なぜなにナデシコ特別編

〜結構知らない嘘本当〜

 

第三回 「ボゾンジャンプ?ボソンジャンプ?」

 

 

 

 なんだかんだで第三回。はじめるよー。

 今回のお題は「ボソン/ボゾンジャンプ」。第二回は政治的陰謀により、掲載延期と相成りました。

 そのうち出すから勘弁な!

 

 さて、「ソ」「ゾ」。これは両方バランス良く居るんですよね。

 そう、両方居る。ということで、とりあえず両方をGoogleで検索してみました。

 

 結果。「ボゾン」の方は、真面目な物理学関係の研究室HPなどが圧倒的にHIT。

それに対し「ボソン」はナデシコ関係のHPが大半を占めていました。

 ということは、「ボゾン」が正しいのでしょうか。かく言う私も、ずっと「ボゾン」で通してきました。

 

 ……と、ここでちょっと別方面から攻めてみることに。英和辞典で「ボゾン/ボソン」を調べると……。

 

 

 

 

 あれ?

 

 boson[bo´usan]

  ―【物】ボソン。ボース粒子。

 

 あれれ?

 どっちなんでしょう?

 

 わからなくなりました。しょうがないんで、ナデシコ関係の資料を漁って見ることに。

 

 

 

 

 

 ……統一して「ボソン」でした(死)

 

 …………。

 ………。

 ……。

 …。

 

 結論!

 

 「ナデシコでは公式設定として『ボソン』である」

 

 

 

 あっさり終わっちゃいました。最初からナデシコの資料見てりゃ良かった。

 ま、まぁこれで終わりじゃ寂しいので、ボソンジャンプについてちょっと書きます。

 

 

 ボソンジャンプを語る前に、まず簡単な物理から語らねばなりません。

 ナデシコの劇中に良く出てくる「ボソン/ボース粒子」「フェルミオン/フェルミ粒子」について。

 

 一般的に、世界に存在する粒子はおおまかに分けるとこの二種類のどちらかに分類されると言われています。

 我々の身体を構成する原子や電子はフェルミオン。対して、光(光子)や重力子といったものは、ボソンに属します。

 さて、この二つの違いですが、フェルミオンは「パウリの排他律」と呼ばれる法則に従い、ボソンはこの法則に従わないのです。

 「パウリの排他律」とは、簡単に言うと「一つの量子状態(エネルギーのレベルとでも考えてください)には一つのエネルギー準位(例えば電子軌道)しか入らない」。簡単な科学や物理を学んだ事が有る方ならご存知の原子の周期表はこの法則に従ってつくられています。

 例えば水素(原子数1)には、電子軌道は一本しかないから、どうやっても入る電子は二つだけ。絶対に3つの電子が入ることはありません。でも、もし水素がボソンで出来ているのなら、3個だろうと10個だろうと幾らでも入るのです。

 

 なんだか小難しい文になりましたが、「僕らの身体はフェルミオンで出来ている」くらいに理解していてください。

 

 次に、先進波遅延波について。

 「マクスウェルの方程式」という電磁気の基本法則を表したやっっっったら難しい方程式を変形すると、ちょっと変な事が起きます。

適当な条件でこの式を解くと、過去から来た波として表現出来ます。コレが遅延波。まぁ当然ですよね、例えば光を感じたら、当然光源から観測者に辿り着くまでに時間かかりますから。

 が、これ、「過去から来た波と未来から来た波の重ね合わせ」という風に表現する事も出来ます。この「未来から来た波」のことを先進波と言います

 先進波は遅延波と重ね合わせられていることによって、実際には観測出来ないとされています。

 

 

 で、問題のボソンジャンプですが。

 

 1: CCやジャンプ装置によって、ジャンプフィールドが展開されます。このジャンプフィールドによって、
    「どれだけの範囲のもの」がジャンプするか決定されます。

 2: A級ジャンパーやジャンプ装置によって遺跡へとイメージ(行き先)が送られます。
    イメージの鮮明さによってジャンプアウトの精度が変化します。

 3: イメージを受け取った遺跡は、対象を「レトロスペクト」(イネスフレサンジュ命名)というボソンに変換。
    このレトロスペクトが肝です。

 4: レトロスペクト化した対象は、過去の遺跡に向かって飛びます。

 5: 未来からのレトロスペクトを受信した遺跡は、そこで別の(遅延波の)ボソンに変換し、目標地点へと送信。

 6:目標地点に到達したら、ボソンから元のフェルミオンに変換して、ジャンプ終了。

 

 このような手順で行われます。

 

 2で出てきたレトロスペクト、これはナデシコ世界では「遅延波に影響されない先進波」である、とされています。
よって過去へ移動出来る、と。

 

 注!

 一応明記しておきますが、これは「ナデシコ世界での設定」です。

 先進波の存在自体が、観測実験が完全に「失敗」に終わっており、学者の中には「コレはトンデモ科学である」と断言している人も居ますので。

 それ言ったら相転移エンジンの存在もかなりヤバいんですが。

 

 

 4、5について。

 このとき、例えば時間のずれが無いジャンプでジャンプアウト予定地点が遺跡から1年かかる場所だった場合、1年前の遺跡に。

10年前の、遺跡から10年かかる場所にジャンプしようとすると20年前の遺跡に向かいます。

 そして、前者の場合だと1年前の遺跡に着いたジャンパーはまた1年かけて移動。−1年+1年=時間差無し。

後者の場合だと20年前の遺跡から10年かけて移動。−20年+10年=10年前。

 

 俗に言う「ランダムジャンプ」とは、2の「イメージ送信」がちゃんと出来ずに、適当な時代の適当な場所に飛ばされることを言います。

 

 

 

 

 

 

 

 これ以上詳しくやるのは、内容の重さ的にも筆者の能力的にも厳しいので、今回はここまで!

 扱って欲しいテーマ、感想、応援、ツッコミなど色々お待ちしております!

 特にネタは急募!

 

 

 

 

次回予告!

 

「チューリップって、不気味で『チューリップ』って感じじゃないよなー」

 

 木製蜥蜴の尖兵として突如現れ、無人兵器を吐き出し続ける悪夢の存在「チューリップ」!

 

 でも、あれって大気圏突入中に体当たり食らったけど大丈夫?

 

 

NEXT→第四回 「宇宙(そら)に花咲くCHULIP」……かどうかはまだ未定