「・・・」

ふと、眼を向ける

眼前には、見上げてくる漆黒の眼・・澄んだ瞳で、無垢な笑みを浮かべながら・・

「兄様、嬉しそうですね」

・・・言ってきたそれに、ひとまず新聞を置くことで答える

眼を覚ましたとき両親は既に居なくなっていた、今日は母親も居ないようだ・・結果として、自分の朝食を作るのは目の前の彼女になるのだが

・・・ひどく、厄介な笑みを浮かべている

「お前も・・嬉しそうだが?」

「はい、兄様の顔はずっと見ていても飽きませんから」

言いながら、凝視するように北斗の顔を覗き込む鏡華

黒い髪と、黒い瞳・・父の容貌を受け継いだ優しそうな頬の輪郭・・それを言葉で表現するなら、可愛らしい少女で、その肌にはシミ1つ・・にきび1つ・・黒子すら見つけられない

将来美人になることが確証されている、今での男の眼を惹くことの多い・・北斗にとっては天敵も同然の相手だ

自分より1つ年下、今年7か8のはずだ、体格もそれに見合って小さい・・北斗と同じ暗殺術を修めてはいるが、知識はともかく実践では北斗に及ばない

けれど、昴氣に目覚めたのは北斗より幼く・・その、一見無害な瞳の奥には人を超越したような異常極まりない観察眼と洞察力が秘められている

自分と違い明らかにあの2人の娘のはずだが・・はっきり言って性格はどちらからもかけ離れている

この歳で大学の入学資格や研究所への出入りが許されているのは能力の一端に過ぎない

・・・一度その口が回り始めれば論争で彼女に勝てた存在を北斗は知らない

素行不良の北斗が未だ停学も退学もないのは、義務教育だから以前に・・・鏡華の影に学園理事長が怯えているからである

・・・どうやって説得・・紛いの脅迫をしたのかは、にこりと笑うだけで答えてくれなかったが

ともかく、目の前の・・ウサギの皮を被った恐竜を前にすれば、北斗も逃げるしかなく

「今日は学校が休みだからな、補導される心配もないし・・」

「そうですね、じゃぁデートしませんか?」

にこにこと言い放つ鏡華に冷や汗を浮かべる

・・・鏡華がはっきりデートしようと言ってくることは少ない・・たいてい・・こちらを追いつめるための布石だ

(こいつ・・何処まで気付いている?)

実際、学校が休みと言うことで今日はアキトと約束していた

・・・何処まで気付いているかは知らないが、北斗が何処かに行く予定があることは察しているのだろう

「・・兄妹でデートはないだろう?」

「ではお買い物に付き合ってください、兄様」

にこにこと、こちらの反応を楽しみながら言ってくる鏡華に・・北斗は逃げ道を模索し

ひどく、喉が渇く・・緊張した意識が、水分を欲し

「はい、どうぞ」

差し出されたトマトジュースに否応なく手を差しのばす・・ひどく、鉄錆びた匂いの・・紅い液体に・・

「・・ぐふっ」

当然のように鏡華がタオルを差し出してきた・・半ば以上コップに吐き戻した北斗に、にこにこと笑い

「・・何だ?これは」

「スッポンの生き血です」

エプロンを・・スッポンのものだろう、血に濡らしながら微笑む鏡華

「精が付きますよ♪」

念のために冷蔵庫を開けてみるが・・・

赤まむしドリンクで満たされた冷蔵庫に、どれほどの意味があるだろう・・・

・・・と言うか、何を揶揄してこんな料理を用意したかが気になるのだが

「兄様、とろろ汁とまる鍋、どっちが食べたいですか?」

「どちらも朝食には不向きだと思うぞ」

「一応・・バイ○グラの味噌炒めというのも試してみたんですが・・ちょっと効きすぎるみたいで・・・」

やはり分かっている・・自分が男と会うことで機嫌がいいと言うことを、この妹は理解し、揶揄している

・・・まぁ、偶然かも知れないが

と言うか、偶然こんな朝食を用意されても不思議に思えない日常が恨めしいが

加えて言うなら、くだんの味噌炒めが何故現在進行形で言い表されているのかが気になるのだが・・・忘れよう、最後の言葉は

「・・で、何で精を付けないといけないんだ?」

「今日は私とデートですから☆」

偶然か・・偶然であってくれ

神に祈りながら立ち上がると、朝食・・と言う名の精力増強メニューから目を背け上着に手を伸ばす

既に普段着には着替えてある、アキトへの言葉ではないが絶対体力で勝る自分はなりふり構わず走れば鏡華を振り切ることは容易く

「あ、着替えてきますから・・」

「すまん、鏡華っ」

エプロンに手をかけた鏡華から逃げ出す

鍵がかかっていればねじ切る勢いでドアを開き、そのまま全力で走り出し

「・・・珍しいですね、ドアを吹き飛ばさないなんて」

逃げられたことを当然のものとして受け入れながら、切り分けたスッポン肉をラップにくるんで冷蔵庫へ入れる

生き血はそのまま捨て、とろろは野菜籠へ

まぁ、朝食を食べてくれるとは思わなかったので、兄の上着にはカロリーメイトαを突っ込んでおいたが

「結構依存してますね・・」

・・兄の心理状態を分析しながら、周囲の警戒をする

軍の見張りは無力化しておいた、今頃は関係ない民家を一生懸命見張っているだろう

と言っても、史実に従えば・・彼女が入手した情報でも、決行は明日だ

そこから・・北斗は1人で歩まねばならない

彼女が共に歩んでもいいが、過保護は嫌いだ・・自分は孤高の強さと目に見えない脆さを持つ父が、母が・・兄が好きなのだから

・・・愛しているのだから

だから、明日の事変で・・北斗はどうするだろう

彼女はそれを視、事によれば身を挺してでも護らねばならない

・・・テンカワアキトを

「・・・まぁ、完全に惚れ込んでるみたいですから、私がすることは無さそうですけど」

たぶん、これから十年近くを兄はアキトと過ごすだろう

・・・自分の想像以上に、北斗がひねくれていなければ

「いらないようなら私が欲しいくらいですし」

監視衛星から盗撮した兄の想い人の顔を想像しながら、エプロンを取る

「・・さて」

もう、違う

先まで食材と格闘していた少女は、違う存在になった

その見に纏う雰囲気が、如実にそれを表し

「恋のキューピッドは大忙しですね」

エプロンをそのまま椅子にかけ・・自分の部屋に向かう

兄のあまりに簡素な部屋と違い、色とりどりが散りばめられたピンクを基調とした

子供らしい、女の子らしい・・部屋だ

各所にぬいぐるみが散りばめられ、壁には大きなアイドルのポスターが・・・

ビリッ

・・・あったが・・たった今、破り捨てられた・・紙くずを丸めてゴミ箱へ

「今日も頑張ってくださいね」

そして、現れる光沢、ポスターとほぼ同じ大きさに存在する戸棚・・金属製で鍵穴だけの無骨なそれはポスターの下から姿を現し

鏡華は足下の可愛らしいぬいぐるみの腹に指を突っ込むと、はらわたをかき混ぜるようにウサギのぬいぐるみの中をかき回し

「んっ・・」

冷たい感触を拾い上げる・・金属製の、鍵

そのぬいぐるみもゴミ箱へ・・鍵を回し、中心に現れたウィンドーにパスコードを打ち込む

カチャン・・

小気味いい音と共に開かれる扉・・手近にあったぬいぐるみの口に鍵を押し込むと・・特別製のそれは、すぐに腹まで下り・・ベッドの方へ放り投げる

そして・・・扉の奥にあった道具を、鏡華は引っ張り出した

「よっと・・・」

可愛らしい部屋、少女らしい部屋

そこに乱入した・・無骨な鉄の塊

全長は鏡華の身長を軽く超える、重量にしても同じだ

ごつごつと、機能美など考えずに張り付けられた補強板は幾百ものボルトと溶接の痕跡で埋められ

ただ・・・指をかけるトリガーと、グリップだけは扱いやすいよう綺麗に彼女の手に合わせ作られ

・・・けれど、人の生命を奪うためだけに存在する狂気は、その部屋にはあまりに不釣り合いで

「後は・・」

・・・手榴弾、地雷、はてはハンドバズーカや用途不明の、けれど明らかに殺傷を目的にした凶器の数々、それらを部屋に引っ張り出しながら

鏡華は・・微笑みを絶やすことなく

「・・そろそろ時間かな?」

・・・長大な凶器を背に・・鏡華は姿を消した

忽然と
 
 
 
 

「・・・・・」

ぜぃぜぃと、荒い息を付く

既に心臓は早鐘のように打ち鳴らされ、脚も軋みを上げているようだ

全身の筋肉が悲鳴をあげ、噛み合わされた奥歯が歪み

「あっきっとぉぉぉぉぉーーーーーー」

背後から迫る悪魔から逃れる術を模索する

すでにトラップ地帯は抜けた、だがそれで体力の大半を失ったのが苦しい

そして、自分に自転車はなく・・あいつは自転車に乗っている、このままでは捕まるのも時間の問題だ

何せ周囲は見通しのいい平原、隠れるにしても窪地や森など欠片も見えず

「あっきっとってばぁぁぁぁっっ」

背後の追跡者は元気にペダルを踏みしめる、それを止める術は残されず

(万事休すか・・・・)

諦めかけたその瞬間・・・

「きゃっ」

ガシャンッ

悲鳴と物音・・背後を振り仰げば、ユリカの乗った自転車が転け

ユリカは草原に投げ出されている・・・・見れば分かる、泣き出す寸前だが

「チャンスッ」

神は自分に味方した、ユリカの鳴き声・・もとい、泣き声を背に一気に草原を走り抜ける

可哀想だとは思うが、零との約束をやぶるのはもっと恐い

そのまま・・草原を走り抜け・・・

「兄様・・好かれてますね」

ユリカの元に戻らず逃げ去ったアキトの背を眺めながら、草原に横たわっていた影が起き上がる

傍らには・・横倒しになった長大な凶器

先に、ユリカの自転車のチェーンを撃ち抜いた代物だ

「さて、キューピッドは邪魔者を排除したし」

実際・・猛スピードから転倒したユリカはかなり痛そうだが

・・・仮に打ち所が悪く、骨の一本二本・・あるいは命すら失ったとしても、鏡華は気にしない

現時点で彼女はアキトと北斗にとって害でしかない・・そんな存在に、彼女が気に病むことはない

脚を撃ち抜かなかったのは未来予測が困難になるという手前勝手な理由なのだから

「今日中に後5人は排除しておかないと」

・・・価値観が違う

人として在り方すら、彼女は既存の概念に捕らわれない

狂気を苗床として、殺意と悲哀を温床として産まれ・・そして、存在の全てを家族に依存する彼女は、機械的な思考で自らの行く末を求め

「父様誉めてくれるといいな・・」

無邪気な少女は空を跳んだ

・・・戦神と呼ばれた男と羅刹と呼ばれた女の間に産まれ、その全てを受け継いだ少女

彼女は受け継いだのだ・・・・・・・・全てを
 
 
 
 
 
 

「アキト・・」

ほっと・・息を付く

・・けれど、何処かでそれを楽しむ自分が居る

喪失・・・失うことは、恐ろしい

大切にすればするほど、好きになればなるほど・・愛せば愛すほど、それを失ったときの傷は大きい

だから、心配になる・・来ないのはないかと

自分を恐れたのではと・・恐くなる

「悪い・・ユリカがしつこくて」

けれど・・約束は、心地よいものだ

確証のない時間の共有、対価も代償も必要とせず・・言葉だけで紡がれた契約

束ねられた言葉の証・・・それが果たされたとき、満ち足りた想いになる

孤高であったときの自分を、卑下してしまう

瞬間よ永遠にと・・望んでしまう

・・・自分がうつろいでいく

「構わないさ・・少し遅れただけだ」

・・もっとも、その僅かな遅刻で北斗の精神は随分切迫したものになったのだが

「始めるか・・」

簡単な歩法の教授、けれど

それは・・修行と言うよりは

「このっ」

「ぬっ・・」

むしろ、遊戯や・・仔犬のじゃれ合う様を見ているようで

・・・火星の子供は多いとは言い難い、実際普通教育すら満足に受けさせない・・あるいは通信教育で済ませる家庭は多く

家事に追われ、ユリカに追われ、子供らしい付き合いの少なかったアキトにとって

恐れられ、畏怖の視線に苛まれ・・おおよそ、子供らしいとは言い難い北斗にとって

それは・・初めてに等しい友であり、共有者であり

「やぁっ」

「くぬっ」

・・・・惹かれあい、求めあい

知ることの意味を教えられた、大切な刻・・・

かけがえない・・・時間
 
 
 
 
 
 

「・・・」

微かに失笑を漏らす

日がかなり傾き始めた頃・・アキトの持ってきた弁当を平らげ、最後の組み手を始めたのだが

・・・見事なまでに滑稽だ

まぁ、人の殴り方など教えていないのだから当然だが

実際、学習能力はかなり高いようだ・・殴り方は教えてないが・・歩法をうまく応用して間合いを詰めてくる

瞬間的に間合いを詰めてくる踏み込みは大したものだ・・それだけ脚力に恵まれていると言うことだろうが

・・・ただ

「このっ」

・・殴り方は教えてないのだ

力強く踏み込み・・腰を境に別の生き物のように左右に流れる拳

踏み込みにしても、間合いを気にせずただ近付いてくるだけ・・フットワークだけで容易く捌き

「どうした?そんなのじゃ一生当たらないぞ」

・・・当たらないことが分かるから、軽口も叩ける

例えば、蹴りも混ぜてくれば少しは可能性もあるかも知れないが・・軸足が生まれた瞬間でその脚を払ってやれば脚が届くはずもない

人をまともに殴ったこともないのだろう、目算も合ってない

たまにタックルや肘など、奇襲もしてくるが・・・実戦慣れしていないのは明白だ

「零・・少しは手加減しろ」

「却下だ」

普段使ってない筋肉を使ったためか、ぜぃぜぃと息を付きながら言ってくるアキト

・・・実際、肩から肘、肘から拳にかけてのモーションが笑えるほどに見て取れる

肩を僅かに動かしたところで避けることを考え始めれば・・・自分と同じだけの筋力があっても避けることは簡単だ

「せめて一発くらい当ててみせろ」

「無茶・・言うな」

トン・・と、高く跳び上がる

そのまま飛び蹴りに移るのだろうが・・零の頭を跳び越えるほどに跳び上がったアキトの下を、体を低く沈めて走り抜ける

虚を突かれたアキトの脚を掴み・・引っ張ったまま走り抜け

「どわあぁぁぁっ」

頭から地面に突っ込む寸前、手を放してやる

それらのアキトのリアクションが・・見ていて滑稽で

「一発でも当てられたら何でも言うこと聞いてやるぞ」

・・・戯れ言をこぼす

実際・・稽古相手・・鏡華とよくそんな約束をする

・・・たまに鏡華との稽古で負けるのは、ほぼ間違いなくそう言った約束をした直後でもあるのだが

だから・・変なジンクスをはね除けるために言ったのかも知れない・・その言葉

「・・・よし・・なら」

アキトは、今までとは違う雰囲気で足場を固め

「明日はスカートをはいてきてもらおうか」

微かに、動きが止まった・・

アキトの言葉は明らかに・・零の動揺を誘い

(気付いて・・いる?)

隠した長い髪が襟の中で跳ねる

「・・しっ」

息吹に眼を覚ます、一瞬の錯綜にアキトの身体が飛び込んできている

だが・・やはり間合いの詰め方が甘い、飛び込みすぎだ・・拳の間合いのさらに内側に飛び込む勢いで

・・・そのままタックルされるわけにもいかないので身体を沈める、後に飛び退く準備をし

「・・?」

アキトが拳を握る・・それなら、楽でいい

この間合いでの拳撃なら、左右に身体を振るだけでいいし力も入らない

肩のモーションに注視し、横に踏み込めば・・・

「かぁっ!」

動いていない・・肘を支点に肩と拳は直角になったままだ

けれど・・アキトの息吹は力強く、踏み込みは・・今までで最も疾く

(寸打!?)

発剄とも呼ばれる、一寸の間合いから踏み込みの勢いだけで叩き込まれる拳撃

肩から上を動かさない、肩も、肘も、拳も固めたままで・・踏み込みの力を逃さないようにだけ注意し

グンッ

力が・・渦のようにアキトの体内を流れる、軸足を起点に生まれた力を逃すことなく・・腕に伝え

ダンッ!!

「っ・・・」

腕が・・痺れる

掠めた一撃は、零の腕を弾き

「よしっ」

・・・アキトの笑みに、零は表情を崩す

一度だけ・・使ったことがあった、寸打を・・それを・・見て覚えたと、言うのだろうか

そして、零の動揺を誘った言葉・・・それが、ひどく恐ろしく

「・・零、明日は女装だからな」

微かな安堵

偶然への恐怖

・・・そして・・・一抹の寂しさ

「女装か」

「そうだ」

気付いているとすれば・・自分はどう、アキトに接すればいいのか

アキトに何を、求めているというのか

「・・明日はどうする?」

「午前中は見送りがあるからな・・正午にここでいいだろ」

「見送り?」

「ユリカだよ・・・そのせいで昨日の夜から今日の朝までお別れ会みたいなことをやってたんだ・・・・・それでもまだひっついてくるから突き放したけど」

・・僅かにだけ訪れた、錯綜

どちらもが・・視線を逸らしたままで
 
 
 
 

・・・その時はまだ、自分の想いを自覚することはなかった

全てを無くす・・その刻までは
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「と言うわけで、次回が第1部最終章ですね・・・改訂前に比べると分量的には3から4割増程度でしょうか、私の出番が些少増えていたのが有り難い処です・・・挨拶が遅れましたが、本日からあとがきを担当することになりました、天川鏡華・・と申します、アマカワ・キョウカと読むのですが、父の名はアキト・・母の名は枝織、その実子です」

零「・・あとがきはだいたい対談形式だが・・今回は俺か、“真”の登場に備えて名前が零に変わったが・・まぁ、北斗と呼べば問題ない」

「後・・改訂前と大きく変わったこととしては、某団体に喧嘩を売る必要が無くなったため・・と言うか、BBSとかに顔を出す暇がないため、お遊びを少な目にしてキノコ(女性人格暴走)はたぶんカット・・母様の人格は二重人格で統一、と言ったところでしょうか」

零「そうだな・・基本プロットは改訂前と変わらないため、今回は伏線もかなりわかりやすくすると・・・考えてはいるようだが」

「・・無理でしょう・・あの男には・・20話越える分量書きながら結局伏線は半分も回収してなかったようですし」

零「お前の能力に至っては解説すら放棄したからな・・メールで聞かれた分には答えていたが、パンドラを突如出したり急にアキト大が出なくなったりと・・後半になればなるほど混乱してたからな」

「ですから改訂してるんじゃないですか・・いきなりオリキャラが13人増えても、他の連載読んでないかぎり理解できないでしょうに」

零「後、大きく変わる部分・・・わかりにくかったクリムゾンの内部構成を説明することと・・俺の部下の名前がアズ、シャドウ、デスに変わることくらいか・・後は・・」

「・・・・・・・出てくると、思いますか?」

零「・・・・この設定ではかなりやばいと思うんだがな」
 
 

鏡&北「「・・・イヴィルス・ソード(天然暴走娘)・・・」」
 
 

「分からない方のために説明すると、他の連載で同じようにアズ、デス、シャドウの3人と登場したんですが・・出してくれって声が多かったですからね」

北「ユリカをより幼児化したタイプというか・・・無邪気と冷酷が同居する希有な素体というか・・まぁ、どっかで壊れたverに移行するんだろうが」

「他に出てきそうな・・と言うか、出てくることが確実なオリキャラの名前を列挙しますと・・私、アズライト、デス、シャドウ、ソード、琥珀、瑪瑙、翡翠、瑠雨、鈴音、ジュダ、エルド、スピネル、リオ(小)、サクラ、ベル・・これらの名前が何の前触れもなく出てくる可能性があります」

零「・・一応、書くたびにあとがきで説明するつもりのようだが・・もし暇と多少の酔狂さがあるなら「龍牙」でも読んでいてくれると有り難い、あれにはリオ、鈴音、ベル以外全部出てくる」

「さて・・では・・・次お逢いできるのが何時になるかは、それこそ神の思し召しと言うほか有りませんが、やっぱり感想とかもらえると多少の励ましにはなるみたいです・・皆さん、飴と鞭を適度に与えてやってください」

零「・・追い込みに鞭を入れないとほとんど動かないからな・・飴がないとやる気も起こさないし」

「それでは、次回・・史実の通り、クーデターに火星が揺れます・・その炎の中で顕れた真紅の羅刹・・そして、時の歪みを求め・・愛する人を求め、時を跳んだ、瑠璃色の髪の少女・・愛すべき人のために全てを擲った彼女は、愛に殉じ・・命すら懸けて彼の前に現れます」

零「・・そう書くとまともに聞こえるんだが・・改訂前を読んだ身にすればあれは・・」

「次回、『真紅の羅刹』・・お楽しみに」
 
 
 
 
 
 
 

代理人の感想

後書きで説明してもらってもねぇ(苦笑)。