機動戦艦ナデシコ

兄弟で行こう!!

第二話「緑の地球は任せとけ!!」・・・大丈夫かな?





生まれて初めての戦闘の所為だろう、顔色の悪いカイト兄さんを連れて俺はブリッジに向かっている。


「アキト、最初に言っておく事がある。

・・・・ユリ、いや、艦長の言う事を頼むから、まともに受け取らないでくれ!!

・・・・・・あいつの言う事は、約9割が妄想で出来ているからな。」


・・・・・・訂正、どうやら、顔色が優れないのはユリカに会わなければならないからだろう。


そして、俺達はブリッジに着いた。


ゴクン


兄さんの唾を飲む音がやけに大きく聞こえる。


・・・こりゃ、相当、緊張しているな。


仕方が無いので俺がブリッジのドアを開ける事にする。


「カーイート!!」


という声と同時に突っ込んできたユリカを避ける俺達。


ドカッ


「うう〜、なんで避けるの〜」


後ろで物凄い音がし、何やら呻いているのが聞こえたが、気にしないでブリッジの皆に自己紹介しておこう。


「コック兼パイロットのテンカワ・カイトです。」


「弟で同じく、コック兼パイロットのテンカワ・アキトです。」


「俺は「ヤマダ・ジロウさんです。

だー!!ちがーう!!それは世を忍ぶ仮の姿だ!!

本当の名前はダイゴウジ・ガイ!!


取り敢えず、今回は見せ場を譲ったが、次からお前たちの出番は無い!!

ナデシコで俺様の華麗な活躍を見ていろ!!」


「足の骨を折っているのに?」


・・・・・・ラピス、そんな身も蓋も無い言い方しなくても。


とりあえず、熱血馬鹿を無視し自己紹介が続く。


「私は操舵士のハルカ・ミナト。

ここに来る前は社長秘書やってたんだ。

よろしくね♪」


とミナトさん。


続いてメグミちゃんが、自己紹介する。


「はじめまして、ナデシコの通信士のメグミ・レイナードです。

ここに来る前は声優やってました。」


「僕は、副長のアオイ・ジュン。

ユリカが地球に来た時からの幼馴染だ。」


とやけにカイト兄さんに突っかかるようにしてジュンが自己紹介する。


それに対するカイト兄さんの反応は、・・・・憐れみの眼差しだった。


・・・まぁ、火星に居た頃に掛けられた様々な迷惑を思い出しているのだろう。


「改めて自己紹介しときますね。

オペレーターのホシノ・ルリです。」


「サブオペレーターのラピス・ラズリ。

私はアキトのむぐぅ」


といつものを言おうとしたので慌ててラピスの口を塞ぐ。


ここでいつもの台詞を言われたら、絶対に勘違いして大騒ぎになるに決まっているからな!!


・・・・・特にミナトさんが(汗)。


皆が怪訝そうな目をしてくる中、俺は無視してフクベ提督の前に立ち、挨拶をする。


「私はフクベ・ジン。一応、飾りみたいな物だが提督だ。よろしく頼む。

それにしても二人とも囮役、見事だった。怪我とかは無かったかね?」


「ええ、俺の方は全然大丈夫です。」


「ええ、何とか。アキトが来なかったら、今頃死んでましたけどね」


「私は「それにしてもホント凄かったよね!」

ちょっと!!私の話を聞きなさい!!」


とキノコのセリフを無視してメグミちゃんが話しかけてきた。


「いえ、そんな事無いですよ。」


と俺も無視して話す。


・・・出来れば視界にすら入れたくないからな、あのキノコは。


「謙遜しなくてもいいんじゃない?

とても素人の動きには見えなかったけど?」


「彼は我がネルガルの機動兵器のテストパイロットなんですよ・・・・凄腕の。

まぁ、皆さん質問はたくさんあるでしょうが、二人とも疲れてるでしょうから今日はこの辺にしておきましょう」


とプロスさんが助け舟を出してくれた。

・・・・ナイスです、プロスさん!!

あのままでは、俺達の事を根掘り葉掘り聞かれていたからな〈汗〉。


「では、カイトさんの部屋はヤマダさんと同室ですので、ヤマダさん案内の方をお願いします。

アキトさんは、ルリさん達に案内してもらってください」


ん?どうしてだ?

・・・・・ルリちゃん達が無理言って俺の部屋を隣か何かにしたんだろうな、きっと。


しかし、俺の予想は大きく外れる事になる。


・・・・・・・・まさかこんな事になろうとは(汗)




二人が案内してくれた部屋の前のプレートには


テンカワ・アキト
ホシノ・ルリ
ラピス・ラズリ


と書いてあった。



・・・・・ちょっと待てい!!


「さ♪ここですよ、アキトさん♪」


「早く入ろ、アキト♪」


と上機嫌の二人に向かって俺は話す.


[あ、あのさ、こういうのは不味くないかな?」


「どうしてです?」


「どうしてって。

あ、あのね、ルリちゃんも年頃なんだから、男である俺と一緒と言うのは絶対に不味いよ!!

それに艦の風紀とかにも影響するし!!それに大体プロスさんとかは何ていってるんだい?」


「あ、その点は大丈夫です♪

契約の際に、アカツキさんにちょっとお願いしたら二つ返事で了承してくれました♪

(本当はアカツキさんのプライベートなファイルを公開するといったんですけどね。)

それに、家族が一緒に住むのは当たり前のことでしょう?

・・・・・それとも、私と一緒の部屋は嫌ですか?」


「アキトは私と一緒なのはいや?」


・・・・・二人とも頼むから潤んだ目でいわないでくれ。


それに、ルリちゃんには二年間も放っておいたという負い目があるしな。


・・・・・・・・・は〜、ここは俺が折れるしかないかのか?


「・・・・・解ったよ、ルリちゃん、ラピス。」


「じゃ、早く部屋に入りましょう♪」


「早く入ろう、アキト♪」


・・・・・ルリちゃん、ラピス、今のはもしかして嘘泣きかい?


ま、言っちゃったもんはしょうがないか。


へー、どうやら二つの部屋の壁を取り除いて一つの部屋にしたみたいだな


・・・・・それにしてもなんで和室なんだ?


・・・・・・・・・ま、気にする事は無いか。


そして、俺達はこれからの事をどうするかという事で夜遅くまで議論した。















・・・・・・・はぁ、やっぱり前回同様キノコが反乱を起こしました。


ユリカさんがマスターキーを抜いてしまったため、最低限の機能以外は作動しません。


それにしても、何故、ジュンさんはトビウメに行ったのでしょうか?


確か、ミスマル提督が指名したのは艦長と交渉にあたる代表者だけだったはずです。


艦長が居なくなるのであれば、副長は艦に残って居なければならないんじゃないですか?


それとも、副長としての自覚がないんでしょうか?


・・・・・ま、気にしていてもしょうがないですね♪




今、私達は食堂に押し込められています。


周りの人達は不安そうですが、これは仕方ないですね。


そんな中ミナトさんが話しかけてきました。


「ね、ルリルリ♪

アキト君とは以前から知り合いみたいだけど、アキトくんとはどいう関係なの?」


もう、ルリルリですか?・・・・嬉しいですけど。


「アキトさんは私の騎士なんです!!」


「き、騎士!?」


「ええ、昔、何があっても私の事を守ってくれるって約束してくれたんです!!」


「そ、そうなんだ。」


と私が意気込んで言うと、ミナトさんは少し引いてしまいた。


・・・これは、少し失敗ですね。


で、その頃、アキトさんはというと・・・・・・ヤマダさん、カイトさん達と一緒にゲキガンガーを見てます。


ま、アキトさんの実力を持ってすれば、すぐにでも食堂から脱出は可能ですから余裕なんでしょうが。


あれ?


アキトさんに寄りかかっているのは・・・



・・・・ラ、ラピス、貴方は何でアキトさんに寄りかかって寝ているんですか!?


いくら、昨日、夜更かししたからといっても、それは私も同じなんですよ!?


なのに一人だけなんてずるいです!!


・・・・・・・・これは実力で離す必要がありますね。


そう思いアキトさんに近づいていくとアキトさんが私に気が付きました。


「あ、ルリちゃん、ちょうど良かった。

そろそろ、動こうと思ってたんだけど、ラピスが寝ちゃって動けなかったんだ。

悪いんだけど代わってくれないかな?」


「別にいいですけど」


というより、アキトさんに寄りかからせるくらいなら私に寄りかからせた方が何倍もましです!!


アキトさんは私にラピスを預けるとモップを片手にドアの方に向かっていきます。


「お、おい、アキト!!何をするつもりだ!?」


「ちょっと艦内の掃除です♪」


と心配そうに話しかけたウリバタケさんに対してアキトさんは事も無げに返します。


「ルリちゃん、ドアのロック外してくんない?」


「もう、外してありますけど、無理はしないで下さいね?」


「大丈夫だって、そんなドジはしないよ」


私達の会話を聞いていた皆さんは、唖然としてます。


ま、アキトさんの実力を知らないのだからしょうがないですね。


それなら、アキトさんの実力を見て納得してもらいましょう。


ドアの前に立ち深呼吸をした後のアキトさんの目にはいつもはない鋭い光がありました。


そして、ドアが開くと同時に外に出るとモップを一閃させ、一瞬で二人の見張りの兵士達を気絶させてしまいました。


まさしく早業!!


見ていた皆さんは呆然としています。


・・・・・たぶん、倒された兵士の皆さんは自分に何が起こったのか解らなかったでしょうね。


「ふぅ、これでよしっと。

・・・・・あ、ゴートさんは俺と一緒にはブリッジの方を、ウリバタケさんと兄さんたちは格納庫の方をお願いしますね」


「お、おう、それにしても凄い腕だな、アキト」


「褒めても何も出ませんよ?

それじゃ、皆さん!!

自分達の艦を取り戻す為に張り切って頑張りましょう!!」


「「「「「おう!!」」」」」


無駄にノリだけは良いんですよね、この船は。


ほんとに馬鹿ばっかです・・・・でも、私も馬鹿なんですよね、きっと。







寝ていたラピスはかなり苦労しながらも起こしました。


ふぅ、それにしても、ラピスも寝起きはあまり良くないみたいですね。


ブリッジに行くまでの途中に居た兵士達やキノコもアキトさんかゴートさんの一撃で敢え無く撃沈。


私達は簡単にブリッジまで行く事が出来ました。


そして、私達がブリッジに着くと目の前ではチューリップにクロッカスとパンジーが吸い込まれている最中でした。


「メグミさん、格納庫のウリバタケさんに通信繋げられますか?」


「・・・ええ、今、繋げます。」


『何だ、アキトか、どうかしたのか?』


「海底で眠っていたチューリップが活動し始めました。

エステバリスの空戦フレームは出せますか?」


『おう、ばっちりよ!!』


「じゃ、ガイとカイト兄さんをエステバリスで出撃させておいて下さい。」


『ああ、解った。

でも、忘れてるのかもしれないけどヤマ『ダイゴウジ・ガイだ!!』の奴は骨を折っているんだぞ?』


「どのみち、どんな怪我をしていてもガイなら出ますよ。

なら、最初から出した方がましです。」


『それもそうか。

お〜い、さっさとその馬鹿を出してやれ!!』


『ふっ、待たせたなアキト!!

今こそ真のエースの実力を見せてやる!!』


『アキト、どうすればいいんだ?』


「逃げ回って、敵の目を引き付けるのと時間稼ぎをしてくれればいいよ。

それじゃ、後よろしく!」


『解った!!』


『へっ、了解したぜ!!』


「ルリちゃんはマニュアル発進の用意を!!」


「解りました!!・・・それじゃマニュアル発進・・・よ〜い・・・・ドン!!」


と言うとアキトさんは大爆笑していますね。


傍から見てる分には面白いんですよね、これ。


「ラピスはグラビティブラストでトビウメを巻き込まない位置を計算。」


「うん、任せといて!!」


「メグミさんはトビウメに通信、後ろに下がるように言っておいてください」 


「了解!」


それにしても、皆さんゴートさんではなく、指揮権のない13歳の子どもが指示を出しているのに誰も疑問に思わないのでしょうか?


ま、似合っているので良しとしましょう♪


「アキト君、カイトさんから通信!!」


『アキト!!

ライフルぐらいじゃ全然効かない!!どうすればいい!?』


「仕方ないな・・・・・・あれしか手は無いか」


とアキトさんは何かちょっと嫌そうですね。


「兄さん、ガイ・・・・・・ゲキガンフレアーだ!!」


「「「「ゲキガンフレアー!?」」」」


あ、あれですか!?


『うおー!!解ったぜ、アキト!!

ゲキガンフレアー!!』


『ああ、もう!!

ゲキガンフレアー!!


ノリノリのヤマダさんと、最早ヤケクソ気味のカイトさんの2機がチューリップに突っ込みながら触手を倒していきます。


「ね、ねえ、アキト君?

ゲキガンフレアーって何?」


とミナトさんが尋ねます。


「デイストーション・フィールドを纏った高速の突撃攻撃ですよ。

あんな大きい相手ではライフル如きでは大したダメージにはならないでしょうしね」


「でも、それなら、何でその。

・・・ゲキガンフレアーとかって言ったの?」


「イメージの問題です。

知っての通りエステバリスはパイロットのイメージどうりに動きます。

ですから、最もイメージしやすいものを言ったんです。」


「あ、そうなんだ。」



で、結局しばらくしてからユリカさんとブロスさんだけが戻って来ました。


・・・・・・・アオイさん、ご愁傷様です。


結局チューリップはグラビティーブラストの一撃で破壊されました。



・・・・・・・・余談・・・・・・・・

「ねぇ、私が来る前にほとんどの準備が終わってたみたいだけど、誰がやったんですか?」


「あ、それはアキト君よ。

なんか、艦長より艦長ぽかったわね。

いっその事アキト君が艦長やったら?」


「ええ!!そっちの方がいいかも知りませんね!」


「そ、そんな・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」


とY・M嬢が某少年なみのドラップラー効果を見せたとか見せなかったとか






後書き
ふぅ、2話目を書き上げました。
内容が前よりかも少ないですが、気にしないで下さい!!
それにしても、相変わらず戦闘の場面が少ないですね。
ですから、次回は増やします。ホントに増えるのか?
このSSのカイト君は漫画版のアキト君みたいにユリカの事を嫌ってます・・・・何故か?
答えは簡単、TV版のアキトがIFSを付ける要因となった事故で、被害者はどう考えてもアキトの方の筈。
アキトは止めてたのに勝手に乗ったのはユリカ。しかも、暴走させてるし。でも、どうやって暴走させたんだろ?
それなのに、両親から責められて殴られるは散々な目に遭わされてるのに原因のユリカはお咎めなし。
なんでだろ?と私なりに考えた結果は・・・・多分ユリカがミスマル家の長女だから。
ま、理由がそうじゃなくても・・・・理不尽ですね、かなり。皆さんはどう思いますか?
毎回騒ぎがあるたびにこんな事があれば嫌いになります。というかならない方が変なのでは?
で、キャラ紹介です。

ホシノ・ルリ
チビ逆行者の一人。肉体年齢は11歳。ご存知、電子の妖精。オペレターとしての能力は超一流。
しかし、その能力のほとんどは戦闘では発揮される事なく、アキトの行動の監視のためだけに使われていたりする。
アキト獲得の為に日夜、奮闘中。ラピスの事は自分の妹のようにも思っている。
表面上は明るくなっているアキトだが、まだ自分の闇から逃れていない事を解っている。
その為の手伝いなら何でもしようと心に誓っている。
果たして、彼女はアキトの闇から逃れる道標になれるのか?



代理人の個人的な感想

男女七歳にして席を同じうせず!(笑)

つーか、普通兄と同室では。

 

で、今回気になったのは反撃開始の所。

他の乗組員を上手く乗せるとかならともかく、十三歳のガキが軍人をあっさり倒すというのはどうかなぁと。

違和感を感じて仕方がありません。

 

>ユリカが怒られなかった理由

アキトが男でユリカが女だから・・・・と言うのはアレですかね(苦笑)。

作品的には割と当たらずとも遠からずのような気はするのですが。