三軍神参上!


第五話A


バシャァァァァァァン・・・・

凄まじい水音と共に『ブローディア』と『ジュウジン』はもつれ合って海中へと消えた。

「アキト!」

リョーコがアキトを追いかけ海中へ行こうとするが、

ガシッ!

『マルス』の足に鎖が巻きつく。

「あいつは命を賭してこの作戦に乗った・・・今度は俺らが答える番だ!」

『リュウジン』から通信が入り、同時に手元へ鎖を引き寄せる。

「ちい!」

しかし、『マルス』は『赤雷』を引き抜き、鎖を断つ。

バラ・・・

切り刻まれる鎖、『マルス』と『リュウジン』が対峙する。

「スバル!このデカブツは俺等が相手をする!お前はそいつに集中しろ!」

ガイが『バクジン』に突込みながらもリョーコに通信を入れてくる。

「わかった!さっさと片付けて、アキト助けに行くぞ!」

「デカブツね・・・言ってくれるじゃねえか。」

『バクジン』から怒りの声が聞こえる。

「うるせえ!くらえ!ガイ!スーパー・・・・ナッコウ!」

叫び声と共に『ガンガー』が『バクジン』に殴りかかる。

バキッ!

『ガンガー』の拳が見事に『バクジン』の顔面に入った。しかし、

「効くかぁ!」

叫び声と共に両手で『ガンガー』を捕まえ締め上げる。

ミシミシ・・・

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」

苦痛に声を上げるガイ。

「イズミさん!」

「ええ・・・接近戦は苦手なんだけどね・・・」

『鯖』と『白百合』が射撃戦を効果無しと見て、接近戦に移行しようとするが、

「苦手ならするんじゃねえ!」

『バクジン』がそう叫ぶやいなや、二体に向けて『ガンガー』を投げつけた。


ガシ!

二体は『ガンガー』を受け止めるが・・・・

ブオン・・・・

そのスキに『バクジン』はボソンジャンプで消える。

「どこ!?」

「・・・・・・・・」

『バクジン』の姿を見失う二体。

「・・・・・!」

ドン・・・・

『鯖』が『ガンガー』を『白百合』に預け、そのまま突き飛ばした。

「!イズミさん!?」

次の瞬間、

グオオオオオオオォォォォォォ

上空の雲の中から『バクジン』が降ってきた。

「死ねや!」

そのまま『鯖』を巻き込み、ボディプレスの形で海面へと落下する。

ボガン!

海面と『バクジン』に挟まれる『鯖』。

「外したか・・・三機とも一気に潰そうと思っていたんだがな。」

『鯖』は糸の切れた操り人形のように、四肢が折れ曲がったまま海中に沈んでいった・・・




「イズミ!」

「心配してる暇があるん?」

先ほどから『マルス』と『リュウジン』は、双鞭対刀の接戦を繰り広げていた。

「うるせえ!」

気迫と共に『マルス』は双鞭を切り裂いた。

「なんと!?」

「コレで決めるぜ!」

ガードが開いた『リュウジン』に向かい切りかかる『マルス』、

ガキッ・・・・

しかし『リュウジン』は右の掌で刀を受け止めた。

「なんだと!?」

見ると『リュウジン』の両手の手のひらには鎖が巻かれていた。

「あぶねえ〜保険かけといてよかった〜・・・サービス時間終了!」

次の瞬間、空いた左手で掌底を『マルス』の顎に打ち込む。

バキッ!

「うわ!?」

直の衝撃をくらい、『マルス』がのけぞる。

しかし『リュウジン』のラッシュは止まらない、

「まだまだ!」

右手に掴んだ刀を手放し、続けざまに右の掌底を振り下ろすように打ちつけ、

「ラストォ!」

頭上で両手を組みスレッジハンマーを振り下ろす。

ドゴッ!

海面へと落下する『マルス』、

バシャァァァァァァァァァァン

大きな水音の後に『マルス』の姿はなかった。





「リョーコさん!?」

慌てるイツキの元に、

「イツキ・・・・・」

ガイから通信が入る。

「ガイさん?大丈夫ですか?」

「ああ、なんとかな・・・」

それを機に『ガンガー』が『白百合』から離れる。

「俺の事より、アキトとイズミが心配だ。あいつ等は俺が引き付ける、お前は海中に行ってくれ。」

「でも・・・・」

「俺を信じろ!」

「・・・・解りました。ココはお願いします。」

ガイの真剣な声に、反論の余地はないと判断し、海面へ向う『白百合』。

「みすみす行かせるかよ。」

『バクジン』がそれに気付くが、

「ガイ!スーパァァァァァキイィィィック!」

『ガンガー』が目前直下の『バクジン』に全体重をかけたドロップキックを放つ。

「!?」

流石にバランスを崩す『バクジン』。『白百合』はそのスキに海中へ突入しようとする。

「ヤツは必死・・しかし一機では手は足りない!」

『白百合』を狙い、鎖を放つ『リュウジン』。

「二機ならどうだ!」

叫び声と共に海面から『マルス』が飛び出し『リュウジン』へと斬りつける。

「ちぃ!」

反応が間に合わず『リュウジン』の胸部が切り裂かれる、鎖は空をきり『白百合』は海中へと消えてゆく。

「へっ!おまえらのやり方!真似させてもらったぜ!」

リョーコが『リュウジン』に通信を入れる。

「なるほど・・・奇襲をやると気持ちいいのは知ってたが・・・やられると腹立つね。」

「しかし・・お前等を叩きのめしてから水中で戦神をタコにすればすむ事。」

『バクジン』の挑発に対し、

「へっ!こっちにはまだ奥の手があんだよ!」

これまた挑発的に返すリョーコ。

「奥の手?」

「なんだそりゃ?」

あまり気にも留めていなさそうな二人に対し。ガイも叫ぶ、

「いくぞ!スバル!」

「ああ!マルス!」

「ガンガー!」

「「フルバースト!」」

グオォォォォォォォォォォォォォン・・・・

駆動音と共に二機に片翼の翼が生える。

「すげえ・・・・・派手だ・・・・・・・・・」

「まさに罪を裁く、聖天使か・・ヤベえかもな・・・」

その時二人は、地球に降り立ち、初めて敵に畏怖を覚えた。



「いくぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

『ガンガー』が『バクジン』へと殴りかかる。

「!はやい!」

先ほどとは桁の違うスピードで突っ込んでくる『ガンガー』

バキッ!

「うお!?」

よろめく『バクジン』、

「オラオラオラァ!まだまだぁ!」

しかし『ガンガー』は手を休まずに殴り続ける。

バキッ       バキッ!       ドゴ!
    ドガ!        バキッ            ズガッ!

「・・・・・・・・・・・・・」

拳の嵐の前に沈黙する『バクジン』。

「こいつでとどめだ!」

『ガンガー』が一旦距離をとり、右の拳を握り締める。

「ガイ!ハイパァァァァァァァァァァァ・・・・ナッコウ!」

拳に黒き光が宿り、

バキバキバキバキバキ・・・・・・

アッパー気味の一撃は『バクジン』の胸部のグラビティランチャーごと抉り取った。






「その翼・・・飾りじゃねえよな!」

『リュウジン』が『マルス』に鉄鋲を投げつけるが、

キンキンキンキンキン・・・・・・・・

鉄鋲は全て刀により弾かれた。

「こうなっちまったら・・・・そんな小技きかねえ・・・」

刹那、居合いの体勢のまま『リュウジン』へと突っ込む『マルス』。

「くっ!」

鎖を巻きつけた拳を繰り出し、迎え撃つ『リュウジン』だったが、

キン・・・・・・・

『マルス』が高スピードで脇をすりぬける

「居合術・・・奥義、疾風・・・」

しゅぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・

『リュウジン』の脇腹の辺りから鮮血のようにオイルが噴出した。




「・・・・・全てを消し去る拳か・・・」

今まで沈黙していた『バクジン』から通信が入る。

「!?まだ動けんのか!?」

「腕部凝縮・・・」

メキメキメキメキ・・・

収縮音と共に『バクジン』の両手が光り輝く。

「ならば俺は全てを吹き飛ばす両腕だ!」

「なんだと!」

「くらえ!・・・天国の右腕!

ドガッ!

『バクジン』のカチ上げ気味のラリアットが『ガンガー』の胴体を直撃する。

「うおっ!?」

上空へと吹き飛ばされる『ガンガー』

パァァァァァァァァン!

胴の辺りの装甲がはじけ飛び、上空からきりもみ状で落下する。

「地獄の左腕!」

落下にあわせ『ガンガー』の首筋の辺りに左腕振り下ろしのラリアットを打ち込む。

グオォォォォォォォォォォ・・・・・・・・ばしゃぁぁぁん!!

凄まじい勢いで『ガンガー』は海面にたたきつけられ、そのまま沈んでいった。




「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

『リュウジン』から悲痛な声が聞こえ、両手で傷口を押さえる。

「へっ!俺達をなめすぎたな!」

リョーコが勝ち誇り、止めを刺すため、再び居合の体勢で突っ込む。

「うわぁぁぁぁぁぁ・・・・はっはは!」

その時、叫び声が笑い声に変わった。

「!?何がおかしい!」

異様な感じに『マルス』の足が立ち止まる。

「弱いんだよ!スーパーモードの奥義だろ?だったらすれ違いざまに相手を粉微塵に切り刻むとかさ、空間ごと真っ二つにするとか・・・派手なの期待していたのに・・胴体ちょっと切っただけなんだもんな・・・・期待はずれって感じ?」

『リュウジン』は長めの鎖を作り出し胴体に幾重にも巻く、オイルの噴出は止まった。

「期待はずれだぁ!?だったら今度こそ切り刻んでやるよ!」

怒りの覇気と共に突っ込む『マルス』。

「ならばお前に本物の必殺技!見せてやるぜ!・・・木連鎖術秘技!錦糸緊縛!」

『リュウジン』が今までとは桁違いの無数の鎖を投げつける。

「きくかよ!」

刀を放ち全てを断とうとする『マルス』だったが、

キン・・・・・

                    ガシガシガシガシガシガシ!

一部を切り裂いたところで、残った無数の鎖に拘束される。

「くっ・・・・・だけど動き固めた・・・だけじゃねえか・・・必殺じゃねえよな・・・」

『マルス』から、息は切れ気味だが強気の通信が『リュウジン』に向けて入る。

「・・・・・・諏訪が目をつけただけはある、そんな不利な体勢でもそのセリフ・・・・今までなめてかかってたのは失礼だった・・すまない。」

今までとは打って変った真面目な口調で『リュウジン』が返す。

「へっ!・・いまごろわかったのかよ・・・」

あくまで強気のセリフで返すリョーコ。

「まさに侍・・・・ならば、今!この状態でできる最高の技で貴様を倒す!奥義!魔鎖抜魂!!

『リュウジン』が、

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・!」

嘶きに近い叫び声を上げながら右拳の鎖を何か輪のような形に変形させた。

「いくぞ!!」

直後、拳を振りかぶり『マルス』へと襲いかかる。

「く、くそ!動けねえ!」

回避行動に入ろうとするが、鎖の束縛は想像以上にきつい物があった。頼みの片翼の翼も消えようとしている。

「突鎖!」

バキィ!!

『マルス』の下腹部に『リュウジン』の右拳がめり込む。

「ウオオオオオオオオォォォォォォォォ!!」

バキバキバキバキ・・・・・・

『マルス』に手をつっ込んだまま、上体へと手を引き抜き、

「抜心抜首!」

右拳の鎖の輪でアサルトピットを頭ごと引きずり出す。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ボチャン!

主を失った『マルス』の体は海中へと落下した。



「久々のマジモードだな。」

富士から通信が入る。

「ああ、ま、たまには、命賭けてる奴等相手に手ぬくのは流石にね・・・・」

大島の口調がいつもの調子に戻る。

「ところでこれ・・・どうしようか?」

『リュウジン』の手の中には『マルス』のアサルトピットが頭ごとあった、中のリョーコは流石に気絶してるようだ。

「う〜ん、握りつぶしたら寝覚めが悪いだろ?」

「そこら辺の島においてこようか?」

「それがいい・・・って大島!海面を見ろ!」

「ん・・・?」

海面に眼をやると凄まじい量のオイルが浮かんでいた。

「・・・・決まったのか?」

「この量・・・・どっちか致命傷を負ったな。」

次の瞬間、海面から凄まじい爆音と共に水柱が立ち上った。





〜続く〜









後書き



今回の話はAパート・・つまり次回はBパート、話的にはアキト対諏訪の海中デスマッチとAパートの続きが主になります・・・なので設定資料集的な『後書き?』はBパートに書きます。

さてこの勝負が終わってからの展開ですが・・・・『獅子の女王』や『G−UNIT』的な話になっていくと思います(謎)

 

代理人の感想

なんつーか、あの必殺技・・・・・・・・

垂直国電パンチですか?(爆死)