―こんにちは、全刊ベストセラーとなっております【漆黒の戦神】シリーズ
―今回も彼の一面を表舞台にさらけ出し皆さんにお届けします♪


―では、改めましてお名前をお願いします。



・・・あ、話して良いんですか?
私は西欧方面軍ドイツ地方イゼルローン基地駐留部隊
陸戦大隊隊長アカギ・オウカといいます。





『漆黒の戦神』アナザー
アカギ・オウカの場合





―え?大隊の隊長さんでしたか!?
―こちらの資料では中隊の隊長となっているんですが・・・?



あ、それでしたら仕方無いですよ。3日ほど前に辞令を頂いたばかりですから。



―そうなんですか。あ、という事は昇進なさったんですよね?
―おめでとうございます!
―凄いですね〜。その若さで少佐殿ですか・・・



ありがとうございます。
でも、私としては余り実感がわかないんですけどね(苦笑)
それに其処まで嬉しいとも思いませんし・・・



―そ、そうなんですか?



ええ、私はただ軍人としての責務を果たしているだけですから。



―謙遜されなくても結構ですよ。
―ヨーロッパに住んでいて少佐の勇名を知らないなんてモグリですよ?
―まあ、それはさて置き「彼」との出会いを教えていただけませんか?



『あの方』との出会いはあの頃西欧方面軍に所属していた軍人から見れば
ちょっと運が良いくらいの物です。
あの頃『あの方』が行動を共にしていたオオサキシュン提督率いる部隊は、西欧方面の
ほとんどの激戦区を巡ってあの非常識な戦果を築き上げていったのですから
激戦区に居たり、激戦区の周辺基地に所属していたなら彼の戦いを一度はその目で見ています。



―そうですか・・・じゃあ特別な状態で出会ったわけではないと?



そうですね。戦闘自体は非日常的な事かもしれませんが、
非日常も繰り返していく内に日常になってしまうんですよ(何所か疲れた笑い)



―・・・ではその時の事を聞かせて下さい。



はい、先ほども言いましたが出会い自体
あの当時ではそれほど特別とは言えない事だったんです。
私が所属しているイゼルローン基地に『あの方』の所属している部隊が
増援という事で派遣されたんです。



―はー、そこで出会った訳ですか。



ええ、でも初めて『あの方』を見たとき
「なんでこんな戦力にならない一般人を一緒に連れているんだろう?」
と思ったんですよ(苦笑)



―え!?あ、あの戦神に対してですか!?



はい。だって『あの方』は・・・オオサキ提督やタカバ副官、それになんて方でしたか?
あのいかにもという感じの黒で統一された服装の・・・



―ああ、「彼」の親友と言われているヤガミナオさんですね?



ああ!そうです。その方です。
『あの方』は来て間も無い頃はいつもその3人にからかわれていましたよ(微笑)
あと、とても御綺麗な3人の女性にも言い寄られていましたね。
3人とも『あの方』に好意を持っているのに
『あの方』本人は気付いていないようでしたが(苦笑)



―はーやはり「彼」は天然ですね。



ええ、これは断言できます。
『あの方』は天然で鈍感です。(微笑)



―これまたきっぱりと言われますね(汗)



名前は出しませんが私の部下の1人で
同性の私から見ても可愛いと思える娘が居るんですけど、その子が告白したんですよ。
何でもその日の市街防衛戦で危ない所を助けてもらって、
それで、・・・一目惚れしたらしいですね。



―え!?ちょ、ちょっと待ってください!今マイクの感度を上げますから!
      カチャカチャ(録音装置を操作している音)
―はい、どうぞ!(今まで以上に熱心になる記者)



え、あ、はい(何故か若干後ろに引きながら)
詳しい話は言えませんが若干遠回しの告白をしたそうです。
すると『あの方』何を勘違いしたのか
「君は戦場[ここ]に居るにはやさし過ぎる」と言う事を延々聡されたそうです(苦笑)
まあ、その後本当に相談にも乗ってもらったそうですが・・・



―そ、そうなんですか・・・(ッチィ)



えっと、そろそろ『あの方』と私の事に付いて話した方が良いですか?(何故か汗を拭きながら)



―あ、そうですね。お願いします。



『あの方』と初めて話したのは戦場でした。
私たちの基地の近くにあるイゼルローン市が無人兵器の攻撃を受けたんです。
あ、でも会話と言っても出撃の要請をした程度のものですが、
その時はそれだけです。
もちろん私達は出撃しました。
その頃まだ私は小隊の隊長でしかなかったので
戦力といっても大した物では無いんですけどね(苦笑)



―そんな!少佐の勇名の知名度はとても高いんですよ!



そうなんですか?自分では良く知らないんですが・・・
まあ、何はともあれ私達は出撃しました。
無人兵器が市街地に侵入する前に防衛線を張ることに成功して、
何とか被害を最小限にしようとしました。
初めから被害が出る事を想定している点で
『あの方』に叱責を受けそうですが、あの頃はそれが当たり前だったんです。
そんな状況に変化を与えたのが・・・



―「彼」だったと?



はい、あの時のエステバリスでの戦いは凄いの一言です。
味方には一切の被害を出す事無く。
目の前に広がる雲霞のような無人兵器の集団を屠る。
他にもエステバリスは居たのですが、
どうしても『あの方』と比べると、いえ比べるのは無理ですね。
『あの方』の他には白銀の戦乙女が凄かったですね。



―白銀の戦乙女?・・・ああ、少佐がおっしゃりたいのは
―アリサ・ファ・ハーテッド中尉の事ですよね?

はい、彼女と『あの方』の戦闘はまるで洗練された舞踏の様でした。
『あの方』が彼女をリードして本来なら凄惨なはずの戦場を
まるでおとぎ話に出てくるお城でのダンス大会の様にしてしまったんです。
そう言えば私の隊に所属していたエステバリスライダーの1人が
その戦闘シーンをディスクに落として
戦闘技術の研究をしていましたが、最終的には諦めていましたね。
「この戦闘技術は段違いなんてモノじゃなくて
自分たちのモノとは桁が・・・いや、存在する次元が違う」
と言ってましたよ。



―え!?「彼」の戦闘映像をディスクに落としたんですか!?
―「彼」の戦闘映像はネルガルとの協定で閲覧できなくなってるはずなんですが・・・



あ、それでしたら『あの方』ご本人に許可を頂きました。
ご本人に許可はどうすれば取れるのか聞きましたが、
「別に構わないよ。ただ余り公にはしないでくれ」
との事でしたから。
・・・・そう言えばあの時でしたね。
『あの方』に愚痴を言ってしまったのは(照れ笑い)



―そんなにあっさり許可されたんですか(汗)
―それに愚痴ですか?




先程も言いましたが初めは戦闘映像を後学のために
残す事を許可してもらう方法を聞きにいったんです。
『あの方』は昼間は戦闘をしたり、主計課の手伝い等をされていたので
その話をしたのは主計課の手伝いが終わったあとでした。
その戦闘映像の話を出した時『あの方』に聞かれたんです。
それも少し責める様な口調で


「今日の部隊の配置では市民に被害が出てしまう。
何故そんな配置をしたんだ」

「今回の敵襲は規模、進行速度共にこれまで最高規模でした。
これを迎撃するためにはどんな策を弄したとしても自軍、市民共に被害が出てしまいます。
そして私はあの配置がもっとも友軍と市民の損害が少ないと判断しました」


私はこんな答えしか出来ませんでした。
恥ずかしい話ですが、あの頃の私は長い戦争の中で

「どんなに足掻いても交戦すれば被害が出るのは当たり前
それは軍人も市民も関係ない。
ならば自軍に有利な状況で戦うのが結果的には被害を抑える事に繋がる」

と言った考えを持ち始めていたんです。
この考えは、市民の被害を容認する考えですけどね。
何故か愚痴めいた事、隠していた事、自分でも自覚していない考え
そういった事を『あの方』に打ち明けてしまったんです。
それに最後の方では『あの方』の持つ力に思わず反発して

「確かにあなたの様な力があれば被害を0にする事も可能でしょう。
でも誰もがあなたの様な絶対的な力を持っている訳ではなんです。
であればどうしても出てしまう被害を最小限にするのが軍人の務めでは無いですか!」

と言ってしまったんですよ。
しかも言ってる内に気持ちが昂ぶっちゃって気がついたら泣いてました。
私が助けられなかった。助けたかった市民の方々の事を思い出したんです。
イゼルローンの町も他の地方都市と比べれば市民の被害が少ないと言っても
確かに存在する死傷者の方々がいましたから・・・。



―・・・そうですか。軍人の方も大変なんですね。
―二律背反を背負った上で戦わなければならないんですから
―それで「彼」はなんと?



私泣き出して止まらなくなったんですよ。
そしたら『あの方』は頭をなでながら
「ごめん。君はちゃんと軍人としての責務を果たしてるんだね」
と言われたんです。
『あの方』はそのまま私が落ち着いて泣き止むまでなで続けて下さいました。
子供の頃、父にしてもらってからされた事なかったので忘れていましたが、
頭を撫でられるというのはとても嬉しく、落ち着くものなんですね。



―・・・か、「彼」に頭をなでてもらったんですか?
―それはまた、なかなか出来ない体験ですね。
―では最後に「彼」に伝言があればどうぞ。
―しっかり載せますので!



では、お言葉に甘えて。
アキトさん。私達は近々軍をやめて警備会社を創るつもりです。
アキトさんが基地にこられた頃いた小隊の隊員たちと一緒に立ち上げるつもりです。
他にも参加してくれると言ってくれたり、
まだ設立していないにもかかわらず仕事を依頼してくれる人達もいます。
会社を設立したら皆でパーティーを開くつもりですので、お暇でしたらおいでください。
それと、有事には遠慮なく声をかけて下さい。
・・・いえ、かけられ無くてもこちらから押しかけますね。
では何時か再びお会いできる時を楽しみにしています。
どうかお元気で。マイン・シュバルツ・カイザー(我が黒衣の皇帝よ)





今回取材に応じていただいたアカギオウカさんですが軍所属時には
「イージスの盾」の渾名をもつ連合軍屈指の防衛戦の達人と呼ばれ、
またその誠実な人柄で部下の信頼厚い大隊長でした。
軍退役後はその保安・防衛戦のノウハウを活かし警備会社を設立
現在規模は小さいもののそのレベルの高さと信頼度では世界トップクラスと言われる
「シュバルツ・リッター(黒騎士)」の代表取締役に就任され現在奮戦中との事です。


民明書房刊「漆黒の戦神 その軌跡」 38巻より抜粋









さて、ここは地球圏最強の某機動戦艦内



「・・えーと、落ち着こうよ。ね?ルリちゃん
アリサんちゃんにサラちゃん、レイナちゃんも」

「何故ですか?私はこれ以上無い位落ち着いていますよ?ア・キ・トさん(ハート)」

「そうですよ。私と姉さんなんて普段以上に落ち着いてますよ?(ハート)」

「そーよ。私達はいつも以上に冷静よ(ハート)」

「そそ、とっても冷静にアキト君がやった事を認識してるわ(ハート)」

「(嘘だー!!絶対に違う!その目は!その目は!!絶対に落ち着いてる目じゃない!
くっ!この目で睨まれる位なら北辰や北斗に殺気や狂気を含んだ目でにらまれた方が
100兆倍マシだーーー!!!)」

「さあ、アキトさん今回のお仕置き(お楽しみ)は下着で行なう
(水着ではない)ツイスターゲームです(ハート)」




物語の主人公であるはずのテンカワアキト君は何時もの様に

『ごく自然に』


ピンチだった。


「(そうしたのは貴様だろうが!広島県人!)」

俺に突っ込みいれるのか?君は?
まあ、俺としても余り某同盟にケンカを売るのは避けたかったのだがね・・・
しかし!既に俺の方が売られたのだよ極上のケンカをね!!

「(な、なに!?)」

ふふふふふふふ・・・ははははっはは!
そう!売られたのだよケンカをね?
君なら解るだろ?あの某3人のお嬢さん方の料理を食べた君なら!
あんな対人兵器を通り超え!
「対使徒用兵器」とすら言われ、
ナデシコの『惨大対人兵器』といわれる某3人のお嬢さん方の料理すら超える!
『ミサトかれー』を喰わされた俺の気持ちが!


「(・・・・・・・・・・)」(ものすごく解ってしまった人)


しかも!現実世界に置いても限りなく「例のブツ」に近いものを
(アヤカに無理やり)喰わされたのだよ!俺はね!!


「(・・・こんな状態で言うのも何だが、哀れなヤツだな)」


別にかまわんのだよ。何時か俺のほうから売るつもりだったのだからね。
くくくくく・・・はははははははははは!(壊れた笑い)
よって君には踊ってもらうよ!
なに、君には何も大した害は無いよ?
むしろ助けて上げるのさ?
その上多少危険を含むかも知れんが幸せを上げよう!俺がね?
(何処に行ってしまった笑み)


「(そ、そうなのか?・・・[この状態のこいつに言われてもな])」


「・・・アキトさんなにを黙ってるんですか?」

黙って冷や汗を流しながら漢泣きをしつつ
何処か遠くを見つめ始めたアキトに何かいつもと違うものを感じた「妖精」が問う。

「・・・壊れてしまった。
友人になれたかもしれないヤツが居てね」

それに答えるアキトはまだどこか遠くを見ながら哀れみのこもった涙を流す。
どうやら本気のようだ。

「・・・・・・・(汗)」

「・・・・・・・(大汗)」

「・・・・・・・(滝汗)」

「・・・ね、ねえ、ルリルリ?アキト君少し危なすぎない?
『何時も』なら『まだ』正気を保ってるのに」

調停役のミナトさんが一筋の汗を流しながら
同じ様に汗を流している「妖精」の顔をうかがう。


「(まさかもうこうなってしまうなんて!
今回久しぶりにお仕置きに参加できるのに!!)」

どうやら今回はR指定解除を忘れなかったようだ。
しかし、意外と彼個人の心配はされていない。(汗)
そしてその特別室に居た全員が動揺の空気が流れ始めた時



どか!
ヒュ
ボム!



上から順番に
ドアが蹴り破られ
非殺傷兵器・フラッシュボムが投げ込まれた。
そしてフラッシュボム爆発

「きゃー!」
「何だー!」

室内に居た全員が混乱ドツボに叩き落される。
その間に赤い閃光が何処か遠くを見たままのアキトを
テイクアウト、もしくは掻っ攫う。





「ここまで来れば良いだろう」

「そうですね。しかし気は抜けません直ぐにシャクヤクに飛びましょう」

「そうだな。おい!アキト!何時まで呆けている!」

「へ!?あれここは・・・あ、北斗!千沙さんまで!」

そう!作者に同情していた(爆)アキトを救出したのは北斗&千沙だった!!

「新しい本が出たと聞いてな。
どうせまた捕まってるだろうと思って助けにきてやったんだ」

「そうなんですよアキトさん。
あ、脱出のためにシャクヤクまでのナビゲートを頼めますか?
ナデシコに来るのはステルス使用のシャトルで来ましたが、
いくらステルス使用とは言えこの状態では確実に捕まりますから」

「(これが助けなのか!?広島県人よ!)」

さあ、ね?クスクスクス・・・


「(くッまだ狂気モードのままか・・・えーい南無三!)
ありがとう!二人とも!!じゃあ、飛ぶよ!?」

そう言いながら千沙から手渡された蒼いクリスタルを握り締めながら
北斗と千沙の肩に手を置きながらシャクヤクをイメージする。

「あ、アキト(赤)」
「あ、アキトさん(赤)」

ただ手を置いているつもりが自然に両手で二人を抱き寄せているのは
アキトの天然の成せる業か!?

「イメージ、シャクヤクブリッジ・・・ジャンプ!」



ここから彼の逃亡生活が始まる。





続きます・・・・一応






あとがきめいた言い訳

ども作者広島県人です。
作中に何度も登場していまさらな気がしますし、
作中の事は事実ですが・・・・
その辺は忘れてください(すっぱりと)
今回の作品・・・・駄目駄目ですね。
まずお仕置きがない
続いて物語の展開上というようよりも
ストーリー的な問題で一番書きたかった所を削ってしまった。
主なのはこんな所でしょうかね。
ああ、ついでに某同盟にケンカを売るつもりがそれも出来てない。
(一番これが悔しいかもしれない)
実はこれ本当なら投稿作第3作目辺りになる予定だったのですが・・・
血の繋がった弟の方に長編のプロットから書き上げた序章、途中まで書いた1章を
手違いで消されました。ええ、真っ白けです。
現在そっちの方は書く気が失せてますのでこのままボツになる可能性大です。
それと上にも書いてありますが続きます。
しかし次からは「漆黒の戦神、その軌跡」から離れますので、
暇人Mさんに原案を頂き、アヤカの選考により決定した。
『一冊の本が生んだ哀れな男の愉快な喜劇』
という題で続けていきます。
なお、「イゼルローン」は実在するドイツの地名・・・だそうです。
聞いた話なので確証は在りませんが(爆)
「イージスの盾」というのは某週刊誌で連載中のアクション漫画よりの流用です。
・・・・この手の流用はOKですよね?
作中に出てくる
マイン・シュバルツ・カイザー(我が黒衣の皇帝よ)
シュバルツ・リッター(黒騎士)
等は一応ドイツ語ですが、うろ覚えの物ですので余り突っ込まないで下さいね?


PS
バックアップは大切ですよね〜。今回の事の感想です


 

代理人の感想

そうなんですよ、バックアップは大切なんです!

あれなくしてPCで小説なんか書けないんです!

一ヶ月の苦労を一撃で消滅させられ、冬の津軽海峡を見に行きたい気分になりたくなければ

バックアップはきちんと取っておきましょう!

 

って、作品の感想でしたよね、ハイ(爆)。

 

つー訳で広島県人さんの初投稿です!

 

しかし、偶然らしいですが「アナザー」からオリジナル長編につなげると言う構成は、

これはこれでなかなか。「つかみ」はOKと言ったところでしょうか?

 

それではこれからに期待しています。