「・・・・・・・・・・ん・・」
朝、俺は口の中の異物に気付き目を開けた。
目の前には、目を瞑ったアキトの顔があった。
「んっ!」
思わず驚き抗議の声を出そうとしたが口が塞がれている為出すことはできなかった。
どうやら口の中の異物はアキトの舌らしい。
俺が起きたのに気付いたのかアキトが目を開ける。
目が悪戯っぽく笑う。
先ほどから動いているアキトの舌がうまくいえない感覚を与えてくる。
この感じ・・・・何度感じても慣れない。
「んっ!」
その感覚のため思わず声がもれる。
体に余り力が入らない。


朝、北斗を起こしに来たんだけど。
北斗の寝ている姿が可愛くてついキスをしてしまった。
やはり、北斗が可愛いのがいけないな。
うん。
北斗の目が開く。
どうやら起きたらしい。
自分の目が笑っているのが分かる。
さて、もうそろそろ厨房に行かないと。
すでに遅刻だ。
そう思い、名残惜しいが唇を北斗のそれから離す。


いきなりアキトが唇を離した。
「あっ!」
自分でも良く分からないが声が出る。
・・・・・・いや,もっとしてほしい。
もっと長い間続けていたかった。
アキトと俺の口の間にきらめく糸が残る。
やはり、俺の気持ちを表しているのだろうか?
アキトも似たような、いや、同じ気持ちなのだろうか?
「ア、アキト」
思わずアキトの名前を呼ぶ。
少し声が震えているかもしれない。


唇がはなれた。
北斗の目が潤んでいる。
うう・・・・・・可愛い。
まだしていたほうが良かったかな?
でも事情がある。
「ア、アキト」
北斗が俺の名前を呼ぶ。
うう・・・・・反則的な可愛さだ。
俺もできるならあのままでいたかった。
しかし、時間の流れというものは存在する。
ふと、ボソンジャンプでもするかという考えが頭をよぎる。
いや、さすがにそれはまずいか。
でも・・・・・・・・


アキトはなにやら思案顔をしている。
なにか心配事でもあるのだろうか?
もし、あるならば力になりたいと思う。
近頃俺はどうしたのだろう?
確かにアキトと戦うことは楽しい。
しかし、今のようなことも・・・・・・・・
俺は、長年枝織の人格(俺の女としての人格)を否定してきた。
いや、枝織を否定することで自分が女であるということもだ。
しかし・・・・・・・・・・・・
近頃は、と、時々女で良かったと思うときがある。
アキトと先ほどのようなことをしている時だ。
・・・・・・・・・・・・・・アキトはまだ思案顔をしている。
・・・・・・・・なんかというか・・・・・・・
そ、その・・・・・・か、可愛い
・・・・・・・・・・・
「アキト」
そう言って抱きつく。
アキトの暖かさが俺に伝わってくる。
枝織はこういう暖かさを親父や山崎に感じていたのだろうか?
少なくとも俺はこちらの方がいい。
絶対に!
枝織もそう思っているだろう。


「アキト」
そう言って北斗が抱きついてきた。
くっ、なんと言うことを
俺はどうすればいいんだ。
ちなみにさっきのようにキスなどはするのだが、その・・・・本番はまだだ。
なんというかそれだけは避けてしまう。
他の女の子の手前もあるのかもしれない。
あっ・・・・・・やっぱり北斗はやわらかい。
で、でも、俺には厨房に行くという使命がある。
・・・・・・・・このままでもいいか・・・・・・・有給残ってたかな?
いや、行かなければ。
そう思い心を鬼にして(自分に対しても)
「お、俺そろそろ厨房に行かなきゃいけないから」
そう言って北斗の腕を解く


あたたかい。
なんてあたたかいのだろう。
何回もこのような感覚を味わっているが、このあたたかさは消えることは無い。
冷めることは無い。
ずっとあたたかかった。
そしてこれからもそうだろう。
しかも、少なくとも今はこのあたたかさは俺だけのものだ。
「お、俺、そろそろ厨房に行かなきゃいけないから」
そう言ってアキトが俺の腕を解く。
「えっ?あ、ああ」
つい赤くなってしまう。
そして恥ずかしいので俯く。


北斗が俯いている。

いい加減行かないといけない。
北斗が俯いてるうちに出て行く。
目を見たら、また囚われてしまうかもしれないから。
それもいいかもしれないが。
・・・・・・と、ともかく俺は部屋を出た。


俺が俯いている間にアキトは出て行ってしまった。
なんだか・・・・寒い。
気温は低くないが寒い。
アキトの暖かさを満喫していたせいでそう感じるのかもしれない。
「ふうっ」
声が出る。
息が熱い。
なんでだろう?
「北ちゃ〜〜ん(泣)」
「いっ!?」
零夜の声がしたので思わず声がした方(そなえ付けの机の下)を見ると、なぜか零夜がいる。
お前違う部屋だったはずだが?
そして俺をじーと見ている。
なにやら見世物にでもなった気分だ。
「なんなの〜?さっきのは〜?」
泣きそうな声で俺に聞く零夜。
「み、見てたのか?」
「うん」
あっさりと頷く零夜。
自分の顔が赤くなるのが分かる。
頭に血が上ってくる
とりあえず緊急手段としてこの部屋から出る(つまり、逃げ出す)ことにした。
「ああ〜北ちゃ〜ん」
零夜の声が聞こえたような気がしたが気のせいだろう。
たぶん


今、北斗はナデシコにいる。
どうやら、俺を追いかけてきたらしい。
おそらく、最高速度できたのだろう。
ダリアはぼろぼろだった。
そして、優華部隊の人たちが来るまでとりあえずナデシコにいてもらうことになった。
すでに2日が過ぎている。
一体北斗はどこからきたんだ?
ちなみになぜか、零夜ちゃんはダリアについて来れたらしい。
どうやってダリアについてきたのだろう?
零夜ちゃんは『北ちゃんのためだから』そういって頬を染めていた。
そんなものでついてこれたから不思議だ。
・・・・・・・・本当にどうやってついてきたんだろう?
リミッター外したとか・・・・・・
・・・・・・・・・・・・お、食堂が見えてきた。


「・・・・・・・・・・・・・や、やあ」
俺が食堂に入ると、複数の冷たい視線に攻撃された。
ホウメイガールズのみんなだ。
視線がとても痛い。
とりあえず、自分の仕事をする。
その間も俺に対する視線攻撃はずっと続いた。
そして・・・・・・


「やっと、朝食ラッシュが終わった」
達成感からか思わずそういう。
そういえば北斗は来なかったようだ。
どうしたのだろう?
後で様子を見に行ってみよう。
後片付けが終わり、ホウメイさんに挨拶をして厨房を出ると食堂にはルリちゃん達がいた。
ホウメイガールズのみんな同様視線攻撃を仕掛けてくる。
何かがまずい。
本能が、理性が、今までの経験が、俺にそう伝えていた。
・・・・・・・・・思い当たること・・・・・・・・筆頭に朝したことが浮かぶ
・・・・・・・・やばい。
ブローディアにでも逃げるか?
ジャンプフィールド発生装置は運悪く持っていない。
速力の問題か・・・・・・・・
必死に脱出策を練る。
しかし良い案は浮かばない。
そうこうしているうちにいつのまにか俺は食堂の真中に立たされ視線の砲火を受けていた。
そして
「みなさん。アキトさんをいつもの部屋に」
ルリちゃんがそう号令をかけるのと同時にみんなが動いた。
どこで鍛えたのか知らないが異様に動きが素早い。
あっという間に捕まってしまった。
回を重ねるごとにみんなの動きは良くなっている
そのうち俺を超えるんじゃないだろうか?
思わず冷や汗が額を伝う。
「み、みんな止めてくれ。こ、今回は、な、何?」
無駄と分かりつつもそう言いながら逃げようとする、が,逃げられない。
昂氣が出せない・・・・・・・・なぜ?
イネスさんかレイラさん辺りが昂氣中和装置でも開発したのだろうか?
・・・・・・・・・・・・やりかねないな
そして、引きずられて行く俺。
とりあえず、反抗してみるが効果はない。


俺が食堂に言ってみるとホウメイ以外は誰もいなかった。
残念だ。
あいつの料理が食べたかったのに・・・・・・・・
い、いや、その・・・・・・・へ、変な理由じゃないんだ。
あ、あいつの料理はおいしいからな。
うん。
それだけだ。
「アキトはどこにいったか知っているか?」
ホウメイにアキトの行方を聞いてみる。
「ああ、アキトのやつならルリちゃん達に引きずられていったよ」
ホウメイがそう教えてくれる。
・・・・・・・・・・・・アキトのやつ大丈夫かな?
まさか朝悩んでいたのはこのことだったのだろうか?
・・・・・・・・・・・・気になる。
とりあえず、アキトを探すことにした。
そして・・・・・・数分後引きずられているアキトを発見した。


なぜか北斗が俺のほうを見ている。
どうしたのだろうか?
すでに、俺の頭は現実逃避に走りまくっていた。
さっきからおし・・・・・・・・のことはできるだけ考えないようにしている。
おかげで時々会うクルーに挨拶するくらいの余裕(?)は持てた。
もっとも挨拶された方のクルーは直に逃げていったが。


・・・・・・・・アキトが俺を見ている。
なにやら笑みを浮かべているが、いつも笑みとなんか違う。
なんというか・・・・・・変な笑みだ。
ヤマサキとかみたいな・・・・・・・・・・アキト、やはり何かあるのか?
あっ!いきなり泣き出した。
どうしたんだ?
・・・・・・・・新しい人格でもできたのだろうか?
「おい、何をやっているんだ?」
とりあえず色々考えた末、声をかけることにした。
「む!」
全員の視線が俺に集中する。
なぜ?
「あの、なんだ。なんでアキトをロープでぐるぐる巻きにして引きずっているんだ?アキト、お前なら逃げられるだろう?なんで逃げないんだ?」
なにやら視線に実戦とは違う怖さを感じた。
なんだろう?


北斗が疑問をぶつけてくる。
もっともな疑問だ。
つーか、逃げられるもんならとっくのとうに逃げてる。
いつものことだが。
とりあえず視線で助けを求めてみる。
通じるかどうかかなり疑問だが。


アキトがこちらを見ている。
何か戦闘時とは違う得体の知れない熱を彼女達から感じる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか助けてほしいのか(通じたらしい)
「お前達、アキトが嫌がっているようだから止めたらどうだ?」
試しに戦闘用の殺気を発しながら頼んでみる。
「駄目です」
冷静な声で即答するルリ。
さすがだ。
他の者は大なり小なり動揺しているのに彼女はぜんぜん動じていない。


「お前達アキトが嫌がってるようだから止めたらどうだ?」
北斗さんが聞いてくる。
殺気をぷんぷん発しながら。
さすがです。
そのようなテクニックまで持っているとは・・・・さすがアキトさんを・・・・・・・(むかっ)
「駄目です」
表面上動揺は見せずに即答する。
内心はかなり動揺していますが。
しかし、相手はプロ。
弱みを見せては私の負けになってしまいます。
そして、他の人たちが動揺を表面に出している以上、私がちゃんとしなければ。
ここで私が引くのは我が同盟が敗北するも同じです。
しかし、刻一刻と私も平常心を保てなくなってきています。
激ヤバというやつです。
ここでアキトさんを奪われては・・…
いや、後日という手もありますね。
さすがにアキトさんは大切ですが自分の身も大切です。
今回は誰が死ぬということはありませんし
お仕置きはまたできます
しかし、そう簡単にアキトさんは渡しません。
そう決心し直し私も殺気を発します。


・・・・・・・・・・彼女達がアキトといるとなんか・・・・その・・・・気に入らない。
どうしたのだろう?
でも、なんか・・・・・・・・・・・・・・・・・・とにかく気に入らない。
ああー!
いいからお前ら早いとこどこかへ行け。
さらに、殺気のレベルを上げる。


・・・・・・・・・・さすがに、これでは私といえども不利です。
冷や汗が頬を伝います。
すでに同盟のなかには気絶している人もいます。
しかし、私は負けるわけにはいきません。
私も負けずに殺気を発する。
・・・・・・・・あっ。
アキトさんがいません。


なかなかやるな。
にらみ合いは続いている。
常人なら気絶するほどの殺気を受けながらも今だ立っていられるようだ。
しかしアキトは渡さん!
アキトの所有権が掛かっているんだ(別に決まったわけではない)
そう簡単に負けるわけには行かない


・・・・・・・・
北斗が凄まじい殺気を発している。
なんか今までで一番すごいぞ。
と、とにかくチャンスだ。
縄抜けには幸か不幸か成功した。
・・・・・・・・・・・・・・・・よし、今だ!
隙を見て北斗の後ろに避難する。
ああ、北斗が女神に見える。
殺気を無茶苦茶発しているが。


いつのまにか俺の後ろにアキトが移動していた。
流石だ。
この殺気の中を移動できるとは
アキトが俺の後ろに移動したなら・・・・・・・・よし!
アキトを捕まえて逃げることにした。
「アキト」
呼びかける。


「アキト」
北斗が言う。
何をさしているのだろうか?
と思った瞬間
北斗に掴まれた。
「いっ?」
悲鳴をあげる俺。
そして、気がつくと俺は北斗の小脇に抱えられていた。
かなりの速さで走り出す北斗。
言っちゃなんだが無茶苦茶怖い。
壁が迫ってくるとか。
地面がーとか。
色々あるがその最たるものは
「アキトさん〜」
足の方から聞こえるルリちゃんの殺気の入った声とその声に反応し、殺気を自在に操る北斗だ。
やはり女は怖い。


北斗さんはアキトさんを連れて(持って)走っていきました。
人とは思えないスピードです。
・・・・・・・・そういえば、確かイネスさんとレイラさんが対北斗さんアキトさん用の対昂氣
用のフィールドを開発してそれは現在可動中なのに・・・・・・
今の北斗さんは朱金の輝きに包まれています。
・・・・・・・・まだ改善の余地ありですね。
今度は私も手伝いましょう。
それにラピスも加われば・・・・・・・・ふふっ北斗さん対策は完全ですね。
しかし・・・・・・ああ、もうあんなところまで・・・・・・・・
しょうがないですね。
かなり屈辱なことですが今回はあきらめましょう
「ふふふ、このことは憶えておきますよ。北斗さん・・・・アキトさん(はあと)」


気がついたら俺は自室のベッドに横になっていた。
そして、ベッドの脇には北斗がいる。
「ありがとう」
体を起こしながら北斗に礼をする。
すると、北斗は真っ赤になった。


アキトが起き上がる。
目が覚めたようだ。
「ありがとう」
アキトの第一声はそれだった。
・・・・・・・・・照れるじゃないか・・・・・・
「なあ、アキト」
俺はアキトに話し掛ける。
「なんだい?」
いつもどうり優しい笑みを浮かべながら聞き返すアキト。


いきなり北斗が話し掛けてきた。
「なんだい?」
・・・・・・・・・・なんだろう?
まさか!北斗まで俺におしおきを・・・それはないか・・・多分・・・・・きっと・・・・だといいな
「あのな、その、一つ俺の言うこと聞いてくれないか?」
そう言って頬を赤く染める。
おねだりか・・・・・・よし!可愛いから大抵のことならОK!
「いいよ。何をすればいいの?」


アキトはあっさり了解してくれた。
・・・・・・・そんなに無防備でいいのか?
・・・・・・・・・・・・・・よし!
「じゃ、じゃあ、目を瞑ってくれ」
「?分かった」
そういってアキトは目を瞑る。
俺はしばらくしてからアキトの顔に自分の顔を近づける。


なんだろう?
最初に浮かんだのはそんな疑問だった。
北斗は目を瞑ってくれと言った。
だから、目を瞑ったのだが一向にアクションは無い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ん?
唇にあたたかいものがあたる。
そして、口の中にやわらかくあたたかいものが入ってくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺はそれを理解するのに少しの時間を要した。
・・・・・・・・・・要するに北斗はキスをしたのだ。
自分から。
しかもディープ
今までするのは専ら俺だったのだが、なんと北斗が自分からしてきたのだ。
うんうん。
そこまで成長してくれたとは俺は嬉しいぞ


アキトの顔が目前に迫る。
心臓の鼓動が速まる。
アキトは安らかな顔をしている。
そこまで信用されているのだな俺は。
・・・・・・・・嬉しい。
そして、アキトの唇に自分の唇を重ね舌を挿入する。
顔が上気しているのが分かる。
そして動かす。
やっぱりアキトのようにうまくできない。
かなりぎこちなくなっているのが自分でもわかる。
でも、いつもの感覚が来る。
しかもいつもより幾分強い。
なぜだろう?


北斗がぎこちなく舌を動かす。
新鮮味が嬉しい。
俺の気分も否が応にも高まる。


そして、二人だけの時間が流れる。


余談だが俺はルリちゃん達から後日お仕置き(某同盟比450%)を食らい、3日間動けなかった。
まあ、北斗(枝織)が側で看病してくれたのは嬉しかったが。
尚、その間ルリちゃん達と北斗(枝織)が何度も騒動を起こしたらしい。




あとがき

始めまして、INといいます。
え〜と、まずこのような駄文を読んでいただきありがとうございます(ぺこり)
これは1日で本編を読んで北斗を気に入り、北斗(北ちゃん)関係の投稿作品を読ませていただいた後に発作的に思いついて書いたものです
ところで、NATTOに加入するにはどうすればいいのでしょうか?
SSを投稿するというのであればこの場を借りましてNATTOに加入したいという意思を表明したいと思います。
それと、家のネット環境が危ないので感想は掲示板によろしくお願いします。
それでは