機動戦艦ナデシコ
ROSE BLOOD

第四話

著 火真還



 持って、あと一年。


 北辰を倒し、ネルガルの地下ドックに帰り、定期検診を受けたときに、きっぱりとイネスにそう告げられた。


 ―――そんなものか。

 微塵も動じない。既にこの社会に籍はなく、目的も達成した俺にとっては、些細な―――事柄だ。


「……ラピスとのリンクは、もういらない。

 あいつは、……エリナに任せる」


 顔の表面を、光が巡る。何かしらの、感慨があったのかもしれない。


「……いいの? アキト君。

 ラピスのリンクなしで、自分の感覚がどれほどのものなのか分かってる?

 味覚はもとより、視覚、臭覚は半減、触覚だって目に見えて衰退するわ。

 唯一、聴覚は……まだマシなほうだけど、それでも補助が必要なことに変わりはない」


「もう、いいんだ。

 目的は達した。俺の人生を滅茶苦茶にしたあいつ等を、殺すことが出来たんだから。


 ……他に道はあったかもしれない。

 全てを忘れて、治療に専念すれば、もう少し寿命は延びたかもしれない。

 ―――でも、その生き方は、俺には出来なかった。


 自分の不幸を言い訳にして、俺は最悪の手段を選んだ。

 たくさんの、無関係の人を殺した。

 俺の身勝手で、一体何人の人が死んだ?

 俺に呪詛を吐くやつがどれ位いる?

 火星の後継者のやってる事と、俺のやってることにどれだけの違いがある?


 ―――ここで、俺の復讐が終わって。
 
 そして多分、俺にとってちょっとだけマシな未来を、残すことが出来る。


 それで、十分だ」


 何時になく饒舌に、俺は言葉を紡いだ。イネスに、何を伝えたかったのか。


「お兄ちゃん……」


 リンク解除は滞りなく終わり、俺は不自由な体を引きずって一人、ユーチャリスを発進させた。




『テンカワ君、どういうつもりだい!?』


 普段のニヒルな表情をかなぐり捨てて、アカツキが交信してきた。


「火星の後継者、その残党を狩る」

『お、おいおい……。

 君の体はもう、戦闘に耐えられるものじゃないんだよ?』

「死ぬなら、戦いの中だ。

 戦いの中で果てるなら、俺は自分の結末に納得できる。

 俺が犯した過ちが許されることはないが、最後は―――自分の物語は、自分で幕を引きたいから。

 ……俺の狂気に、ヤツラにも付き合ってもらうつもりだ」


 アカツキは……片手で顔を抑え、自分の瞳を隠した。


『……わかったよ。

 そのユーチャリスとブラックサレナは君へのボーナスだ。

 返品は不可。

 出来れば、何もかも破壊されて発見されることを祈ってるよ』


 もし生きていても、帰ってこないでほしい。

 明確な死亡を確認するくらいなら、行方不明として消えてくれたほうが嬉しいらしい。


「くっくっく。

 そんなに心配するなアカツキ。

 ……最後に話せたのがお前でよかった。

 他のやつらじゃ、こっちが説得されてしまう」


『ははは、違いないね』


「……じゃあな、アカツキ」

『ああ』


 こうして、俺はネルガルを後にした。

 ……二度と、戻るつもりはない。

 補給もなしの決死行。 

 それでも、俺は笑っていた。


 これでもう誰も、俺の事で悲しませることは無くなる。




 半月後―――ユーチャリス、最後の火星の後継者の残党と接触。戦闘開始。


 ナデシコB、出現。共同戦線をはり、残党を殲滅するが、ユーチャリスは轟沈。

 ブラックサレナ、被弾多数。

 ルリの乗るエステバリスが接触。アキトを救おうとするも―――。

 ボソンジャンプユニットが暴走により誤作動。


 ブラックサレナと、ルリの乗るエステは、光の中に消えた。



 ***



 ナデシコ食堂。


 順調に、ナデシコは航行中です。

 まず最初の目的地はサツキミドリ。

 ナデシコの補給、正規パイロット3人がエステバリス0G戦フレームといっしょに合流する予定です。

 ……しかし。


「助けないんですか? サツキミドリの人たち」


 フィリスさんに、そのことを相談します。

 ―――この人、実は逆行者のアキトさんなんです。

 え、知ってた? ……そうですか。


「……知ってしまったら、助ける努力を怠ることは、悪いことなのかな……?」

「さあ……私はフィリスさんの言うとおりにしますけど」


 サツキミドリの人に知り合いはいませんし。あ、補充パイロットの三人は別ですけど。


「ずるいなぁ、ルリは」

「妹ですから」

「何だよ、それ……」



「お待ちどう、ルリちゃん!

 はい、チキンライス。

 フィリスさん、ホウメイさんが呼んでますよ、何時までも話してないで手伝えって」

「……休憩中だったんだがな」

「それ、20分まででしょ。

 もう30分回ってるじゃないですか……」

「マジ!?

 うわ、ホントだ!」


 フィリスさんが慌てて席を立ち、厨房に入っていきました。


「……ルリちゃん、最近フィリスさんと仲良いね?」

「はい。

 姉妹ですから」

「あー、その。

 ……フィリスさんって、なんであんなに色んなこと知ってるんだろ?

 料理とか、エステバリスの戦闘とか、格闘術もこなすって聞いて。

 ルリちゃん、何か聞いてる?」


「えーと」


 ……どう応えろと?


「さ、さぁ……、そーいう話は、まだしてませんから」

「そっかー。

 あ、ゴメンね話し込んじゃって。

 じゃ、ごゆっくりー」


 アキトさんを見送って、スプーンを握ります。

 が、食欲が……無くなってしまいました。


 ―――まさか、アキトさん、フィリスさんが気になってるんじゃ……。




 ***




「ナデシコの速度を上げよう」


 それが、フィリスさんの決断でした。


 私の部屋です。悪巧みするにはもってこい。

 現在ナデシコは自動航行中。特に問題なく、明後日にはサツキミドリに到着する予定でした。



「助ける義理は無いけど、チャンスは……作ってあげたい。

 木星蜥蜴が攻めてくる前に辿り着ければ、ナデシコも戦闘に参加できるし、前みたいな結果には……ならないと思う」

「分かりました。

 少しだけ、ナデシコの運行速度を上げておきます。ちょうど2時間くらいですかね、それだけあれば、サツキミドリに辿り着いてるでしょう」

「ああ、頼む」


 それだけ言うと、フィリスさんは私のベッドに寝転がりました。なんとなく、それに寄り添います。

 コロン。


 フィリスさんは、私の髪を撫でながら、考え事をしてるみたいです。


 暫くそうやって―――。


「……ガイを、見捨てるべきだったと思うか?」

「どうして、です?」

「未来は―――俺は、変えてはいけないんじゃないかと思うんだ。

 俺たちが今、こうやって少しずつ『自分の都合のいい』未来に変えていく。

 たとえば、そのせいで……被害をこうむった人たちが、自分たちも時代を改変しようと思ったら、どうなる?

 俺たちが変えている今も、また誰かに変えられてしまうかもしれない。

 ……それに気づくことなく、俺たちの今も過ぎ去るかもしれない。

 これから先、俺は―――仲間を助ける。

 テンカワアキトを鍛える。

 ガイに忠告を続ける。

 九十九だって、助けることになるかもしれない。

 ―――もちろん、手を出さなくても、ナデシコはちゃんと未来を選択していけると信じている。

 ただ、その未来を変えたとき、何が起こるかなんて……想像もつかない」

「きっと、何とかなりますよ。

 最初だって、そうだったじゃないですか」


 フィリスさんは少しだけ私の言葉をかみ締め、


「……ああ、そうかもな」


 そう言って、笑いました。




 ***




 明後日にはサツキミドリだ。

 多分、木星蜥蜴の無人兵器と戦闘になる。そのことに異論は無いが、不安はある。

 もちろん、ガイとアキトの宇宙空間での戦闘能力だ。


 ガイは一応訓練を積んでいるようだが―――アキトはコックの役割にかまけて、パイロットの訓練をサボりがちだった。

 確かに、サツキミドリでパイロットが補充されれば、アキトに出番はなくなるかもしれないが―――それが無理だとわかっている俺は、嫌でもアキトを鍛えなければならない。


「フィリスさん、おまたせ。

 どうしたの、こんな時間に……」


 深夜。

 とはいえ、宇宙に浮かぶナデシコの中では二班交代のタスクが組まれている。昼も夜も無い。

 しかし、コックは合間の休憩こそあれど、3時間に一度は料理を作らなければならない。

 だから、23時〜07時まではナデシコ食堂も閉まるのだ。その間の食事は、インスタントか自動販売機のファーストフードになる。



「……お前は、パイロットだ。

 少なくとも、あと二日間は」

「う、うん」


 俺の口調に、アキトは口を引き締める。


「で、サボってるそうだな、戦闘訓練?」


「そ、それは。

 だって、後二日だよ?

 ナデシコのディストーションフィールドは、今の木星蜥蜴の散発的な攻撃なんか目じゃないし、エステバリスの出番は無いんじゃ……」


「確かに、パイロットは三人、補充される。

 しかし、その中の誰かが傷ついたり、死んだりしたら、どうなる?」


……俺が、次のパイロットに?」

「なるだろうな―――結局。

 お前は、戦うことが好きじゃないかもしれないが。

 その意思とは関係なく。

 ……俺の言ってること、理解できるか?」


「……分かりたくないけど、分かる」


「そこでだ。

 今から俺がお前を鍛えてやる

 お前が死なないように。

 皆を守れるように。

 この場所を、無くさないために」


 生唾を飲み込んで―――アキトは頷いた。


「……分かった」


「来い、アキト。

 俺がエステバリスでの『戦い方』を教えてやる


「はい!」




 ***



 実はこの時期、アキトはエステバリスどころかIFSの機動兵器の『動かし方』を知らなかった

 まともに訓練を開始したのは、アカツキが乗り込んでから。それも、皆に教えてもらいながら、だった。

 それを知っている俺は、徹底的に、すべての基本操作を教え込むことにした。


「シミュレーターは、今は宇宙空間を想定している。

 上下は無いぞ。自分の視界より、レーダーが物を言う。

 前方スクリーンの右上からバッテリー残量、所持武器の残弾数、シールドの簡易メーターだ。

 バッテリーはナデシコから供給されるが、重力波ビームが途切れるとあっという間に減っていく。死にたくなかったら、ソーラーセイル&サバイバルモードに切り替えろ。運がよければ助けてもらえる。

 所持武器の残弾数の表示は、武器を切り替えるとその装備の残弾数になる。

 イミディエットナイフのときは耐久度だ。こっちは切れ味も兼ねているから、与えるダメージの減少にも気を配らなければならない。

 シールドは単純にディストーションフィールドの強度だ。

 バッテリーが続く限り100%を保ってくれるはずだが、一度にたくさんのダメージを受けると回復する間もなく本体―――つまりエステバリスのフレームにダメージがくる。そうなったら機体の性能はがた落ちする。

 無理に戦わず、ナデシコに帰ってフレームを交換してもらえ。

 そのために、ウリバタケたちががんばっているんだからな」


「武器を切り替えるときは?」

「左手のグリップは射撃だけじゃない、親指の―――そう、それだ。それが武装選択」


 カチ、カチ。


「わかった」


「自分の思考がまとまらないと、エステバリスはIFSの混乱からまったくの無防備になる。

 そのとき、パニックでも左手のグリップで強制的な機体移動が行えるから、いざと言う時の為に覚えておけ。

 そうだ、いいぞ」


 ―――テンカワアキトは、少なくとも飲み込みは悪くない。

 自画自賛かも知れないが、操縦は素直なのだ。それゆえ、直線的な移動が致命的である場合もあるが。

 自分の欠点を思い出しつつ、それをフォローするための操縦を体に記憶させる。


「次は実際の演習だな。

 宇宙で視界に頼る事はほとんどない。全方位レーダーを起動して、常に開いておく。

 ……ちょっと詰めてくれ」
 

 シミュレーターの狭いコックピットを模したシート。アキトの膝を間借し、手の届きにくい箇所のコンフィグ用メニューを呼び出す。


「うわっ」

「ここをこう……よし。

 使いやすいはずだ。ちょっと起動するぞ」


 シミュレーターを出る。

 ハッチを閉じ、シミュレーション・スタート。


「わ、わ、わっ!」

「重力波ビームのとどく範囲では、ナデシコの位置が基点となる。

 エステの前、後ろは通常そのままだが、ナデシコから指示がある場合の前、後ろは別だ。

 前はナデシコの向かってる方角だし、後ろはその逆。
 
 だが、艦首、艦尾はまったく関係ないから、混同しないようにな」


「ナデシコの向きと……移動方向」


 視界に頼らず、レーダーを自分の向きにリアルタイムに変更するほうが、混乱は少ない。

 ……慣れれば、全方位固定レーダーを利用するほうが戦況は読み易いのだが―――。


「わ、攻撃してきた!」

「あたりまえだ。

 避けるのは―――今までの経験が生きてくる。

 戦闘は、仲間とのフォーメーションをやってないと、本当は不味いんだが―――。

 当面はガイのエステの動きを視野に入れて、互いにサポート出来れば良い。

 実際のフォーメーションは、補充パイロットが来てからで良いだろう……って、聞いてないか」

「うわ、食らったら揺れる!?」

「体感だからな」


 それを丸一日、ホウメイ師匠に断って続けさせた。


 そして―――。



 運命の日が来た。



 
 ***




「サツキミドリ、30分後に到着します。

 艦長」

「OK、ルリちゃん!

 整備班、受け入れの準備は出来てますか?」

『おう、ばっちりだ艦長!』


 ウリバタケさんが親指を突き出して決めポーズ。


「いやはや、なんとか無事にたどり着きましたな」

「ミスター、サツキミドリでの滞在時間は?」

「12時間を予定していますよ。

 時間があれば、サツキミドリで休憩するのもいいでしょう」

「やったぁ!

 アキト誘って、ショッピングいこーっと!」


 ユリカさんが大喜び。しかし、艦長が休憩して良いのかな?


「サツキミドリから入電。

 …………。

 はい、こちらこそ。

 …………。

 え、そうなんですか?

 …………。

 やだ、もう。怒りますよ?

 …………。

 はい、それでは失礼します。

 ナデシコを歓迎してくれるそうです。

 予定を二時間ほど上回ってるって言ってましたけど」

「へ?」


 メグミさんの言葉に、不思議顔の艦長。


「あ、すいません艦長。

 ちょっと、航行速度の計算にズレがあったみたいです。

 ごめんなさい」

「あ、いいってルリちゃん。

 別に、遅れたわけじゃないし」


 ―――これで、襲撃には間に合います。



「木星蜥蜴の大群、サツキミドリの向こうに出現。

 戦艦はナシ。チューリップも確認できません」


 今にもドッキングベイに入ろうとしたときでした。


「ええー!」

「あらら、どうするの艦長?」

「げ、迎撃ー!

 エステバリス出撃準備!」


 慌てないで下さい、ユリカさん。


「現在ナデシコに、エステバリス0G戦フレームはありません。

 サツキミドリより入電」


『ナデシコ、こちらのベイよりナデシコ所属の0G戦フレーム三機出撃した!

 重力波リンク頼む!』

「了解」


 ピ、ピ、ピ。


お、繋がったっ!

 ナデシコだな!

 いきなりな歓迎でなんだが、よろしく頼む!』

『さっそくですが、がんばりまーす!』

『まだ格納庫に四機、0G戦フレームが残ってるわ。

 そっちのパイロットに回してくれる?』


「判りました。すぐに増援をよこします!

 それまで、頑張ってください!」

『『『了解!』』』



 ***



「行くぞ、アキト!」

「おお!」


 ナデシコのディストーションフィールドのホンの一瞬、解除された隙を狙って、艦載機がサツキミドリのベイに吸い込まれる。


『第三格納庫だそうです。

 出撃はサツキミドリのカタパルトを使用。オートの誘導に従ってください。

 ナデシコはこれから上昇し、グラビティブラストの効果的な場所に移動します。

 それまで、機動兵器の遊撃をお願いします』


 艦載機が着陸。俺とガイはスペーススーツを着て、外に出た。


「わ、っとっと」

「おいおい、何処に飛んでいく気だ、アキト」


 反動で上に向かう俺をガイが引っ張り戻す。


「足のマグネットだ。

 青のボタン」

「こ、これか」


 スタッ


『こちらです!

 準備は出来てます!!』

「サンキュウ!」

「ありがとう!」


 まだ塗装もしてないエステバリス0G戦フレーム。

 俺たちはそのコックピットに潜り込んだ。


 ―――IFS接続。

 全方位レーダー起動。

 システム調整……OK。

 フィリスさんに教えられた手順をこなす。


「アキト、いけるのか?」

「大丈夫、多分!」

「よっしゃ、先に行ってるぜ! 夢が、明日を呼んでいる〜♪」


 シャウトしながら、ガイのエステは華麗にバーニアを吹き、飛び出していった。


 流石に早い! 俺も早く……よし、OK!


「やってやる!」


 いくつもの戦闘の光の中に、俺も飛び込んでいく。


 ***


 ナデシコは、戦闘に参加する為に、上昇をかけています。


「グラビティブラストを撃つには、サツキミドリを迂回する必要があります。

 現在の位置からでは、30%が殲滅可能」


「上昇、続けてください。

 80%まで、持って行きます。

 あと、グラビティブラスト準備!」


「りょ〜かい」


 真剣なミナトさんを見るのは久しぶりです。

 サツキミドリの地表を舐めるように、徐々にディストーションフィールドを開放。

 地表に被害が及ばないよう、絶妙な操縦をしています。


「45……50。

 60、75、目標値、オーバーしました。

 相転移エンジン良好。

 グラビティブラスト収束率、90%」


「エステバリス隊に伝えて!

 ナデシコの正面より退避!」

「了解!

 各機、ナデシコ正面より退避、お願いします!」


 五つの光点が正面より離脱。


「退避確認!」

「てぇーー!」


 宙域を埋め尽くしていたバッタが 次々と光の玉になっていきます。

 ―――まるで、アマノガワのよう。


「90%の敵を殲滅。

 次弾は30秒後です」


「必要、ありません。

 残存兵力はエステバリス隊に任せます!」


「ふ〜、疲れた〜」

「お疲れ様です、ミナトさん」

「うふふ。

 さんきゅ、ルリルリ」


 ミナトさんがウインク。


 ……ルリルリ。

 そう呼ばれるのは少し気恥ずかしいです、やっぱり。


 ***


『やるじゃねぇか、アキト!

 それでこそ俺の相棒だぜ!』


「は、はは。

 今になって実感が湧いてきた。

 俺、あそこで戦ってたんだな―――」

『よ、お前ら、ナデシコのパイロットだろ?

 いい動きしてるじゃねーか。

 オレは、リョーコ・スバル。

 よろしくな!


 赤いエステバリスが俺のエステの肩を叩いて、そう言った。


『ほーんと。

 宇宙での実戦は初めてだったんでしょう?

 すごいよねー?

 あ、私はアマノヒカルだよ〜、よろしく〜!』


 黄色のエステバリスだ。その横を、緑のエステバリスが飛んでいる。


『そして私がマキ・イズミ。

 ……イズミが名前だからね』

『俺はガイ!

 ダイゴウジガイだ!

 よろしくな!』

ガイぃ!?

 へんな名前だな、おい?』

『ぬぅ、お、俺の名前を馬鹿にするのかぁ?』

『アニメみたいな名前だねぇ』

「お、俺、テンカワアキト!

 まだ慣れてなくて、迷惑かけるかもしれないけど。

 みんな、よろしくっ」

『『『こちらこそ』』』


 こうして、俺たちはナデシコへと帰っていった。

 ―――パイロット、続けてみようかな? 俺はまだ未熟だけど、それでもこの皆といっしょにナデシコを守りたい。

 そう、思った。


ちょいと短めでした。

補充パイロット三人組初登場……自己紹介シーンは勘弁してください。イズミのギャグが使えん。

あとは、もうちょい戦闘シーンを掘り下げたかったんですが、それをやると次の話がねー……、っつーわけで。

次回、お葬式ないから適当に話盛り込み!!

という感じになっております。

 

 

代理人の感想

おお、恐れていた事態が(笑)。

果たしてこのまま逆行したアキトは昔の自分に口説かれてしまうのか!

熱い視線で貫かれ「お付き合いしてください」なんて言われてしまうのか!

肉体は女性化してしまったままで男性的精神を保てるか!?

待て次号!

 

 

・・・・自分で言っててなんですがちょっとイヤ(爆)。