私はもう、一人では歩けない。

 もともとそうだったのかも知れない。


 それでも今は、私に向かう時代の風が強すぎるから。

 あの人と共に歩くこともできない。


 「蜥蜴戦争」、今ではそう呼ばれているあの戦いの中。

 私たちは傷付くことに慣れたはずだった。


 だけど今は、あの時以上にそれを恐れていた。


 本当は、あの人に抱きしめて欲しい。

 どんなに笑顔を浮かべても、止まる事のない涙で濡れてしまった私を。


 あの人は時代と同じく変わり続けた。

 だけど私はあの人が望んだように、変わらぬ私でいようと思う。


 そうすればきっと、あの人は私を受け止めてくれるかもしれない。

 でも、それも限界かもしれない。

 日が経つにつれて、私の身体が壊れ始めた。

 それに引き摺られて心も壊れていくのだろうか。


 だが、例えそうだとしても私は変わらないでいられるようにと願う。

 それが私があの人に捧げる永遠の、変わらぬ愛のカタチ。


 あの人の事を想う度に、溢れるこの想いだけは、

 いつまでも、激しく私の時を埋め尽くしていく。











 ForeverLove











 あの人の近くでは、銀の風が吹いているだろう。

 それであの人が私を思い出してくれていると願いたい。


 変わらない夢。


 私にとってのそれは、あの人が傍に居てくれる事。


 明日の夜明けを迎えられるのかと震える私を、抱きしめて温めて欲しい。


 でも、それは私の身勝手な夢。


 恐らくは、もう終わることの無いであろう夜を見ながら、

 全てを自分の手で終わらせることが出来たら良いと思った。


 でも、それは絶対にしてはいけない。

 私が失うものは、もうあの人への愛だけ。

 だけれど、それは絶対に失ってはいけないモノだから。


 永遠の愛も、永遠の夢も、全てはあの人と一緒でなければ果たせない。

 ただ、傍に居て欲しい。


 もう、あの人と共に夜明けを見ることも、風を感じることも出来ないのだ。


 誰よりもあの人の傍に居たいと思っていた私は、

 何時の間にか誰よりも遠い存在になってしまった。


 もうこれ以上、私は先に歩むことが出来ない。

 私の生きる意味は、もう誰も教えてくれない。

 すでに自分で考える時間も力もない。


 いくら笑顔を浮かべても、溢れる涙を止めることは出来ない。

 この涙があの人に届くのなら。


 せめて、あの人の進む未来を照らす光となって欲しい。

 そう想う事は私にも許されると思うから。


 変わらない、唯一で永遠の愛をあの人に。


 それが私、テンカワ・ユリカの貫く、最後の『私らしく』。





















○あとがき

 お久しぶりです、長編を書くと言い続けて結局短編をチマチマと書いている愚者です。
 て〜か短編というより、ただの詩になってる気が…
 すいません、PCがブチ壊れていたので随分間が空いてしまいました…

 え〜、今回の短編は、題名や本文から分かるとは思いますが、
 Xの「ForeverLove」を題材として書いたものです。

 なんで今更「ForeverLove」なんだとかは言わないで下さい(;
 最近、久しぶりにXを聞いて「やっぱりいい曲だなぁ」とか思って書いたんです…

 歌詞を捩りながらユリカの語り風にしてみました。
 本当はセリフを入れたりしてもっと長くするつもりだったのですが、
 もとの曲の雰囲気を出したいと思ったので、これだけにしました。

 本物の恋愛をしたこと無い男が書いたものですが、どんなもんでしょう?

 ああ、早く長編の更新したいなぁ…(T_T
 では、また間が空くとは思われますが、どうぞ見捨てないでやって下さい。






代理人の感想

うーん。

本当に短いなぁ。(爆)

 

やはり、もうちょっとボリュームアップして話も捻ったほうがよかったかと・・・・。

何よりオチがついてませんし。