真夜中、私は隣からの声で起こされました。

 そこには魘されているアキトさんの姿が。

 
「………うぅ………うぅ………!」

 殺してやるよ……!!

 北辰ィィィィン!!」


 突然アキトさんが身を起こして叫びました。

   
「大丈夫ですか!?アキトさん!!

 どうしたんですか!?」


「………ルリちゃん?」


 私の呼びかけでようやくアキトさんは私に気が付いたみたいです。


「厭な夢を見たんだ。夢で良かった」


「どんな夢だったんですか?」


「皆が北辰に殺される夢。

 俺は何とかして助けようとするんだけど・・・あいつに敵わないんだ。

 そして、あいつはこう言うんだ。

『その程度か……失望したぞ、テンカワ アキト。

 貴様の大事な者達も送り届けてやる。

 仲良く地獄に行くがいい』ってね。

 くそっ!!俺はこんな身体でアイツに勝てるのか?」


 アキトさんは悔しそうです。

 満足に闘えない今の自分の身体の事・・・それに対する不安。

 そんなものが伝わってくる声でした。

 私は何かに怯えるアキトさんを落ち着かせるため、背中に手を回し包み込むように抱きしめました。


「大丈夫………大丈夫ですよ、きっと。 

 私達ならここにいますから…………ね………?」


「うん」


私はアキトさんが落ち着くまで抱きしめ続けました。














「さあ!!任務よ!!」


 ムネタケはふんぞり返って偉そうに一発ぶちかました。

 何で偉そうに言うんだ?


「お言葉ですが、提督。我々ネルガルは協力関係にあるとはいえ、作戦に対する拒否権が与えられております。」


「一応はね。」


「クルーの生命を危険に晒すような作戦にはこのミスマル・ユリカ。

 艦長として断固反対いたしますのでご了承下さい!」



 ユリカが毅然とした態度でムネタケに立ち向かう。

 ほう、少しは艦長としての自覚が出てきたか?



「戦うだけの手駒にはならないって訳ね。」


 珍しく凛々しいユリカとムネタケが睨みあっている。



「お生憎様、今回の任務は戦う事じゃないわ。

 敵の目をかいくぐって、救出作戦を成功させるのが今回の任務よ。」

 
 ご丁寧に扇子まで持ち出しているな、キノコは。


「「「「救出任務〜?」」」」



 一斉に聞き返すみんな。

 最前線で戦うものだとばかり思っていたんだろうな。 

 しかも、救出対象がアレだからな…。

 はっきし言って放っておいた方があの大使は幸せな気がするが。



「そう救出作戦♪

 このように・・・・」


床面ディスプレイに投影される地球図と、それを覆い尽くさんばかりの赤い点。



「2639個ものチューリップが地球上にあるのよね」


 そして地球図の一部が拡大される。


「今、向かっている北極海のウチャツラワトツスク島に取り残された親善大使を助け出すの。」


「く〜〜〜

 燃える、燃えるぜ!!

 孤立無援の中で敵に捕らわれた美少女を救う!!

 これぞ俺の求めていた物だ!!」




 そうか美少女によろしくなガイ。

 それにしても、この島は相変わらず舌を噛みそうな名前だよな。



 
「しつも〜ん」


 まるで、小学生のように手を上げるユリカ。

 前言は撤回しとこう。


「何、艦長?」


「そもそも、何で親善大使がそんな所に行ったんですか?」


 行く以前に、元々住んでいるんだよなアレは。


「親善大使は好奇心豊富でねぇ。
 
 北極海の漁場や環境を調べていたらバッタに襲われ、さあ大変♪」


 妙に楽しそうに言うムネタケ。

 この作戦が終わった後の事を考えてるのか?

 血祭りにあげられそうな気がするんだが


「でも、そんな所に放置されてると凍死しちゃうんじゃないの?その親善大使?」


 あの大使は相当寒さに強いんで、まず凍死はありえないな。


「それは心配いらないわ。」


「えっ、いくら装備があっても北極って寒いですよね?」


「たっ、大使は寒さに強いのよ!
 
 いい事!! 絶対にこの作戦は成功させるのよ!!

 解ったわね艦長!!」


 明らかに話をはぐらかすムネタケ。


「は、はい!! 絶対成功させましょう!!」


 まるでムネタケの勢いに飲み込めれたかのように頷くユリカ。

 ちったぁ怪しいと思えよ!!


「提督、質問があります」


「あら何かしら?」


「連合軍と協力はできないんですか?」


「どういう意味かしら?」


「俺達が陽動となって敵を引き付けその間に大使を軍の船に回収してもらうっていう方法があると思うんですが?」


「それは無理ね」


「何故ですか?」


「連邦軍の船の殆どが出払ってる状態なのよ」


 つまり雑用だから任せられたんだな。


「つまり、救援は期待出来ない。

 ナデシコ一隻でやるしかないのか。

 んで、艦長作戦はどうするんですか?」


 敵地の侵入等は俺の十八番だからな。

 アドバイスくらい出来るだろう。


「う〜〜〜ん、大気中だからナデシコは100%の力を出せないし。

 正面から行くと敵の激しい迎撃が待ちかまえてるでしょうし・・・

 回り込んでも迎撃が薄い保証はないし・・・」


「俺としては正面から行く事をお勧めします。」


「ちなみに理由は?」


「回り込んでも迎撃が薄い保証は何処にもないんですから最短で近づいた方が良いです。

 それにある程度近づけばエステ単独で大使を回収できますしね。」



 ちなみにこう言った理由は前回のようにならない為である。 

 前回のようになったらミナトさんの腕は信じているが座礁する確率73%はシビアすぎである。

 さらに帰るときも同じルートを通るとしたら行く時で7割、帰る時で7割。

 確率的には・・・やばっ!!6、7年ぶりに数学をやったから拒絶反応が!!

 あ、頭が割れる・・・そ、空が落ちる!!

 今、物凄いビジョンが見えたが気にしないようにしよう。

 無事に帰れる確率が1割以下と言うのは勘弁である。

 ま、こういう危険は出来るだけ避けるべきである。

 ぶっちゃけ仕事を増やしてくれんだったら最初からきつい方がいい。

 
「う〜〜〜ん。

 でも、皆を危険に晒したくないし・・・」


「エステで目的地の北極海域にはいったら偵察すれば問題ないでしょ?」


「それもそうだね。

 ん、じゃそれで決まり!!」


 ちなみに本来相談すべき相手であるジュンはブリッジの隅で泣いていた。

 このナデシコではもっと主張しなきゃ駄目だぞ、ジュン。



















「ふう〜、移動中は暇だよね〜」

 
「ま、現場につかないと俺達に仕事は無いよな。」

 

 食堂の机の上に寝転がるパイロット一同。

 ま、確かに暇そうだな〜〜〜〜。

 パイロットはブリッジクルーのように普段からそれなりに仕事のあるのとは違うからな。

 作戦空域に着くまで特にパイロットはすることが無く、ヒマではあるだろうけど。

 ちなみに俺と兄さんは昼食の材料の野菜の皮むきをしているが。

 

「やあ、アキト君。

 今、暇ならちょっと付き合って欲しいんだ、け、ど

・・・そんな意味じゃないよ君達。」

 

 周りから好奇の目で見詰められ、慌てるアカツキ。

 じゃあ、誤解を受けるような言葉で俺を誘んでくれ・・・・

 ヒカルちゃんはメモ用紙を持っているし。

 ちなみに俺はイツキお姉ちゃんの後ろに隠されている。

 

「ちょっとトレーニングルームまで来てもらおうと思ってね。

 生まれ変わった僕の実力を見せてあげよう!!

 僕を今までのアカツキ ナガレだと思っていると痛い目に遭うよ。」


「ま、いいけどな」


「ねえ、アキト君。アカツキさんとは以前からの知り合いなの?」


 イツキお姉ちゃんからの質問に一瞬迷ったが


「ま〜ね、テストパイロットの時にね。」


 と無難に答えておく。

 ま、嘘は言ってないな。


「ちなみに戦績は?」

 
「俺の239戦239勝だけど?」


「そ、そう。」


「じゃあ、240勝目をしに行きますか。」


 と言って立ち上がると同時に。


「お、そう言えば良い機会だな。

 俺もテンカワと模擬戦をやってみたかったんだ。

 それに新入りの実力も見たいしな。」

 

「あ〜、私もアキト君と模擬戦してみた〜い!!」

 

「・・・私も興味があるわ。」

 
「私もリベンジしようかしら?」


「アキト!!真のエースの実力見せてやるぜ!!」



 ・・・俺の意思はないんだね。(泣)









 最初の対戦相手はガイ。

 俺とガイのフレームは空戦フレーム。

 舞台は皆一緒で火星の大地である。 


「行くぞ!!ガイスーパーナックル!!」


 と言いつつ馬鹿正直に突っ込んでくる、ガイ。

 ガイ、飛込みを誘って迎撃するのは1990年代の格闘ゲームからのセオリーだぞ?


 
「ほいさ、と」


 コックピットを足蹴にする


「な、なんと〜〜〜!!」


 ヤマダ ジロウ、対戦所要時間・・・5秒




「次は私の番だね」


 2番手はヒカルちゃん。

 同じく空戦フレームを使用。
 
 的確な射撃であるが・・・甘い。

 ヒカルちゃんがミサイルを撃つが、ライフルで全て撃ち落す。

 そして、一気に近づきナイフでコックピットを突き刺す。


 「うそ〜〜〜」
 
 アマノ ヒカル、対戦所要時間・・・56秒




「・・・・(ポロン)」


 3番手はイズミさん

 イズミさんは砲戦を使用。俺は陸戦フレームを使用。

 後方援護を得意とするイズミさんの射撃は流石であるが、小刻みに移動をする俺を捕らえる事は出来なかった。

 中距離まで近づくと、なんとイズミさんは俗に言うフルオープンアタックという物を出してくれた。

 おいおい・・・現実だったらシャレにならんぞ。

 ミサイルがまるでマク○スのミサイルのようにカクカクと曲がっているのは気の所為だと言うことにしとこう。

 ミサイルを撃墜しながら、120mmキャノンもかわしてコックピットに一撃を入れる。


 
「・・・・ふっ」



 マキ イズミ、対戦所要時間・・・1分24秒





「アキト〜〜〜勝負だ!!」

 
 4番手、リョーコちゃん。

 互いに空戦フレームを使用。

 突っ込んできたがガイとは違い左右上下に小刻みに移動しながら近づいてくる。

 射撃で倒せんことも無いが接近戦も一興だと思い、自分からも近づく。

 リョーコちゃんは抜刀の間合いに入ると得意の居合い抜きを見せてくれる。

 それをかわすが、さらに抜刀が来る。

 こ、これは2段抜刀術!!

 意表は突かれたがこれもかわしライフルで倒す。


「くそ〜〜〜〜」

 スバル リョーコ、対戦所要時間・・・1分18秒。




5番手、イツキお姉ちゃん。

 また、互いに空戦フレームを使用。


「行くわよ。」


 流石に強い。正確な射撃だし判断能力もいい。

 しゃーない、あれを使うか。

 ・・・未完成だけど。


「な、何、その動き!?」


 嫌になるほど見た傀儡舞を使う。

 もっとも回転ターレットノズルはないから偽物だが。

 焦っているうちに近づきコックピットにナイフを突き刺し倒す。



「あ、あんな動きが出来なんて」


イツキ カザマ 対戦所要時間・・・2分36秒




「やっと僕の番か」

 アカツキは卑怯にもスーパーエステを使用。

 こっちもsplもどきの改造Fbを使う。

 遠方からはレールカノンを使い一定距離近づくとミサイルポットや二連装レーザーをばら撒き距離をとるアカツキ。

 仕方ない使うか。

 俺はレールガンを構え数発撃つ。


「ちょっ」


 アカツキかわしきれなく敢え無く撃沈。


 アカツキ ナガレ対戦所要時間・・・3分5秒。


「ふっ、新記録だな。」




 最後、兄さん。

「兄の面目を!!」


 互いに陸戦。

 いきなり兄さんが地面にライフルを乱射し弾幕を張る。

 その中で俺が居た場所を中心にライフルを乱射。

 なかなかいい手だけど甘し。

 熱エネルギーを探査して速攻で決める。


「あ、兄の面目が〜〜〜!!」


 テンカワ カイト対戦所要時間・・・38秒。





「「「いや〜相変わらず凄いね(な)〜〜。」」」


「そんな事無いですよ。

 俺は疲れたんで少し寝ます。」


 この身体で七連戦はつらいな〜〜。

 ユリカが馬鹿しなきゃ、俺の出番は無いな。












 アキトと別れ自室に向かう途中でメグミちゃんと遭遇。


「カ〜イ〜ト〜さん!!」
 

「ん? メグミちゃんか。

 どうかしたの?」

 
「今、暇ですか?」

 
「え〜と、御免あんまり暇じゃないんだ。

 これから、エステの整備しなきゃいけないから。」


「え、でもそれは整備班の仕事じゃ?」


「エステの反応値とかを合わさないとね。

 それと細かい調整は本人がやったほうがいいんだって。

 これをしとくと戦場で生き延びれる確立が少しはあがるんだって

 アキト曰く「戦場ではほんの少しでも上げられるようにしとかないと駄目」だってさ。

 いままではアキトがそういう事をしといてくれたんだけど今度からは自分でやれって言われたし。

 昔は兄のお願いは聞いてくれるいい子だったのに(泣)」

 
「そ、そうなんですか(汗)」
 

「という訳で御免」


「いえ、それじゃ!!」


 それにしても何しにきたんだろうメグミちゃん?

 ま、所詮男と女の間には大きな川が流れるってね。











「目的地の北極海域に入ります。」
 

「凄いブリザードね〜」
 

「目視に替えても支障は無いと思うよユリカ。」

 
「だが、逆にそれがこちらの有利にもなる。」


「それじゃ、パイロットの皆さんに連絡してください」








 んで俺達はナデシコから出撃する事に。
 

『『『『『寒っ!!』』』』』


 アサルトピットの中には暖房器具など贅沢な物はない。

 その為寒い信じられないくらい寒い!!

 俺はマントの下に『貼るホッカイロ』を大量に仕込んでいるから大丈夫だが



「皆鍛え方が足りないぞ!!

 心頭滅却すれば火も又すずし!!

 寒さだってそうだよ。」


「じゃ、アキト君そのマント剥がしてみて?」


「な、何で?」


 やばっ!!

 イツキお姉ちゃん変なところで鋭いぞ!!


「購買でホッカイロを大量に買った姿を見たんだけど?」


 見られてたのか!?


「さて何のことやら?」


 全員の憎しみがこもった目をスルーさせる。


『じゃ、とってみてよ?』


「任務の真っ最中なんだから。

 馬鹿話はやめて集中しよう!!」


『誤魔化したわね』


 等と話してる内に敵さん発見!!

 ナイスタイミングだ!!






『うわ〜〜〜たくさん居るね〜。』


『どうするんだ?アキト!』



「敵を殲滅しつつ接近してエステで親善大使を救出してトンズラ!!」



「「「「「了解!」」」」」


 取り合えずサレナお前のこの時代の初戦闘だ、行くよ!!

 俺はバッタの群れに飛び込みフィールドを纏った体当たりで倒し抜けると変形させる。

 こんだけ多いと狙いをつける必要は無いな!!


 
「消えろ。」



 両手のカノン砲を乱射し続ける。

 撃った弾は外れることなく命中し次々と消していく。

 うし、第一波は大体倒したな。それじゃ。



「イツキお姉ちゃん大使の救出は任せたよ。

 ルリちゃんは大使の居場所をイツキお姉ちゃんに教えてあげて。

 道は作ってあげるから行ってきてね!!」


『良いけど、もう第2波が来てるわよ?

 如何するの?』


「こうするの!!

 ダッシュ、G・ライフル行くぞ!!」


『いつでもどうぞ!!』


「いっけ〜〜〜!!」


 その黒き帯は次々と無人兵器を消していった。

 そして、一筋の道が出来た。


「ま、そこそこの威力だな。

 じゃ、行ってらっしゃい。

 後、バッテリーに気をつけてね?」



『了〜解。』


 そして、藍色のエステはスラスターを吹かして消えていった。


「皆は深追いはせずにナデシコに近づいてくる敵を各個撃破!!」

 
 その後は取り合えず敵を倒す事に専念していく。

 もっとも、以前は苦戦していた敵艦も難なく倒せるし、チューリップは俺のGライフルで倒せる為あまり苦戦はしないが。

 前の世界通りなら、後はこのままイツキお姉ちゃんの帰りを待てばいい。

 そう、前の世界通りならば・・・だがここは違うのを最近は忘れていた。



『アキトさん!!

 敵が一機、通常の敵の5倍のスピードでそっちに近付いています。』



 ・・・まさか、な

 でも、頭の片隅で錫杖のなる音あの音が聞こえた気がした。

 シャリーン、シャリーン、シャリーン。

 そして、俺の勘がこういっていた。奴だと



「5倍ね。3倍なら可愛げがあるものを。」


『いえ、マスター三倍は古すぎですよ。

 今時は5倍くらいだったら普通なんですから。

 『種』でも見て勉強してください。』

 
「あ、後でな。(汗)(ダッシュってこんな性格だったか?)

 アカツキ、悪いんだが暫くの間、戦闘指揮のほうを頼む。

 俺はそっちの方を相手するから。」


『解った、気をつけて』


「ああ」


 俺は全ての通信を切り向かう。

 そして、俺はあの機体に再会する。

 血のように赤く、その姿は鬼を連想させる機体・・・夜天光。

 パイロットはこの禍々しさ・・・奴だな。

 ナデシコの皆には手をさせないぞ北辰!!


「やっぱりか、とはいえ夜天光とは少し違うが・・・試作機か?

 まあいい。ここで倒す!!

 ダッシュ!!IFSから電子感覚に変換!!」


『OK!!マスター!!』


 俺の視覚はサレナの目が見る風景に変わる。

 そして、自分の手が身体がサレナの物に変わっている。

 これこそが前の世界で俺が五感を失っても闘えた理由。

 電子感覚変換システム。

 人間の感覚を電子的に変換させ、機械とリンクする事が出来るシステムだ。

 つまり、自分の身体を動かすようにして、エステを動かす事が出来る。

 そして、エステから得た情報をそのまま操縦者の視覚、聴覚として感じられる。

 さらに、従来とは比較にならない反応速度を出すことが出来る。
 


「行くぜ!!のこのこ一人で出て来たのが間違いだな!!」


 そう、言い放ち、カノン砲を撃ち続ける。

 夜天光には接近戦の武器しかない。

 もっとも、ミサイルランチャーが有るが今の俺なら当たらないしな。

 次々とお得意の傀儡舞でかわし、カノン砲は氷の大地に突き刺さる。



「馬鹿の一つ覚えかよ!!」


 俺は傀儡舞の変則的な動きを読み撃ち続ける。

 しかし、相手も只者ではない。

 当たりそうな弾は錫杖で弾き飛ばす。

 俺はカノン砲を両腰にマウントしブレードを装備する。

 そして、機体を加速させ、右腕のブレードを払う。

 がそれを夜天光は錫杖で受け止める。

 受け止められるの予測済み!!

 俺はさらに近づき左腕のブレードを腰から真っ二つにする為に払う。

 しかし、それは相手の装甲を傷つけるだけに止まった。

 相手は俺を蹴りその反動でかわしたのだ。

 ちっ、流石にやる!!

 だが、互いの得物の間合いから離れた。

 ならば!!

 俺は素早く左腕にカノン砲を装備させカノン砲の雨を降らす。

 それを夜天光は錫杖を持った手を回転させ防ぐが防ぎきれずに左腕の破壊に成功する。

 勝機!!

 だが、相手はこの状態で戦い続けるのは無謀だと踏んだのか機体を後退させる。

 多分、近くのチューリップに入って逃げるつもりだな。


「逃がすかよ、馬鹿!!」


 当然俺の方に逃がしてやるつもりは毛頭無い!!

 しかし、周りの無人兵器どもが追跡の邪魔をする為に攻撃してきた。


「うざい!!」


 両腕のカノン砲によりバッタどもを瞬殺するが、大きく離れてしまい、もう直ぐチューリップに入る所だった。

 こうなったら、これしか方法は無い!!

 
「Gライフル、スタンバイ!!

 目標、前方チューリップ・・・GO!!」


 その黒き奔流は目標を突き破り虚空へと消えていく。

 チューリップが爆発四散していくのが見えるがそんなものは関係無い。


「ダッシュ、やったか!?」


『いえ、残念ながらボソン反応を検出しました。』


「そうか。

 通常のIFSに戻してくれ。」


『了解。

 お疲れ様です。』


 目に見える風景がコックピットに変わる。



「それよりもナデシコはどうだ?」


『無事ですよ、マスター。

 周りの敵も全滅です。』



「・・・・そうか。」


 その後は、イツキお姉ちゃん白クマを救出し何とかバッテリー切れ寸前にナデシコに戻ってきた。

 格納庫に戻ると、捕まえた白熊はウリバタケさん特製の檻に入れられていた。

 何で檻があるのかは聞くのは辞めとこう。

 ここはナデシコだからな、何があっても不思議ではない。

 しかし、疲れたな。腹が滅茶苦茶減ってるから飯食って、寝よう。 

 とりあえず食堂へ向かう。

 食堂にはブリッジメンバーが。


  

「あ、アキトさん。

 一緒に食事どうですか?」


「じゃ、お邪魔させてもらおうかな。

 それにしても今日は疲れた〜〜」


「それにしても今日はずいぶんと苦戦してたんじゃない?」


 ミナトさん、まるで「昨日の野球は白熱しましたね〜」ていう口調で言わないでください!!


「ええ、ま、今日の相手は相当強かったですね。

 一歩間違ったらやられてましたよ。

 あそこで倒せなかったのは残念ですけど…。」


「ま、皆無事何だからいいんじゃない?」



 今回の戦闘で解かった……いや、再認したな俺は。

 やっぱり俺は、何も変わってない……

 俺は変われずに居る、俺だけが変われずに居る。

 ラピスは変わってきている。

 それなのに、俺の中にいる復讐鬼は変わらずに奴を求めている。

 そんな、俺にここに・・・ナデシコに居る資格があるのだろうか?

 解らない…。

 でも…。


「ええ、でも次会ったら必ず倒します。」


 奴には俺の仲間、そして家族は傷つけさせない。

 これだけは・・・この決意だけは変わらない。

 しかし、前回は出てこなかった夜天光そして、北辰。

 歴史の修正力か俺達の行動の所為かは解らないが、負けるわけにはいかない・・・何が何でもだ!!

 しかし、人間がチューリップを使って移動できるようになった以上もしかしたら、優人部隊が来るのが早まるかもしれないな。

 そうしたら、今のままのナデシコは流されるだけになってしまう。

 自分がどうすれば良いのかそれを考える時間が前回よりも減る可能性がある以上。

 どうするべきか・・・。

 ま、今悩んでもしょうがないか!!

 そのときになったら考えよう。



 後書き 

 取りあえずパートUの方です。この話は2パターン考えていたんですよ。

 前のと同じじゃ能がないですからね(苦笑)

 とはいえあまり変わってませんが。それにしても良くナデシコは座礁しませんでしたね。

 芸の細かいイネスさんの事だからあの数字はミナトさんの腕も入れてで出したんでしょうけど。

 ご都合主義万歳ですね。見返すとあり過ぎです。

 ま、このssも原作に負けない程ありますが。

 ま、次回はテニシアン島です。 

 どんな風になることやら。

 後、オリキャラはこの話では出ません。

 ご声援お願いします。後ここが変ということがあったら教えてください。考え直します。

 次回は久しぶりの作者パートだ!!



 キャラ紹介

 ダッシュ

 元ユーチャリスのAI。

 何故かプロローグの時とは性格にかなりズレが出てしまったキャラ。

 当初の予定では性格を幼くするつもりだったのだが。

 何がどうなって過激になったのかは作者にも不明である。

 戦闘時のアキトの突っ込み役でもある。

 

 

代理人の感想

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、空調なしでどうやってパイロットを守るの?

機動兵器の中は普通冷暖房完備だと思うんですけど(爆)。

 

・・・・・・・・それともエステバリスじゃなくてガイメレフにでも乗ってたのかな(爆)