「に、2195年!!!」

 俺の声に周りの人が何事かと振り返る。でもそんなものぜんぜん気にならない。だってそうだろ?タイムスリップしたショックに比べりゃ、人目なんぞ何するものぞって感じだ。

 俺はGSの助手を長いことやってきたから、不思議な出来事を体験したり死にそうになったことは何度か(何度も?)ある。実際、美神さんや隊長(美神さんの母親だ)は時間移動能力を持ってる。いろいろ条件が必要だけどな。でも今は両方いない。これではどーしよ―もない。いたとしても、この現象が時間移動じゃなく別次元への転移だったとしたら意味ないしな。

 ・・・今もしかして「文珠使えばいーじゃん」とか思わなかった?確かにできるだろうけど、今の俺にはムリだ。一度な、未来の俺が文珠で時間移動してきたことがあったけど、その時は『時』『間』『移』『動』『二』『0』『0』『×』『年』『五』『月』『十』『三』『日』って十四個もの文珠を制御したんだよ。俺も修行すりゃそん位はできるようになるかも知れんが、何年先になるか見当もつかない。 もちろん『転』『移』の二個程度の霊力じゃ数百年もの時間を正確に超えられるかどうか怪しいしな。で、何で未来の俺が来たことを覚えてるかって?そりゃあれだ。今の俺はどっかから電波を受信してるからさ!HAHA!なんつって。

 って今俺誰に説明してんだろ。現実逃避はこれぐらいにしとかんとな。

 腹減った・・・










GS横島 ナデシコ大作戦!!

第二話 「女の子」














「腹減った〜」

 今横島は猛烈にすきっ腹だった。心なしか頬がこけている。

「しぬ〜」

 あれから3日。とっくに霊力と文珠と金のストックはない。今もっているのは服とバンダナ、そしてこ○亀970巻しかない。文珠のストックは二個だったが、初日に『満』『腹』と使ったためにもうない。文珠を使った後に、「『栄』『養』って入れりゃ良かったーっ!」と後悔したという。

 腹が減っては力と気力が出ない。煩悩を掻き立てる元気もないから霊力も出ない。霊力もないから文珠もでない。何か口に入れても一時凌ぎだ。

(もうこの本も売ろう・・・古本屋に持ってっても安いだろうから通行人に200円で売ろう・・・)

 かなり追い詰められているのかトンデモナイことを考え出す。

 そこにちょうど小学生らしき2人組みが通りかかる。

「おいそこのがきども。この本200円で買わんか」

「いらねーよばーか」

「はーげ」

 笑いながら逃げる小学生。

(・・・・・・べつにはげてないぞ・・・・・・)

 ひゅるりら〜という音が今の横島の背中には似合った。もちろん落ち葉つきだ。

 五日目。まだ本は売れてなかった。

 最後に食ったメシは喫茶店の店頭サンプルのエビフライだった(本物だった)。さらにやつれは増している。

 とぼとぼ町を歩いている。どこをどう歩いたのか憶えていない。あてもない。

 と、横島がマジでやばくなってきた頃、大きなボクシングジムを発見した。なんとなく覗いてみると、建物が大きい割にまだ若い男が一人しかいない。なにやら変な器械を腕に押し当てている。

(あれってSFとかでたまに見る無針注射器ってやつか?)

 注射を終えたらしい男は無針注射器片手に奥のドアヘ消えた。中を覗くと机の上にもう1つ無針注射器がある。

(これはチャンスか!?)    この際注射器の中身が栄養剤でもプロテインでもセメダインでもなんでも良かった。こんな所にある位だから風邪薬ではないだろう、と思い込もうとした。いつもならもうちょい躊躇するのだが(って言うか泥棒だろ)、今の横島は本当に追い詰められていたのだ。

 ドアを開け、誰も出てこないのを確認する。

(誰も来るんじゃねーぞ・・・)

 抜き足差し足とばかりにジムに侵入する。邪魔は入らない。これは幸なのか不幸なのか。

(よっしゃゲット!)

 ついに手にとってしまった。横島は心の中でガッツポーズを決めつつ注射器を見る。アルファベットが書いてある。

(IFS?なんじゃそら。栄養剤の名前か?)

 少し疑問を感じたがかまわず腕に押し当てる。

(ここのボタンでいいんだよな・・・)

 プシュッ

 水が吹き出るような音。

「!?」

 そのとき横島に異変が起こった!

(な、なんだ?体になんか入ってくる!いやそりゃ入って来るのは判るけど・・・)

「う、く・・・」

 たまらなく不快な感触。

(良薬口に苦しってやつか・・・)

 違うと思う。

「だれだ!?」

 ドアの奥から数人の男が出てくる。

「げっ!」

(いっぱいいるじゃねーか!誰も一人しかいないとは言ってないけど)

 最近自分に突っ込む回数が多くなっている。

「戦略的撤退!!」

 間髪いれずダッシュで逃げる。奥から出てきた男たちも追っかけようとしたが、ジムの外に急いで出たときは横島の姿は既にはるか彼方だった。

 ジムの中。

「なんて逃げ足だ・・・」

 男の一人が半ば感心したように言葉を漏らす。

「サカイ軍曹!奴はいったいなんだったんだ?」

「え〜とIFSがなくなってます。中尉、あいつパイロットにでもなりたかったんですかね?」

「だったらわざわざジムになんか忍び込むことなかっただろうに」

「それもそうですね。少尉はどう思いますか?」 

「う〜ん、あいつは今日軍人が貸切でジムを使うってことを知っていた!・・・とか」

「ちょっと苦しいですね。僕たちがIFSの入った注射器を持ってくるとは限らないですし」

「そう言うアオイ准尉はどう考える?」

「そうですね・・・」

 横島が逃げた後、ジムの中では謎の快速男の事で大いに盛り上がったという。

 何とか川原まで逃げてきたがとうとう倒れこんだ横島。息も絶え絶え。目は虚ろだ。

「何とか、ぜー、撒いたみてー、ぜー、だが・・・なんなんだ、ぜー、この変な紋章、ぜーみたいな奴は?、ぜー」

 自分の左手の甲を眺める。

(考えたって解る分けないか・・・てゆーか解らん事だらけだな・・・)

 横島の腹が鳴る。

(解るのはこれが腹のたしにはならんってことだけか・・・ああなんか朦朧としてき・・・たぞ・・・)

 空腹の上に全力ダッシュをしたため、貧血状態になったのだ。

(ちっくしょう・・・目ぇさめたら・・・雑草食ってや・・・る・・・)

 悲しい決意とともに、横島は意識を手放した。まだゴミをあさろうとしないあたり余裕があるのかもしれない。

(ルシオラ・・・お前に会う日も近いかも・・・いや、死んだら余計に会えねーか・・・)

「んひとっつひっとのよあっくのよの〜♪ふたっつふってきぃなだっておっとこ〜♪っとくらぁ」

 なにやら妙な歌を唄いつつ中年の男が土手を歩いている。

「さ〜あ、早く夜の仕込をしねえとなっと・・・お?なんだありゃ」

 男・・・雪谷サイゾウが土手に倒れている人を見つけた。言うまでもなく横島である。

「なんだよ・・・夏なんぞとっくに終わってんぞ・・・」

 夏じゃないからこんなところで寝たら風邪ひくぞ、と言いたいらしい。

「おい、あんちゃん。こんなとこで寝てっと風邪ひくぞ!」

 ゆっさゆっさ

 横島の肩を揺する。

「ん・・・くぁ・・・」

「おぉ、目ぇ覚めたか」

「ぐ・・・」

 腹を抑えて苦悶の表情を浮かべる横島。

「おいどうした!?どっか悪いのか?」

「は・・・」

「腹でも痛ぇのか」

「・・・・腹・・・減った・・・」

 がく

「おい・・・」

「いや、ほんともうやばいんス・・・なんか食わしてください・・・その分はどっかで働いて返しますから・・・」

(むう・・・まぁ袖触れ合うも多少の縁ってやつか。ここで見捨んのも寝覚め悪いしな)

 サイゾウは十秒ほど思考した後、

「まぁいいぜ!食わしてやるよ!」

(ざ、雑草は回避できた・・・!)

 横島は心底安堵した。

 ハグハグドガガガガガズルルルハヘヒホヘガツガツドンドンガフガフクッチャゲフンお代わりズゾゾゾガフガフ!!

 

 ものすごい勢いでメシを掻き込む横島。長年中華の大衆食堂を営んできたサイゾウも、これだけの量をこれだけの勢いで食べる人は見たことなかった。

(ドガガガ?ハヘヒホヘ?なんて擬音を出しやがる・・・!)

 感心する所が間違っている。凄い事に異論はないが。

「しっかしいい食いっぷりだなぁおい?何日食ってなかったんだ?いや、それよりなんでぶっ倒れるほど腹空かすはめになったんだ?」

「ほれあっふへ、ふふぁいひゆうは、はひはひへ、」

「すまん、まずは全部食ってくれ。さっぱりわからん」

 横島の言葉を理解しようと試みたが、あっさりあきらめた。

(シロはわかってくれたけどな〜)

 食事後、横島は現状を多少の嘘を交えつつ説明した。

「・・・ほう。自分が誰かはわかる。でもどっから来たかは思い出せねぇってか」

 横島は過去から来た、ということは隠した。

(信じてもらえるとは思えないしな・・・)

 記憶喪失であることは信じてもらえると思っているのだろうか。

「そうなんスよ。気がついたら路地裏だったんス。そういえば、ここってどこなんスか?」

「サセボだよ」

(佐世保・・・)

「ってことはここって長崎っスか!?」

「そうだよ」

(東京じゃなかったのか)

 東京ならもしかして美神の子孫あたりが事務所を開いてるかも、とでも思ったのだろう。だが長崎から東京までは歩いていける距離ではない。

「で、忠夫。一部の記憶をなくしたのが本当だとして、記憶を無くす前に何やってたか覚えてるか」

「え?」

「職業だよ職業。まー見た感じじゃ高校生か」

「確かに高校生っスけど、一応ゴーストスイーパーやってたんスよ。・・・ほとんど助手って感じっスけど」

「あ?何だよそのゴーストスイーパーってのは」

「え、知らないんスか?悪霊とか悪い妖怪とかを祓う仕事っスよ」

「おまえ、頭をどっかに強くぶつけたんじゃねーのか?んなもんいるわけねえだろ。んなカッコじゃ拝み屋にも見えねーし」

「え・・・?いるじゃないスか。霊・・・」

「そりゃあ、居ねぇ証拠はないけどよ・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

(・・・もしかして、ここってただの未来じゃなくて、よく似た別世界!?)

 そのことに思い至り慄然とする横島。それでは時間移動に加えて空間転移もこなさねばならないことになる。

 いったいもとの世界に帰る事ができるまで何十年かかるか解らない。このままでは、もとの世界に帰ったところで、ほとんど浦島太郎ではないか。

 よほどひどい顔をしていたのか、サイゾウが声を掛けてくる。

「おい。行くあてがねえんなら、ここでバイトでもするか?住み込みで」

「!!」

 がばっと顔を上げる。

「さっき食わしてやった飯のこともあるしな。余り部屋と布団もあることはある」

「でも・・・いいんスか?」

 恐る恐るって感じで問う。何か話が上手すぎる気がする・・・。

「ここで見捨てたら、さすがに寝覚めが悪いだろ。それに、ここ一人でやってっからバイトを雇おうかとも思ってたしな」

「やります!やらせてください!!」

 話が上手すぎるという疑いも一瞬で吹き飛んだようだ。ここまでやる気を出す横島も珍しい。

「ただし!記憶が戻るまでだからな!」

「はい!十分すぎるっスよ!」

 横島の返事を聞き、ついさっきから気になっていたことを聞く。

「そういや、お前って以前はパイロットやってたんじゃねえか?」

「え?パイロット?なんでスか?」

 怪訝に聞き返す横島。

「IFSつけてるじゃねぇか」

「アイエフエス?なんスかそれ」

「左の手の甲についてるそれだよ」

 左手の甲に向かって指をさす。

「え?これ?そういやこれってなんなんスか?」

「よくわからんが、今のロボットはそれが無いと動かねぇらしいぞ」

「ろ、ロボット!?今ってロボットなんか実用化されてるんスか!?」

 本気で驚愕している。

「・・・お前本当に記憶喪失なんだなぁ。実用化どころか、今それ使った戦争だって起こってるぞ」

「マジなんスか・・・」

「大マジだ」

「・・・・・・」

 ロボットがある事に対する驚きと、戦争中であるという事実(とてもそうとは思えないほどのどかな気もするが)、IFSが何故ボクシングジムにあったかなど混乱している横島に、サイゾウは話を変える。

「それで、お前って料理できるのか?」

「あ、えーと、目玉焼きくらいなら・・・」

 考えても仕方ないことをとりあえず頭の隅に追いやる。

「ふむ、じゃあ、明日からお前に徹底的に料理を仕込むからな!それと皿洗い」

「あ・・・はい!!」

(でも霊力の修行もしないとな・・・)

 その日から、横島の料理と霊力の修行の日々が始まったのである。

 3ヵ月後。

 昼時の雪谷食堂。繁華街から離れているとはいえ、安くて美味くて量が多いと評判のこの食堂、今日も席はあらかた埋まっている。

 横島の料理の腕前は、客に出せないまでも下ごしらえをできるくらいにはなっていた。サイゾウ曰く、下ごしらえの腕でさえも「百年早い」らしいが・・・

(ま、スジは悪くないんだよな。忠夫のやつ)

 思いつつ、注文を取っている横島を見る。すると、ちょうど若いカップルが入ってきた。

「へい、らっしゃ「お姉さん!!俺とめくるめく熱い夜を過ごしませんか!?」

 サイゾウがらっしゃいと言いかけているときに、瞬間移動したかのごとく入って来た客の女性の手を握る横島。

「きゃあっ!」

 パッシーンと小気味良い音が響く。静寂に包まれる雪谷食堂。

 が、それは一瞬で、

「ええぞ、にいちゃん!」

「はっは、また玉砕かぁ!?」

「俺最近これ見るのが楽しみでよ・・・」

 一気に爆笑の渦に包まれる。

(これさえなけりゃぁな・・・)

 才臓は片手で顔を覆い、天を仰いだ。横島は一日平均一回、美人の女性客に迫ったり、ちょっかい出したりしては殴られるのだ。

(ウケてる所為か、客は減らねぇがな・・・ま、いいか)

 なぜか客と一緒に笑う横島を見た。横島に憎めない雰囲気を感じるのか、殴った女性までくすくす笑っている。

 

 

 

 横島は悪夢を見ている。

 横島は角が生えている明らかに人間ではない男と対峙していた。

 近くには美神とおキヌも居る。

 ―――――――それをよこしたまえ!死なせたくはあるまい!?

 てめぇ・・・

 ―――――――破壊して、ヨコシマ!渡してはダメよ!!

 わかってる。けど・・・

 ―――――――正しいと思うことをしなさい、横島クン!

 美神さん・・・何で俺なんスか・・・

 ―――――――誰か他の人にそれをやらせるつもり!?自分の手を汚したくないから―――――

 ルシオラ・・・く・・・どーせ後悔するなら・・・

 ―――――――どーせ後悔するなら―――てめえがくたばってからだ!!○○○○○○――――――!!

「っ!!」

 自分が何かを叫んだ所で、がばっと布団から跳ね起きる横島。顔が涙でぬれている。

(く・・・またあの夢・・・!あの夕日を見てから毎日か・・・)

 汗びっしょりで荒い息をつく横島に、昼間の面影はまったくなかった。閉店後にする料理の修業に加えて毎晩見てしまう悪夢。全然はかどらない霊力の修行。そして木星蜥蜴という地球を襲う謎の敵と、連合軍の戦い。時折ドンパチする音が聞こえ、その度にここに流れ弾が来ないか戦々恐々していた(そのせいで臆病なパイロット扱いされることもあった)。

 彼は心身共に疲れていた。文珠で3日に一回疲労回復しなければ、とっくにぶっ倒れていただろう。

(大体、霊力をのばす方法ってよくわからんねんなぁ・・・)

 横島は彼なりに、瞑想をしたり素振りをしたりしてなんとか霊力を伸ばそうと苦心していた。だが、横島の霊力は三ヶ月前から大して変わっていない。文珠のストックは7個あるが、文珠を制御できる数は三ヶ月前と変わりなかった。

(このままじゃあかんなぁ)

 布団の中で悶々としていた横島だが、疲れていたのか、いつのまにか眠ってしまった。

 次の日、横島は客がほとんど来ない三時にサイゾウから買出しを命じられた。

「薄口醤油に胡麻油二本ずつか・・・重いだろうな・・・」

 ぶつくさ言いつつ川原を歩いていた。横島のほかに人は見当たらない。文句を言える立場ではないことは解っているから、ぶつくさ言っているといっても本気ではない。そしてふと何気なく土手に目をやる。すると、

「あれ?誰か倒れてる」

 偶然か、以前自分が倒れていた場所に倒れれている。女性だ。まだ女の子と言っていい年齢に見える。17、8くらいだろうか。

 とっさに駆け寄ろうとする横島。が、

「うう・・・ん」

 駆け寄る間もなく目が覚めたようだ。

「・・・ふぅあ・・・えぇっと・・・」

 欠伸をしつつ目をこする。その仕草に加え、一目で判るナイスなスタイル。はっきり行って萌えだった。寝起き美少女万歳。もちろん横島ほどの「漢」がその萌えに打ち震えないわけがなかった。

(か、可愛い!)

 横島の目がキュピーンと光る。

「ずっと前から愛してましたー!!」

 獣のごとく飛びかかる!

「え!?きゃああああっ!!」

 パッシーーーン!

 音と共に空を舞う横島。

「ナ・・・ナイス、パンチ・・・!」

 平手だ。

 どさっ  

 この男はどこに行ってもこうなのか。

「ああっ!ご、ごめんなさい!」

 突然の事態から我に帰る女の子。自分が悪いことをしてしまったようでなんとなく謝ってしまう。

 すると突然横島が起き上がって女の子の手をつかむ。

「こんにちは!ボク横島!」

「こ、こんにちは・・・」    困惑する女の子。当然である。

「キミなんて名前!?どこから来たの!?ここで何してたの!?」

 一気にまくし立てる。

「え、えーと・・・」

「うんうん!」

「んーと、その・・・」

 なかなか考えがまとまらないようだ。無理も無い。

「うんうん!」

「あの、ちょっと落ち着いて考えさせてほしいんですけど・・・」

「あ、ゴメン」

 だが手は離さない。

(えーっと、確か、アイちゃんにデートしよって言われて、んー私一応女なんだけどなぁ・・・ん?アイちゃん・・・アイちゃんって・・・・・・!!!)

「あああ!!!」

 突然大声を上げる

「あああのあのっ!アイちゃん!アイちゃんは!?って言うより、ここ、どこですか!?」

「佐世保だけど・・・」

 少々気おされつつも答える。

(あいちゃんって誰?)

「てことはここって地球なの・・・?私火星にいた筈なのに・・・どうやって・・・?」

「火星って・・・」

 横島とてここに来て三ヶ月。火星に人が住んでいることぐらいは知っている。最近連絡が途絶えていることも・・・

「あー、えーと、キミってほんとに火星から?っとその前にキミの名前ってなんてーの?」

 なんとなく話を変えてしまった。

「え、ええ。天河・・・天河明乃(あきの)って言います」

 それは横島とアキノがナデシコに乗ることになる1年前のことだった・・・

 

 

 

 つづく

 

 

 イネス先生の、なぜなにナデシコ出張版

 良い子の皆さんこんにちは。今日もなぜなにナデシコの時間がやってきたわよ。ここでは〜(以下略)

Q1 冒頭の未来の横島云々って?  「GS美神」本編で、一度未来の横島君(27歳)がある目的のために現在に来たことがあったの。で、いろいろあって未来の横島君が帰るとき、『忘』の文珠で関係者から未来の横島君関係の記憶を消すってことがあったって訳ね。

Q2 文珠って横島以外にも使えるの?  答えはイエスよ。作ることができるのは、今のところ横島君だけだけどね。  

Q3 このときのジュンって、本当に准尉なの?  このSSでは、彼はまだ士官学校に居るって設定よ。でも軍人に知り合いがいて、訓練に時々付き合っている。そして名前がジュンだから准尉って呼ばれている・・・ってことになってるわ。いいかげんね。

 そういえば士官学校生は、軍では准尉待遇って聞いたことがあるって作者は言ってるわね。

Q4 何で横島は女性に迫った時に百発百中で殴られてるの?  よっぽどすごい顔をしてるのかしらね?うふふ・・・

 

 

 あとがき

 

 え〜みなさんこんにちわ。K-999です。

 ジュンについては遊び。あぁ早くナデシコに乗せたいな〜。

 ユキさん、リンさん、中島さん、感想ありがとうございます!

 ユキさん。横島の格闘能力は並です。原作よりちょっと強いぐらい。そしてこれは時ナデのクロスです。でも逆行者は一人もいません。

 リンさん。単純に200年後ではなかったですね〜。後は続きをお待ちください。あ、「GS美神」のキャラは、横島以外はでてこないかも知れません。

 中島さん。ありがとうございます。期待を裏切らないようにしたいものです。

 


管理人の感想

K−999さんからの投稿です。

・・・アキトより余程精神的にタフですよね、横島って(笑)

状況に戸惑いつつも、自分を見失っていないとゆーか、見境なしとゆーか(苦笑)

この世界ではアキト(男)は居ないわけですか。

さて、オリキャラの明乃ちゃんとの今後の関係は?