機動戦艦ナデシコIF






   〜 黒の涙 〜
      第一話:出会い






「……つまり、私達にこの事は黙っていろ、と言うことか」

 火星、そのとある研究所の所長室。

 今そこには一人の来客者が居た。

「ええまあ、はい。本社としては、今この事を世間に公表されるのは非常にまずい、と言うのが共通の見解でして」

「馬鹿な!この問題は一企業が独占して良い物ではない!広く全人類に公表すべきだ!」

「個人的には私もその意見には賛成させていただきます。ですが、これは会長の意向でもありまして……」

 所長室の主の憤懣やる方無いと言った怒声に、その客人は苦悩をその表情に表す。

「ですから、ネルガルとしては当然、貴方個人としてもこの事の発表は控えていただきたいのですよ、はい」

「ふん、何事も利潤を優先する、いかにも会社会社な考え方だな」

「ええ、それは承知しております。ですが、これは私からのせめてもの忠告でもあるのですよ」

 客人は一度言葉を切ると、暫しの逡巡の後に幾許かの躊躇いとともに言葉をつづけた。

「現在、この事を隠蔽することに強硬に反対している貴方の事を本社の上層部は大変危険視しております。

 このままでは……」

「このままでは"処理"されてしまいかねない、と言う事か……。つくづく自分勝手な連中だな」

 部屋の主は不機嫌を隠そうともせず、吐き捨てるように客人の言葉を繋いだ。

「これは火星圏統括責任者としてではなく、貴方達の友人としての忠告です。

 どうか思い留まって下さい。私は貴方達を失いたくない」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

 暫し室内に静寂が満ちる。

「それで?」

 先に静寂を破ったのは気の抜けた疲れきった声だった。

「それで私の処遇はどうなるんだ?まさかこのままこの研究を続けさせる訳にはいかない

だろう?」

「ええ、貴方の次の赴任先は既に決定済みです」

「赴任……結局は体の良い左遷だがな」

「まあ、そう仰らずに。テンカワさんには、現在地球圏で行われているMCプロジェクト

の陣頭指揮をとって頂こうと思っておりまして、はい」

 見慣れた営業スマイルに戻る客人を尻目に、テンカワと呼ばれたこの部屋の主は先程よりも剣呑な光を目に宿らせる。

「MCプロジェクト……遺伝子改造による強化体質の研究か。

 まさか廃棄したはずのA案を再び起す気ではないだろうな。何があろうとアキトを――

息子をモルモットにする気はないぞ」

「まさか。A案に関しては昨年正式に廃棄されました。テンカワさんにはB案を引き継い

でもらうことになります」

「B案……確か現在の開発責任者はホシノだったか?あの業突張りがよくプロジェクトの

引継ぎなど認めたものだな」

「ええ、まあ。彼にはそれなりの餌を与えましたので、存外すんなりと申し入れを受け入

れてもらいました」

 テンカワと呼ばれた男はやや目を細め、探るように訪ねた。

「餌、か……。MCプロジェクトよりも成果を期待される物はそうはない。一体何をちらつかせた物かな」

「それはたとえテンカワさんにでもお話する事はできませんよ。ただ、欲が深い者ほど、

一度手に入れた物を失うのは恐れる物ですよ」

「ふふ……、相変わらずだな。プロスペクター」

「いえいえ。それほどでもありませんよ、はい」

 テンカワとプロスペクター。二人の忍び笑いのみが暫し小さな部屋を満たした。





「妹?」

 夕暮れ時。家族団欒の食卓に、少年の素っ頓狂な声が上がる。

「そうだ。父さん達今度地球で働くことになってな。引越し先で、一人の女の子を養女と

して引き取る事になったんだ」

 数時間前とは随分違う、穏やかな笑みを浮かべる男。

 その視線の先には食卓の向かいに座る、愛する息子の姿があった。

「ふーん」

 納得したのか、少年は止まっていた手を動かして食事を再開する。

「あのね、アキト。地球に行ったら母さん達もっと忙しくなるかもしれないの。そうなっ

たら、その子の事、面倒見てあげてくれるかしら」

 アキト、と呼ばれた少年は口の中に残った物を飲み込むと、

「良いよ。だって家族なんだもんね」

 と微笑んだ。

「父さんと母さんが居なくても、家族で二人いたらきっと寂しくないし、大丈夫だよ」

 その言葉に両親の顔がやや曇る。

 研究責任者として夜も遅くに帰ってくる事の多い二人の悩みは、正しく愛する一人息子

に寂しい想いをさせてしまっている事に他ならないからだ。

「ごめんね、アキト。できるかぎり早く帰るようにはするからね」

「うん」

 その後は暫く何時もの食事時を楽しんだ。

「あ、そうだ」

 食後。

 父親はダイニングで新聞を読み、母親はキッチンで食事の後片付けをしている時。

「そういえば、僕の妹ってどんな娘なの?」

「ん?そうだなぁ……」

 息子を膝に乗せ、暫し言葉を捜す父親。

「父さんも直接会ったわけじゃないけどな……。凄く寂しがりやな子だと思うよ。普通の

両親が居なかった子だからね……。

 もしかしたら、寂しい、って事も分らない子なのかもしれない」

「可哀想な子、なんだね……。ねえ、その子の名前は?」

「ルリ。ホシノルリちゃんだよ。

 テンカワの養女にするんだから、テンカワの性にしようかとも最初は思ったんだけどね」

「……?どうして?」

「まあ、色々とあるんだよ。大人って言うのは」

「ふ〜ん……」

 父親は新聞を畳むと、息子の頭を優しくなでつけた。

「アキト、さっきも言ったが……ルリちゃんと仲良くしてやって上げてくれ。

 あの子は、可哀想な子だからな……」

「うん」

 素直に頷いたアキトは、頭を撫でられる大きな手の感触に心地よさそうにその紅い目を
細めた。





 地球、ネルガル重工所属第37研究施設

「こんにちは、ホシノルリさん」

 白衣を着た女性研究員が、ベンチに座ってぼんやりと日向ぼっこをする銀色の長い髪を

ツインテールにした少女――ホシノルリに声をかける。ルリは何処か明後日の方を向いて

いた視線を戻すと、正面に立つ新顔の研究員達の顔をその金色の瞳でまじまじと見つめた。

「はじめまして、ホシノルリさん」

 そう言って優しそうに女性の隣に立つ男性の研究員が微笑む。その微笑からは、隠し切

れないかのように暖かい何かが滲み出ている。

「貴方達は誰ですか?」

 ようやくルリは口を開いた。小さな可愛らしい口から漏れる声は、その容姿に相応しく

清楚で可憐なものだった。だがその声色はこの年頃の子供特有の幼さが無く、どこか無機

質な響きを含んでいた。

「私はテンカワ。今日からホシノ元所長の変わりにMCプロジェクトの陣頭指揮を取るた

めに火星の遺跡研究施設から赴任してきたんだよ。ホシノ元所長と入れ替わりでね」

「そして、今日から貴女の保護者、家族よ」

 男性、女性の順に口を開く。

「そうですか。よろしくお願いします」

 それに答えるルリの声は、酷く淡々とした物だった。

 その声に軽く顔を顰めた二人は、お互いに目をあわせると軽く頷きあった。

「今日からルリちゃんは、私たちと一緒に暮らしてもらう事になるからね、よろしく」

「……は?」

 女性の言葉に、無表情だったルリの顔にようやく感情らしい物が表れる。やや眉を上

げ、驚きを表現している。

「あの、それってつまり一つ屋根の下に住む、と言う事ですよね?」

「ええ、そうよ。家族なんだもの。当然じゃない」

 確かめるように問うルリに、平然と答える女性研究員。そのあっけらかんとした物言い

からは、彼女が至極当たり前に思った事を言っているだけなのだと感じさせられた。

「家族別居と言う事は別段珍しい話だとも思えません」

「ねえルリちゃん。私たちと一緒に暮らすのは、イヤ?」

 腰を屈めて目線の高さをルリよりやや下に合わせる女性研究員。顔を上向かせ、ルリの

顔を覗き込むようにして彼女の金の瞳を――自然界では到底有り得ない筈の瞳を見つめる。

「必要を感じませんので。命令と言うことなら従いますが」

 冷静にそう受け答えをするルリの様子に、一瞬複雑な顔を浮かべる男性研究員。その相

貌に浮かんだもののは憤怒とも憐憫とも、はたまた後悔とも見る事ができた。或いはその

全てなのかもしれない。

「命令と言うわけじゃないの。言ってみればこれは家族からの『お願い』よ。

 ルリちゃんがイヤなら構わないし、強制はしない。でももしイヤじゃないのなら、私たちと一緒に暮らしましょう?

 きっと、これまでは見る事の出来なかった、色々なモノが見れると思うから。」

 何故かその言葉に、ルリは強い誘惑を覚えた。

 これまでは知らなかった物。それを知る自分。自分の知らない自分。それを知る自分。

 気が付いた時には、ルリは頭を縦に振っていた。

 それでもやはりルリは無表情のままだったが、その瞳は困惑のためか僅かに揺れ動いていた。



「現時刻を持って、プランB25を破棄。プランB47に移行する。なお、ホシノルリ被

験体はMCプロジェクト総責任者である私が正式に養女として引き取る」

 所長の発表に一気に室内に動揺が走る。

 プランB25を破棄、B47に移行。即ち、IFSによる強制的な情報取得及びそれの

整理、習得数値検査から被験体に適切な情操教育を施し、その上でIFSによる徹底教

育、仮想シュミレーション実験への研究内容の移行を示した。

「しかし所長。彼女は我がネルガル第37研究所が人間開発センターから買い取った貴重

な実験サンプルです。現在開発中の次世代型独立思考コンピュータの言わば生体インター

フェイスであり、一種の端末に過ぎず……」

 それを聞いた他の所員は口々に抗議を上げ始めた。それを聞く所長である男性研究員は

何処か物悲しいような、寂しいような曰く言い難い表情を浮かべた。

 所員の一通りの抗議が収まると、研究室には気まずい沈黙が立ち込めた。

「諸君は、重大な思い違いをしているようだ」

 やがて、重苦しい空気を引きずるように所長である男性研究員が口を開いた。

「君たちが行っているのは何の研究だね?私はただの演算処理機の研究をしにこの研究所

に派遣されたのかね?」

 所員は彼が何を言いたいのかが理解できず、困惑をありありと浮かべている。

「ただ人の言う事を理解して命令どおりに動くだけの存在なら、そこらのコンピュータと

何が違う?ただその数値だけを見て、一体何の意味がある?

 ただ言うとおりに動くだけの存在が欲しいなら、高性能の演算機を開発する方がコスト

も低く、簡単にできる。我々が目指す目標は、次世代型の独立思考回路と人間の協力だ。

 きちんとした情操教育を受けさせ、人としての対応力、応用力をしっかりと身に付けさ

せてこそ、諸君等の注目している数値にはじめて実が出るのではないかね?実際に役に立

たない数値など、所詮机上の空論でしかない」

 なによりも、と所長である男性研究員が続ける。

「なんなんだ君達は。彼女はきちんとした人間だ。なのにこの扱いは何だ!?きちんとし

た人間として扱おうともせずに。ヒューマニズムを持たない被験実験はただの外道だと諸

君等は認識しているのか!?」

 所長の怒声が響き渡り、再び研究室に重苦しい沈黙が圧し掛かる。

 やがて一人の若手研究員が口を開いた。

「しかし所長?彼女は我々とは違う。彼女はそもそも人の手によって生み出された生物。

 遺伝子改造技術の結晶であり、彼女は言わば改造人間。そもそもいくら酷似していると

は言え、所詮は遺伝子レベルで存在の違う人外の――」

 彼は最後まで言い終わることなく、無言で自分を睨みつける所長である男性研究員に気

圧されて言葉半ばでその口を閉じた。

「遺伝子上の違い等些細な事にすぎん。肝心なのは彼女が私達と同じ外見を持ち、私達と

同じ言葉を話し、私達と同じ感情があると言う事だ。彼女は人間なんだ」

 静かに、搾り出すように所長である男性研究員は言葉を紡ぐ。その確固たる物言いに今

度こそ研究室から音が消えた。

「とにかく、このプロジェクトの総責任者は私だ。近日中に異議のある者は速やかに申し出なさい」

 所長である男性研究員はそれだけを言い残すと白衣を翻して研究室から出て行った。





 所長である男性研究員が研究室を出て暫くして。最初に口を開いたのは先ほどの若手研究員だった。

「なんだよ、あのオッサン。ヒューマニズムを語ってて人体実験ができるかっての」

 それを口切りに他の面子も次々に口を開きだす。

「まあ、ね。でも最後の一線で躊躇う事ができるかどうかが、私達を外道と区別してくれるんでしょうね」

「でも、最後のテンカワ所長いやに迫力があったな……。こう、オーラだしてる感じ?気圧される、みたいなさ」

「あれ、お前知らないの?」

「え、何の話?」

「結構有名な話よ。ほら、初期マシンチャイルド計画の事よ。今じゃA案って言ったっけ?」

「そうそう。あれの実験体が、所長の息子さんだって話だぜ。なんでも先天的な遺伝子異

常らしくて。それで脳の処理速度がIFS強化体質並もある、って話らしいぜ」

「でも結局、テンカワ所長と副所長が息子を実験体にするのを拒んだらしいのよ。それで

一時期は火星に左遷までされてたって噂だし」

「ま、自分の息子だって人間って言える範囲を飛び出しかけてるからな。最後のお前の発

言は正に所長の逆鱗にふれちまったってわけだ」

「げげえ、あとで減俸とかされてないだろうな、俺」

 青くなる若手研究員とそれを笑う先輩の研究員達。

 やはり皆心の何処かで良心の呵責に苛まされていたのだろう。

 これまで接してきた相手が人として扱われるよう正式に決まったせいか、この研究室に

はかつてない穏やかな空気が流れていた。





「ほらルリちゃん、ここが今日から君の家だよ」

 研究所を出てから歩いて十数分。ルリはネルガル研究所の有する生活区画に建つ、一軒

の家の前に立っていた。

 その家は他の生活区画の物と同じ、これといった特徴の無い簡素な建売住宅であった。

ほとんどの家屋が使われていないようだが、ルリはこの家からは他の家には無い、生活の

臭いを感じることが出来たような気がした。

 他の家との差など窓からカーテンが覗いて居たか居ないかだけだったのだが。

「ただいま」

「ただいま〜」

 二人はルリの手を握ったまま玄関の前まで来ると、一度手を離して一歩先に玄関の戸を

潜った。

「ほら、ルリちゃん」

 そして振り返ると未だ玄関先に佇むルリに手を差し伸べる。

「……失礼します」

 逡巡の後、おずおずと言った様子で手を取り、ルリは一歩を踏み出した。

「ん〜……ちょっと違うわね、ルリちゃん」

「そうだよルリちゃん。君も今日からこの家でくらすんだから、こう言う時に言わなきゃ

いけない事は別にあるだろう?」

 ルリは手を差し出された手を握ったまま、先程よりも長い逡巡の末に再び口を開いた。

「……………………えっと、『ただいま』?」

 それを聞いた二人は顔に満面の笑みを浮かぶべた。

「「おかえり」」

 「母親」に手を引かれて家の中に案内されるルリ。その俯いた顔には小さくだが確かに

笑みを浮かべていた。





「あ、お帰りなさい」

 まだ声変わり前の、幼い男の子の声がルリの頭上から降ってきた。

「ただいま」

「あらただいま。帰ってたの?」

「うん。今日は土曜日だから、授業はお昼までだったよ」

 ルリが顔を上げるとそこには8歳くらいの少年が立っていた。

 身長もクラスの子供に比べればやや小さい方だろうと言う程度。顔立ちがやや幼いが、

一見では一部を除いて特に特徴の無い少年だった。だがルリはその「一部」に強い興味を

持った。

 少年の、血の色をそのまま表したような深紅の瞳に。

 色こそ違うが、自分の金色の瞳と同じく本来人にはありえる筈のない瞳の色に。

「あ、その子が前言ってた僕の『妹』?」

 その深紅の瞳がルリに向けられ、顔に穏やかな笑顔を浮かべると少年はルリへと一歩前に出た。

「僕、テンカワアキト。今日から君のお兄さんだよ。よろしくね」

 自己紹介をすると腰を折り、目線を同じくしてルリの髪を愛しげに撫で付けた。

「ホシノルリです……。よろしくお願いします」

 頭を撫でられる初めての感触に、ルリは珍しくその白い頬を桜色に染め上げていた。





 これがテンカワアキトとホシノルリの初めての出会いであった。





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  □■□後書き□■□



皆さんはじめましてカラスと言ふ者です。
とりあえず始まります。ルリ×アキトなんだけど一部アキト×オリかも知れない物語。
年齢は、この時点でルリ4,5歳くらい。つまりナデシコ出航時には劇ナデ版ルリ、16歳です。
アキトは原作そのままの年齢。ただ作中でも語りましたが普通の人ではないです。目が紅いです。
天然IFS強化体質……ってわけじゃないです。「匹敵する」ってだけで。似て異なる物ですのでよろしく。

なんてゆーか……。自分の執筆力にはあまり自信がありません。
なのにネタ出しだけは無意味にポコポコわいて出ます。
ですので「こーゆー場面が書きたい」と思った時に「あ、前に読んだ」と思ったら、迷わずに参考にします。
今回は代理人さんに判断を委ねた結果、パクリと言う事で修正入れて出直してきました(笑)。
以後気をつけますが、それでも今後「これは俺のパクリだ!」と思った方は容赦なく文句言ってください。
その人の作品を意識して手本にしていたら必死こいてその部分直しますんで。
とりあえず最後までプロットは上がってるんで、途中で投稿止める事はないと思います(多分)。
長くなると思いますが、どうか(暇な人だけでも良いんで)最後までお付き合いください。
未熟者なカラスでした。

 

 

代理人の感想

「正直は最良の信条なり」(Honesty is the best policy.)とは申しますが(苦笑)。

まぁ、こっそりとするよりは余程好感がもてるので良し、です(笑)。

 

さて、カラスさんへのメールにも書いたのですが、

「参考にする」事自体は別に責められるべきことではありません。

どんなことでも最初は模倣から始まるものですから。

責められるべきは表現や話の筋をそのまま使って、それを自分のもののように言うことです。

 

この際、勘違いする方も多いのですが例えば文章その物を丸写しする事だけではなく、

話の流れ、展開と言ったものをそのまま使うのもパクりになります。

例えば時ナデの外伝、メティ登場シーンを考えて見てください。

台詞回しや表現、人名などの固有名詞を変えたとしても、

一、アキトin出向した部署の食堂、相棒&女性もその場にいる

二、出入りの食料品業者の娘登場、アキトに懐いている事実の提示

三、「相棒」の軽口とアキトの過剰反応

四、少女の姉続けて登場、「相棒」のアプローチ

五、「女性」たちの反応

といった大体の流れが見て取れるなら、余程の偶然でなければそれは時ナデのパクリです。

(無論、時ナデ三次創作の類は除きます)

 

実は「参考にしてオリジナルを書く」と「パクる」は本質的にそれほど違わない行為です。

ではどこが違うのか?

では、何故それがパクリになったりならなかったりするのか?

それは、上手い人は参考にしたシーンを分解して、再構成することが出来るからです。

あるいは自己流にアレンジするといっても構いません。

パクリであっても、一見ではわからないようにアレンジしてしまえば、

そして読者にそれを気付かせなければ、それはオリジナルなのです(笑)。

極論ですけどね。

 

上の例で言えば、

シチュエーションを変える(アキトと少女の出会う場所をナデシコ食堂にするとか)、

展開の要素の起こる順番を変える(姉と少女の登場順をいれかえるとか)、

新しい要素を加える(アキトと少女の初対面から話を始めるとか)、

要素のどれかを変える(姉とではなく父とくるとか)、

要素のどれかを削る(姉なり「相棒」なりを登場させないとか)、

などをすれば一見では時ナデのシーンを参考にしたとはわからなくなります。

これをもっと細かく分解し、複雑な再構成を行うことによって完全にオリジナルのシーンになるでしょう。

と、言うよりオリジナルと言うのはある意味そう言う物なのです。