・・一体なんのでしょうか?

 

「なにがだ?」

 

「さっきの事だ!!」

 

やっぱりわかりません。

それにさっき、って言われても通信は切れていたはずです。

とりあえず、それらしい返事をしておきましょう。

 

「・・・・・ああ。」

 

「そうか。・・・・・解った。」

 

そう言ってジュンさんは通信を切ってしまいました。

 

・・・・・後で通信ログも見る必要もあるみたいです。

 

 

 

 

 

 

やがてナデシコは第二防衛ライン突破して

第一防衛ラインのバリアも簡単に破り通過しました。

ジュンさんもブリッジに戻ってきてます。

・・・後はアレだけのはずです。

 

オモイカネ、・・・・・のロックを外してください。

 

ピッ、

 

『解りました』

 

ありがとう、オモイカネ。

無理を言ってごめんね。

 

ピッ、

 

『いえいえ』

 

そんなゆっくりと人間らしく成長していくオモイカネの会話を楽しみながら

私はこれから実行する事を決心して意志を固めていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夢が明日を呼んでいる〜魂の叫びさレッツゴー パッション!

いつの日か平和を〜取り戻せこの手にレッツゴーゲキガンガースリ〜〜

と、くりゃ〜

・・・さてと、デルフィニュウムを四機も倒したんだ

ご褒美のゲキガンシールをガンガン張っても文句ないよな〜」

 

人気の無いナデシコの格納庫

ヤマダさんが一人でそんなことを言いながらゲキガンシールを持って

自分のエステバリス近づいていく・・・・

 

 

 

 

ドカドカドカ

 

「オイ、この脱出艇いけそうだぞ」

 

「よし、全員その脱出艇に乗り込め!!

さあ、准将もこの脱出艇に」

 

「ええ、解ったわ」

 

同じ時間にナデシコを占拠しようとした連合軍の兵士とムネタケが

ここから脱出艇で脱出するためにきていた・・・・

 

運悪くヤマダさんが彼らに気付いてしまう。

そして、もっと悪いことにヤマダさんが彼らに声をかけてしまう。

 

「オ、オイ、アンタら!!」

 

 

 

 

 

 

「チッ、気付かれたか。さあ准将、お早く!!」

 

「何をそんなに慌ててるの、相手はたった一人なのよ。

ちょっとアンタ、その銃を貸しなさい。」

 

「は?はあ・・・・准将、何をなさるおつもりで」

 

 

 

「・・・口封じよ。」

 

タァーーーン

                  タァーーン

                                 タァーン

                                         アーン

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャアアアァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

獣のような叫び声をあげて

銃を持っていた腕を逆の手で押さえ込みうずくまるムネタケ。

 

「じゅ、准将!お気を確かに!!」

 

「オイ!!早く艇を出せ。」 「ハッ!!」

 

連合軍の兵士達は数人がかりでムネタケを脱出艇に連れ込み

ナデシコを脱出していきました。

 

 

それをただ呆然と見ているヤマダさん。

 

・・・良かったです。間に合いました。

助けるにしてもこのタイミングでなければ後々面倒でしたから・・・・

 

 

 

 

「ルリさん・・・なんてことを・・・・」

 

いつの間にかプロスさんとゴートさんが

武器庫から取ってきた銃を右手にぶら下げている私の後ろにいました。

 

 

・・・・そうです、撃ったのは私です。

 

もう、アキトさんのあの悲しい顔は見たくありませんから・・・・・・・

 

でも、まだこれで終ったわけではありません。

 

 

そして、私はプロスさんに向かって次に起こる事を予言しました。

 

「もうすぐ、サツキミドリ二号が木星蜥蜴に襲われますよ。」

 

 

 

 

・・・・そう、まだ終ったわけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

ルリさん暴走です。

アキトが逃げたせいで理性のタカが外れてブッ飛んでます。

ダークにするつもりは無いんですが・…

 

とりあえずこれでムネタケは退場です。

予定ではパワーアップして帰ってくることになってます。

 

 

 

それでは5話「いなかった」を読んで頂ける事を願って

 

 

 

代理人の感想

 

いや・・・なんか怖い方に壊れてるよぉな気もするんですが(汗)