一騎当千
〜第二十一幕〜













一日というものは、いかなる者であろうとも平等に与えられる。

権力者であっても、その日を生きるだけに必死となっている者でも…


日は東より出でて、西に落ちてゆく。

朝、昼、夜とその時間は人間のごときに自由にされることなく、規則正しく刻んでいく。




人は、朝に起き、昼に業を成し、夜に眠る…



それがごく普通の人々の暮らし…






しかし、昨日と今日、今日と明日、夜と朝の境目は存在するわけではない。

「その日」もまた生きているのである。


そして、その中でも「活動」をする人間もまた存在するのである。




本来、活動しない刻に人が「動く」

それにはすべからく「理由」が存在する。



その「理由」というのが、通常のものとは異なるものであるかはわからない。

しかし、あえて「夜」という刻を選ぶこと自体、通常とは異なるといえるのである。













街という存在も、夜にはその動きを止める。

昼に賑わっていた通りは、その広さを感じさせるだけの存在となっていた。

行き交う人の声や、耳に入ってくるいかなる音も今では存在しない。



夜の黒はあたりの景色をすべて一色に塗りつぶしてしまっている。

いつも暗闇を照らしている月がその姿を隠していることも、一色となっている要因だろう。


柔らかな光によって照らされる「深青」の色も「黒」の色となっている。


大抵の者ならば、このような「黒」の中に足を踏み入れること自体避けるだろう。

自分がどこに居るのかさえわからなくなる…まるで、暗闇に放り出されるように…





しかし、人の中にはその「黒」を好む者もいる。


その黒を住処とし、糧とする者…


黒に住まう住人、それもまた人間なのである












その街の黒の中に闇が存在していた。

それは黒と同化し、常人では悟ることも出来ないほどの穏形…


月のない夜の中をその闇は駆け抜けていた。



しかし、闇は黒には近いとはいえ、同じものではない。

闇はどこまで行っても闇なのである。



確かに常人には悟ることの出来ない穏形……そう常人には…








闇は焦っていた…


普段その闇から人を観察し、時に追う立場にいるはずの自分




その自分が追われていた。




人気のない街の黒の中で、闇が駆け抜ける。

しかし、闇の発する焦りの気は隠しきれないところまで来ていた。


その耳に、自分を追う者の足音が入り込んでくる。

それがさらに彼の焦りを誘う。


人数は多いというわけではない。

しかし、自分にとっては「生きて帰る」ことが第一義である。

そのための危険を冒すわけには行かないのである。



だから、今は逃げるだけなのである。

落ち着いていけば問題ない…そう言い聞かせていた。















いくつの市街の角を曲がったであろうか…

ようやく、追ってくる者の気配が遠くなってきた。

そこで、闇は歩の速度を落ち着かせる。



彼の任務は、宮殿の調査である。


本来は敵国のいかなる情報も見逃さず、それを報告する役割である。

時には流言を用いて、敵国を混乱させることも行っている。


その任務は場合によって異なる。

今回はその一つに過ぎない。



いわゆる戦争の裏側で行われる「暗闘」

その最前線が彼の居るところなのである。





追っ手を撒いたと思い安心していた闇だったが、突然その歩みを止めた。

闇の黒の中でも見えるという暗視の目は、前方に立つ人影を認めていた。




闇の身に緊張が走る。

そしてその人影が自分に気づいていることを、何より自分の感覚が知らせてくれた。





相手は徐々にその間を詰めてくる。一歩一歩、静かだが確実に…。





「逃げる」という選択肢はなくなっていた。

…「逃げられない」と感覚が訴えていたからである。



ふと、闇の脳裏にある情報が浮かぶ。

宮殿の調査に向かった者の行方を…




スゥと何かが降りてくる感覚…


その瞬間、闇は焦りも驚きも消し去り、純粋な「殺気」だけを発していた。

そして、自らの刃を構える。






宮殿に行った者の行方……












それは誰も知らない。











それが答えだった。












徐々に人影が闇に近づいてくる。その歩調は規則正しい。

かすかに地を踏む音、鎧の音が人影とともにやってくる。



闇の目は人影の輪郭を捉えていた。

その手には棒状のものが見える。おそらく槍であろう。


冷静に相手を観察しながら、自分の絶対の間合いに入ってくるのを待つ。



しかし、その「待つ」ということは予想以上に困難だった。

自身に向けられる抜き身の刃のような鋭い気が、その闇の精神を圧迫する。

闇から見る人影の輪郭では、相手は無造作に歩いてくるだけにすぎない。




ただ、焦りだけが増大していく…




結果、耐えられなくなった闇は弾かれたように人影へと襲いかかる。







刹那の交差







街の通りに、鈍い音が響く

ただ、黒一色の世界で生れた音…














そして闇は消え、黒だけが支配する夜となった…





























先ほどまで「闇となっていた」人間が地面に倒れている。


心の臓を槍で貫かれ絶命している。

ひょっとすると、自分の命が消えたことも気づいていないかも知れない。

それぐらい見事に貫かれていた。



その槍の持ち主である人影は、ゆっくりとそれを引き抜く。

瞬間、せき止められていた血流が逃げ場を求め、激しく流れ出した。

倒れこむ地面にその体を中心に染みが広がっていく…

尤も、月夜のない暗闇の中それを確認することは出来ない。

ただ朝にもなれば、ここに赤い血溜りが出来ているだろう。


影は、その槍を軽く一振りし、余分な血を飛ばす。

それは今まで幾度となく行ってきた動作のように自然な動きだった。


光がないため、その姿、表情はわからない。

動かない死体を目の前にその人影はどう思っているのだろう。








そのとき、遠くから数人の足跡が届いてきた。

遠目に転々と赤い光が見えている。おそらく衛兵の持つ松明の火であろう。

この暗闇の中でその唯一の光はこの上なく目立った。


徐々に光がこちらへと近づいてくる。

真っ直ぐ向かってくるところを見ると、向こうはこの人影を認識しているのかもしれない。

人影は、ただその光がこちらに近づくのを待っていた。


程なくして、松明の光と共に2、3人ほどの人間がやってきた。

火に照らされ、その場にいる人物の姿が視認できるようになる。

同時に先ほど命の火を消した屍の姿も浮かび上がった。




「趙雲殿…」



松明を持ってやってきた人物の一人がその死体を確認し、声をかける。

その声と共に、その姿が浮かび上がった。

陸伯言、アキトの護衛兼目付けに当たる人物である。

そして、声をかけられた相手―先ほどの人影は趙子龍その人であった。










趙雲は命のやり取りをした余韻も残さず、自然体に立っていた。

ただ、彼の持つ槍の血と、傍にある死体がその事実を物語っている。


陸遜は目で横にいる兵に、死体の処理を命じる。

訓練された兵士は、無駄な動きもなく行動を移した。



「…お見事でした」


陸遜はその作業を横目に見ながら、趙雲の労をねぎらう。

といっても、彼の表情は予想通りであったのか、いつもと変わらず微笑を浮かべている。



「…いえ、これしきのこと何の問題もありませんよ…」


そこでようやく趙雲も言葉を発す。

その声は普段と変わらない口調であった。


「それよりも、間者の逃走経路を読んだ陸遜殿こそ流石ですね」


軽く笑って彼は陸遜に返す。

が、陸遜はゆっくり首を振る。


「何のことはありませんよ…こういった行動は常に『最善』の行動をしようとします。

 なら、それに対応した動きをすれば…至極読みやすいことですよ」


誰でもできることですよと言わんばかりに言い放つ。


「…それが出来るということ自体、驚くべきことなんですよ…」


少し趙雲は苦笑しながら同僚に言葉を送る。

ここのところが、知略に優れる者たる所以なのだろうと頭の片隅で考える。



見張りに発見され宮殿から逃走した間者に対して、最も通る確率が高い経路を予想した。

そして、そこに趙雲を先回りさせたのだ。

一度追っ手の勢いを弱め、「撒いた」と思わせるのも策のうちだった。

人は危険が去ると緊張を解き注意が散漫になる。

ある意味、間者は彼の手の内にいたのである。






「それにしても、最近になって間者の数も増えましたね…時期的に仕方ないとは言え…」

「ええ、街でも見慣れない輩が増えてきているのも感じます」


二人は表情を固くして、現状を分析する。


「もとより、間者の数から国力、兵力などの大まかな情報が流れていくのは承知の上です。

 実際今までも悟られていることですし、こちらも相手のその辺の情報は握っています」


陸遜は少し苦笑しながら言う。聞く趙雲はまだ表情は固い。


「逆に言うと、こちらも相手の中枢の情報は握れていない…こちらの間者も水際で阻止されている模様ですから」


陸遜の言葉の間に死体の処理はあらかたすんでいた。あとは染み込んだ血を土で隠すだけである。


程なくしてその作業も終わり、その場には趙雲たち二人だけになる。

見張りについては引き続き警戒をしておくように通達をした。




暗闇に二人が残された…




「この戦い……ある意味薄氷の上に成り立っているものですね…」


しばらく、口を開かなかった趙雲が小さく、しかしはっきりと聞こえる声を発した。

その言葉に相手は少し手を口元に持っていき、目を瞑る。


「…そうです…だから、私達はこうして間者に対して敏感になっているんです…」


陸遜の言葉に趙雲は深く頷く。


「…この戦い、我々には勢いがあります…それは明白なこと…。

 おそらく、魏と互角以上の戦いが出来ると見ています」


陸遜は言葉を続ける。

が、内容に反してその表情は芳しくない。

そして、趙雲もまた同じような表情をしている。


「しかし…」


そこで陸遜は言葉を止める


「…それは戦力的なだけなこと。もっと戦略的に考えると…こちらが圧倒的に不利です」


陸遜は冷静な目をして断じた。






「……敵にとっては『ただ一人』を討ち取れば勝利ですから…」


趙雲が彼の言葉を付け足す。

瞬間、二人の目が合った。そしてお互いに思うことが同じであることがわかった。




「そう…ただ一人…アキト様を討てば…魏は勝利する。

 逆に言えば、我々はアキト様を守らねばならない…」


陸遜は唱えるように、決意するように語る。


「…そのためには、アキト様の周辺を探らせるわけには行かないのです…」







そして、趙雲が呻く様に口を開く



「……アキト様は……」












―――― 『弱点』が多過ぎる










趙雲の声は、後半言葉にはならなかったが、陸遜には言いたいことはわかった。







「…もし私が魏の人間なら、アキト様の弱点を突き……アキト様を討つ…

 そしてアキト様を失ったこの国は、自滅をしていくでしょう…」






陸遜の言葉は、軍師としての戦略眼からはじき出された答えだった。

そして、それはこの国の危うさと戦いの厳しさを物語っていた。



もともとこの国は「呉」と「蜀」が合わさって成立しているのである。

どちらが一方を圧倒して吸収したというわけでない。


ただ、アキトという存在の下で互いの国力を合わせたというのが実際のところだ。

つまり、まだ人々の中では「呉の人間」「蜀の人間」という意識が残っているといえる。



それは、国の中枢にいる、武将、官僚にも当てはまった。



つい最近まで戦争状態になっていた両国。

ここで、アキトを失うとなれば、この国は以前のように分裂するであろう。

そして、以前のように対立するであろうことは容易に想像できる。



もはや「呉」「蜀」一国の力では「魏」には及ばない。

ただ、滅びを待つのみである。



両国の関係を支えているのがアキトの存在である。


ある意味、両国に関係ない彼が主であるからこそ、この新しい国が成り立っているのだ。

もし、片方の国の人間が主になれば、もう一方の国が反旗を翻すは必至。


よそ者であることが国をまとめさせている要因、というのはなんとも不思議なことであるが事実である。


その彼が両国の君主に禅譲されたからこそ、この国の正当性が成り立っているのだ。

彼の後を継げる存在といえば彼の子供ぐらいだが、あいにくアキトには子はいない。

あるいはアキトが指名するということもあるが、それが出来るほど国として安定し、成熟しているわけではない。



人々はまだ「以前の国の民」と感じているのだ。

つまり現状では、彼がいなくなればこの連合国家であるこの国をまとめるに値する、そして認められる人間がいないのである。



だから、戦略的に「魏」にとってはアキトを討てば勝利なのである。



今まで陸遜は彼の行動を見てきた。

それは時に感服し、時に不安を覚えるものであった。


以前、甄姫を助けて濁流に流されたとき、彼はアキトを殴った。

それは、このことを誰よりも危惧していたためである。



彼に自身の立場を理解して欲しかった…



誰よりもアキトの重要性を理解していた。

国のため、そして民のために…彼を失うわけにはいかないのだ。




そして、陸遜はアキトの行動原理をある程度見抜いていた。

だからこそ、アキトの周りの人間を危険にさらさせるわけにはいかない。

きっと彼はその者のために、自身が矢面に立つような行動をしようとするはずだから。





これから、戦争は激化していく…

そしてそれだけアキトへの危険が増すことを意味しているのだ。




「………しかし…」


そのとき、ふと同僚の声と視線を感じた。

伏せていた顔を上げてみるが、暗闇のため相手の表情はわからない。

しかし、彼の纏う雰囲気は陸遜とは異なりやわらかいものに変化していた。

そして暗闇の中から、静かな声が伝わってくる。


「……逆に言えば、アキト様を護ることが戦いの勝利につながるということですね…」


その言葉に陸遜は軽い驚きを覚えた。

確かにそういった考え方も出来る。

もちろんそんな単純なことではないが、それが真実であるような気がした。

新しき主ならきっと、この時代に生を受けた者すべてが持つ大望を果たしてくれるだろう。



(……それにしても)


陸遜はかすかに苦笑する。ある意味すんなりとそう考えることが出来る趙雲がうらやましく感じていたのだ。

普段、軍師として不利な点を洗い出すことをしていたため、そういった考え方を忘れていたのかもしれない。


(軍師というのも…損な役割かもしれませんね…)


そう内心ため息を吐く。

この役割は、世界の面白いことを見逃してしまうこともありうるかもしれない。

そう思った。




そのとき、風が彼らの間をすり抜けた。やや肌寒さを感じる。

その中で彼はただ目をつぶっていた。







そして沈黙の後、彼は目を開き、呟いた。


「……そう信じていいのかもしれません」


計算を生業とする軍師らしくない「信じる」という行動。

それは「軍師」という枠を超えた「人」としての気持ちだった。







「……ならば、この護衛は誇るべき役割といえるでしょうね……」


陸遜の言葉に、趙雲は自信にあふれた声を発す。

槍を握る手に力が込められる。



趙雲はアキトの護衛として命を賭ける必要があり、同時に値することだと感じていた。

それは陸遜も同じ気持ちであろう。





(私と陸遜殿…思えば敵同士…)


ふと同僚のことを思い浮かべる。

敵の武将として敬意を払っていたが、所詮は敵国の人間。

このようなことがなければ、互いに命の奪い合いをしていたことは間違いない。

だが、今では同僚として互いにアキトのために身を尽くしている。

そして互いに信頼があることは感じている。




これも二つの国が合わさった一つの結果。



これからもこのようなことが多く見られるだろう。






それが主を護ることで果たされる。

自分には、民の安寧のためにすべきことが見つかっている。





「……陸遜殿…、私達は幸せなのかもしれませんね…」


彼は実感するように呟く。それは静かだが力強い声だった。

その声に相手は顔をあげ、彼のいる方向を見る。

暗闇のためその表情はわからない。しかし、彼にはどんな顔をしているかわかったような気がした。


「…そうですね……」


だから、陸遜は軽く微笑んで同意した。






人は自分の生きる目的というものを求める。

そして、多くの人々はそれを悟らないまま死していく。







自分たちはやるべき事が見つかっている。


何に生き、何に死ぬのか…






それを幸せと言わずなんと言おう。




戦いは確かに厳しい。しかし、乗り越えて行く価値がある。

その先に見える後の世のために…








空を見ると暗黒の雲が割れ、小さな煌きが彼らを照らしていた。
































穏やかな光が部屋に差し込んでいる。

晴れた日特有の緩やかな風が流れ込み、中にいる者にとっては快適な環境となっている。


その部屋には、二人の人物がいた。

一人は寝台の上で上半身を起こしており、もう一人は傍らの椅子に腰掛けていた。


寝台の者は大喬、椅子に腰掛けている者は小喬。

天下に「二喬」と称えられる姉妹であった。



現在、大喬は先日の戦いの折に負傷したこともあり、大事をとって療養していた。

負傷といっても疲労の方が大きいのであるが…かといって怪我をしなかったわけでない。


彼女に巻かれている包帯がそれを物語っていた。







「…はい、お姉ちゃん…」


小喬が水の入った器を姉に手渡す。

それは蒸留された水であり、冷水で程よく冷やされていた。


「ありがとう、小喬」


受け取る姉は、いつもの穏やかな笑みをたたえている。


そして、その水に口をつける。

純粋な水が体に染み渡るように彼女を潤していく。

若干、その冷たさが体の熱を治め、心地よい感覚が訪れる。



そのとき、外から柔らかな風が吹き込んできた。

思わず、二人は外を見る。

そこには静かな景色が存在しており、しばらくそれを眺めていた。








「大分、良くなったみたいだね…」


この穏やかな時の中で小喬が尋ねる。そこにはどこか安心したような顔があった。

彼女自身、姉のことを心配していたのだろう…。


「…みんな大げさなのよ……休んでいれば良くもなるわ」


大喬は苦笑しながら、妹の言葉に答える。

心配性なんだからという気持ちがあるのだろう。

しかし、逆の立場であれば大喬もまた同じように妹を心配し、妹も同じ気持ちを持つのは間違いない。



結局、相手を大切にしている姉妹なのである。





しかし、姉の言葉に対して、妹は逆に表情を暗くする。


「……でも、傷は残っちゃうよね……」


彼女の目は、大喬の腕の包帯に向けられていた。その目には少なかれ悲しみが見て取れる。

流石にその雰囲気を感じて、姉は困ったような顔をした。


「…………仕方ないことよ…」


彼女は、ただそう答える。


そう仕方のないこと


戦場に出る以上、それは必定のこと




「相手はあの張コウよ…、むしろ命があるだけ良かったことで、感謝すべきだわ…」


張コウとの戦いは、彼女にとっては厳しいものだった。

彼によって、体には多く傷をつけられた。


しかし、彼女だったからこそ致命傷がなかったのである。

多くの者は彼の爪によって葬られているのだ。


しかも、あの時アキトが来なければ、彼女自身の命をも散らしていただろう。


そう…彼女の言う通り、命があること自体僥倖なことなのである。




しかし、小喬の表情は晴れなかった。


「……でも…、お姉ちゃん…」


何かを耐えるかのように彼女は呟く。

彼女もわかっているのだ…ここに姉がいる幸運を…。

しかし、感情では納得できない。あの美しい姉の肌を汚したことに対して…。


「……小喬……」


大喬は妹が納得していないことを悟っていた。

しかしそれが自分を思ってのことだったため、彼女はただその名を呼ぶしかなかった。





その時、部屋の空気が動いた。というより、新たな来客を告げる足音が聞こえてきた。

瞬間、部屋を覆っていた複雑で、停滞した空気が霧散した。

流石に来客に感じさせるわけにはいかない空気であると彼女も悟っていたのである。



数秒して、その足音の主が姿を見せる。

それは、彼女達の大切な者でもある人物であった。


「アキト様…」

「アキト…」


二人は少し表情を明るくして口々に呼ぶ。


「こんにちは…大喬さん…小喬ちゃんも…」


そして来訪者―アキトは二人に挨拶をしたのだった。











先ほどまで、小喬が腰掛けていた椅子にはアキトが座っていた。

そして、寝台の大喬をはさんで、アキトの向かいに小喬が立っている。


「アキト様、どうもわざわざ訪ねてくださいましてありがとうございます」


大喬はアキトに来訪のお礼を言う。

決して「こちらにはいか用で?」といった無粋なことを言わないのが流石といえる。

細かな心遣いを見せる女性である。


「あ…ああ、それぐらいお礼を言われるほどでもないよ…当たり前のことだから…」


アキトはそれに軽く微笑んで答える。


「そうそう、怪我人が気を使う必要はないの……まあ…手ぶらってところがアキトらしいけど」

「小喬!!」


その会話を小喬が茶化し、それを姉がたしなめる。

それに対して、妹は悪戯っぽく笑っている。


「どうも…失礼して……」


その姿に、呆れながら姉は、アキトに対して謝る。


「いや、いいよ…事実だしね…」


そしてアキトもまた苦笑をもって返した。




『…でも、普通は何か持っていくよね…』

『だから、アキト兄は無粋っていわれるのよ』


アキトの内側からも無責任に非を責める、二人の声がする。


『…なら、行く前に教えてくれても良かったんじゃないか?……ブロス…ディア?』


流石にアキトは身内の文句に対して反論をする。

しかし、口でアキトが勝ったためしなどない。


『それを他力本願っていうの…』

『忘れたのはアキト兄自身の責任だよ…』


あっさりと切り捨てられる。


『そこまで言うか……事実なだけに言い返せないが…』


その物言いに少しいじけるアキト。




そんなやり取りを、大喬たちは知る由もない。

ただ、少し暗くなったアキトを感じたのか…小喬が少し焦る。

予想ではこれぐらいでは暗くなるはずではないと彼女は見ていたのだが…

しかし、現実はアキトの気が暗くなっている。


(…これは…まずいかも…)


暗くなった原因が自分の言葉にあるとすれば、姉は間違いなく自分を責めるだろう。

このままでは間違いなく姉に……






姉の満面の笑みが浮かぶ


もちろんその姉の目は笑っていないが…







「ま…まあ、でもお姉ちゃんにとっては、アキトが来たこと自体が一番の見舞いだよ」


何かが体を走り抜けたのか、急に小喬はフォローを入れる。


「……?」

「小喬!!」



その言葉に、少し暗くなっていたアキトはそれを消して、よくわからないというように首をかしげる。

一方、大喬は先ほどと同じように妹を注意する。

ただ、先ほどとは違い、微妙に顔を紅潮させているのは気のせいではないだろう。


(…良し……あとは…)


とにかく、この発言で先ほどのアキトの暗さは霧散した。

何とか危機は脱したといえる。


「…あっ、私…水をもらってくるから……」

「…小喬ちゃん…俺が……」


彼女はアキトの言葉を遮り、間髪いれず空に近くなった水差しを持って部屋を出て行く。

全く違和感のない流れだった。





部屋にはアキトと大喬が残される。


「なんだったんだろう……」


アキトがポツリと呟く。



一方、大喬は少し顔を紅潮させながら、出て行った出口を見ていた。

そこに過ぎる思いは……


(……小喬「ちゃん」……後で………よ…)



どうやら、危機は脱せ切れなかったらしい…いやむしろ悪化したのだった。














小喬による喧騒の後、二人がいる部屋は穏やかな時が戻っていた。


「…調子はどうだい…」

「ええ、もう大丈夫です…ほとんど良くなりました」


アキトの問いに彼女はやんわりと微笑んで答える。

しかし、アキトにはその微笑を笑みで返すことは出来なかった。


なぜなら、彼の目は彼女の体に見える包帯に目がいっていたからである。

そのアキトの表情は痛みを耐えているようにも見える。


流石にその様子に大喬もまた気づいた。

そして少し複雑な表情を見せつつ、穏やかな声でアキトに話しかけたのであった。


「アキト様……今考えていることを当てて見ましょうか?」

「………」


彼女の問いにアキトはただ黙っていた。

そして…



「…私を傷つけてしまったことを申し訳ないと思っているのでしょう…」

「………」


彼女の言葉に、アキトの軽く握られた手に力が入る。


「それにもう一つ……」


彼女は言葉を続ける。


「…自分によって多くの人々が戦争に『巻き込まれる』ことに迷いを感じておられるのでしょう」

「………!!」


その言葉を発した瞬間、明らかにアキトの表情が変化した。…驚愕の表情に。

部屋に沈黙が訪れる。



(そう…これからの戦争は今までとは違う…)


アキトは考える。


今まで、自分は平和のためにこの力を振るってきた。

前の世界では和平のために…

そしてここでは侵略を防ぐために…


それは戦争が起こってしまっていたからこそ、それを終えるための行動であった。


つまりは「護る」ための行動


しかし、これからは攻める立場となる。

つまり自分が「戦争を引き起こす」事となるのだ。



復讐鬼の時には自分のために多くの人を巻き込んだ。

あの時、自分は何より復讐を選び、巻き込まれる人のことなど考えなかった。

いや、考えたかもしれないが無視していた。


いくらそんな過去があるともいえども、好き好んで多くの人を巻き込むことはしたくないのが正直な気持ちだ。





そして、目の前で実際傷ついた人を見ていれば思うのは当然である。




しかし、多くの人は望む…この世の安寧を…その手段は戦いでしかない。




アキトは悩んでいた。

そして、それは簡単に割り切れるものでもない。

3ヶ月という期間が与えられた以上、結論を出さねばならない。

ある意味、今回の見舞いも多くの思いを聞くためのものだったのだ。


どうやら、相手には見抜かれていたらしい。







「アキト様……私の話を聞いてくれますか……」


その沈黙の中で、それを破ったのは大喬だった。

両手を軽く合わせその手を見つめている。


「……私は過ちを犯しました」


その言葉はひどく固かった。


「失った悲しみから、何もしないという『過ち』を…」


搾り出すように…

ただ、アキトは黙って聞いていた。


「そして、それは自分に何ももたらしはしませんでした。

 それだけでなく、周りの大切な人にまで悲しみを与えていたのです…」





夫・孫策を失い、自分の中で時を止めることで、悲しみを忘れ…いや感じないようにした自分。

それは、周りの悲しみを引き起こすだけのものだった。

そして、それは自分に何をもたらすものでもなかった。


そんな時、彼女は彼に出会った。

そして「生きる」という戦いを始めたのだった。





彼女はアキトに顔を向ける。それは強い意志を持つものであった。


「アキト様は立ち止まらないでください」


それは願いだった。自分のようにならないための…


「何もしない…それこそが一番の『不幸』なのですから…」


それは実感がこもった言葉…

そして、その思いをアキトは強く感じた。



しかし…アキトの迷いは晴れない。

それは、目の前の『彼女が傷ついている』という事実。

自分の大切な者が傷つき、果てに命まで落としてしまうのならば…





アキトの「身近な者を護りたい」という気持ちに根ざすものであった。

そして、今回は彼女を戦場に駆り出すこととなり、傷つけてしまった。


戦場に出すべきではなかった。

護りたいから危険なことはさせたくもないし、巻き込みたくもない。

ある意味、傲慢で自分勝手な考えかもしれない。

しかしそう思うのだ。





アキトは彼女の言葉を受けて口を開く


「……大喬さん、俺は…「はい、お姉ちゃん…水もらってきたよ……」」


しかし、アキトの言葉は戻ってきた小喬によって遮られた。


「ありがとう小喬…」


そして、大喬は妹に礼を言う。

今まで深刻な話をしていたとは思えないほど、自然な言葉だった。


小喬はそのまま姉の寝台の横の台の上に水差しを置く。

ゴトッと陶器の当たる音が聞こえた。



「……ふう、ちょっと疲れました…すみませんが眠らさせていただきます…」


それを見ていた大喬は、少し疲れた表情を見せながら申し訳なさそうに言う。

見舞いに来てもらったのに、もてなしも出来なくてすまないと感じているのだろう。


「じゃあ、私達も帰るわ…」

「ああ、大喬さん…お大事に……」


そう言って二人はその場を辞そうとする。小喬は出口へと進み、アキトは席を立つ。


「…アキト様」


そのとき、大喬に呼び止められた。

アキトが振り向くと真剣な表情の彼女がいた。


「アキト様が何を選ぼうとそれは間違いではありません……もとより正解などありはしませんから…」


その言葉にはアキトを心配する気持ちが込められていた。


そしてアキトはその言葉に頷くことで返したのであった。





















二人は部屋を出て廊下を歩いていた。

特にどこかに向かっているわけではない。しかし、足は動いていた。


そして彼らを包む雰囲気は、どこか話しかけ辛いものであった。

それはアキトが考え事をしていたこともある。


しかし、小喬はそれとは関係なしに彼に声をかけることができなかった。

きっかけがつかめない…そんな沈黙の悪循環に陥ってしまっていたのだ。


相手の考えていることはわかる…そして、そのことに対してかける言葉も持っている。


けれども言えない。



アキトの考えていることは、大喬のことも含めて、自分たちのことであるのは容易に察することが出来る。

気にするなと言われても気にするのが彼なのだと、小喬は短い期間ながらに彼を理解していた。


だから余計に言うことが出来なかった。

しかし、彼のためになるのならば言わなければならない。

それは自分たちが望むことなのだから…



そして、長い廊下を抜けて、十字路に差し掛かる。


「あっ…私はこっちだから…」


アキトがそのまま真っ直ぐ行こうとするのを確認しながら、彼女は右に体を向ける。

彼は考え事を続けていたためか、少し前のめりになって彼女の方を見る。


「あ…ああ…わかった…」


少し言葉を詰まらせ、どこか曖昧な返事をするアキトを見て、小喬はため息をつく。

尤も、彼女のこの仕草は「ふり」であり、実際は自然に話を切り出すための演技であった。

彼に対して、余裕を見せておくというという態度の現れでもあった。


「…ったく、何を悩んでいるのよ…もっと単純に考えればいいの…」


その声に、アキトの目が小喬を「見つめる」

今まで、考え事に没頭していて周りを見ようとしていなかったようだ。

そんなアキトの変化に、少々満足しつつ彼女は話を続ける。


「…確かに、お姉ちゃんは傷を負った…それは事実…」


その言葉に、アキトが少々顔をしかめる。


「でもそれは『結果』よ」


が、彼女はあえて無視をして、断言した。


「…極論を言うなら、お姉ちゃんが『好き』でやったこと…それに対してアキトが責任を感じる必要はないわ…」


そこで、彼女は厳然たる言葉で言い放つ。その口調は固い。


「…それでも、アキトがお姉ちゃんの行動を否定するなら、それはお姉ちゃんに対する侮辱よ…」

「………」


アキトはただ、黙り込んでいた…。


「まあ、あえて責任を感じるとしたら…お姉ちゃんを怪我させたことね…

 尤も…それはアキトだけでなくあたし達の責任でもあるけど…」


そこで、少し口調を軽くして彼女が苦笑する。

その雰囲気にアキトは、少し虚をつかれた表情を見せた。


バンッ


「だーかーら、済んだことを悔やんでいるより、今アキトが出来ることを考えなさい。

 そのほうが、よっぽど怪我したお姉ちゃんのためよ……」


突然、彼女はアキトの背中を平手でたたく。

いきなりの衝撃にアキトは少し前に数歩たたらを踏んだ。

そしてその痛みに耐えるように、背中を少しそらしながら彼女の顔を見た。


そこにはにっこりと笑う彼女の姿があった。


「…あと、まめにお姉ちゃんのお見舞いに行くことね……きっと喜ぶわよ…」

「いきなり酷いよ…小喬ちゃん…」


アキトは少々情けない声をあげて、彼女に抗議する。

おそらく彼の背中は赤くなっていることだろう。


しかし、先ほど悩んでいたという後ろ向きな雰囲気は消えていた。



たった少しのことで雰囲気を変えてしまう…それが彼女の魅力の一つでもある。

アキトは彼女が放つそれに気が楽なったような気がした。


だから


「ありがとう…」


と一言告げたのである。



その言葉に小喬は少し呆気にとられたが、すぐにいつもの笑顔を見せた。


「…わかった?……アキトは今自分が出来ることを考えなさい」


その言葉にアキトは大きく頷く。

そして、通路の奥へと歩を進めていった…。


























小喬はアキトの後姿が通路の奥に消えるまで目で追っていた。

それまで、彼女はアキトに見せた笑顔を「崩して」いなかった。


そして、彼女だけになったとき…突然その表情を変える。


「…そう…これはアキトが関わる問題じゃない……」


ひどく固く、冷たい声だった。

先ほどアキトに見せていた言動がまるで虚偽のものであるかのような印象を受ける。


シンと静まり返った廊下に、彼女一人が立っていた。


「…張コウ……」


ポツリと呟いた、その声はまるでうめくような声にも聞こえる。

ただ、そこにこめられし思いはまさしく「負」の感情であった。


「…お姉ちゃん…」


彼女の脳裏に浮かぶのは、姉の痛々しい姿。

自分の憧れであり、自慢の姉が傷つき、倒れた。


命こそあれども傷は残るという…


袖を握る手がきつくしまり、袖に幾重のしわが走る。




そして、発する声は彼女を知るものでも誰も聞いたことがない声だった。


「…お姉ちゃんを傷つけた報い…思い知らせてあげるわ…」




姉は言った。   「仕方がない」と…




姉は言った。   「命があるだけ良かった」と…



そんなことは彼女には関係なかった。

あるのは「姉を傷つけた」という事実。

それだけだった。



彼女の中で姉の存在は大きい


それは「もう失いたくない」という感情に起因している。

彼女自身、自分の幸せより姉の幸せを強く願っているところがある。

ある意味、姉を最も大切にしているのだ。


幼いころから二人ともに歩んできたため、その思いは強い。

姉という存在は彼女の憧れでもあったのだ。

姉の前だけは、彼女の大人びた雰囲気も薄れてしまうのもそこのところに理由がある。


その姉が傷つけられたという現実に、彼女が強い怒りを持つのは必然だった。



しかし、彼女はその「負の感情」を表に出すことはない。



なぜなら、姉ならば止めることを知っているからだ。そして他の者も止めることも…。





だから、誰にもその感情は悟らせない。

ただ、彼女の中にだけうごめき続けるのである。






「これは私の問題…あなたが心配することはないわ…アキト…」


虚空を見つめながら、彼女は呟く…

何故アキトの名前を呼んだのかはわからない。


そして、再び手をきつく握り締める。

かすかな痛みが走ったが、彼女はそれを無視した。



「待っていなさい……張儁乂……私の手で…」





姉をために……その純粋な意志に「染み」が生じた。


純水に墨汁を一滴たらすかのごとく…


その「染み」は徐々に広がっていき、意志そのものを変質させる。




一度、混ざりあった水はいくら純水を入れたとしても、元の純水とはなりえない。

器そのものを入れ替えるしか…



彼女がその「染み」に気づかない限り










そして、その「染み」が引き起こす危機を彼女は知る由もなかった。





























「…さすがに暑いですね」


一人の男が顎の下の汗をぬぐいながら、恨めしそうに空の光を見つめた。

彼の耳には長江の流れが聞こえている。

ここ数日天気が良かったためか、比較的長江の流れは穏やかである。

この船着場でも多くの人々が集まっていた。

商人や交易の者の姿が見える。


男はいま船よりこの船着場に降り立ったところであった。

背中には荷物を背負い、一見行商のように見える。

しかし、その荷物を見ると行商と一概には言えない格好であった。


「さて、ここからは臨機応変に対応するしか……」


男は独りごちる。

ずっしりとした荷物が彼の肩にのしかかった。

もともと木を組んで荒縄で結んだ荷物持ちである、持ち運びやすさがいいというわけでない。


しかし、彼にはこの感覚に早く慣れなければならなかった。


と、そのときその背負いのところより、何かが落ちた。


「おい兄ちゃん…なんか落としたぞ」


船着場で、船を待っていた一人がそれに気づく。

そして、それを拾い上げた。


「…何だこりゃ…これは紙…絵か…」


落ちた拍子に、中が見えてしまったらしい。

箱の中身は、紙に描かれた絵であった。


約百年以上前に蔡倫によって紙の製法がまとめられて、紙が一般化してきた。

そして現在では庶民の間にも広まっている。


「ええ、私は絵描きなもので…こうやって旅をしているんですよ」


男は、相手に笑顔で答える。

そして、その絵を箱に入れて背の荷物にくわえる。


「…へえ、兄ちゃんは絵描きか…いづれは大物か?」

「まさか?」


相手の言葉に、絵描きはおどける。


「ただ、この江東での様子を味わい、描きたくて……、もとより当てのある旅ではありませんから…」


絵描きは遠くの流れを見詰めながら言葉を発す。


「そうか…まあ、いろいろ戦争で物騒なヤツが多いから、旅も大変だろう」

「ええ、まあ……これでも逃げ足は速いですから…なんとか…」


絵描きの冗談に、男が笑い出す。どうやら面白かったらしい。


「まあ、この国ならそんな心配はいらねえ……なんたってお上さんがしっかりと守ってくれているからな…」

「そうですか…それは安心です」


男の言葉に、絵描きはほっとしたように受け答える。


ただ、男は気づかなかったが、そのとき絵描きの目がわずかに細められた。

が、それも一瞬のことで、すぐにもとの微笑の表情に戻る。


「じゃあ、私はこれで…」

「ん、ああ…道中気をつけてな…」


そうして、絵描きは船着場を離れていったのであった。








この江東の地を中心に一つの「舞台」が始まろうとしていた。

その舞台に上がる「役者たち」は、もちろんそのことを知る由もない。





ただ、物語だけは紡がれていくのだった…





















続く



はい、どうもほたてです。

第二十一幕お送りしました……いや〜遅れてすいません(苦笑)

世間では夏休みなので、ペースは上がるのかと思えばそうでもなく…


さて、今回は「三ヶ月その一」的な意味合いで、メインは特にありませんでした。

あえていうと、今回は「護衛たち、二喬」ですかね。いろいろと伏線の多い幕になってしまいましたが。


というか説明台詞とかが多くて、「会話のテンポを楽しむ」ということが出来ない構成になっています。

「説明」というのは難しい、省略すると理由が薄弱となり、多すぎるとくどい。その微妙なラインがセンスなのかも知れませんが(苦笑)


あと、最後の人物は勘の良い方ならすぐわかるでしょう。彼も舞台の役者の一人です。

三ヶ月…アキトはやはりゆっくりできないのですな(笑)



さて、ここで十九幕あとがきで少し説明不足なことがありまして……

「馬超は実は亡くなっているのではないか」という意見がありました。


ええ説明すると、馬超が亡くなったのは一般には「223年から225年」といわれておりまして「南蛮平定の最中」という説もあります。

で、本作中では「南蛮平定」は終了しておりますが、西暦で言うと「現在」は223年にあたるわけです。

まだ、アキトが現れて1年ぐらいしか経っていないのです…信じられないことですが(苦笑)

つまり「本来の歴史からズレが生じている」ということになります。

アキトが来てから、歴史の流れも加速しているわけです。


まあ「変な時期に南蛮平定」ということをした私が混乱の原因なのですが(苦笑)


さて、次回は最近影が薄くなってきた某女性が登場です(笑)

それ以外にも多くの武将との交流を書いていきます。


次回は何時に投稿できるのであろうか…(苦笑)


感想を下さった、encyclopedia様、五郎入道正宗様、とーる様、影の兄弟様、Akihiro様、孝也様、マフティー様、慎吾様、カイン様、

ぺどろ様、翡翠様、疾風魔狼様、tj様、アッシュ様、まさき様、里流様、本当にありがとうございました。

ここまで多くの方に感想をいただけて感激です。

そして、毎回感想をいただいている代理人殿にも感謝いたします。


では次回また会う日まで…

それでは




代理人の感想

小ちゃんが黒のお姫様に変身・・・・こう来るとは思わなかったな(笑)。

どうやて元に戻すつもりでしょうね、ほたてさんは。

そこらへんなかなかに楽しみです。

 

ところで最近影の薄い人って弓のお姉さん?(笑)