振り返ると・・





振り返ると


そこにはあなたがいた。




わたしはずっとあなたにあいたかった。

あなたのことをあきらめられなかった。

だからあなたにあの時会えたとき、心が震えた。

また共に歩める、そう思った。

なのに、



『君の知っているテンカワアキトは死んだ』


『もう君に、ラーメンを作ってあげることはできない』



あなたはそう言った。

暗闇が眼の前を覆い、

手にしたレシピがひたすら重かった。


そしてあの戦いの後、

あなたは再び目の前から去っていった。


『帰ってこなかったら追っかけるまでです。』


そうは言ったが心の中は不安でいっぱいだった。






『もう2度と会えないかもしれない』



それはユリカさんが必死の治療もむなしく、

亡くなって

さらに大きくなってしまう。




『また一人になってしまうの?』




だからネルガルからユーチャリスの情報が入ったとき、



これが最後のチャンスと思った。










エリナさんから事情を聞くと、

彼は生きることも死ぬこともできず、ただ宇宙を漂っているという

私はあの人に会いに行った。




彼は会ってはくれなかった。

見えない相手に私は必死に無線で呼びかけた。

みんながあなたを待っていること、

ラピスのことについて、

しかしなにを言っても無駄と悟ったとき、

私のこころからの願いが口から出てきました。





『お願いします・・・・・』



『帰ってきてください・・・・・』



『私はあなたがいないと・・・・・』



『あなたしかいないんです・・・・・』



『あなただけなんです・・・・・』



『だから・・・だから・・・』







『・・・・・・・・』








『今度の月末・・・あの丘で待っています。』


『来なかったらあたしはもう・・・・』


『待ってます・・・』


『ずっと待ってます・・・』





あのひとはなにも言わず去っていきました。






その夜、大きな満月のした、

私は朝から墓地の手前の丘に立っていました。

期待、願い、不安。



しかし夜もふけてきて



悲しみが心を覆い尽くしました。


『やはり私ではだめなんだ』


涙があふれ、

その場にしゃがんだ時、











後ろに草を踏む音が聞こえ、












振り返ると


そこにはあなたがいた。








「来てくれたんですね」


「ルリちゃん、俺は・・」


きゅっと抱きしめる


「いいんです・・・」


涙があふれ


「何もいらない・・・」


声が震え


「アキトさんがいれば・・・」


でも、その体は離さず


「それがあたしのすべて」


「どこまでも・・・いつまでも・・・」


「私はあなたについていきます。」






「・・・・・・・」


「・・・・正直汚い男だと思う」


「だけど・・・・」


「君に会えてよかった・・・」






月夜の下


私たちの二人の影は


ひとつになった。









あとがき

いやーーーむずかしい。

はじめまして、ハッピーマンです。

このサイトは2年前から見ていましたが、このたびやっとネットにつなげられるようになったので

その日のうちにこの初SSをか書いてしまいました。

個人的嗜好が色濃く出た作品ですが、自分的には満足のいくものになりました。

これからも書いていきたいと思いますので、厳しい批評よろしくお願いします。







代理人の個人的な感想

ん〜む。

ん〜〜〜〜む。

ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜む。

 

 

いや、何を唸っているのかと言いますと。

アキト×ルリな作品だと、やはりユリカは殺しておいたほうが後腐れないなと(核爆)。

次にいいのが無視する事(爆)。

某螺旋迷宮みたいなのはまだしも、ルリの正当性を立てる為にユリカをわざわざ貶めるのは

はっきり言って見苦しいですからね。

 

作品は綺麗にまとまっていると思います。

敢えて難を言えば、途中でもう少し緊迫感と言うか切羽詰ったルリの感じを出した方がよかったでしょうか。

では、また。