ナデシコ 〜絶対運命黙示録〜 第零話『その男、見習いにつき』







 「くっ・・・ここは何処だ!?」



 目を覚ましたら、俺は奇妙なところに居た。



 どこが奇妙かと言えば・・・・・・そう、一言で言えば『紅い』世界だ。



 見渡す限り、紅一色。



 空も紅けりゃ、海(らしきもの)も紅い。



 昔、映画で見た『終末』を迎えたような世界だ。







 ん?







 あれ?







 ちょっと待て・・・。







 なんで『見』えるんだ・・・。







 俺の五感は、すでにイカれている筈・・・。



 ラピスとのリンクが無ければ、見ることも聞くことも出来ないのに・・・何故だ!!







 (ラピス!!ラピス!!どこにいる!!この『紅い』世界はお前が見ているのか!?) 







 (・・・・・・・・・・・・・・・)







 ラピスからの返事はない。



 (馬鹿なッ!!ラピスとのリンクが繋がっていないのに、何故、俺は『感じる』ことが出来る!?)



 これは夢か。



 そう思った俺は古典的ではあるが、夢かどうかを判別する方法を試してみる。



 震える指を頬に持っていき・・・。







 ギュッ!!







 思いっきり、抓ってみる。







 (・・・・・・痛い。)







 痛みを感じる。



 これは夢ではない。



 じゃあ、この『紅い世界』は・・・!?







 (地獄・・・か。)







 ふふふ・・・・・・ははは・・・・・・アッハハハハハ。



 そうか地獄か。



 地獄・・・この異常な世界を見れば見るほど、自分の考えが正しいように思えてくる。







 何もない、紅い世界。



 海・・・らしきモノの波音しか聞こえない静寂に包まれた世界。







 始まり・・・全ての始まりである親父とお袋の死もボゾンジャンプ絡みだった。



 そして終わり・・・俺の死もボゾンジャンプの失敗が原因・・・。



 結局、俺はボゾンジャンプの呪縛からは死ぬ瞬間まで解き放たれなかったか・・・。







 最高だ。



 お笑いだ。



 俺は何のために生きてきたんだ。



 地球の、木星の奴らの手の上で滑稽なダンスをするために生まれてきたのか?



 虚しさが始めに湧き、次に狂喜。



 そして悔しさ・・・無くした筈の、捨てた筈の『感情』がこみ上げてくる。







 (畜生・・・畜生・・・・・・チクショウッ!!!!)







 悔しさで胸が一杯になる。



 他人に利用されるだけの人生。



 それが・・・それが俺の人生だったのか!?



 三年前に涸れた筈の涙が、ポタリポタリと地面を濡らす。



 あれほど死を望んでいたのに、死んだと判った途端、生に執着する。



 (最低だな・・・俺って奴は!!)







 「そうでもないよ。」



 いつの間にか俺の前に立っていた青年が言う。



 「失ってみて、その大切さを判ることがある。人間とは・・・そういう物さ。」



 誰だ、こいつは。



 気配を全く感じなかったぞ。



 「ん、ああ。安心してよ。僕は別に君の敵じゃあない。そんなに警戒なんかしなくてもいいよ。」



 青年は俺の纏う剣呑な雰囲気に、思わず苦笑して言葉を返す。



 「君の名前は?」



 「アキト・・・テンカワ=アキト。」



 「そう、テンカワ=アキト君ね。僕はディオス。この紅い世界・・・『世界の果て』の主だ。」



 よろしくと言って手を差し出すディオスと言う名の青年。 



 「ディオス、いきなりで失礼かも知れんが、ここは何処だ?地獄か?」



 ディオスは地獄という言葉を聞いて、一瞬キョトンとした顔をする。



 「地獄・・・残念だけど、そんな大したモンじゃないよ。



  ここは『世界の果て』。



  僕と『薔薇の花嫁』達が住む銀河の孤島さ。」



 気を取り直したのか、ディオスは先程までと同じように穏やかな笑みを浮かべ、重みのある静かな声で答える。



 その言葉は俺の心に直接、届く。



 コイツは・・・凄いな。



 見た所、俺と歳は変わらないのに、何か・・・こう、言葉の重みが違う。



 顔に浮かべた笑みもアカツキのような軽薄な、どこか皮肉ったような軽い笑みや、プロスのような他人を誤魔化すような笑みでもない。



 心の余裕と穏やかさが感じられる、見る者を安心させるような笑みだ。



 物腰も洗練されていて・・・隙がない。



 「世界の果て・・・薔薇の花嫁・・・銀河の孤島・・・。



  ディオス、教えてくれ!!一体、何が起きたんだ!!俺はどうなったんだ!!ディオス!!」



 そう。



 俺が今、やるべきことはディオスの底知れぬ器量に感心することじゃない。



 一体、何が起きたのか!?



 それを知り、現状を把握することだ。



 「まあ、アキト君。そんなに焦らなくてもいいよ。



  色々と事情があって詳しく話せないけど・・・要所要所ぐらいだったらいいよ。」



 「そ、そうか。済まなかったな、取り乱してしまって・・・。」



 「いいよ、いいよ。別に。まあ普通の人間だったら、この景色を見ただけで取り乱すからね。」



 そう言って、周囲の『紅い』風景を見回すディオス。



 「ま、立ち話ってのも何だし、僕の家にでも行かないかな?」



 「ああ、判った・・・。」



 俺はディオスの差し出した手を掴み、ヨロヨロと立ち上がる。



 「こっちだよ。」



 ディオスの後をついて、俺はディオスの家へと向かった。

























 「・・・成る程、大体の事情は判った。」



 俺は今、ディオスの家に居る。



 ディオスの作った飯(無茶苦茶、美味い)を食いながら、ダベっている。







 ディオスの話によると俺はボゾンジャンプの失敗により、



 本来、人が訪れることの出来ない『世界の果て』と呼ばれる場所に飛ばされてしまったようだ。



 此処には全次元で過去〜現在〜未来を通して起きる全ての出来事と知識が収められている『アカシックレコード』があり、



 ディオスはそれが悪用されないように『神』・・・信じられない話だが・・・から此処の管理と運営を任されているという。



 火星の極冠遺跡を造った火星先史文明もこの『世界の果て』を目指していたが、先代の管理人によって滅ぼされたそうだ。



 銀河の中心にある『世界の果て』だが、周囲の時空を歪めてあるため、通常の方法では侵入できない。



 そのため、火星先史文明の住人達は時空間を跳躍できるボゾンジャンプを開発したらしい。



 本来ならば、時空間跳躍に到達する程の技術レベルを持つ文明は同時に精神レベルも上がっているはずなのだが、



 火星先史文明は極端に物質文明に偏っていたため、精神面が未熟でもここに到達できるまでの技術を手に入れたらしい。



 世界の果てに辿り着いた者達は管理人によって、



 高位体(全知全能ではないが、神としての能力を充分に持つ存在)に引き上げられるらしいのだが、



 火星先史文明はその技術レベルに反して、あまりにも精神面での成長が劣っていたため、高位体に引き上げられることなく、



 問答無用で先代管理人によって殲滅された(ちなみに先代管理人はその後、ディオスにその役割を押付けて旅に出た)。



 火星先史文明の造った遺跡はあらかた先代によって破壊されたが、



 別の物質極化文明の侵入やら色々あって、まだ起動している遺跡が宇宙にポツポツと残っているらしい。



 ディオス自身も任務の引継ぎや『世界の果て』の運営や管理、神への報告などで忙しく、遺跡破壊などしている暇がなかったそうだ。







 「でも、その『アカシックレコード』を見れば、どの文明が此処に来るかは前もって判るんじゃないか。



 ズズッとディオスの作ったスープを飲みながら俺は続ける。



 「僕達、管理人は『アカシックレコード』の一部しか閲覧を許されていないんだよ。



  管理人は神見習いといった立場でね、全知全能というのは神の特権なんだ。」



 こちらもスープを吸いながら・・・・・・ズズッ。



 「特権ねえ・・・。」



 「それにね、予め何が起こるかなんて判っていたら、面白くも何ともないじゃないか。」



 面白いとか、そういう問題じゃないと思うぞ、俺は。



 「それで、俺をどうするつもりだ?火星先史文明の様に消すのか?」



 ブゥッッッッッッ!!!!



 「ケホッ、ケホッ・・・。僕はそんな無粋なことはしないよ。



  アキトと一緒に戻って、此処に来れないように『遺跡』に細工させてもらう。」



 ディオスはそう言って、噴き出したスープをビチョビチョになったテーブルを雑巾でフキフキ。



 とてもじゃないが、神(見習い)とは思えんな、コイツ・・・・・・・・・。



 「む、今かなり失礼な事を考えていなかった?」



 そんな滅相も御座いません。



 と、俺は首を横に振って否定する、フルフルフル。 



 ヤバイ。



 話を逸らさなければ・・・。



 「細工?そんな小細工せずにぶっ壊したほうがてっとり早いんじゃないか?」



 「・・・逃げたね、まあいいや。



  でも、そんな事をしたらアキト君の絆を壊しちゃうだろ?」



 「俺の絆?お前が心配することじゃ、無いだろう。



  それに俺が居なくなれば・・・。」



 「ストップ!!自分を責めるのも大概にしておきなよ。



  罪を犯さない人間なんていない。



  人間、大なり小なり罪を犯している。



  それに君の犯した罪なんて、僕のものに比べれば小さいものさ。



  なんてたって、僕は世界をひとつ滅ぼしているんだからね・・・。」



 !?世界を滅ぼした・・・どういうことだ。



 俺にはディオスがそんな事をするような人間(神見習いに人間と言うのも少し変だが)には見えない。



 ディオスは、俺の疑問に答えるかのように静かに言葉を続ける。



 「君と同じさ。望んで世界を滅ぼした訳じゃない。ほら見えるだろう、あの女が・・・」



 ディオスは外を見ろと窓を指差す。



 窓から見えた景色はあの紅い世界ではなく、とある一都市の風景。



 まるで地球のような・・・いや、違う。



 その都市はまるで大災害に見舞われたように酷く荒廃している。



 そして、その荒廃した地を彷徨う一団。



 醜く老いた女が先頭に立って歩いている。



 その瞳には精気が無い。



 深い絶望に囚われているかのように、何も映さない女の瞳に俺は本能的な恐怖を覚えた。



 女の後に続く集団も女同様、絶望に囚われた何も映さぬ気味の悪い目をしている。



 「あれは己の傲慢さ故に、僕の住んでいた星を滅ぼした女さ。



  人の生きた証を残したいって言ってね。



  自分は高みの見物。



  僕に、当時14歳だった子供の僕に星に住む全ての命を奪ったんだよ。」



 忌々しげにディオスは言葉を吐き捨てた。



 出会って以来、ずっと浮かべていた笑みは消えている。



 「神の意志でね、彼女は彼女に協力した者達と永遠にあの世界を彷徨い続けていることを義務付けられたのさ。



  死ぬことを許されず、彼女は永遠に醜く老いた姿で彷徨い続ける・・・。」



 パチン!!とディオスが指を鳴らすと窓に映った景色が変わる。



 不快感しか湧かない景色から、静寂に包まれた紅い世界へと・・・。



 「一番、大切なのは心から罪を悔いること。



  そして二度と過ちを繰り返さないこと。



  彼女達は罪を悔いていない、心から・・・ね。



  ただ自分達に与えられた罰から逃れるために、表面的に反省しているにしか過ぎない。



  本当に心から自らの犯した罪を悔いた時、彼女達は<永久(とわ)の罰>から解放されるだろう。



  ま、その時は永遠に来ないだろうけどね・・・。



  アキト君は自分の犯した罪について嫌と言うほど、後悔している。



  そして二度と過ちを繰り返したくないと思っている。



  僕は君にチャンスを与えたい。



  未来を、君が体験した悲惨な未来を変えるチャンスをね・・・。」







 ゴクリ。







 やり直す・・・チャンス・・・。



 それを聞いて思わず、息を呑んでしまった。



 もし本当にやり直すことが出来たのならば・・・。



 「本当に・・・やり直せるのか?



  あの時に戻れるのか?」

 

 「君が望めば・・・ね。」



 恐る恐る訪ねる俺にディオスは口元をニヤリと歪めて言う。・・・少しキャラクターが違ってないか、ディオス。



 って、そんな事(そんな事とは失礼な!! Byディオス)は置いといて、俺はディオスに協力を求める。



 過去に戻り未来を、歪んだ正義によって人が傷つけられる世界を変えるための協力を。



 「戻りたい、いや俺は戻るあの頃に!!」



 ナデシコA時代の思い出が蘇る。



 「ふふ、そう言うと思ったよ。さあ行こう、未来を変えるために!!」



 「えっ、イキナリか!?そういえば、ディオスが居なくなったら『世界の果て』の運営はどうなるんだ?」



 もっともな疑問をディオスに訪ねる。



 「ああ、それなら大丈夫だよ。」



 ほら・・・と俺の後ろを指差すディオス。



 そこには何時の間にか居たのか四人の少女が、煎餅を齧りながらTVを見てくつろいでいる。



 「おわっ!!何時の間に!?」



 「ふん、気付くのが遅すぎるわよ!!バカシ・・・って今は違うわね、ディオスも始めにあたし達を紹介しなさいよ!!」



 紅い薔薇を胸に挿した少女が何故か、偉そうに踏ん反り返って言う。



 な・・・成○川(←意味不明)!?。



 「無理も無いわ・・・。いか・・・じゃなくてディオスの話に夢中だったもの。」



 蒼い(灰色がかった青色)薔薇を胸に挿した少女が言う。



 アルピノっていうのか、蒼銀の髪に紅い瞳・・・・・・神秘的な雰囲気の少女だ。



 「確かにシン・・・じゃなくてディオスの話に掛かりきったものねぇ〜。」



 白い薔薇を挿した茶髪でタレ目の可愛い少女が蒼い薔薇の少女に同意する。



 何か、さっきの蒼い薔薇の子と同じような声なんだけど・・・。



 「・・・あの・・・あまり見つめないで下さい。・・・恥ずかしいです。」



 最後に残った黒薔薇を挿した少女が何を言うのかと思って、見ていると彼女は顔を赤らめ、照れてしまった。



 ・・・保護欲をそそるよな・・・この娘は・・・。



 「おい、ディオス。この娘達は?」



 いかんいかん。



 俺には妻(ユリカ)がいるんだ。



 「ああ、彼女達は『薔薇の花嫁』。僕の妻であり、共に『世界の果て』を管理する者だよ。」



 乱れる俺の心を見透かしたかのように、ニヤリと笑うディオス。



 コ、コイツは・・・!!



 ・・・ん、待てよ。



 妻・・・四人・・・!?・・・!!



 「なッ!!この四人全員がお前の妻ぁ〜!!・・・ディオス、お前って奴は!!」



 「ふぅ、アキト君。世界が違えば、価値観も違う。君の世界にも一夫多妻制の国ぐらいあったろ?



  別に遊びで彼女達と結婚をしたんじゃない。



  彼女達四人を全員平等に愛しているからこそ、四人全員と結婚したんだよ。



  此処の運営は彼女達に任せればいい。



  ひとりひとりの力は僕に及ばないが、四人全員ならば、僕の代理としては充分さ。」



 予め俺の反応を予想していたかのように、冷静に、だが、真剣な表情でディオスは喋る。



 「さあ、行こう。此処でモタモタする必要はないからね。僕の翼に掴まって!!」



 「ああ、行こう。あの時へ、未来を変えるために。」



 ディオスの背中から光り輝く12枚の翼が現れる。



 少し驚いたが、俺はディオスの言葉を信じ、翼の一枚に触れる。



 翼に触れた瞬間、柔らかな暖かい光が俺達を包み込む。







 (変えてみせる、未来を。守ってみせる、俺の俺で居られる場所を。大切な人達を!!)







 そこで俺の意識は途絶えた。



















 未来を変えるべく一人の漢(おとこ)が時を越える。



 少し怪しげな神(見習い)の協力を得て。



 彼らは目的を果たすことができるのか!?







 あたらしい神話が開幕を告げる。



 それぞれの想いを乗せて・・・・・・。





































<おまけ>



 「あ〜あ、行っちゃたね。」



 白い薔薇−−−霧島マナが少し寂しげに、溜息を付く。



 「碇君は戻ってくるわ、必ず・・・。」



 蒼い薔薇−−−綾波レイは瞳に強い意志を宿し、その呟きに答える。



 「・・・・・・新しい女を連れてね。」



 紅い薔薇−−−惣流=アスカ=ラングレーは普段の彼女からは想像できないような、低く重みのある声でボソッと呟く。



 「・・・・・・」



 黒い薔薇−−−山岸マユミは、あまりの恐ろしさに震えている。いや、あまりの怒りで震えているのだろうか?



 世界の果てにある『碇シンジ』改め『ディオス邸』に重い雰囲気が漂う。



 「でも、大丈夫よ。普通の女性じゃあ、彼についていけないもの。」



 気を取り直すようにマナが声を出した。



 「・・・そうね。アイツの、馬鹿シンジの事を受け止めることができる奴は私達以外、居ないものね。」



 マナの言葉にアスカが反応する。



 「♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪」



 重い雰囲気から一転して明るい雰囲気になったディオス邸に突如として鼻歌が流れる。



 「これは・・・ナルシスホモ!?」



 紫の薔薇と何故か、無意味に電光で体を装飾した少年−−−渚カヲルが現れる。



 「歌はいいねぇ、リリンが生み出した文化の極みだよ。ふふふ、久しぶりだね。アスカちゃん。」



 胸に大穴を空け、血をどくどくと流しているにも関わらず、余裕を見せるカヲル。



 「アンタは確か、セントラルドグマ最下層にロンギヌス・コピーで貼り付けにした筈!!」



 「使徒を肉眼で確認。これより排除行動に移ります・・・。」



 アスカとレイはそれぞれ殺気を纏い、カヲルを排除しようとするが・・・。



 「昆虫採集の時の虫とリリスの気分が良く判ったよ。って今はそんな事を言っている場合じゃない。



  早く、シンジ君を追いかけるんだッ!!」



 いつものアルカイックスマイルを崩し、珍しく緊迫した表情を見せるカヲルに四人娘は動揺する。



 「・・・・・・どーゆうこと?」



 いち早く立ち直った元リリスこと綾波レイが、カヲルにその言葉の真意を尋ねる。



 「どういうことも、こういうこともないよ。



  シンジ君達が向かった先−−−テンカワ=アキトの世界には、六番目の『薔薇の花嫁』となりうる女性がいる。」



 「!!そんな・・・シンジ君を受け止められる人は(認めたくないけど)渚さんを含めて5人しかいない筈。」



 カヲルの放った言葉の衝撃のあまり、顔面を蒼白してマユミが声を荒げる。



 が、ちゃっかり心の中で『注』付けるのは流石だ。



 「ハルカ=ミナト。六人目の薔薇の花嫁と成り得る可能性の所持者。



  僕らが絶対に持ち得ぬ『母性』とダイナマイトバディ(死語)を持つ女性だ。



  マザコンでおっぱい星人のシンジ君が彼女を口説くのは火の目を見るより、明らかだ。



  此処の運営は僕一人でも何とかなる。



  早く、君たちはシンジ君の後を追うんだッ!!」



 更なる衝撃を受ける四人娘達。



 しかし事の重大さを理解したのか、すぐに行動に移る。



 「シンジの・・・」



 マナ。



 「碇君の・・・」



 レイ。



 「馬鹿シンジの・・・」



 アスカ。



 「シンジさんの・・・」



 マユミ。



 「「「元へ・・・!!」」」



 全員の声が、想いが重なり『光』が生まれる。



 先程のアキト達を包んだ光と同じもののようだ。



 光に包まれ、シンジの後を追いかけて飛び去る四人娘。



 「・・・これ以上、ライバルを増やしたくない。君たちに頼るのは癪に障るけど、頼むよアスカちゃん、リリス、マナ君、山岸さん。」



 後に残ったカヲルの声は主を失った紅い世界に一人響いた・・・・・・。







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あとがき



 はじめまして、ジョー・リノイエと言います。

小説を書くのはこれが初めてなので、まだまだ内容も技術も何もかも未熟ですが、長い目で応援していただけたら嬉しいです。



 EoE後エヴァ+ナデシコという形のSSは既に幽さんの『二重螺旋の瞬間』という名作があり、

非常にプレッシャーを感じますが、何とか完結させるまで頑張りたいと思います。



 それでは次話:第一話『君の名は・・・(仮)』をお楽しみに〜。

 

 

 

管理人の感想

 

 

ヒスロディさんからの初投稿です!!

いや〜、出だしでなんとなくそうなんじゃないかと思いましたが(苦笑)

シンジの名前で誤魔化されましたね〜(爆)

勝手に改名するなよな〜(笑)

それにしてもちゃっかり4人ともお嫁さんにしてるし。

でも、まさかミナトさんを狙うって・・・ねえ・・・

とりあえず、カヲルの扱いはあんなモノですかね(苦笑)

 

では、ヒスロディさん!! 投稿有難うございました!!

 

ヒスロディさんは都合によりメールアドレスも持ってられません。

ですから感想等を出される時は、この掲示板に書き込んで下さいね!!

では、皆さんの感想を宜しくお願いします!!