見るかもしれないこんな夢4

 

 

 

第5.5代将軍家家の治世で平和な世の中の、ここはナデシコ藩。

気候も穏やかで適度に豊か。ついでに人々の頭の中も適度にユルかったりする。

 

 

 

帰れない理由もあって(前回参照してね)まだ温泉街にいるテンカワ一行。

おや、珍しくアキト君が平和に一人で入浴しているようだ。

 

「はあああああ、くつろぐなあああああ。  

 やっぱ平和が一番だ。

 なんで温泉でこんなに疲れなきゃいけないんだ?

 ひょっとして他の世界の俺もこんなに疲れてるんだろうか?」

 

なにやら謎の述懐をこぼしたアキト君は頭を洗い始めました。

そんな彼の背後に怪しい影が!

 

「んっふっふっふっふっふ。今回はきっちり混浴ネタやりますよ。

 いま身に纏う湯浴み着を外してにいさまの背中に抱きついて『だ−れだ』。

 これぞホシノ流恋愛術の技が一、『後ろの正面だあれ』です。

 ではいきますよ・・・むっ!」

 

なにやら額に稲光が走り、とっさにしゃがむルリ。

そのすぐ上を何かが通り過ぎる。髪の毛数本がもって行かれたようだ。

とっさにかけた足払いで態勢を崩した背後の敵はそのまま転がって距離を取る。

 

「逃がしません」そのまま追撃に移る。

 

とりあえずアキトから見えない場所で対峙する両者。

 

「ラピス・・・・ですか」

 

「ルリ・・・・アキトはあたしが護る」

 

それ以上言葉は要らなかった。必要なのは交わされる一撃。

ラピスの左右の拳による連撃を掌でいなして放つ裏拳を、ラピスは僅かに立ち位置を

変える事でかわす。

ルリは、妹がこれほどまでに成長した事に対し戦慄と喜びを同時に感じていた。

 

 

 

一方その頃・・・・・

 

「おに−いちゃん、背中洗ってあげるね」

 

「じゃあ頼もうかな」

 

「はい、ごしごしごおし」

 

 

 

「あまり時間はかけられません、いきますよ」

 

まさに「縮地」と呼びたくなるほどの速度で間合いを詰めるルリはぼそりと呟く。

 

「ホシノ流暗殺術移動技『烈瞬転移』からの連撃『百竜乱舞』、受けてみなさい」

 

湯浴み着一枚で眼前の相手を左右の拳はおろか、肘から膝から目にも止まらぬ猛烈な打撃で

徹底的にボコる。

 

「?・・・違う!」

 

とっさに眼前の相手の鳩尾に蹴りを入れ、その反動で距離を取ると、湯の中から強烈な早さで

ラピスが飛び出してくる。

その強烈かつ高速な「あっぱあすとれいと」をギリギリでかわすルリ。

 

「それでは・・・・」

 

さっきまで自分がボコってた相手を見る。

 

「え−っと・・・・たしか岡っ引きの・・・・マキビさんでしたね。

 それにしても変わり身ですか・・・・・あなどれませんね、ラピス」

 

「今のをかわしたルリもたいしたものだよ」

 

 

 

 

「目が痛いよお」

 

「ダメだよ、メティちゃん。頭洗う時はちゃんと目を閉じてないと」

 

「だって目閉じたらおにいちゃんが見えないんだもん」

 

 

 

 

「そろそろ終わりにしよう、ルリ」

 

「同感です」

 

ラピスが左の拳を繰り出してくる。なぜか某サイボ−グが走る時の様にスロ−モ−ションに

なっていく。しかし今時600万ドルではサイボ−グは作れまい。

 

(かかりましたね)

 

ルリがその拳の上に合わせる様に拳を繰り出す。

とっておきの切り札、クロスカウンタ−だ。

だがその時、ラピスの拳が突然上にハネ上がり、ルリの拳をはじく!

 

(何?)

 

ニヤリと笑ったラピスが満を持して右の拳を繰り出してくる。

「だぶるくろすかうんたあ」だ!

 

「させません!」

 

とっさに左の拳を繰り出し、同じようにラピスの拳をはじく!

「とりぷるくろすかうんたあ」をかける!

 

右を!左を!また右を!二人は互いに拳をはじきあい続けていた。

 

「じゅ−いちじゅ−に、じゅ−さんじゅ−し、・・・・・・・え−と・・・」

 

「15だよ」

 

「じゅ、じゅ−ご、じゅ−ろくじゅ−しちじゅ−はち」

 

もはや数えられない程に互いの拳を弾いた両者。

だがその戦いも、今終わる。

 

「はあ!」「てやあ!」 めきょ!!

 

二人とも相手の顔に、己の拳をメリこませていた。

そのままの姿勢で、己が宿敵を認め合う両者。

 

「さすがルリだね。やっぱ強いや」

 

「ラピスこそ。成長しましたね(胸以外ですが)」

 

にやりと笑うと、ざしゃあ!と湯の中に崩れ落ちていく。

 

 

 

「あ−いいお風呂だったあ」

 

「こら、今体拭いてるんだからおとなしくしなきゃダメだろ」

 

「はあい。それじゃ一緒に『こおひい牛乳』飲もうね、おにいちゃん」

 

 

 

湯にゆうらりゆらりと浮かびながら倒れ伏す両者を、抱くように優しく湯気が包み込んで行く。

そんな彼女達を見守るのは、夜空の月とボコボコにされていまだ意識の戻らない

ハ−リ−君だけであった。

 

ちなみに先に意識を取り戻した二人にまたもやボコられる運命だというのは、今は知らない

ふりをしてあげよう。

 

 

終わり

 

 

 

 

管理人悩む(ちょっと仕事の事で(苦笑))

 

 

影竜さんから十四回目の投稿です!!

影竜さんの復活第一号です!!

お帰りなさい、影竜さん!!

読者の皆様も待ってられましたよ!!

でも、ハーリーは台詞無しね(爆)

メティの両親はどうしたんだろう?

まあ、あの二人の事だから何処かでラブラブしてるだろ(けっ)

・・・考えてみたら、唯一のカップルなんだよな(苦笑)

まだ、ミナトさんと九十九は(6/8現時点)そこまでいってないしね。

 

 

では、影竜さん十四回目の投稿、有難うございました!!

 

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