機動戦艦ナデシコ

兄弟で行こう!!

第10話「女らしく」がアブナイ・・・海に遠足だ!!・・・え、違う?









「さて、今回の任務は、赤道直下の島、テニシアン島に落下した新型のチューリップの調査よ。

この優秀なあたしと、あたしのナデシコだから来た命令なのよ!!

 ・・・・って! なんで誰も来ないのよー!」
 
 
タイミングを計ったように、でっかいウィンドウでイネスが出てきた。



『ちなみに、今は作戦現地時間で午前二時。

 日本でいう『草木も眠る丑三つ時』

 神社で白装束の女が木に五寸釘を打ち付けてるときね。

 こんな時間は、みんな普通寝てるわよ。ふあぁぁ。

 それにしてもこんな時間にも説明している私って難儀な性分よね。』
 

あくびを残して、消えるウィンドウ。 

だったらしなきゃ良いのに。

その下では何事も無かったかのようにエリナさんとミナトさんが夜勤を交代していた。


「あとよろしくー」


「ご苦労様。さてっと………

 赤道直下………。アレが必要ね」


 そういう会長秘書の手にはホチキスが握られてたりする。











そして、その頃テンカワ兄弟はシュミレーター室で日課のトレーニングをしていた。

 

「甘い!!」


 チュド〜〜〜ン。


「クッソ〜〜〜〜!!」


「カイト兄さん何度言えば解るの?

 宇宙では360度足元にも気をつけないといけないんだよ?

 ま、それでも最初の頃よりかは格段の進歩だけどさ。

 ・・・もう遅いし、今日はこの辺にしとこうか?

 (それに明日は海に遠足だし)」



 おいおいアキトよ。遠足ではなく任務だ。

 お前はこの任務をどんな風に覚えてるんだ!?




「お、おう。」


「ん、じゃお休み。」


「お休み。」


 と言って分かれる二人。

 だが、アキトは何か大切な、そう忘れてはいけないような事を忘れているような感覚に陥っていた。

 (何か忘れているような。

 ……忘れてはいけないような何かを忘れている気がするんだが。

 ………何だろう?)



 だが、彼はすぐにわかるだろう。

 某氏の絶叫と共に。






















 ―――違う所では




「ふんふん♪

 やっぱり待ってるだけじゃ駄目よね!!

 待っててね、カイト♪

 私が特製のお夜食を、カイトに作って上げるから♪」


 と言いつつ包丁で野菜を切っていくユリカ。

 おいおい・・・ちゃんと野菜は洗ったのか?食中毒を引き起こすぞ?

 多分ユリカの中で料理とは材料を加工したものという定義だな、きっと。

 それとも、基礎の知識が無いのか?

 ユリカよ、小学校の家庭科で何習ったんだ?
 


「急に厨房を貸せって言うから、何かと思えば。」



「愛情一杯の料理はおいしな〜〜〜♪」



 味見をせず、何を根拠に『美味しい』と言っているのかは解からないが

 取り合えず、カイトに命の危機が迫っているのは確かだったりする。(爆)



 モクモクモク・・・


 ユリカの調理する鍋から何やら煙が鍋から上がっている(汗)

 普通はピンクの煙などでないのだが。

  

「きゃ〜!! やだっ!!

  何!! 何なの!!」

 
「・・・カイトも災難だね〜」


 
 ホウメイは取り合えず、弟子の冥福を祈る事に。

 ・・・それよりも止めてやれよ。


  













「ユリカも書類仕事をやれば早いのに・・・やらないからな。」


 廊下をトボトボと歩くジュン。

 その後姿はいつも通り哀愁が漂ってたりする。

 


「はぁ〜虚しい・・・僕のこの空虚な心を埋める術は無いのか?」
 

「るんるんるん〜♪」

 
「あ、あれは!! ユリカの心の篭った夜食!!

 そうだ!! あれこそが僕のこの心の隙間を埋めるモノ!!」

 

「あ、ジュン君お休み〜♪

 カイト〜、待っててね〜〜〜♪」

 

「あ、あの・・・ユリカ?

 ・・・お、お休み。」



 ・・・・ジュン強く生きろよ。

 しかし、彼の不幸はまだ終わらない。



「あ、あの鍋に残っているものは!!」



 そして彼は見つけてしまった。

 今宵、最大の悲劇の元を。



「な、なんか変な色だけど。

 ユリカが作った物ならば!!」



 いや、普通の料理は紫色にはならないと思うが。 

 ま、想い人の料理で死ねるならば彼にとって幸せだろう。(邪笑)


 
「ぐあっぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!」




 南無南無南無・・・・チ〜〜〜ン。




 













 後は眠るだけ、と言ったところのカイトはトレーニングルームから自室に帰っていた。




(………ん?

 何だ、このプレッシャーは!?)


「カ〜イ〜ト〜♪」




 カイトは自分の危機を関知したみたいだ(笑)

 アキトの特訓の成果であろうな。

 この艦ではどうやら普段日常生活で役に立たない能力程、役に立つようである。



「何か用、ユリカ?」



「ウン♪カイト、トレーニングしてお腹空いてるでしょう♪

 私、お夜食作ってきたんだ〜♪」



「……夜食?」




 既に嫌な予感のカイト君。

 そういう予感が外れたことが無いカイトはビクビクものである。(笑)


「えへ!! ユリカの自信作だよ♪」


 
 そういって蓋を開けると。



 キシャァァァァァァァ!!




 スタコラサッサ!!!

 カイトは逃げ出した!

 しかし逃げられなかった!(笑)

 どうやら、ナデシコ内でボス戦が起きているらしい。

 意味としては「絶対に逃げられない」と言うこと。



「・・・・・(汗)」
  

「ふふふ、カイトってば、そんなに嬉しいの?」


「ちなみに聞いとくがユリカ、何作ったんだ?」


「え、スパゲッティだよ、見て解らない?」


 ユリカよ、普通のスパゲッティは吼えんぞ?

 それに解らないから聞いたんだろ?

 それに、最早それは"料理"というものに属してはいないぞ?



「さあ、カイト。食べて♪食べて♪」


 ズイッ!とユリカはそれを押し出してくるがカイトはその物体を見て固まっていた(笑)




(な、何なんだこれは!?スパゲッティ!?

 どうやったら地球上の食物でこんな物体Xが造れるんだ!?)


 
「・・・・・(絶句)」

 
「・・・はい、ア〜ン!!」


 動かない事を良い事に無理やり口の中に入れるユリカ

  

「ぐあっぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!」


  
 そして、さらに追い討ちが!!


「カイトさん!! 大丈夫ですか!!」

 
「み、水を・・・」


 
「はい、これ!!」

 
 しかし、それはどす黒かったが。

 

 ゴクゴク・・・!!

 
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」



 
 ナデシコ内に絶叫が轟いた。
 


「メ、メグちゃん!! 一体カイトに何を飲ませたの?」

 
「え!! 私の作った特製ドリンクですけど・・・

 それより、艦長こそ何食べさせたんですか!?」



 ・・・二人とも、味見位してやれよ。

  

 

 

 











 

 

「消毒班!! 急いで食堂を処理して!!」

 
「その食べ物は私が後で分析するから、医療室にサンプルを持って行って頂戴!!」


「グホッ・・ガホッ・・」
 

「おやおや、ジュンもお気の毒様だね。」

 
「木星蜥蜴の新しい攻撃かしら?」

 
「まあ、強いて言えば恋の劇薬かな?」

 
「何それ?」
 

「・・・・さあ?」

 
 俺にも良く解らん!!






















 その頃、医療室ではカイトの魂の雄たけびを聞きつけた人が取りあえず様子を見にきていた。


「そういや、今日だったな。この惨劇は。

 脳が思い出すことを拒否してたのかな?

 でも、ま、俺に被害はないし・・・ま、良いっか!!」


 これはこの惨劇を防げただろう人から。

 ちなみに隣で聞いていた正オペレーターはでっかい汗を後頭部に貼り付けていたとか。



「二人して拾い食いでもしたのかしら?」


 そして、これはカイト君のもう一人の幼馴染から。 

 お前ら結構薄情だな・・・特に弟。



 ・・・ん?なんか倒れてる二人が呟いてるな。

 取りあえず聞いとくか。

 まずはカイト君。




「見える!!と、○の流れが!!」


 ま、これなら復活するだろう。

 最も何時かは解らないが(笑)

 ん、もう一人の方は。


「パ、パトラ○シュ・・・迎えに来てくれたんだね」


 こっちはヤバイな。

 このままでは天使に無理矢理、天国に送還されそうだ。(笑)

 ま、今の彼は満足だろうから良いかもしれないが。

 そして、彼らを他所にいつも通りにナデシコの夜は更けていく。
































 そして、翌日ナデシコはテニシアン島に到着した。

 雲一つない青空。白い透き通るような海。さんさんと照り付ける太陽。

 これ以上ないほどの快晴である。

 海で遊ぶにはもってこいである。

 その焼ける砂浜に次々と8色のエステが着陸していく。



「パラソル部隊、急げーー!」


「「「おおーーー!」」」


 パイロット四人娘が、砂浜を走る。


「男性陣、女子に負けるなーー!」


「おおーーー!!」


 アカツキとヤマダ、他の男性クルーたちも水着姿で走る。

 次々にパラソルやテーブルが立てられ、想い想いに準備するクルーたち。
 
 だが、真面目な人がいたりする。制服姿のエリナである。



「ちょっと待ちなさい貴方達!!

 貴方達解ってるんでしょうね!!

 貴方達はネルガル重工に雇われているのよ!!

 だから・・・遊ぶ時間は時給から引くからね。」

 

「はぁ〜〜〜〜?」(全員)

 

 これ位有給休暇にしてやれよ、ネルガル。

 

「はい、これ私が作ったシオリ。

 よく読んでよね。

 まず、海の深い所には・・・」

 
 どっかの小学生の遠足か?

 ちなみに誰も聞いてなかったりするんだが。

 

「・・・解った? って誰もいないじゃない!!

 もう!! 私も遊ぶからね!!」

 
 ま、何だかんだで結局彼女もはしゃいでるんだが。






 

 

 


 

 

 

 

「ふう・・・今回はユリカやメグミちゃんはお説教を受けて艦にいると…

 これなら前回のようにはならないだろうな。」


 どうやらあの二人はあの惨劇のペナルティーを受けているようだ。

 組織において信賞必罰は鉄則である。

 それに何らかの事態が起こった場合に人が居ないのは不味いだろうしな。



「そして、パイロット達はビーチバレーで遊んでる、と。」




 ちなみにその様子は



「うおーー!!ガイ、逝くぜ!!


「よっしゃーー!!

 食らえ!!

 今、日輪の力を借りて必殺の!!

 サ○!!アタッァァァクッ!!」


「って、山田君、何で普通にうてないんだい?」


 という声や


「やるね山田君!!なら!!

 リョーコ!!こっちはヒグマおとしだよ!!」


「出来るか〜〜!!」


「・・・・」


「何、それ?」


「だったら木の葉おとし!!」


「ムリ!!」



 などと言う声が聞こえている。


 ・・・なんつーか一般人が入れる雰囲気ではなかった。


















「んでもってルリちゃん、ラピスはミナトさんに泳ぎを習ってると

 ま、今回は大人しくこの場所で待機しておこう。

 幾らなんでも、自分から進んで例の自殺願望少女に再会したいとは思わないし………。

 プロスさん達と一緒に将棋でもしているか。」

 
 それが得策だろうな。

 何せ、女の子に会いに行ったなんて知られたらお前の命がないだろう。
 

 











 

「さ〜、いらはい、いらはい!!」

 海水浴場の三大風物と言えば!!

 粉っぽいカレーに、不味いラーメン、そして溶けたかき氷!!

 俺はその伝統を今に伝える、一子相伝最後の浜出屋師なのだ〜〜〜〜〜〜!!」


 悪しき伝統は断ち切るものだと思うのだが。


 
「ラーメン。」
 


「へい、毎度!!

 それにしても、良く復活できたなお前たち。」
  

「ええ、何かどっかの教会で倒れている夢を見ましたけど何とか。

 ・・・生きてることは素晴しいって確認できましたね。

 ま、何とか復活出来ましたし良しとしましょう。

 はっはっはっ」


 お前、死にそうになったって言うのにそれだけで良いのか? 

 


















 

「ちょっと!! アンタ達!! これはどうゆう事よ!!

 新型チューリップの探索はどうなってるのよ!!

 ちょっと!! わたしの話しを聞きなさい!!

 アンタ達・・・解ってるの!! この任務は・・・!!」

 
 無駄だムネタケ、誰も聞いてないから。
 
 そして、一歩踏み出した瞬間。


 ズボッ!!

 

 
 ・・・落とし穴に落ちた。

  

「それ〜!! 埋めろ埋めろ!!」

 
「ちょっと!! 嫌!! 止めて・・・」

 

 だがそんな事は誰も聞いちゃいなかった。




























 一方アキト達の将棋はゴート対アキトと言う対戦であるが・・・。

 周りにはナデシコ職員全員が集まっていた。

 ちなみにどうしてこうなったかと言うと・・・犯人はやはりこの人!!ウリバタケ セイヤ!!

 最初はカイト、ジュンを巻き込んだ賭けだったがお祭り好きのナデシコクルー見逃す筈が無かった!!

 あっと言う間にこの賭けに本人たちの意思を無視し皆が参加。(笑)

 それにしても・・・かなり凄い光景だ。

 一方は筋肉ムキムキのマッチョで北斗○拳が使えそうなおっさん。

 もう一方は見た目は普通な14歳(自称永遠の18歳)である。

 実際の所はナデシコ内怒らしたら怖い人ランキング第2位であるが。

 ちなみに第1位は二人の隣に居るちょび髭のおじさんだったりする。

 それが将棋盤を挟んで真剣な顔をしているのである。

 泣く子が更に泣きそうな光景だ。(笑)


 
「それでは皆さん!!

 世紀の対決(!?)ナデシコの秘密兵器テンカワ アキト対アマ2段(推定)のゴート ホーリの対戦を始めます。

 解説は私、プロスペクターでお送りします。

 それではガ○ダムファイト!!

 レディー、ゴー!!」


 ちょっち掛け声が違う気がするが何はともあれ始まった。


「「お願いします。」」


 アキトは挨拶すると同時に何処で手に入れたのかは知らないが野球帽の鍔を後ろにする。


 そしてアキトの一手目は・・・


「9四歩ですか?

 ………マニアックですな。」


 ・・・全くだ。 

 その後アキトは無難に銀矢倉を囲む。

 どうやら、最初の一手はやってみたかっただけのようだ。
 
 その後はほぼ互角の戦いをしていく二人。

 アキトは常に笑みを浮かべているが内心あせっていた。


(どうする!?負ける訳にはいかない!!

 俺が負けたら・・・この盤にある駒が泣くんだよ!!)

 
 ・・・んな訳ないんだが取りあえず気分は月下の棋士のようだ。


(今はほぼ互角だが流れはゴートさんにある。

 このままではマズイ!!流れをこちらに向ける一手はある。

 だが、読まれたら終わりだな。

 賭けとしては楽観的に見て・・・五分かな。

 気を散らせればいいんだが方法は………あった!!)  




「やりますねゴートさん。」




 アキト対ゴートの将棋は先ほどとは打って代わった展開を見せていた。

 アキトの『話しかけ作戦』により、集中力を削がれたゴートはアキトの渾身の一手を見逃したのである。

 しかし、ゲームに勝つためだけにこんなせこい作戦を取った主人公がナデシコのSSで今まで居ただろうか?

 しかしこのssのアキトに言わせれば『勝てば官軍』という言葉が返ってくるだろう。 



「ゴートさん不利ですな。

 しかし、耐え切れればアキトさんの陣はがら空き。

 逆転出来ますな。」




 パ・チン・・・

 ゴートが考えた末の一手を指した瞬間アキトが指し返す。

 パチン!

 そして、絶対の自信を持って一言。


「大手。」







 

「ふっ、勝ったな。」


 まるでどっかの組織の副司令みたいなことを言っているのは主人公の兄。

 ちなみにこの兄、弟が勝つ方にうん万円賭けていたりする。


(これで、限定ゲキガンガーDVDスペシャルボックスが……!!)


 おいおい。

 弟が弟なら、兄も兄か?



「いや、まだだ!!

 まだ、終わっていない!!」


 こう叫ぶのはネルガル会長。


(ゴート君、何をやってるんだい!?

 それでもネルガルのSSかい?

 もし負けたら、ボーナス半分だよ?)  


 ちなみにネルガルのSSである事と将棋とは全然関係ないが。


「・・・参りました」


 ゴートが言った瞬間、周りが轟いた。

 ゴートに賭けていた者たちは泣き、賭けに勝ったものはアキトを褒め称えた。

 ・・・混沌が満ちているなこの場所は。














 んで、楽しい時間はすぐに過ぎ時間は昼食の時間。

 と言うわけでバーベキュー大会である。

 これにはユリカやメグミも参加。




「やっぱり、屋内と外では料理の味が違うね〜〜。」


 等と言いつつ肉を焼くアキト。


「皆と一緒に食べるからかな」


「お、ラピスいい事いう。じゃ、これはご褒美だ。」


 と言ってラピスの皿に乗せたのはピーマン。


「・・・これの何処が?」


「それを食べたら後でマシュマロ焼いてあげるから。」


「え、ホントウ?」


 という父と娘みたいな会話をしている横では






 
「あ、イズミ!!リョーコ!!

 その肉は私が大切に育ていたのに〜〜〜!!」
 

 モグモグ・・・

 
「ヒカル・・・隙があった方が悪いのよ。」


「バーベキューは戦場なんだぜ?モタモタしている方が悪い」


「だったらこっちだって!!」


「あ〜〜ヒカル、てめぇ!!

 俺のイカを〜〜!!」


「ヤマダ!! それは俺の海老だ!!」


「ハカセ、一個くらいケチケチするな!!」


「あ、カイトさん。済みませんけどそのトウモロコシお願いします。」


「はいはい・・・ちょうどいい具合に焼けてるよ。」


「あ、カイトそっちのお肉とって〜〜」


「自分で動け。」


「カイト冷たい。(泣)」


「当たり前だ!!お前の所為で死に掛けたんだぞ!!」


「あ〜〜、ハイ、ユリカこれだろう?」


「有難うジュン君!!

 やっぱりジュン君は一番のお友達だね!!」


「ユリカ〜〜〜!!(泣)」



「あ、カイト君このホイル焼き頂戴。」

 
「あ、私も欲しいです。」

 
「御注文受け賜りましたよ、メグミちゃん、イネスさん。」


「ほら!!カイトも焼いてばかりでなくてちゃんと食べなさい!!」


「煩いな、ちゃんと食べるよ。

 全くお前は昔から・・・」


「何ですって〜〜〜!!」



 ・・・やはり混沌が満ちていた。 















 皆がある程度腹を満たした頃・・・


「最近になってこの島は、個人の所有になったみたいですね。」

 
 ルリちゃん、有難う!!

 これでフラグがちゃんとたったよ。
 

「へ〜、誰のだい?」

 
「世界有数の複合コンツェルン、クリムゾン・グループです。」

 
「クリムゾン・グループ!! 知ってるわ!!

 ついこの間、一人娘が社交界にデビューして話題になってたわ!!」

 
「バリア関係ではトップの兵器メーカーね。

 あのバリア衛星もこのクリムゾン・グループの製品ね。

 でも、その財閥の一人娘は多分に問題児らしいわ。

 社交界にデビューする時に、全員の料理に痺れ薬を混ぜたり。

 自分だけの少女漫画を描かせる為に、漫画家の誘拐未遂を起こしたり。

 ま、財閥にとっては唯一の汚点よね。」



 汚点程度で済むのだろうか? 

 ・・・クリムゾンのトップのおっさんも頭痛いだろうな。










 





 

 





 
 取りあえず昼食を終わらせチューリップの探索に。

 ・・・お前らちゃんと仕事を覚えていたか。
 





「・・・あれが新型のチューリップか?

 さっそく破壊しますか。」
 

 ちなみにアキト君、実物を見るのは初めてである。


『待て!! ・・・あれはバリア発生装置?』

 
『しかも・・・クリムゾン家の紋章入り?

 何を考えてるんだクリムゾン家は?』



 それは神のみぞ知ると言うところだろう。



 
『くっ!! バリアが邪魔で攻撃が届かない!!』

 
 万が一届いてもエステの火力ではチューリップを破壊する事は出来ないだろう。

 なんせ、戦艦の主砲ですら耐えるのだから。


『しかも、チューリップ自体、バリアを張ってやがるしな!!』

 
『あ〜ん、固いよこのバリア。』

 
『ほんと、何考えてるんだろうね・・・お嬢様って人は。』

 

 ……解ればクリムゾンの人たちも苦労しないだろう




『アキト君のあのライフルは?

 一発では無理でも連射なら破れるんじゃ?』



「残念ながら、多分俺のG・ライフルでも無理だよ。

 どうにかしてバリアを解かなきゃ破壊は無理だ。

 さて、どうしたものかな?」



 そう言ったとき、チューリップに反応があった。

 そして、アキトたちの目の前でクリムゾンのバリアが外れゆっくりとチューリップが開き始めた。

 まるで、スーパーロボットの敵役のロボットの登場シーンそのまんまの光景を皆さん固唾を呑んで見守っています。

 しかし、そんな情緒とは無関係の人間が一人。

 ちなみにその人物、ただの隙としか見てません。(爆)

 ついに中の敵が見えそうになり「藪を突いて何が飛び出してくるか?」と皆が緊張した瞬間!!


 







 グォォォォォォォォオオオオオオンンンンン!!!


ズガァァァァァァンンン!!












『『『『『・・・・・』』』』』』








「ふっ」

 
『マ、マスター・・・幾らなんでもそれは………』


「阿呆、呑気に敵が登場しているのを見守ってる場合か。

 隙がある以上そこを突く。戦場では当たり前だろう。」 


『いや、でも、物事にはお約束と言うものが。』


「知らん!!

 それに大体中身が厄介な物だったらどうするんだ?

 俺には「強い奴と戦いたい!!」とか言う特殊な趣味は無いぞ?

 ・・・楽できるところでは楽したいんだ。」


『そうですか』


(私はマスターに恵まれてないのでしょうか?

 確か何処かのCMで上司に恵まれなかったらすぐにお電話をと言うのがありましたね。

 ・・・電話してみましょうか?)




 アキトよ・・・相棒にも見捨てられそうだぞ?

 このままでいいのか?











 そして、その夜・・・

 

「カイト!! 私頑張ってまたお夜食作ってきたの!!」

 

「カイトさん!! 私の料理食べて下さい!!」

 


「・・・ちょっと俺、用事が。

 はっ、はははは・・・じゃ!!」

 

 と言うやいきなりダッシュ!!

 

「待ってよアキト〜〜〜〜!!」

 

「待って下さいアキトさ〜〜ん!!」

 

「何故だ!?・・・何故こんな事に!?

 俺は悲劇の主人公になんて・・・なりたくなかったのに〜〜〜〜〜!!!」

 

 カイトは廊下を全力で走りながら心の叫びをした・・・

 

 

 廊下に備え付けられてるカップラーメンの自販機の前では

 ラーメンをすすっている三人の姿が。
 

「嘘付け・・・悲劇じゃなくて喜劇だろうが。」
 

「ある者の幸福は、ある者にとっては不幸。

 ・・・人の不幸は蜜の味。」
 

「・・・はあ、でも羨ましい。

 その幸福、必ず壊してみせるさ・・・ふふふふふ。」

 
 作者的にはカイトはかなり不幸だと思うが。









 一方ジュースの自販機の前では。 

 
「あの人たちは何やってんだか?」


「イツキお姉ちゃんはあれに入らなくていいの?」


「アキト君、何か言った〜〜〜!?(怒)」


「いえ別に何も。(汗)」

 

 



 

 

  

 

 一方テニシアン島では・・・ 




「誰か〜〜〜〜〜!!

 私を助けなさいよ〜〜〜〜!!」


 残念ながらナデシコははるか先。
 
 いくら叫んでも無駄だろう。



「うふふふ・・・貴方は私と死んでくれるのね?

 だってメールにそう書いてあったもの。」


 差出人は彼だろう。

 どうやらここでキノコを本気で抹殺するつもりらしい。
 
 自分の手を汚さないとは・・・やるな。



「へ? 貴方誰よ!!」

 
「もう直ぐこの辺りは満ち潮で海の底・・・一緒に溺れましょうね?」
 

「何なのよ!! この子は〜〜〜〜〜!!!」

 

 この後の彼らを知るものはいない。 

 果たして何があったのかは神のみが知る・・・ということだろう。

 ・・・・一応二人とも生き残りはするが。
 







 後書き

 作者はまた入院してました。ま、おかげで最終話までのおおまかな構成が終わりましたが。
 この主人公で本当に和平は大丈夫なのだろうか?
 ま、そんな事はどうでも良く、ようやく10話です。結構時間がかかったな。
 時間がかかった割には下手ですね。そこら辺はまた鋭意努力しますんでご勘弁を!!
 で、この話では、やはり記憶に残るのはあの惨劇ですね。
 それにしても、あそこまでの被害を出して二人にはお咎めはなかったんでしょうか?
 それに何故ユリカは厨房を使ったのかも疑問です。
 ・・・皆様の意見を聞いた所「ナデシコは非常識集団」で決まりました。
 その為、「信賞必罰」は働いていないということに(汗)。
 だが、このまんまではいかんだろうと思いまして、軽めの罰を二人に受けてもらいました。
 ま、これもどうでもいいですね。でも、ま、次回は出来るだけ早く書きます。
 それにしても、もうすぐですね。待望のギャラクシーエンジェルの続きは!!
 で、今更ですが、紋章機の武装ってナデシコの世界でも使えそうですね。
 流石にクロノエンジンは無理ですが。
 て、訳で!!「時の流れに」をTV版に直し、エンジェル隊をぶちこんでみよう!!と考えました。
 無謀ですね、このssでも大変なのに、ハイ。
 ま、出すとしたら発売日直前かな?
 と言うわけで読みたくないと言う人も取りあえず出したら読んでください。
 あと、メールの返事は書けませんが、応援のメールお願いします。

 

 

代理人の感想

あそこまでの被害、つーてもアキトが翌朝にしっかりと回復してるところを見ると

実際の破壊力もそう大したもんではないように思えます。

つーか、あれはあくまでもギャグであって真面目に突っ込むのはヤボというべきシーンかと。