火星に一つの戦艦が接近しつつある。

 宇宙戦艦ナデシコ、それがこいつの名前だ。

 それが、たった今攻撃を受けている、ただそれだけのことだ。(それだけのことじゃねぇだろうが!)







        時の流れに 〜新たなる世界〜

             第弐話       BY ゴーヤ
        



 >>ルリ

 始めまして、ホシノ=ルリです。これはお友達のオモイカネ。「ゴォォォォン」

 えっ?今そんなことやっている暇はないはず?どうやらそうみたいですね。

 これはちょっと危ないかもしれないですね。では、ということで...


 「艦長、木星蜥蜴の攻撃です。これには迎撃が必要です。」

 
 「そうなの?だったら、総員戦闘態勢に移行してください。」


 艦長、ミスマル=ユリカの命令を受けて、ブリッジの全員がそれぞれの持ち場につきます。

 ウリバタケさんやリョーコさんたちは格納庫に向かっているようです。


 しばらくすると、この船、ナデシコのエースパイロットのテンカワ=アキトさんから連絡が入りました。



 『ルリちゃん、出して!』

 「了解、テンカワ機、発進します。」

 

 ということで、アキトさんの出撃をきっかけに、私たちの火星侵攻が始まりました...


 すでに過去とは違っていることがおきているとも知らずに...




 
 
 「さて、いつまでいけるかな...」

 >>アキト

 俺はみんなより前に出撃して雑魚共を蹴散らしていた。

 えっ?俺は誰かって?テンカワ=アキト、ナデシコのコック兼パイロットだ。

 そんなことはどうでもいいのだが、今やっているのはガイや、リョーコちゃん達を待っている間の暇潰しだ。

 実際一人でもこの量は倒せると思う...多分...

 でもやっぱりチームワークというものを乱すのはいけないと思うから待っているんだけどね。

 と、やっている間に来たみたいだな。



 「お〜い、テンカワ〜。」

 「お待ちどうさま〜、というか待ってたのかな?」

 「ふふふふ、やはり無事だったわね...」


 
 来たようだが、ガイはどうしたんだろうか、あいつのことだから真っ先に来ると思ったのに、


 「リョーコちゃん、ガイはどうした?」

 「ガイ?誰だそりゃ。」

 
 えっ?ガイを知らない?

 そういえば、あいつ自己紹介してたか?

 
 「あ〜!ほらリョーコ、格納庫にいた人、

  たしか『俺はダイゴウジ=ガイだ!!』って叫んでなかった?」

 
 よく考えてみればガイはあの時入院していたんだったな、

 自己紹介なんてできるわけないか。


 「...ああ、あの謎の熱血馬鹿?

  確か鬱陶しいうえにエステバリスに乗ろうとしていたからフクロにしたのよね、三人で。」


 ええっ!?イズミさん!?

 それはさすがに酷いぞ!

 整備班は誰も止めようとしなかったのかよ。


 


 
 と、まぁガイのことは置いといて、

 初めてナデシコの本格的な戦闘が開始された。


 といっても描写することはほとんどない、

 リョーコちゃん達は持ち前のコンビネーションでバッタやジョロたちを掃討、

 その間に俺は敵戦艦を潰す、それが終わったらリョーコちゃん達の手伝い、

 まぁ、戦艦倒すときに俺はちょっとだけ『昔』に戻った気分になったけどね。


 

 そして、ナデシコは無事に火星に突入することができた。

 火星を覆いつくすナノマシンの光...ここから見えるすべてが懐かしい風景だ...

 しかし、もう帰れない場所、

 俺はしばらくこの景色をずっと見ていた...




 そのころブリッジでは慌しくなってきていた。


 「グラビティブラスト、スタンバイ!」
 
 「何でグラビティブラストなんかを?」

 「火星にいるチューリップの第二陣の殲滅のためです!

  ルリちゃん!サーチ出来た?」

 「できてますよ、艦長。ミナトさんこのポイントまで移動してください。」

 「了解。」


 
 ドゴォォォォォォォォン!! 



 うう、この展開は予定通りというかなんと言うか


 「ユリカ!重力制御忘れてるぞ!」
  

 俺は必死になって近くのものをつかむ。

 周りの空き缶などが落ちていく(ポイ捨てはいけませんよ)

 いまや壁が地面になっている。


 「テ、テンカワ!」

「きゃぁぁぁ、アキト君!!」  

 「くっ!」

 
 リョーコちゃんたちが俺にしがみついてくる、

 さすがに女性といえど三人は厳しいかも...言葉にはできないけど。


 「くそ〜、何でテンカワばっかり。って、おわ〜!。」


 あ、ウリバタケさんが落ちた、落ちる前になんか言ってたみたいだけど...


 とにかくこういうところにも艦長としての自覚がほしいね、戦略は確かにすごいんだけど。


 
 余談だがブリッジで某少女が「アキトさん、お仕置きです。」と言ったとか。








 さて、今回はどうやってユートピアコロニーまで行くとするかな。

 おそらく今の俺を手放すわけがないであろう。

 これじゃ、イネスさんを助けることはできないではないか。
  
 どうやらあっちではオリンポス山に行くメンバーを決めているらしい、

 早めに切り出して置かないと厳しいかもな。


 「すみません、俺にエステを貸してもらえませんか。

  故郷を...ユートピアコロニーを見ておきたいんです。」
 
 
 「何を言っているんだテンカワ!!

  お前とエステは手放せるわけにいくわけがないだろうが!」


 ゴートさんが怒る。

 さすがに今までの戦いで力を見せすぎたか...

 ここまで頼られてしまったら俺がナデシコにいないときはどうしたもんだろうな。

 
 「構わん...行ってきたまえ。」

 「て、提督!?」

 「故郷を見る権利ぐらいは誰にでもあるだろう...」

 
 ありがとうございます、提督。

 今ならあなたの気持ちもわかることができますよ...



 と、言うことで陸戦用のエステバリスで無事故郷に降り立った

 メグミちゃんを連れて。

 どうやって引っ付いてきたのかは分らないのだが...


 
 

 
 そのころ、格納庫ではテンカワ アキト アンチ 同盟が結成されたらしい。



 >>リョーコ

 テンカワがユートピアコロニーに向かっている間、

 オレたちは地上班を編成し揚陸艇ヒナギクで地上に降り立った。

 理由はオリンポス山の近くにネルガルの研究所があるらしい、そこにもしかすると生還者がいるかもしれないとの事だそうだ。

 
 本当はオレだってテンカワについて行きたかったのにな...(〃∇〃)


 
 例のネルガルの研究所についたとき、驚いたね。

 その施設が新品みたいに綺麗だったのだ、誰かがいるのかのように...

 
 どうやらあっちではプロスさんがこの施設について説明しているみたいだな、

 そんなことにはあんま興味ないからな、オレは。

 
 と、みんなから外れていたオレなんだが、どうもこの壁の向こうから声が聞こえているような気がしてたまらないのだった。

 誰も気づいていないけど...







 一方その壁の向こう側では...

 
 
 >>シンジ
 
 「彼らはおそらく、ナデシコの船員でしょう。」

 と、いうイネスさんの言葉からわかったのだけど、

 隣の研究施設にいる人たちはここでかつて建造されていた『ナデシコ』の船員の人たちらしい。

 いま、話していることは僕らが彼らにばれる前にこちらから姿を見せるかどうかだ。


 元々ここにいた人たち...エヴァ初号機(改)の整備などをしてくれた人たちは、今まで来なかったくせに何故今頃、

 と、いうことで乗りたくないらしい。

 だが、僕たちはここで何ができるだろうか、といってもエヴァを完成させ、ここで木星蜥蜴と戦うということしかできない。

 しかも、完成するに当たっての物資もあまりない。

 
 最終的にはここにいた人たちが折れてくれた様だった。

 僕らは全員がチームであり仲間なのだ。

 ナデシコに入ったら向こうの人もそれと一緒になってしまう。

 だから僕らはここで今一度全員で仲間意識を高めるためにやっているのかもしれない。


 と、ここで僕は一つみんなに言っておいた。


 「今回ナデシコに乗ることになるのかもしれないのだけどひとつだけお願いがある、

  それはこの機体の設計図などを残しておかないでほしいんだ。

  できれば燃やしてほしい。少なくともここには残さないでください。

  あと、エヴァの整備班の班長としてレオン=ゴーダさん、あなたを指名したいのですがいいですか?」

 
 「あ、おれ?ぜんぜんにいいっすよ。減るもんじゃないし。

  じゃあ、みんな改めてよろしく!」
   
 
 「では、皆さん、意見などもまとまったことなのでここから出て行きましょうか、

  エヴァンゲリオンはコンテナに入れておいてね。」


 と、言うイネスさんの台詞がしめとなり再びここは慌しくなったのであった。

 一体、ナデシコてどんな船なんだろう...  




 
 「お久しぶりね、プロスさん。」


 今、僕らはナデシコの中にいる、あれから出て行こうと思った矢先に向こうの人たちに発見されてしまったのだった。

 どうやら、イネスさんは一部の人たちのことを知っているらしく難なく乗れた。

 最初はナデシコに乗るのを反対していた、イネスさんたちだけど、

 僕らが乗ると言ったら乗ってくれると言ってくれたので大助かりだ。

 
 今、僕らはナデシコのブリッジで、自己紹介をすることになっている。

 (といっても、僕と母さん、あとイネスさんだが、エヴァの整備班の人たちは格納庫だ。)


 「とりあえず自己紹介と行くわね。

  私はイネス=フレサンジュ、このナデシコの製作にも関ったわ。まだネルガルの社員なのかしら?」

 「はい、まだ解雇はしておりませんよ。」

 「そう。えっと、じゃあ次は...」

 
 といって、イネスさんは僕の母さんのほうを向いた。


 「私ね、

  私は碇 ユイ、隣にいる子のこの姉です。よろしくね♪」

 
 か、母さん、僕の姉ってどういうことだよ、なんか色々とめんどくさそうじゃないか...

 その上早く自己紹介しろって目で僕を見てるし...何だよ...


 「あ、あの、碇 シンジです。あの人の弟です。

  あとついでに自己紹介するけど、僕専属のAIとして、

  ル...『はぁ〜い♪こんにちわ、私、ルシフェル。この人の専属AIで〜す。よろしくお願いしま〜す!。』

  と、言うことで彼女はルシフェル。さっきも言ったように専属のAIなんだ。よろしくお願いします。(にこっ)」


 >>ユイ

 あらあら、シンちゃんったらもう使っちゃったのね、天使の微笑み(女殺しの笑み)大半の女性が逝っちゃてるじゃないのよ。

 まあゲームみたいに言うと『女性クルーの心に163のダメージ』ってところかしら。(何なんだそれは)  

 
 どうやらここではやっていけそうね、エヴァのこともあるし、

 でもエヴァって言う名前はちょっとやめたほうがいいかもしれないわね...

 セカンドネームみたいなやつでも考えておこうかしら...




 その頃、ユートピアコロニーに行っているアキト達は... 


 >>アキト

 さて、前回は偶然で地下に行ったが今回はどうするかな。

 まあ、メグミちゃん一人だから何とかごまかせるかな。


 「えっと、確かこの辺だったかな...」

 「...どうしたんですか、アキトさん?」

 「いや...おっと、地盤がゆるくなってるぞ!?」


 こんなところでばれないかな?

 とか思いつつ俺は踵をある一点にたたきつける。



 
 なにやら、『ボコッ!』という音とともに穴が開いた。

 ここまでは予定通りだった。

 俺は重力に逆らうこともなく素直に落ちていく。

 だが、メグミちゃんはさすがにそんなことを予想しているはずもないのだから、状況的には危ない。


 「きゃあぁぁぁぁぁ!!」

 「くっ!!」


 俺は、メグミちゃんを何とか抱きかかえると、両足のばねを使って着地の衝撃を逃がす。

 これは今までの訓練があったからこそできるのだが...

 まあ、そんなことを考えながらちゃんと着地することができた。

 メグミちゃんにも怪我は無い様だしね。


 「メグミちゃん、もう大丈夫だよ。」

 「あ、有り難う御座います、アキトさん。」

 
 赤い顔をして返事を返すメグミちゃん...風邪でもひいたのかな?

 メグミちゃんを静かに下ろすと、俺は周りの気配を探った。

 と、ここで一つの疑問が生じた。

 前のときは殺気だらけであったのに対し、今はまったく無い。

 もしかすると...と思い周りを見渡しても誰も無い。

 少し走ってみても誰もいない...


 もしかして俺は間違えたのか〜〜〜!!!!


 と思った瞬間一つの通信が入った。 



 『ア〜キ〜ト〜!!』



 グァ、やられた、超音波攻撃、あれだけはさすがに、勘弁して。

 ほら、意識が...

 と、隣を見るとメグミちゃんが立ったまま固まっている。

 どうやら、まともに聞いてしまったみたいだ。

 その上、声を発したユリカの後ろではルリちゃんがものすごい顔で俺を睨んでいる。

 ...戻ったら間違いなくお仕置きだな...


 
 

 >>ルリ
 
 アキトさん...予想通りメグミさんと二人きりでした。

 メグミさんが行動を起こさなかったのが幸いですね。

 
 しかしどうしてでしょう、すでに歴史が違いすぎます、

 イネスさんはこちらの地下にいたはずなのに、ネルガルの研究所のほうにいた。

 その上死なせてしまった、火星の人たちも助かった、どういうことでしょう?

 まあ、とりあえずアキトさんと相談しましょう。


 と、そのとき



 ズズゥゥゥゥゥゥン!!



 「ルリちゃん!?」

 「はい!敵、前方チューリップから次々と現れます!」

 「グラビティブラスト発射準備!」

 「...準備完了!」

 「発射ぁ!!」



 ギュォォォォォォォン!!




 「...敵、小型機は殲滅するものの、戦艦タイプは依然として健在。

  その数、さらに増大しています!。」 

 「な、何でグラビティブラストが効かないの〜!?」

 「どうやら敵もディストーションフィールドを張っているようです。」

  
 「まぁ、これは予想通りだわ。敵もディストーションフィールドをもっていることぐらい。

  シンジ君、あれいけるかしら?(ボソッ)」

 「どうでしょう、まだわかりません。だよね、母さん。(ボソッ)」

 「こら!シンちゃん!姉さんでしょ!と、まぁ冗談はここまでにして、まだ無理ね。

  あの状態じゃぁ機動力が足りなすぎるわ。(ボソッ)」


 
 なにやらあっちでさっき乗せた人たちがなにやら話していますが気にしておかないでおきましょう。

 なぜかって?それは、アキトさんから通信が入ってるからです。(ぽっ)


 「艦長、テンカワ機より通信が入ります。」

 「え!!?本当?ルリちゃん。」

 「本当です。通信繋ぎます。」


 ...おそらく私の考えが正しければ今のアキトさんの状態は...


 
        ピッ!!

 

 >>アキト  
 
 「ユリカ!!今から敵陣を強行突破してナデシコに合流する!。」

 「...アキト。」


 ...なんだ?ユリカがなんか睨んでいるような。

 その後ろではルリちゃんも...

 一体何が...


 「アキトさん...」

 「な、何かな...?」

 
 「何でメグミさんを膝の上に抱っこしているんですか!」

 「えっ?」


 しまった...、音声だけにしておけばよかった。

 映像まで送ったのは失敗だったな...

 だってコクピットは基本的に一人用なんだぞ。

 それをどうしろというんだ。

 しかも、今は戦闘中だから激しく揺れるし。


 「後できちんと釈明します...」

 「なら宜しい。」

 「...本当のことを言って下さいね、アキトさん。」

 
 未来を知っていようが、

 俺は女性陣には勝てないようだ。


 「ちくしょー!お前達が一番の邪魔者なんだよ!!」


 俺はとりあえず、目の前にいる無人兵器に怒りをぶつけた。

 ...結果、予想より早くナデシコと合流することができた。

 
 しかし・・・

 

 格納庫で俺に抱き付いてエステから降りて来るメグミちゃんを見て。

 テンカワ アキト抹殺組合が設立された事を、俺は知らなかった。

 

「テンカワ・・・お前だけが幸せになれると思うなよ!!」

 

 

「おおおおおお!!」(整備班全員)

 

 

 ウリバタケさんの号令のもと・・・多数のメカニックが参加していたらしい。

 

 俺の・・・せいなのか?

 

「アキトさんのせいです!!」






 <後書き?>

 ど〜も、こんにちわ、ゴーヤです。

 今回はシンジ達合流です。思いっきり、「時の〜」の流れです。

 あまり気にしないで読んでくださいな。

 
 さて、前回代理人さんから注意されたところはどうでしょうか

 まだ、作家としてはかなり初心者なので、『こうしたほうがいい』などのメールがどんどん来てくれることを願います。

 ついでに『こうしてほしい』というものも。


 では、次のやつをお待ちください。

 

 

 

代理人の感想

文章が随分読みやすくなりました。

と、言っても今回ご本人の文章がかなり少なめですが(爆)。

別のところでも書きましたが、こう言う作品の場合「シンジらしさ」と「シンジがいるから起こる変化」

をちゃんと書けるかどうかが作品のキモかと思います。

頑張ってください。