雄大な火星をバックに二隻の船がチェイスを繰り返していた・・・



 



『ジャンプフィールド生成完了しました!!』

「アキト、ジャンプフィールドが生成終了したよ。」

 

 


『アンカーを打ち込まれたんだよ、アキト!!』

 

 



「間に合うのか・・・!!

 ルリちゃん、早く逃げるかアンカーを切り離せ!!

 このままだとナデシコCも、ユーチャリスのランダムジャンプに巻き込まれるぞ!!」

 



『駄目だ!! ジャンプを開始したよ、アキト!!』

 

「くっ、フィールドは間に合わんか!! 済まんルリちゃん!! ナデシコのクルー!!」

 

 


 

時の流れに
      in C

 

1.『男らしく』いこう

 


 

 



「視覚が・・・戻っている?

 聴覚が、嗅覚が・・・五感を俺が感じている!!」

 

 

 

省略

 

 

 



 自転車を走らせる俺の目の前を、一台の車が走り抜ける・・・
 
 そしてその車のトランクから一個のスーツケースが、俺に向かって落ちて来る。

 

 

 

 

 

「・・・案内、しますかアキトさん?」

 

 

 

 

 

 

 

飛ばしていこう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビィー!! ビィー!! ビィー!!


 来たか。

 

「・・・アキトさん」 

「そっちはまだかい、ルリちゃん?」

「今、ユリカさんが到着して、ナデシコのマスターキーを使用しました。」

「了解・・・俺は今から地上に出る。」

「今更、無人兵器如きにアキトさんが倒されるとは思いませんが・・・気を付けて下さいね。」

「ああ、解ってるよ・・・先は長いからな。」

 そう言って俺は通信を切った。

 


 

『俺は・・・テンカワ・アキト、コックです』


コミュニケによる通信画面の男には、ほとんどのものが見覚えはなかった。
ボサボサ頭でいまいちセンスの感じられない服。
年のころ17から19ってところで胸には何故かゲキガンガー。
機動兵器の操縦席にこれほど似つかわしくないのも珍しい。


「何故コックが、俺のロボットに乗ってるんだ!!」

「もしもし、危ないから降りた方がいいですよ?」

「君、操縦の経験はあるのかね?」

「困りましたな・・・コックに危険手当は出せ無いのですが。」


騒がしいの一言に尽きるが、これが今のブリッジである。
地上が襲撃されているかどうかの自覚さえ欠けるが、ある意味まとまっているともいえる。
少なくとも自分の責務を果たそうとしているのが殆どだろう。


「アキト!! アキト、アキト!! アキトなんでしょう!!」

「・・・ああ、そうだよユリカ、久しぶりだな。」

「本当にアキトなんだね!!

 あ!! 今はそんな事より大変なの!!

 そのままだと戦闘に巻き込まれるよアキト!!」


 (・・・今、俺がいる場所を何処だと思っているんだ?)


「パイロットがいないんだろ?

 俺も一応IFSを持ってるからな・・・囮役くらい引き受けてやるよ。」

「本当? ・・・うん、解ったよアキト!!

 私はアキトを信じる!!

 やっぱりアキトは私の王子様だね!!」




 ・・・君の笑顔が、俺に苦痛を与える事を君は知らない。

 ・・・君の言葉が、俺に過去の出来事を思い出させる事を、君は知ってはいけない。

 そして今度こそ俺は、ユリカ・・・君を。




「絶対怪我しないでねアキト!!

 後で会おうね!!」

「ああ。」

「・・・先行者、地上に出ます。」


 全てが始まった。

 


 

 

ぎょろ

 

 ・・・無数の瞳に貫かれる感覚だ。

 あの時と同じ、地から、空から、煙の中から。

 こちらを見つめる無機質な瞳。


「本当なら囮より殲滅する方が楽なんだが・・・」


 今のこいつらに、無人兵器などに負ける気はしない。

 だが、今はまだこの力は隠す必要がある。

 だから、演技する。


「かかって来い・・・・・・貴様ら、俺と!!この先行者に勝てると思うな!!

 

 

 

 無人兵器によるミサイル一斉攻撃、俺にはその一つ一つの軌道が手に取るようにわかる。

 甘い。

 有人兵器による攻撃も俺にとっては意味がないというのに、無人兵器のプログラミングなどまるで計算されたものでしかない。

 ベアリングダッシュ、一気に奴らとの差を詰める!

 

 

『説明しよう! 先行者(陸戦型)はその足の裏にベアリングボールを仕込むことにより急加速・急停止をすることが可能なのだ!』

 

 

「遅いッ!」


 ドドドドドッ!

 先行者標準装備の股間のキャノンから弾が連続して発射される。

 これぞ中華ガトリング!

 照準はつけない。

 だがそれでも、地上兵器の何機かには被弾した。

 このままだ、最初のときのように少しずつ、ギリギリの戦いを続ける。


 無人兵器も正式に俺を敵と認識したか、その殆どの照準が俺に向けられた。

 地上型、空戦型によるミサイル一斉砲撃。

 だが。

          無人兵器
「貴様らアイボの攻撃など、当たるわけがないっ!」


 陸戦1型「イヌ」。

 主にミサイルと格闘線を仕掛けてくる。

 イヌどもの目の前まで来て、再び中華ガトリング!

 今度も何機かに当たった。

 同時に流れるように右へ旋回、今までいた場所に空中からミサイルが降り注ぐ。


 陸空戦1型「イヌ弐」。

 「イヌ」よりスマートな外観が特徴だが、見た目通りこいつらのほうが機動性がいい。

 オマケにミサイル搭載量も多い上に、陸戦による格闘戦(カミツキ)も素早い上にアゴの力が強い曲者だ。



 が。

 しつこいようだが、今の俺の敵じゃないのだ。

 足裏ベアリング摩擦係数最大、急停止。

 運動エネルギー消失と同時に膝を大きく曲げ、跳ぶ!

 

 

『説明しよう!先行者は脚部の驚くべき柔軟性により、一飛び20メートル以上も飛び上がれるのだ!』

 

 

 ドドドドドドッッ!!

 次は照準をつけ狙い、またも中華ガトリング!

 イヌ弐4体が爆発する。

 その背後から迫る丸い機体!

「っと!」

 陸空戦2型「クマ」。

 イヌよりもさらに強力な個体、形状が大きく違う事から別用途の機体と考えられる。

 イヌよりも大きく、力も強い。

 そのクマの、無機質な瞳がアキトの先行者を捕らえる。

 殴りかかるつもりか。



 甘いッ



 右肩部スラスター出力調整、右肩関節規制解除、3秒、跳躍最高到達点到着、2秒、右腕関節部回転、1秒、右手部垂直度設定、0!


 ドシュ!


 右肩のスラスターが火を噴き、空中で一瞬静止していた先行者の体を振り回した。

 その時、先行者独特の鋭い手を向かって垂直に立て、

 クマの頭を、真っ二つに切り裂いた!



 これぞ中華チョップ!

 先行者肉弾武器の一つだ!



 「ふン・・・いいぞ。誤魔化しながら行ける・・・」


 落下しながら回転を続け、今度は中華ガトリングを八方へ打ちまくる。

 それで相手が減るわけではない。

 だが、効く。


 「このまま・・・早くしろ、ナデシコ」


 アキトの呟きは着地と同時に放たれた中華キャノンにかき消された。

 


 

「・・・凄まじい」


 提督の呟きは誰にも聞こえなかった。

 ブリッジは佳境に入っていたからだ。

 だから、アキトの実力の一端を理解できたのは、フクベ・ジン、ゴート・ホーリ、プロスペクターの3人くらいだった。


「ドック注水、80パーセント完了」

「相転移エンジン、オーケーよ」

「・・・ナデシコ、発進します!」

 

 

 

 「そろそろだな」

 

 

 

 ざァ・・・

 海を割り、アキトが飛び出した崖の先にナデシコがその勇姿を見せた。

 前方にのびた2本のディストーションブレードはひどく威圧的だ。


「敵機動兵器、ほとんど本艦の射程範囲に入ってます」

「了解、ルリちゃん、主砲用意!」

「主砲充填、124パーセント。いつでも撃てるわよ」


 ルリ、ミナトの報告を受け、ユリカは決断する。










    チャイニーズブラスト
「中華人民砲 てぇーーーーーッ!」



















 

 

 

 

 

 

 

 

「敵、殲滅しました」

 

  

 

 

 

 

 

 

 



「負ける・・・訳にはいかない!!

 俺の、いや俺達の過去への挑戦は今始まったばかりなんだ!!」

 

 ルリちゃん、ラピス・・・

 頼む、こんな俺だが支えて欲しい・・・

 全ての贖罪は、最後に払ってみせるから

 

 

 

 

 

もしかしたら続く。
でもたぶん続かない。

 

 

 

 

 

作者より言いたいこと。





1.ごめんなさい


2.ギャグじゃありません


3.タイトルは『男らしく』(省略して)いこうが正解




コンセプト・・・エステバリス=先行者がデフォルトな世界だったら?





代理人の感想

 

 

コマネチしない先行者なんて

先行者じゃないやいっ(核爆)!

 

 

ま〜、アレを入れるとギャグを押さえこめない危険性があるのですが

ここはも〜ちょっと開き直って欲しかったな、と。