運 命 と 世 界 に 愛 さ れ し 者

            第四章 後編 運命停止





  思わず目を瞑った少女はその時の訪れを待った。

  一秒、二秒、三秒−−−−−−−−−十秒が過ぎた。

  しかし、それはやっては来なかった。

  その代わりに悲痛な叫びがその耳に飛び込んできた。

  「ハーリー!! なにやってんだよ」

  少女は恐る恐るゆっくりと目を開いた。

  一番最初に目に入ったのは、黒い壁。

  壁の中腹ほどの所から見覚えがある物が突き出ていた。

  その周りがゆっくりと赤く染まっていく。

  死を覚悟し、鈍っていた頭が覚醒してこの状況を理解していく。

  「あれは・・・・・・・・・・・人?」

  そう、少女が壁と思っていたのは人の背中だった。

  そしてその黒衣の青年の腹から突き出しているのは・・・・・ラピスの二股の槍。

  服を染め、ゆっくりと広がっていく、槍の穂先から垂れる粘り気のある液体・・・・血だ。

  それを理解した瞬間、少女の口から声が出た。

  「イネス母様、はやくあの人を!」

  イネスがハーリーを見て、叫ぶ。

  「みんなっ! チャンスよ!!」

  「えっ?」

  少女がその言葉の意味を理解するより早く、乾いた音が連続した。

  ≪運命とは穿たれぬもの≫

  ハーリーは運命の刃で銃弾を受け止める。両腕にくる衝撃が全身に響く。

  その衝撃により、癒着したはずの腹部の傷から新たに血が吹き出た。

  傷が開いたのだ。

  「ぐぅ」

  ハーリーの口からうめき声が漏れる。

  自分の腹から血、というより力が、命が抜けていくような感触を感じて呟いた。

  「・・・・・・・・まいったな。突き刺さったままじゃ、傷が治りにくい」

  背後を振り返ることなく、少女の放つ遺伝詞で存在を感じる。

  ・・・・・酷く・・・・怯えている。

  目の前には鬼のような表情で銃を撃つ女性達。

  ハーリーは自分のこの絶望的なまでの不利を感じた。

  ・・・・・ここから、動くわけには行かない。

  後ろには名も知らぬ少女がいる。

  ハーリーが動けば放たれた銃弾がこの少女を貫くだろう。

  天川の妻達はそれを知ってか、知らずか銃をうち続けている。

  そして壁から顔をのぞかせつつあるのは鉄色を剥き出しにした20ミリ連装式機関銃。

  四本の銃身が甲高い唸りをあげて回転を始める。

  それを見たハーリーの顔色が、この時初めて変わった。

  ・・・・・正気なのかルリさんはっ!!

  機関銃の前に人間の肉体は盾にはなりえない。

  もし着弾すればハーリーの肉体を貫き、後ろの少女の肉体すら貫く。

 そしてただの肉塊になるまでそれは止まることはないだろう。

  ・・・・・自分たちの子供まで、巻き添えにするつもりか!!

  ハーリーは自分の失態を痛感した。

  彼女たちを追いつめすぎたのだ。

  今の彼女たちに正常な思考は残ってはいない。ただ彼の存在を消すことのみに全てを注いでいる。

  それほど、夫であるアキトに嫌われるということは彼女たちにとってなんとしても避けなければ
 いけないことだった。

  機関銃が銃弾を吐き出すよりも僅かに早くハーリーは叫んだ。

  「不可視の盾となりて我らを護れ!」

  彼の上着から白く長い物が飛び出した。

  それは空を切り裂き一直線にハーリーの元へと飛んでいく。

  いや、それは一つの長い物ではなかった、小さな物が多数集まってそんなふうに見える、紙達。

  その紙はただの紙ではなく、紋章が書かれた符だ。

  ハーリーの声をトリガーに符達は一斉にその力を発揮する。

  符はハーリーの前に達すると大きく前に出た一枚を中心に螺旋を描いて空中に留まった。

  その瞬間、猛獣の咆吼にも似た野太い銃声を長々と発しながら機関銃が火を噴いた。







  完全に符が彼らの前に揃うのと着弾はほぼ同時だった。

  符の持つ力にて作り出された不可視の力場が弾丸を絡めとり、あらぬ方向へ逸らす。

  「ちぃ」

  ハーリーの奥歯が軋みをあげた。

  符の力を増大させるために全身に力を込め、符に力を注ぎ込む。

  腹の傷から流れ出る血の量が増える。

  じわり、腹から流れ出た血が服を紅く染め、足を伝って地面に到達した

  ゆっくりと血だまりが彼の足元に広がっていく。

  ・・・・・出血多量で動けなくなるのが先か、符が尽きるのが先か。

  目の前に浮かぶ符が力を使いきり燃え上がっていく。

  そして灰になり消える。

  ・・・・・血が足りなくなれば俺の負け、符がすべて燃え尽きても俺の負け。

  ちらりと後ろの気配を目を使わずに探る。

  今だに少女が放つ恐怖の遺伝詞が強く感じられている。

  ・・・・・負ければ、俺はともかくあの女の子が・・・まったく責任重大だ。

  意識が離れたわずかな時間で数枚の符が一気に燃え上がった。

  ・・・・・参ったな。ちゃんと作った物じゃないから長くは持たない。

  ハーリーは振り向かずに遺伝詞のみで唯一の仲間に話しかけた。

  ・・・・・香織! あの子を安全な場所へ。

  部屋の端でそれを見た香織が力無く叫んだ。

  「ハーリーのばかぁ。腰が抜けて動けないよぉ」

  そう、香織はハーリーのあまりに強い怒りの遺伝詞のせいでいまだに腰を抜かしていた。

  「ぷっ」

  思わず笑いが漏れる。

  「笑うなぁーーー!!」

  香織の叫びとハーリーの叫びが重なった。

  「それなら仕方ないよなぁ!!」

  ハーリーの左手が複雑な動きを見せる。

  力の供給が途絶えた符が一瞬にして力を使い果たし燃え上がった。

  だが彼はそれを見ない。

  ただ、言葉を紡ぐのみ。

  ≪世界に意思無き機械の咆哮は響かず≫

  そう声が響いた瞬間。

  途切れることなく響いていた咆哮が突如として止んだ。

  「どうしてっ」

  ルリは手元のコンソールを見る。

  そこには異常個所が表示されていた。

  ・・・・・発火不良・・・・・

  『弾丸を抜いて、再装填して下さい。』

  「そんな、こんなことが起こるはずが・・・・」   ルリはつい一瞬前に聞こえてきた声を思い出した。

  世界に意思無き機械の咆哮は響かず、小さく口の中で呟く。

  ・・・・・ただ命令を聞くだけの機械で無ければ!!

  「「オモイカネ!!」」

  ルリと誰かの声が重なった。







  ハーリーは言実詞の効果を見ることなく前を見る。

  視線の先には言実詞の効果以前に飛び出した破壊の力そのもの、弾丸がある。

  その数、五発。

  直撃軌道ではない二発は無視。

  残りの弾丸の軌道に意識を集中させる。

  二発は直撃軌道。

  運命で受け止めた瞬間上に傾け、弾丸を逸らす。

  逸らされた弾丸は天井に当たって火花を散らした。

  受け止めた時の衝撃は自ら吹き飛ばされることによって軽減する。

  吹き飛ばされながら、最後の一発の軌道を見て唇を噛んだ。

  ・・・・・よりによって直撃軌道かよ。

  不安定な姿勢のまま、片足で地面を蹴った。

  横を通り過ぎようとする弾丸に肩から体当たりをかける。

  弾丸はハーリーの肉を貫き、骨を砕いて軌道が変わり、体内から飛び出していく。

  骨が砕かれ、肉をごっそりと持っていかれたハーリーの腕は力なく千切れかける。

  だが、まだ血は出ない。

  力なく吹き飛ばされるままに揺れる腕ごしに弾丸の軌道を見て、小さく笑みを浮かべた。

  ・・・・・これであの子にあたることはない。

  安堵の息を吐いたとき、ハーリーの体が硬化した絨毯にたたきつけられた。

  ここまで飛ばされてきたのだ。

  衝撃の惰性で絨毯の上を転がるがすぐに体勢を立て直し、立ち上がった。

  そのさい、わずかに体の左側が軽くなった気がした。

  濡れた何かが床に当たる音が確かにハーリーの耳に入る。

  一瞬、その場にいた誰もが驚きの遺伝詞を放った。

  あの天川の妻たちさえもが彼の左側を見て、動きを止めている。

  訝しげにハーリーはその視線の先に目をやった。

  それで彼はみんなの反応に納得した。

  そこにはあるべきはずの左腕が無かったから止まっていたのだと。

  あるべき左腕は力なく絨毯の上に転がっている。

  左肩の先には左腕の変わりに途中で砕け、血に汚れた骨が見えていた。

  ハーリーは皆の反応に納得し、深く息を吐いた。

  その瞬間、収縮していた筋肉が弛緩し、肉が膨れ・・・・。

  血が吹き出した。

  「!」

  鼓動の勢いが血流の反動としてハーリーを打つ。

  体が傾むいていくのを感じた時、背後から悲鳴が上がった。

  ・・・・・なんか・・・・あったのか。

  彼は傾く体を無理やり立て直し、背後に目をやった。

  そこには・・・・・。

  「ああああああああああああああっっっっっ!!」

  目に涙を溜め、雄叫びを上げながらこちらへばく進する少女の姿があった。

  ・・・・・なんで、泣いてるんだ?

  出血多量のせいでハーリーの頭は正常に物事を捉えられなくなっていた。

  ひどい寒気を感じながらぼんやりと少女の動きを見守る。

  「今、助けますっ!!」

  涙を堪え少女は叫んだ。

  「「オモイカネ!!」」

  少女とルリの声が重なった。







  オモイカネは二人に呼びかけられたその瞬間、すべての処理がストップした。

  同じくらい大切な人からの呼びかけだ。

  ルリからは殺人、ルリの娘メノウからはハーリーを救えという、完全に対極にする命令。

  オモイカネの電子頭脳の中でどちらを優先するか協議された。

  ルリは育ての親でもあり大事な友人でもある。

  メノウはアキトとルリの娘であり、オモイカネにとっても大事な娘のような存在だった。

  この二人の頼みにオモイカネは混乱した。

  ルリの頼み、いや命令ではあるが故殺を禁止するプログラムがオモイカネの頭脳にアラームを響かせる。

  さらに変わってしまったとは言えハーリーは友人であり、そしてまた彼のしたことを考慮に入れてもルリたちの行動は行き過ぎである、とオモイカネは思っている。

  メノウの頼み、いや命令はオモイカネも進んでしたいと思うのだが、ルリの命令の優先度はかなり上位に位置する。

  そのためルリの命令をキャンセルするにはそれなりの理由が必要である。

  オモイカネはこの二つの命令、この場合はどちらの存在が彼に取って重いかを表すことだ。

  もちろん、彼には選ぶことなどできはしない。

  だから・・・・・・・・・。

  「・・・・・・・・・・・・・・・・」

  答えを出さずにフリーズした。







   「「オモイカネ!!」」

  一度目の呼びかけに応じず、二度目の呼びかけにも応じないオモイカネに二人は揃って舌打ちを打つ。

  このあたりに血の繋がりを感じる。

  だが、メノウは思わずしてしまったことに思わず赤面する。

  ルリは慌てずに空になった弾倉を捨て、銃に新しい弾倉を叩き込み、再装填。

  そのままハーリーに向けて狙いをつける。

  片腕を失ったハーリーはふらふらとメノウの見つめている。

  ・・・・・チャンス。

  彼女の口元に笑みが浮かんだ。

  引き金に細くて白い指が掛かり・・・・・。

  ・・・・・お兄ちゃん!!

  声にならない声は強力な遺伝詞になり、ハーリーを打った。

  香織の一番呼びなれた言葉、彼の一番呼ばれなれた言葉。

  ハーリーはその言葉ならば、テンポや声の強弱だけですべてを知ることができた。

  そして、今のは・・・・・・・・・・。

  危機を知らせ、自分を叱咤している。

  ≪世界は運命に助力する≫

  言実詞の自動発動。

  外的要因による言実詞の発動は香織に与えられた力のひとつだ。

  虚ろな目をしたハーリーの目に力が戻った。

  だが、大量の血を失った体はいまだに脱力したまま、ふらふらと揺れている。

  ・・・・・ハーリーくん、悪く思わないでください、ね。

  ルリの引き金に掛かった指に力がこもる。

  ハーリーがルリの殺意の遺伝詞に気がついてそちらに顔を向ける。

  その時にはもう、銃から弾丸は発射されていた。

  今の彼には状況を正しく理解する力がかなり低下していた。

  さらに血の足りない体は彼をまるで見えない鎖で縛り付けているかのように動きを阻害する。

  だから彼は運命を振るわずに願う、世界よ変われと・・・・。

  ≪殺意ある力を世界は認めず≫

  ハーリーに向かったすべての弾丸は彼の直前で軌道を捻じ曲げられ、通り過ぎた。

  だが、そこで終わりではなかった。

  ハーリーに軌道を捻じ曲げられた弾丸は直線を書かずに彼の元に向かうメノウへと、飛ぶ。

  自分に向かってくる物に気づいたメノウは慌てて体に制動をかける。

  そして、父から受け継いだ力、昂気で身を守った。

  ・・・・・これで銃弾くらいなら・・・・・・。

  稚拙ながらメノウは昂気の発現までならなんとか意識して使うことができた。

  しかし、それは彼女の体のみに効果を及ぼすものだった。

  弾丸の着弾地点は彼女ではなかった。

  「!」

  着弾地点は・・・・・・・・・足下の絨毯。

  流体によって硬化していた絨毯の一部が粉砕された。

  弾丸が絨毯を貫く。

  そして、またその一部とは・・・・・・・。

  メノウは足元に広がる暗黒の空間に全身が恐怖に引きつった。

  「ひっ」

  支えるもののないメノウの体が落下を開始。

  落下しながらとっさに出した手で絨毯の端をつかむことに成功する。

  ・・・・・よかっ・・・・・・・。

  だが、その場所も弾丸の着弾地点のひとつだった。

  ひびの入った絨毯は彼女を支えきれない。

  絨毯はメノウの手の中で砕け、体は一瞬の停滞を得ただけで再び落下を開始する。

  ・・・・・助けて・・・・・。

  メノウの声なき声がハーリーに向けられた。

  振り返ったハーリーが見たものは細かく砕けた絨毯の欠片が落ちていくところだけだった。

  「メノウーーー!!」

  ルリが部屋を横切る溝に向かって走る。

  ほかの天川の妻たちも武器を捨て、ルリに続いて走った。

  今、このときハーリーはこの足元に少女が落ちたことを悟った。

  彼はメノウの落ちた穴を覗こうと下を向く。

  そして自分の腹から生えている二股の槍が目に入った。

  ・・・・・まいったな。

  どおりで動きにくいと思った、ハーリーは穂先をつつく。

  「はぅ!!」

  癒着した傷口に激痛が走る。また、じわりと血がにじんだ。

  ふむ、ハーリーは運命から刃を出し、逆手に持ち、いきなり腹に刺した。

  漆黒の刃が背中から突き出す。

  彼は運命を持つ手に力を込め、

  ≪運命とは断ち切るものなり≫

  刃が通り過ぎた。

  ハーリーは運命を下に落とす。

  体を左へと倒すと、一割ほどを残してぱっくりと切断面が覗く。

  表からの見た目からは想像できないモノの中にラピスの持ち物が乗っている。

  ねっとりとした血に汚れたそれを掴み取ると床に捨てた。

  今度は右に体を傾けつつ、右手をズボンのベルトに掛けると引き寄せる。

  きれいに切断面を合わせると、一瞬で癒着し再生を果たした。

  足の甲の上に落とした運命を軽く蹴り上げ、空中で掴み取ると、
  左手がないまま、右手に運命を持ち少女の後を追う。

  光の無い暗黒の深遠にハーリーは飛び込んだ。

  香織の、「お兄ちゃんにはそこまでする必要はないんだよっ!」という言葉を聞きながら。

  ・・・・・俺がしたいだけなんだよ、香織。

  彼女に向けられた彼の微笑を最後に、ハーリーは視界から消えた。

  頭から落ちていくハーリーは暗闇の中、先に落ちたメノウを探す。

  ≪世界は運命に道を示す≫

  見つけた。

  大きく強く響く恐怖の遺伝詞を目と耳で捕らえた。

  「今行くっ!!」

  メノウに声を掛けつつ、言実詞が響いた。

  ≪世界とは加速していくもの≫

  言実詞によってハーリーの落下速度が一気に加速した。

  周りの風景の流れていく速度もつられて加速していく。

  小さく見えていたメノウがだんだんと大きく見え出してきた。

  並ぶまでたいした時間は要らない。

  ハーリーは考える。

  底までの距離から考えられる時間的猶予を。

  ハーリーはメノウと並んだ。

  「はじめまして、お嬢さん」

  「えっ、誰ですか。どこにいるのですか?」

  彼の言葉に怯えの隠った声が帰ってきた。

  ・・・・・そう言えば暗いんだよな、ここ。

  遺伝詞を見ることができる彼には暗闇は大した障害にはならないが、彼女はそうはいかない。

  ≪世界とは光あるもの≫

  その言葉と共に光が二人を包んだ。

  突然の光に驚きつつも、メノウはハーリーの方を向いて、

  「はじめまして、天川 メノウといいます」

  「俺はマキビ・ハリ。ハーリーと呼んでくれてかまわないよ」

  「私もメノウとお呼びください」

  笑顔で挨拶を交わす二人。

  メノウの視線がハーリーの顔から身体に向かう。

  その視線がハーリーの左肩で止まる。

  そこにあるべき物がなかった。

  「ハリ様。・・・・・・・私のせいで」

  「こらこら、勝手に自分のせいにして暗くならない」

  「だって、私のせいでその腕とお腹に・・・・・・・・。えっ?」

  服が切れている物の彼の腹に傷はなかった。

  「あの程度なら、槍さえ抜けばすぐに治るよ」

  血の止まった左肩を軽く動かして、

  「この腕も十五分もすれば、また新しいのが生えてくるよ」

  「・・・・・・ほんとう・・・・ですか?」

  かなり疑わしそうにメノウは言った。

  彼は苦笑を浮かべつつ、

  「まあ信じられないのも仕方がないけど、本当だよ。だから気にしなくていい」

  「そうですか・・・・・・」

  ひとまずは納得したらしい。

  「あ、れ」

  今更ながら上から落ちてきたハーリーを見て、メノウは驚いた。

  「どうしてあなたもここにいるんですか?!」

  「同じように穴に飛び込んだからだけど・・・・・」

  「そういうことを言ってるんじゃありません!!」

  「助けてなんて言われたら、助けないわけにはいかないと思わないかな?」

  頭を下にしたままで、軽く横回転しながらメノウの質問に質問で返すハーリー。

  「そんなこと言ってません!」

  「あれ、そうだっけ」

  「そうですっ!」

  「確かに、声に出しては言っていないよ」

   でもね、と言葉を続ける。

  「心で強く思うとね。声に出さなくても、心から言葉が漏れて、わかる人にはわかちゃうんだよ」

  ハーリーは静かにそう告げる。

  「そ、それは・・・あなたの思い込みです」

  なんとか言い返すが先ほどまでの力がない。

  「そうだとしても、俺は助けようとするだろうさ。君は違うのか?。助けを求めてもいなく、君と
  は初対面のはずの俺を助けようとしてくれたのに」

  「・・・・さっきのは・・・・・ただ単に体が勝手に動いただけです・・・・・・・・」

  ・・・・・私を助けてくれたから・・・なんていまさら。

  メノウは顔を伏せる。

  ・・・・・こんなことになっているのに・・・助けるなんて・・・。

  「あのままならあなたは助かったのに・・・・」

  俯いて呟く。

  「大丈夫だ。俺は死ぬ気はないし、メノウ、君も死ぬことは無い。それにあのまま見捨ててたら
  絶対に殺されてたよ」

  君の親たちにね、軽く肩をすくめて見せる。

  「まったく、君の親たちは自分に都合の悪いことがあるとすぐに力で解決しようとするんだよなぁ。
  無意味に歳を取っただけで昔からなにも変わってないんだから。まいるよ、ほんと」

  「昔からなんですの?」

  「ああ、ナデシコAに乗っていたときからね。あんな親じゃ苦労するだろ」

  「いえ・・・・みんなお父様に夢中で、あまり私には構ってくれませんから」

  「なにをしているんだ、あの人達は」

  ハーリーは大仰に肩をすくめて見せる。

  「でもメグミお母様だけは色々と構ってくれますよ。昨日だってお話を聞かせてくれたり、他に
  は歌を教えてくれたり」

  「メグミさんがねぇ」

  「はい。だから、私は、メグミお母様は大好きです」

  「そうか・・・・。確かに上にはいなかったけど、少しは大人になったのかな」

  「そうですよ。きっと」

  「そうかなぁ」

  「そうですよ」

  「ほんとにそうかなぁ」

  「ほんとにそうですよ、きっと」

  今の状況を理解していないのか、のん気な会話を続ける二人。

  「さーて、楽しい会話はやめてぼちぼち行動に移らないと」

  暗闇の底に視線を向けて残された時間を計る。

  「なにかするんですの」

  「このまま落ちれば俺はともかく、君はぽっくりを通り越して肉塊、もまた通り越してハンバーグ
  になるしかなくなるよ」

  「あの・・・・ハンバーグですか?」

  「そう、肉料理のハンバーグ。君は好きかい?」

  「好きです。でも・・・・」

  「自分がハンバーグになるほどは好きじゃない、と」

  「はい」

  ハーリーは笑顔を浮かべ、

  「そう、なら安心した。ハンバーグになりたくないと同意もいただけた所で」

  運命を振るった。

    ≪運命とは自らで決めるものなり!≫

                         チューン
  運命が横を流れていく風を切り裂き、 風  水 を開始。

  「何者にも囚われぬ自由なる風の囁きたちよ。聞こえているか!?俺の遺伝詞が!!」

  そして、

  「ア」

  で始まる遺伝詞を彼は放つ。

  緩やかであるが、尻上がりのうねりを持った高い音だ。

                                アレンジ
  その澄んだ響きを歌にして飛ばし、風を風水で遺伝詞操作する。

  竜に。

  奇跡は四秒で完成した。

  「メノウを乗せて上へ!!」

  蒼き風の小竜は二十メートルほどもある体を、ぐぃ、と伸ばしメノウを頭に乗せて、上へ。

  「な、ななななな。なんですかぁ、これはぁ」

  小さなお尻に固い竜の鱗の感触を感じながらメノウが叫んだ。

  「俺が風の遺伝詞で作った竜だよ。それが君を安全なところまで運んでくれる」

  下のほうから小さくハーリーの声が聞こえる。

  彼は変わらず落ち続けていた。

  「ハリ様はどうするんですか!」

  「こうするのさっ!!」

  ハーリーは運命を横向きに口に銜え、接続端子との接続を解除。

  残った右腕を竜に向かって大きく振るう。

  と、同時に接続端子を一気に伸ばす。

  接続端子は鞭のようにしなり、竜の足に二重三重に巻きついた。

  ハーリーはコードを伸ばすのをやめる。

  とたんにコードが張り詰めた。

  細いコードは彼の体重と落下速度を受け止め彼を上へと運んでいく。

  だが、けっして太いとは言えないコードは小さく悲鳴をあげている。

  ハーリーはそれを見て、

  ≪世界は運命を見捨てない≫

  言実詞が響くと同時に悲鳴が収まった。

  ・・・・・さてさて、無事に上がれるかねぇ。

  ハーリーはふらふらと揺れながら心の中で呟いた。







  「・・・・・メノウ」

  ルリはメノウが落ちた穴の淵に立ち、中を覗き込む。

  しかし、暗視も遠視も持たない彼女には何も見えない。

  オモイカネもフリーズしたままで彼女の言葉は届かない。

  「緊急用にもう一台AIを作っておくべきでした」

  オモイカネがフリーズしたままである現在、この穴の中の様子を知るすべはない。

  「メノウ、私がもっとちゃんと的確にあれを排除しておけば・・・・・・」

  俯いたルリの銃を持つ手が震える。

  「私が、私が!! もっと・・・・・・・・・・・・!!」

  誰もが口を閉ざしたこの空間に銃声が響く。

  暗闇に慣れた瑠璃の目を激しいマズルフラッシュが焼いた。

  一瞬の光が暗闇を切り裂き、穴の中の様子をルリに晒す。

  ルリは痛みを訴える己の目を無視して、銃を撃つ。

  鼓膜を振るわせる銃声が響くたびに穴は暗闇を切り裂かれその真の姿はルリの物となる。

  だが、彼女が求める姿は更なる暗闇の中にある。

  「はじめから、あれをここに入れさえしなければ!!」

  しかし、目を焼かれたルリにはそれらは見えていない。

  不意に銃声が止み、金属音がひとつ響いた。

  手の中の銃は銃口から白煙を上げて、沈黙している。

  弾切れだ。

  ルリは手の中の銃を見つめる。

  弾の切れた銃はただの鉄塊にすぎない。

  「この・・・・・・」

  銃を穴の中に投げ込もうと、腕を振り上げる。

  「マキビはどこだっ!!」

  ルリの背後から怒声が響いた。

  慌ててルリが振り向く。

  あ、と小さく声が漏れた。

  その視線の先には倒れそうな身体を零夜に支えて貰って立っている北斗がいた。

  「・・・・マキビはどこだ・・・・」

  殺気すら込められた北斗の問いに静かに応える。

  「この下です」

  怒りや悲しみと言った負の感情で顔を歪めて、

  「・・・・・・・メノウと一緒に・・・・・・・」

  北斗の顔色が変わった。

  「ルリ、それがどういうことかわかって言っているのか」

  「わかっています」

  「わかっている? いいや、お前はわかってなんかいない!」

  ぎりっ、と歯をかみしめる。

  「今日は俺の日なんだぞ!。こんな事があったら俺の相手をできる状態じゃなくなるんだぞ」

  「わかっています。私だって、明日なんですよ。たった一日でアキトさんが元に戻るなんて
  考えられません。だからなんとかしないといけないと考えているんです!」

  「ルリ! なんでとっととマキビを始末しない」

  「出来なかったんです。イネスさんやリョーコさん、みんなでハーリー君に当たりましたけど
  みんな倒されて・・・・・・・」

  ルリだけではなく、他の面々も俯く。

  「情けないな、お前達。それでよく天川の妻だと胸はって言えるな」

  北斗の侮蔑が隠った冷たい声。

  ルリとラピスが勢いよく顔を上げた。

  「いきなり脱落したあなたに言われたくありません!!」

  北斗の自分よりも豊かな胸に向かって叫ぶ。

  口には出さないものの、ラピスもなにか言いたげに北斗を睨み付ける。

  その場にいた全員の冷たい視線が北斗に注がれた。

  後ろの方では北斗の何かの順番を抜かそうという意見も出始めていた。

  「ちょっと待て! あれは零夜が裏切ったから・・・・・」

  「えっと、私? ええっ!! もしかして私が悪いの?」

  北斗の言葉に零夜が自分を指さし叫んだ。

  みんながみんな、揃えて頷く。

  「だって、だって、ハーリーくんのお願いだよ。ちゃんと聞かないとまた私の手とか足とか
  無くなっちゃうんだよ。私、達磨さんになるのは嫌だモンっ!!」

  両手を振るどころか全身を使って子供のように、零夜がみんなに訴える。

  「嫌だモンって。零夜・・・・・お前何を言ってるんだ」

  「達磨さんになっちゃうとすごーく困るんだよ。ご飯だって食べられなくなるし、お散歩も
  出来無くなっちゃうんだよ。北ちゃん、わかるぅ?」

  「いや、なんとなくはわかるが・・・・・・。零夜、大丈夫か、お前」

  「ぜんっぜん、大丈夫じゃないよっ!!」

  零夜が足を踏みならして、

  「北ちゃんのせいで私の手とか足とか、耳も鼻もぜーーーーーーんぶ、ぜーーーーーーんぶ
  ハーリー君にお願いして取り替えて貰ったんだよ」

  その目に涙を溜めて、

  「零夜、れいや。すっごく怖かったんだからぁ。・・・・・・ハーリー君、れいやの手とか
  足とかおっきなのこぎりでギコギコ切って、れいやの隣にならべるんだよっ」

  涙が頬を伝って床に落ちた。

  「まっくろになって、指とか足りなくて、じゃんけんもできないし、おにぎりも握れないん
  だよ。おみみもおはなもれいやのとなりのふとんに置いて・・・・・・。れいやはおにんぎょ
  うじゃないんだよ。にんげんなんだよ、女の子なんだよっ!!」

  涙を流しながら零夜が北斗に詰め寄っていく。

  困惑した顔で北斗がイネスに顔を向ける。

  「いったいどうなってるんだ。この零夜の変化は?」

  「さっき、マキビ君が言ってたでしょ。零夜さんに細工したって」

  肩を竦めてイネスが続ける。

  「おそらく、何かしらのキーワードでこんなふうに子供っぽくしたり、命令を実行させたん
  じゃないかしら。きちんと検査したわけじゃないから、断言はできないけど」

  「そうか。・・・・・それじゃあどうしたら元に戻るかは・・・・・」

  「今のところまったくわからないわ。細工をした本人に聞かない限り」

  「ったく、あのバカもめんどくさいことをしてくれる」

  目の前で喧しく言い寄る零夜から視線を外した北斗が溜息を吐いた。

  零夜は自分を無視する北斗の顎を掴むと、強引に自分の方に向ける。

  「北ちゃん。れいやのおはなし・・・・・・」

  「うるさい」

  みなまで言わせず零夜に当て身をくらわす北斗。

  北斗の一撃に耐えられるはずもなく、気絶させられた零夜の身体が力無く床に倒れた。

  それを見ようともせず、ルリの方へ向き直る。

  「ルリ、マキビの様子は見れないか?」

  「今は無理です。オモイカネが自閉モードに入ってますから呼びかけには応えてくれませんし、
  肉眼ではとてもこの落とし穴の全てを見ることはできません」

  「ルリちゃん、この部屋のセンサーは生きてるのよね」

  「はい、オモイカネが絶えず監視してますよ」

  それを聞いたイネスがにやりと笑う。

  「それなら大丈夫。強引にオモイカネを引っぱり出せるわ」

  「どうやってですか。私の呼びかけも聞こえないのに」

  「んっふっふ。説明・・・・」

  「しなくていい」

  嬉しそうに言うイネスを北斗が遮った。

  「お前の説明を聞いて、終わる頃にはオモイカネも復旧しているだろう。今は時間がないんだ。
  知っているなら言え、知らないのであれば黙れ」

  「くっ、わかったわよ。この部屋、そうね床でもどこでもいいから思い切り一撃いれなさい。
  そうすればその異常を感知してオモイカネも出てくるでしょう」

  「そうか、ならば」

  拳を握り北斗は呼吸を整え、昂氣を高める。

  昂氣が拳に集まり、真紅に染まった。

  気合いの声と共に床を、強打!

  その瞬間、城そのものが激しく揺れた。

  激しい揺れに天川の妻達が次々に床に経たりこむ。

  震源地の北斗はと言うと、巨大なクレーターの真ん中で、満足げに笑みを浮かべていた。

  ・・・・・身体の調子は完全に戻ったな。

  突然部屋の中に警報が響いた。

  それと共にオモイカネによる合成音声による警告が発せられた。

  「第13客間にて異常振動感知、第13客間にて異常振動感知。直ちにその原因を」

  「・・・・・オモイカネ・・・・・・」

  怒りを押さえつけたルリの小さな呟きがオモイカネの言葉を遮った。

  「・・・・・・ルリ、僕はいったい何をしていたんだろう」

  真っ青な背景の上に白地でオモイカネのメッセージがルリの前に浮かんだ。

  こころなし、そのコミュニケが小さく震えているようにも見える。

  「オモイカネ」

  聞きようによっては優しく、しかしその目は凍り付いているかのように冷たく鋭い。

  「さっきの事は保留にしておきます。オモイカネ、メノウとハーリー君の様子を見せなさい」

  その言葉が終わるよりも早く、ルリ達の前に大きくある光景が映し出された。

  それは、メノウとハーリーだった。

  想像上の生物であるはずの竜の頭の上にちょこんと座るメノウ。

  その竜の足にコードを巻き付けぶら下がっているハーリー。

  空色の竜はゆっくりと上昇を続けている。

  「オモイカネ!! 二人の地上までの到達予想時間は?!」

  「・・・・・152秒23」

  「北斗さん、聞きましたね」

  「ああ、確かに聞いた」

  北斗は呼吸を整えつつクレーターの斜面を登っている。

  「地上に出てきたその瞬間に迎撃する」

  全身を覆い尽くすほどの真紅の昂氣に包まれ北斗が床の上に立つ。

  その姿はまさに真紅の羅刹と言えた。

  「チャンスは一度きり」

  「ハーリー君に復元する時間を与えてはだめよ」

  ルリとイネスが最後の切り札である北斗に言う。

  「わかってる。一撃でしとめて見せるさ」

  北斗はオモイカネの指示の元、ハーリーが出てくるであろう場所で待機する。

  そして、構える。

  もちろんその構えは蛇王双牙斬、最高の攻撃力を持つ技でなくてはハーリーの回復力を越えること
 は無理と判断したのだ。

  みなが固唾をのんでその時を待った。

  「!」

  北斗の常人を越えた聴覚が何かを聞き取った。

  それと同時に感じたことのない巨大な気配と知っている二つの気配を感じた。

  僅かに動きを見せた北斗を見て、ルリが小さくオモイカネに言った。

  「カウント・スタート」

  北斗の右前方にカウントが表示された。

  30から始まっている。

  それがゆっくりと一ずつ減っていく。

  北斗はそのカウントを見ながら自分のリズムを整えていった。

  カウント0で確実に、最大の威力を持って技を繰り出せるように。

  静かにカウントが減っていくなか、北斗の呼吸音だけがこの場に存在する音だった。

  やがてカウントが5・・・4・・3・・2・・1・・0。

  その穴からメノウが、竜の頭が、身体、そしてハーリーが出てきた。

  「蛇王・双牙斬!!」

  裂帛の声と共に北斗より昂氣の塊が打ち出された。

  ハーリーは再び言実詞を放とうとしたが、遅い!。

  ほぼゼロ距離から打ち出された真紅の力は確かにハーリーを吹き飛ばした。

  ハーリーの身体を支えていたコードはその衝撃に負け、千切れて彼を支える事はできない。

  衝撃に押されるまま彼の身体はぼろぼろになりながら穴の反対側に向かって飛んでいく。

  「おにいちゃん!!」

  香織がハーリーを救おうと、抜けた腰のまま床をはいずり進む。

  だが、彼女が彼の元に着く前にその身体は穴の端に激突した。

  纏めて生木を強引にへし折るような音がハーリーの腰のあたりから響く。

  激突の衝撃で背骨が砕け、腹が裂けて血しぶきが吹き出した。

  その中には血に汚れ、ずたずたに引き裂かれた臓物が多数混ざっていた。

  彼の身体は普通ではあり得ない、あり得てはいけない方向に折り曲がっていた。

  ハーリーの上半身は床の上に背を着け、下半身は穴の中に。

  千切れ掛かった上半身と下半身を繋げているのは人体の中でもっとも長い器官のみだ。

  下半身が重力に引かれて下にずり落ち始めると、上半身からずるずると引き出されていく腸。

  そのあまりにも惨い光景を見た何人かの天川の妻達が次々に胃の内容物を吐き出した。

  吐瀉物特有の臭いがこの部屋に充満していく。

  そうならなかった者達も顔を背けて口元を押さえている。

  これを平然と見ているのは北斗だけだった

  決して近くない距離を通して香織はハーリーと目が合った。

  仰向けになったハーリーの口から血が吐き出されて、顔を赤く染めながら額に達し、床へと流れた

  香織は変わりきった虚ろな目で自分を見る彼の惨状を見て、心の中で何かが壊れた気がした。

  その事実を否定するかのように声にならない悲鳴が口から飛び出る。

  「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

  長く続く悲鳴の中、下半身に引きずられて上半身も穴の中に落ちていく。

  届かないのはわかっているはずだが、香織は精一杯手を伸ばして彼を引き留めようとした。

  やはりその手は届かず、彼女の気持ちも届くことなくハーリーはその穴に落ちて行く。

  そして、ハーリーはまさに落ちた果実の様に五体が弾け、穴の底一面に飛び散った。

  この日メノウは母達の行ったことに対し、その血を受け継いでいることに恐怖した。





  後書き
  はい、お久しぶりです。
  やっと書き上がりました。パソコンが壊れてしまい、かなり凹みましたが。
  パソコンが壊れると色々な意味で痛いですね。
  まずネットに繋げられない。小説が書けない。小説が読めない。メールが読めない、書けない。
  一番に修理に金が掛かる、マザーボード交換に五万六千円。
  痛い出費です。

  今回、ハーリー君はかなり不幸ですねぇ。
  二つになってしまうし飛び散ってるし、なんて不幸なんでしょう。
  本来ならこの後再生して色々書こうとしましたが蛇足になりそうなんでやめました。

  最後に恒例の読者様にお礼です。
  皆様、感想ありがとうございました。
  「続きを読ませてください」とのご依頼、とても励みになりました。
  そして、これを載せてくれる管理人さまと代理人様に感謝いたします。

     ではまた続きでお会いしましょう。
     

 

 

 

代理人の感想

わー。わー。わー。

あそこであのセリフはきますか、奥さん軍団(爆)。

槍杉、もといやり過ぎと言う気がヒシヒシと・・・・・

まぁ、個々ならともかく「同盟」となった彼女たちは

既に元の人格を維持してないからいいかって気もしますが(爆)

 

まぁ、ここまできた事だしクライマックスのカタルシスに期待しましょう(爆)。