機動戦艦ナデシコIF






   〜 黒の涙 〜

      第七話:追撃





 極東方面軍司令部の一角。
 そこにある多分割スクリーンの前に立つのは一軍の将・ミスマルコウイチロウ。
 そしてその多分割スクリーンには今、その全てに紅白のカラーリングの独特の形状を持つ戦艦――即ち、機動戦艦ナデシコが写し出されていた。
「この非常時に、民間企業の独自運用戦艦。ネルガルはいったい何を考えている!」
「あの威力を見せられたからには、戦艦ナデシコを放置しておくわけにはいくまい」
 その場にいる将官階級の者達から――中には、モニターを通した本部の将校も居るが――口々に非難めいたざわめきが立ち上る。
 その様々な悪口雑言立ち上る中、一人コウイチロウは黙したまま何も語らなかった。
「聞けば、あの艦の艦長は君の娘だそうじゃないか?」
 モニタ越しの本部官僚から、嫌味にも似た声がコウイチロウに投げられる。
「もしナデシコが連合軍への参加をするなら受け入れよう」
「……提督」
 苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、コウイチロウに決断を迫る副官。
 やがてコウイチロウは毅然とした態度でその場に居並ぶ将校を見据え、号令を下した。
「直ちに発進準備。機動戦艦ナデシコを拿捕する!」
 その顔はふだん愛娘に見せ続けた「親」の顔ではなく、娘の前では決して見せたことの無い、「軍人」としての顔があった。


 そこは暗く、薄汚れた部屋だった。
 他と同じ、用意された宿舎の中の一室。
 そこは他の部屋と同様の、予め用意されている備え付けの家具以外は何も置いて居なかった。
 部屋の隅に置かれた屑箱には、溢れるほどに弁当のプラスチック容器が放り込まれている。
 床上には散らばった幾つものアルコールのビン。そして灰皿からは溢れた吸殻と灰が床を汚していた。
 窓にはカーテンは掛かっておらず、ただ暗幕がカーテンの替わりに常時部屋から日光を締め出していた。
 部屋を締め切っている為だろうか、部屋中が何処かかび臭い。
 この部屋の中にあるのはアルコールだけが詰め込まれた冷蔵庫にスチール製のクローゼット、カートンの箱ごと放り出された煙草の山。そして古びたパイプベッド。唯一の娯楽を思わせるモノは、部屋の隅に置かれた小さなカセットデッキだけだった。
 そのベッドの上では、一組の男女が行為の余韻を匂わせていた。
 肌を火照らし、今だ頬を紅潮させた女。そんな女の横で肌を晒したままの上体を起こし、無言で煙草をくゆらせる男。
 どことなく対照的な二人であった。
 やがて女はもぞもぞとその熟れた肢体に純白のシーツを巻きつけて上体を起こし、そのまま男の胸板にしなだれかかった。
「ねぇ……、明日から、だったっけ? グロリオーサの試験運用……」
 行為の余韻の冷めぬままの、濡れた口調。それは並みの男ならば劣情を煽られずには居られないような、淫靡な響きを伴っていた。
「ああ……。試験運用とは名ばかりの、とんだ茶番だ。結局はアレの護衛……いや、連合軍へのデモンストレーションの一環、か」
 だが男の口から漏れたのは永久凍土もかくや、と言わんばかりの凍えた口調。
 それも氷の様な、と表現するような綺麗なものではない。
 まるで幾つもの錆付いた機械を寄せ集めて、無理やりに音声を形作ったかのような声色。
 音色、と言うが音に色をつける事が出来るのならばこれは間違いなく混ざりものの多い寒色系をしていた。
「まぁね……。結局、アレは拠点防衛とか艦隊行動とかには向いても、少数突撃なんかの特殊運用は想定されてないもの……。
 軍も馬鹿じゃない。数を揃えて初めて真価を発揮するものよりも、癖が強くても暗部を任せられる道具が必要な事は理解しているわ……」
 男は一筋紫煙を吹きだすと、煙草の先端を指先で揉み消して床に放り棄てた。コンクリ剥き出しの床なので火事の心配は無いだろう。
 女は体ごと捻るようにして男の顔を見上げるが、その双眸は硬く閉じられ両の瞳を窺い知ることはできなかった。
「ま、所詮は雇われの身だ……。契約分は働くさ」
 ピ。
 上げた片腕に握られたリモコンから受け取った指令どおり、部屋の隅に置かれたデッキは最大音量で狂った様に込められた曲を奏でだす。
 今や裏世界では恐怖の対象となった、狂ったような紅い音色の賛美歌を。
 それを聞きながら、男は満足げに嘲った。狂った様に、狂った様に。


  『Once to every man and nation, comes the moment to decide,

   In the strife of truth with falsehood, for the good or evil side;

   Some great cause, some great decision, offering each the bloom or blight,

   And the choice goes by forever, 'twixt that darkness and that light ! 』



 ナデシコ整備班班長、ウリバタケセイヤの眼前にはガランとした何も無い空間が広がっていた。
 つい数時間前には、そこにはピンク色のエステバリスが鎮座していたのに。
 そして、今もまたここに鎮座していた筈なのに。
 あの時――今まさに浮上せんとしていたナデシコに向かって飛び上がったエステは、突如として空中でバランスを崩した。モニタしていた人間の大半は事態を理解できなかったが、整備班の人間にはそれが何故なのかはっきりと分った。
 酷使しすぎたのだ。スラスターを。それがさらに敵の攻撃が被弾した事で、安全性は皆無となってしまっていたのだ。
 錐揉み状に落下する機体は、空中で何度もバッタ達のミサイルの直撃を受け、その体をナデシコの装甲へと叩き付けた。
 唯一の救いは、最初の着弾がアサルトピットのど真ん中を直撃したことだろうか。パイロットはきっと、一瞬の苦しみも無く逝っただろう。
 そして。
 回収された機体は酷いもので、部分部分の電子パーツはそのまま使えるが、全体的には完全なスクラップであった。
 機体は廃材回収され、数時間後には綺麗に精錬され、ブロック材になって帰ってくるだろう。


「次に来るパイロットは、嫌な奴だと良いですね……」
 ふと、いつの間にか側に来ていた青い制服――整備班の一人がセイヤに声を掛ける。いや、果たしてそれは独り言だったのだろうか。
「ああん? どうしてだ?」
 聞きかえされた整備士は目を伏せ、やや俯きがちに、
「嫌な奴なら、こんな辛い思いはせずに済むかも知れないじゃないですか……」
「そう、だな……。そうだと、良いよな……」
 もしも、と考える。
 もしも、あの時に銃器の類の整備が完了していれば。
 もしも、あの時持っていったのが整備途中のイミディエット・ナイフでなければ。
 整備士のプライドとして、人が乗るものを扱うのならそのパイロットが無事に帰って来れるように仕上げたかった。
 これまで、街の小さな工場でずっと実践してきたプライド。
 それが、儚くも正式な出航の前から破られた。
 アレは整備士の腕がどうこう、と言うレベルで無かったのは分っている。
 だが理性では理解できても、セイヤの感情は自分の無力さをただ恨んだ。


 同時刻。
 ナデシコが現在航空中の場所からやや遠方に、密かに海中を進む三隻の連合宇宙軍艦艇の姿があった。
 宇宙空間での運用も前提に置かれた現代の航空戦艦は、その高い気密性を生かして潜水艦さながらの隠密行動が可能であり、ナデシコがサセボドックから無事飛びたてたのも同様の理由であった。
 今。
 隠密作戦中の極東方面軍艦艇のモニターには、偵察機から送られてくるナデシコの姿が映し出されていた。
「ナデシコ、進路捕捉」
「進路そのまま。レーダーに察知されぬよう、注意」
 オペレータの報告を受けた指揮官であるコウイチロウは指示を返しながら、その目にはただナデシコの姿だけが映っていた。
(ユリカ……)
 胸中で呟くのは娘の名前。今は亡き妻の残した忘れ形見であった。
「前方にチューリップ!」
「エネルギー反応ゼロ。チューリップ、活動を停止している模様」
「僚艦に連絡。念のために常時モニタしておくよう伝えろ」
「了解」
 彼らの任務はただ一つ、機動戦艦ナデシコの捕獲。
 全ては連合の正義の為に……。

「あれ?」
 と、不意に素っ頓狂な声がブリッジに響く。皆何事かと声のする方に目を向ければ、そこには怪訝そうな顔をした索敵担当のオペレータが居た。
「どうしたのかね?」
「あ、いや、何も問題ありません」
「そうか、ならば良い」
 実際、特に問題が見つかったわけではない。
 先程の反応は恐らく気のせいだったのだろう、その証拠に、索敵担当のAIも何の反応を示さないではないか。
 先程からナデシコの周辺でチラチラと起こる、不定期的なノイズはきっと計器の調子が悪いせいだろうと、今年から新しく配属された年若い士官は気にしないことにした。


 機動戦艦ナデシコがサセボの軍ドッグを飛び出して早数日。あの日以降は敵の襲撃も無く、なんの問題も無い。
 出航時に犠牲となったパイロットの葬式を挙げたことが、唯一のイベント(と言うのも不謹慎ではあるが)であった。
 だが、メグミ・レイナード通信士は悩んでいた。
 彼女にとって、人の死と言うのは自分とはとてつもなくかけ離れたものであった。いや、ある意味ではすぐ近くに死と言うものを抽象的に表現した物は幾らでも転がっていた。
 元声優の彼女には、かつて死の病を患った女の子の役をこなした先輩や、まさしく仲間の為に命を散らせて行く役のキャラクターの声をこなした同僚も居た。かく言う彼女自身も、声優学校の卒業試験で行った演技の題目の一つで「愛しいヒトとの最後の別れ」をこなして見せた事もあった。
 だが、今回彼女が経験したのは役の上での作られた死ではなく、現実の死。
 作られた死と現実の死とでは、同じ状況、同じ台詞、同じ心情を用意したとしてもそのショックの度合いは大きく違う。所謂生き物としての本能が、目前の死に過剰な反応を起こしてしまうからだ。
 生まれて始めての現実的な死を目の当たりにした彼女は今、かなりの精神的重圧に苦しんでいた。
――何故自分はこんなところにいるんだろう?――
――なんの為に私はこの艦に乗ったんだろう?――
――何故他の人はあんなにも平気な顔をしていられるんだろう?――
 この数日の彼女はそんな気持ちで一杯であり、まさに押しつぶされるのではないのか、と言った感じであり、日々の食事もまともに喉を通らなかった。
「え〜、それでは皆さん。重大発表を行いますのでこちらにご注目下さい」
 と、そんなメグミの思考に気づくはずも無く、朗らかなプロスの声がナデシコのブリッジに響いた。


 艦内放送を行い、全クルーのコミュニケがONになっている事を確認したプロスはやがてブリッジ下層の中央に歩み出て、高らかに演説を始めた。
「いままでナデシコの目的地を明らかにしなかったのは妨害者の目を欺くためであります。
 今後ナデシコはスキャパレリプロジェクトの一端を担い、ある場所へと向かいます」
「ある場所?」
「ハイ。それは……」
 そこで一旦言葉を切るプロス。その言葉の後をこれまで黙っていたフクベが引き継ぐ。
「我々の目的地は――火星じゃ!」
「火星?」
「では、地球が抱える問題をみすみす見逃すというのですか!?」
 腰を上げ、普段は温厚そうにしている顔に今は険を浮かべた副長、アオイジュンが抗議の声を上げる。根っからの連合軍人として士官学校を卒業した彼にとって、人の生き残った可能性の低い火星よりも、今はまず地球の防備を固めこれ以上相手の思うようにさせない事のほうが重要な事である、と当然のように思えたからだ。
 だがプロスはメガネを押し上げると、静かにジュンの瞳を見据えて逆に問い返した。
「地球軍は月や火星に人々が残されているというのに軍を引き上げました。
 では残された人々は一体どうなったのでしょう?」
 う、と詰まるジュン。軍人としての思考は当然の事と告げるが、人としての良心が生きているかも知れない人を見殺しにする事を拒む。
 結果、彼は何も言えなくなってしまった。
(どうせ、死んでるんじゃない?)
 ルリは内心そう思ったが、口には出さなかった。
 死んでいるのかもしれない、でも、生きているのかもしれない。確かめたい、確かめたくない、助けたい。それは火星の人だけでなく、まさに彼女の身近な存在にも当てはまるからだ。
 ルリは人知れず右手を胸に当てた。正確には、制服の下に隠された青いペンダントに。
「ですが、本当に生きていると言う保障も無いのもまた事実。ですが、確かめる価値は「ないわね」……!?」


 プロスが言葉を最後まで言い終える前に、その声は甲高いオカマ口調の声に遮られた。
 プシュ、と圧縮空気の抜ける音と共にブリッジの扉が開き、拳銃を構えたムネタケ副提督が姿を現した。
 そしてその後ろからわらわらと、手にサブマシンガンを持った軍人達が部屋に押し入ってくる。
「これだけの強力な戦艦を火星に行かせるなんて、冗談じゃないわ。ナデシコは軍といっしょに戦ってもらうわよ」
 手に構えた拳銃の銃口を誇示したムネタケが傲慢に言い放つ。
「困りますなぁ。軍の方とは、ナデシコはネルガルが運用するということで、すでに協定を結んでいたはずですが」
 眼鏡をくいっと上げながら、プロスは平然と抗議する。だが、その顔はいつものままであり、ちっとも困っている様には見えなかったのだが。
「ムネタケ、貴様血迷ったか!」
 普段は温和そうな好々爺然としていたフクベ提督が怒声を名目上の部下に浴びせる。だが、ムネタケは毛ほども悪びれた様子も無く、
「ふふん、悪いわね提督。この艦を頂くわ」
 ぐぅ、と押し黙るフクベ。いかな歴戦の古強者と言え、銃を構えた人間に囲まれれば成す術は無かった。
「その人数で何が出来る?」
「私達だけじゃないわ、ほら」
 ゴートの言葉をも冷静に切り返すムネタケ。顎をしゃくって指し示したブリッジ前方には、部下がコミュニケを操作して表示させたナデシコ艦内の各部署の映像が映し出される。
 次々と開くウィンドウ。それら全てには銃を構えたならず者達と、諸手を上げて降参の意を示すナデシコクルー達の姿が映されていた。
 皆一様に言葉も出無いブリッジクルーの面々。
 機動戦艦ナデシコは、出航僅か数日にして味方のはずの連合軍によってジャックされたのだ。
「それに、これだけじゃ無いわよ」
 ムネタケの愉悦に満ちた言葉と共に、ブリッジ前方に常に表示されている映像に変化が移る。
 ただ真っ直ぐと続く大海原がその表面を持ち上げ、やがて一隻の連合宇宙戦艦――それも極東方面軍旗艦がその姿を露にした。呆然とする他の面々とは違い、ただ一人冷静を保っていたルリは慌てることなくサブウインドウを確認。
 やはりナデシコの背後からも二隻、極東方面軍所属の打撃戦艦がナデシコを挟むように浮上してきていた。しかも、これは前方の旗艦とは違い、正面に据えられた主砲には明らかな光が見て取られた。
(主砲エネルギー充填率120%、いつでも発射できます。ってトコですかね?)
 こんな状況にあっても、中々にしぶとい根性をしたルリであった。


 その後、旗艦トビウメからの通信を受けた艦長ミスマルユリカはナデシコのマスターキーをクルーの身の安全を保障する事を条件として解除。現在は副長アオイジュン、ネルガル代表プロスペクターと共にトビウメへと向かっている。
 残されたクルー一同は、皆ボディチェックを受けた上で艦内の幾つかの広い部屋に分けて押しやられた。当然、事前に食堂から通じる厨房から包丁等の刃物は差し押さえてある。
 余談だが、整備班の使用する大型製作機械の刃物は脅威とみなされずに無視されていた。
 相転移エンジンが止まったのでナデシコ艦内は現在、非常用の核パルスエンジンが一機のみ作動中。そのために艦内の電力消費を抑えるため、各部屋の照明は良く言って控えめ――正直言って薄暗い。
 ブリッジと近くにあった格納庫に詰めていた人間は、そのまま食堂へと押しやられた。


「自由への夢は、一日にして費える、か……」
 食堂の入り口近くの壁に凭れかけさせたセイヤは薄暗い照明の一つを見上げ、ぼやく様に呟いた。
 そしてその呟きはそのまま、この場に居たほとんどの人間の心情に当てはまるものであった。
 出航準備中に突如木星蜥蜴襲撃され。
 セサボドックの交戦により、現時点で唯一のナデシコ所属エステバリス部隊員を失い――言い換えれば仲間を失い。
 味方である筈の連合宇宙軍からまるで海賊紛いの手段で艦の自由を奪われ。
 そして今、自分達もココに押しやられている。
 クルーの士気はどん底にまで落ち込んでいた。
 重い沈黙が食堂にいるクルー全員に圧し掛かる。
「わたし達、一体何やってるんでしょうね……」
 やがて重圧に耐えかねたかのように、メグミがポロリと呟きを洩らした。
「一生懸命やってるのに……ヤマダさんは死んじゃって……
 習熟航行って言っても、別に何処に向かうでもなくフラフラしてて……
 それで、火星に行って皆を助けられるんだと思ったら、今度はこんな所に閉じ込められて……!」
 最初は小さな呟き声だったが、徐々にテンションが上がっていく。
「メグちゃん……」
 そっ、と気遣わしげに肩に置かれたミナトの手を振り放い、大粒の涙を流してついにメグミは爆発した。
「木星蜥蜴って何なの!?
 私達、何のためにこんな所にいるの!?
 私達、何でこの艦に乗ったの!?
 私達……なにがしたかったの……!?」
 ヒステリーを起こしたのか、その後もずっと同じ内容を支離滅裂に叫び続けるメグミ。
 やがて癇癪が収まったのか、頭を抱えるようにして縮こまり、ただ静かに嗚咽を洩らし続けた。
「私達……どうすれば良いの……?」
 メグミの問いは答を得られぬまま、さらに気まずくなった沈黙の中を流れていった。


 場面は変わってトビウメに設けられた長距離秘匿回線室。
 基本的にここは艦隊行動中の司令官に対し、連合本部が極秘令名を下す時などに使用されている。だが今はミスマル司令の許可を得たプロスペクターが、ネルガル本社の意向を授かりに来ていた。
「では、やはり今はこちらからの譲歩は一切しない、と」
『うん。今、連合に舐められると後が痛い。絶対にひいてはいけないよ』
 モニタに写る映像は特殊処理が施され、鮮明には画像が結ばれはしない。だが、プロスに答える声は若く、軽薄な響きがあった。
「わかりました。では、予定通り『彼』に働いてもらいましょうか」
『そうだね。『彼』がグロリオーサの試験飛行を開始して三日目。そろそろ待ちくたびれて居ることだろう』
「はい、ではそのように『彼』に伝えておきます。
 ……ところで会長」
『なんだいプロス君?』
「どうあっても、『彼』はナデシコに乗らないつもりでしょうか……?」
 その問いを受けた相手は数瞬押し黙り、そしてゆっくりとした口調で答えた。
『そうらしい……。きっと『彼』の事だから、内心では彼女の事は酷く心配している筈だけど……』
「それでも、変わり果てた自分の姿だけは彼女に見せたくない、と……」
 秘匿回線室に重い沈黙が流れる。
 だが、ここは流石に仕事の男。両者供にさっさと思考を切り替え、最終的な打ち合わせ等をやりとりすると、プロスは秘匿通信を落とし、足早に通信室を出て行った。
 ミスマル提督に、ナデシコはネルガルの意思でのみ運用され、連合軍の意思には従う義務は無い事を告げるために。


『ハイ。と、まぁそう言うわけでして。お手数ですが予定通り連合の方々を驚かせて上げて下さい』
 狭く暗い空間に通信機越しのプロスの声が届く。
「了解。ま、程々に暴れてやるさ」
 アキトは一言答えるとIFSコネクターパネルに手を沿え、IFSリンクを開始した。
 手の甲に浮かぶナノマシンタトゥーから光が溢れ出し、次いで黒いバイザーにその大半を覆われた横貌に淡く脈動するナノマシンパターンが浮かび上がる。
 煌めくナノマシンの燐光に照らされて、薄暗いコクピットが僅かに照らし出される。
 そこは正面にIFSコネクターパネルがあり、そしてシートと一体型になった対G装置だけが据えられた、周囲には無機質な壁面があるだけのエステバリスのアサルトピットと大差ない作りになっていた。違いは足元ほど空間的な余裕が削られ、逆円錐形のような空間をしていることか。
「IFSレベル5から9へと移行。ウインドウスクロール展開。処理タイプはM−2a」
 アキトの呟きと供にIFSが不規則的に瞬き、次いで僅かな光源に照らされていたコクピット内に、一斉に展開した数十枚のウインドウがアキトを中心に環状に広がった。
 ウインドウスクロールと呼ばれるこの装置は、のちにウインドウボールと呼ばれるIFS強化体質者用の特殊情報処理モードの雛型とも呼べる物である。膨大な数のウインドウがアキトの頭部を中心としてさながら衛星の様に環状に多重展開。ゆっくりとした速度で回転を続けている。
 文字通り、使用者の周囲をスクロールするウインドウの数々。だがこれらはあくまでも補助的な物に過ぎず、本命は使用者の頭部に形成されている補助脳内に直接的に情報を流している。
”甲殻遮蔽モードをアイドリングレベルまでダウン。多角視センサーを作動。全方位索敵開始”
 アキトはIFSを通じて脳内でのみ自らが駆る機体に囁く。今やアキトの意識は体の内に無かった。
 グロリオーサの各所に設置された多目的、多角視センサーこそがアキトの「目」であり、「耳」であり、その鋼鉄の機体そのものがアキトの「四肢」であった。


 ナデシコの直上の空。そこから絵の具が染み出すようにして蒼穹の色をした機体が姿を現した。
 ネルガル製、能動型攻撃機動兵器「グロリオーサ」。
 その外観はエステバリス――その空戦フレームやゼロG戦フレームを彷彿とさせるフォルムを持った機体。それをさらに大型化し、装甲の多くは曲面で構成されている。
 足腰の基部はその機体には不釣合いな程に剛性を高められているようで、足間接の機構はエステバリスよりもその自由度は低そうだ――砲戦フレームや、企画開発中の月面フレームには劣るが。
 その武装は腰のウェポンラックにイミディエットナイフが装備されており、背中にはラピッドライフルがマウントされているのが見て取れる。
 そしてこの機体が先ほどまで行っていた「透明化」と言う手品のタネ――甲殻遮蔽機構。それこそがこの機体の主武装の一つであった。

甲殻遮蔽機構――別名、ステルスコート。
 ナデシコ級戦艦に装備された、相転移エンジンやグラビティブラスト、ディストーションフィールドの三種の神器と肩を並べる、グロリオーサに装備されたネルガル重工の秘蔵っ子である。
 表向き火星で開発されたナデシコに施された技術と違い、20世紀から連綿と受け継がれてきた地球の技術力の結晶である。
 そもそも、索敵と言う物は基本的にレーダー波(いわゆるマイクロ波の一つ)を用いている。熱源反応と言う物もあるが、これは宇宙では熱を探知することができない(真空中では熱伝導現象を観測できない)のと、フレアー等の囮に簡単に無力化されるからだ。
 20世紀に登場したアメリカ軍のF−22やB−2といったステルス戦闘機(もしくは爆撃機)と呼ばれた代物は全てパッシブステルス機構と呼ばれる処置を行っており、これは簡単に言えばレーダー波を乱反射させて機影が写る確率を少しでも減らす処置である。
 だが、この甲殻遮蔽機構はそのパッシブステルス機構に新技術を付加し、発展させる形で開発された新型のステルス機構である。これはレーダー波に対する処置において、電磁バリアーの理論とレーダー技術を応用して対処している。
 相手のレーダー波が入射してきた段階で電磁波によるフィールドを機体各所にあるレーダーアンテナを使って機体の全周に形成し、干渉する電磁波を発信してレーダー電波を歪曲、最終的には同位相の電波によって相殺することで相手のレーダーに映らなくする機構である。
 さらに、これは出力を上げることで一時的ながらもマイクロ波――即ち可視光そのものを歪曲させ、まさに見えなくすることすら可能にしている。
 これにより、可視光、電磁光から完全に姿を遮蔽する事が可能となった。それはまるで透明マントによって姿をコーティングしている様にも見えることから、開発者からはステルスコートと開発ニックネームがつけられている。
 本来であれば大出力と言うハードルによってまだまだ実用化の目処は立っていない技術であるが、ナデシコ級戦艦――重力波リンクシステムと組み合わせれば、なんとか使用可能ま水準までは仕上がっていたそれをネルガルは積極的にグロリオーサに据え付けていた。
 グロリオーサの基本コンセプトからして、単機での突入、及びその能力に基づいた戦略核を用いない対艦、対要塞攻撃破壊能力、いわば単機での戦略的効果を求められている。その任務遂行の為には、いわゆる忍び足と言う奴が大いに役に立つ場面は少なくないからだ。
 唯一とも言える欠点はやはりエネルギーを馬鹿食いしてしまう事と、そのシステムの繊細さだろう。重力波リンクによって無尽蔵に受けられるエネルギーだが、その瞬間による受信量の8割を即座に持っていかれては、まともな戦闘機動も行えやしない。
 せいぜい、第三種巡航速度で足の遅い戦艦についていくのが関の山だ。
 このシステムを起動したまま戦闘を行うには、常にバッテリーを消費し続けねばならず、長時間の戦闘は不可能だ。その場から動かずに、火薬式の銃火器を使うのなら問題は無いが。

 グロリオーサはその姿を完全に顕わにすると、背部にマウントされたライフルを手にとり、ナデシコの正面に位置するトビウメの特に装甲の厚い場所に向かって一連射した。  そしてトビウメからの対空砲火の発射を確認すると再び遮蔽機構を起動させ、再び蒼穹へと解けていった。
 驚いたのは連合軍だ。ナデシコをモニタしていた士官は突如としてその上空に現れた機体に度肝を抜かれ、次いで艦に攻撃を仕掛けるや再び姿を消した機体に完全に肝を潰された。
 とりあえずマニュアル通りに応射して、慌てて上官に連絡を取って判断を仰ぐ。
 そうしている間にも見えない攻撃者は散発的に銃撃を加え、艦を攻撃し続けている。
 やがて艦載機部隊のスクラムジェット戦闘機が飛び立っていくがなんら手ごたえも無く、むしろ次々と打ち落とされていった。
 護衛艦であるクロッカスとパンジーから発進した艦載機がトビウメの周囲にようやっと集まってきた時、さらなる事態が連合軍に襲い掛かった。


 丁度そろころ、ナデシコ艦内を制圧していた連合軍人は暇を持て余していた。
 ブリッジに詰めている人間も電源の落ちた機器では外の状況を把握する事はできず、その他の部署の見張りをしている人員もまた一切の情報と隔絶されていた。
「わり、ちょっとトイレ行って来る」
「早くしろよ。奴らどうせ蜂起なんてしやしないとは思うが、万が一って事もあるからな」
「分ってるよ。んじゃ、しばらく頼んだぞ」
「ああ」
 先ほどブリッジにムネタケと共に乗り込んできていた連合軍人の一人は近場のトイレで用を足すと、またブリッジ班らを閉じ込めてある食堂の方へと戻ろうとして、トイレを出て回れ右をした途端に呆然と動きを止めた。
「なんで隔壁が降りてるんだ?」

「ちょっと! 一体ナニがどうなってるの!? さっさと報告しなさい!」
 ブリッジに詰めていたムネタケは、突如各所をモニタしていたウインドウがブラックアウトしたと同時に各所からの連絡が途絶え、完全にうろたえていた。
 やがてムネタケが騒いでいる影で、あちこちと連絡を取ろうとしてた隊長が帰ってきた部下の一人から聞いた報告で顔を青ざめさせた。
「か、艦内の主要通路に現在、隔壁が降りています。
 それと……、このブリッジ周辺の全空気循環システムが暴走。原因は不明ですが、空気の逆清浄を行っています……」
 それを聞いたムネタケもまた、顔色を青くした。
 先にも述べたが、戦艦の気密性は非常に高い。だのにその艦内で人が生活可能なのは、全て空気循環システムによって絶えず空気を清浄化――二酸化炭素を分解して、酸素を精製しているからである。
 それが止まると、いや、逆流するとどうなるか?
 答えは――


 そこは漆黒の世界に縦横の格子が走る空間/平面であった。
 その場所から、薄桃色の髪を長く伸ばした少女――ラピスは体中を走るナノマシンパターンの光のドレスを纏いながら開かれた無数のウインドウを操作していた。
 ここはラピスの補助脳が描き出した仮想電脳空間。ラピスは今、仮初の居城にその意識を完全にダイブさせていた。
 オモイカネが眠り、守護者を失ったナデシコの電脳は瞬く間にラピスの制御下に置かれた。
 そしてアキトが甲殻遮蔽を解くのと同時に、核パルスユニットから生み出される僅かな電力を使って連合軍人の居るブロックを速やかに隔壁閉鎖した。
 ブリッジに取り付けられていた、艦長でさえその存在を知らなかった小型カメラから送られてくる映像の中で、最後の一人が意識を失って倒れた。
 それを確認したラピスは再び隔壁を制御。封鎖を解除し、空気清浄システムをフルに回転さえて酸素を送り込んだ。
 それらの作業を終えたラピスはゆったりと目を閉じ、一筋の電光のイメージを纏って自らが生み出した仮想空間から抜け出した。


『こちらパンジー! 海底で破棄されたと思われたチューリップが浮上!』
『う、うわぁぁ!? 舵が効かない! メーデー! メーデー!』
 傍受していた通信からの悲鳴を最後に、クロッカスとパンジーがチューリップへと吸い込まれていった。恐らくは電磁トラクタービームによって引きずり込まれ、次元跳躍で何処とも知れぬ土地へと飛ばされたのだろう。
 クルーはまず、誰一人として助からない。グロリオーサの迎撃に出て来ていた戦闘機部隊のパイロットは幸運だった。
”甲殻遮蔽モードを解除。エンジン出力を最大戦速へ。ディストーションフィールド展開”
 アキトは連合の有象無象を一旦忘れ、目前のチューリップだけに掛かる事にした。どの道、連合も自分の相手などしていられないだろう。
〈アキト……アキト……〉
 ふと、リンクを通じてラピスの思念が届く。
〈ナデシコ艦内の制圧に成功したよ〉
〈ご苦労。なら後は待機していてくれ。……夕方にはそっちに戻れるだろう〉
〈ウン。待ってる〉
 センサの隅に、トビウメから発進した艦載機がナデシコへと向かうのを捕らえる。傍受した通信からすると、艦長がナデシコへと戻るようだ。
 今のグロリオーサの武装ではチューリップを破壊する事は難しい。
 ならば、あの艦載機がナデシコへと到達し、ナデシコが息を吹き返すまでが今回の仕事だろう。
 ナデシコの主砲グラビティブラストならば大型戦艦はともかく、チューリップならば大気圏内で出力が落ちていようとも打ち抜けるはずだ。
 艦載機を狙わんと蠢き出した触手を感知し、バイザーに隠されたアキトの瞳に紅く光るノイズが瞬いた。

 二度、三度とライフルを連射して触手の強度を確認する。
 だが、特に目立った損害は認められない。
 アキトはラピッドライフルを背中にマウントし直すと、腰に装備されていたイミディエットナイフを引き抜いた。 
 自機を操りチューリップへと最大戦速で突進させる。
 ぐんぐんとチューリップの巨大質量が迫る。
 このチューリップには大型の触手が数本据え付けられている。恐らくはトラクタービームで捕まえられない有機物等を取り込むときの為の物だろう。
 チューリップは急接近する機体に目標を移し、うねる触手でグロリオーサを打ち落とそうとする。
 アキトはそれを次々と回避しながら、すれ違い様にナイフを叩きつけていく。ディストーションフィールドを伴った一撃は確実に触手を半ばから破壊した。
 ついでにチューリップへと肉薄し、今回持参してきた吸着地雷をありったけその基部に叩き込む。

 その後触手を失ったチューリップがその先端を大きく開き、「吸い込み」の準備を始めた。
 だがそうこうする内に艦長を取り戻し、浮上していたナデシコがその開いた口にグラビティブラストを叩き込みチューリップは爆散した。
 そして。
 三度虚空へと姿を消した蒼穹の機体。
 それを確認したのか否か、明後日の方向へとトビウメに背を向けて加速していくナデシコ。
「……追いかけますか?」
「無駄だ。足の遅いこの艦では彼らを追う事はできまい」
 それらをトビウメのブリッジからスクリーンを通して見ていたコウイチロウは、部下の質問に自嘲気味に答えた。
 そしてふと先刻の娘との通信を思い返し、やや感慨深げに、
「艦長は最後まで艦を見捨てない、か。いつまでも子供だ子供だと思っておったが……立派な艦長になったな、ユリカ……」
 誰にとも無く呟いた言葉は、親元を去って行ってしまった愛娘への物であった……。







  □■□後書き□■□


カラス:どうも、皆さんお久しぶりです〜。
ル リ:本当に久しぶりですね。もう忘れられてるんじゃないですか?
カラス:グサ! ま、まあ、たまには感想も貰ってるし……
    と、取りあえず復活できたんだから良いじゃないか!
ル リ:そうですね。でも、どうしてこんなにも間が空いたんですか?
カラス:ああ、原因はメグミ。
メグミ:わ、私ですかぁ!?(以上、一発出演ゲストでした〜♪)
カラス:そう。まあ、一度パソのOSが何故か落ちて。
ル リ:それをこの馬鹿な作者がマニュアル無しで最インストールするから完全フォーマットまでして。
カラス:う。まあ、それで書きかけの第七話もプロットも消えちゃったから、
    こりゃ良い機会だとプロットから練り上げて最初から第七話を書き始めたまでは良かったんだけど……
ル リ:だけど?
カラス:メグミのヒステリーの場面を考えてたら、台詞が少ししか考えられなくて。
    あの場面、雰囲気出すには何行か喚かなきゃならないんだけど、全然思いつかなく。
ル リ:で、自信なくして凹んでたの?
カラス:ま、少なくともこれがきっかけで最近スランプでした。
ル リ:あまりのダメッぷりに自サイトの閉鎖までしたしね。
カラス:まあ、メグミのせいってのは半分冗談だけどね。
    感想のメールも来るし、頑張って、って声援もあったから。
    取りあえずリハビリ代わりに仕上げてみました。
ル リ:結構無理して書いてたから、後半は結構荒いですね。
カラス:うん。前半はアキトの部屋の描写で、散文的(?)に書いて退廃的なイメージを出そう、
    とか頑張ったりしたんだけど……失敗っぽいな〜。
ル リ:それと今回からはテーブルタグを使ってますね。
カラス:これも調子良い時に用意した奴なんだけどね。
    最近、読書は「窓の中の物語」ってフリーソフトを使ってるんだけど、
    前の書き方だとコピペで取り込んでも読みづらいから。
    似たようなフリーソフト使ってる人も結構いると思うから、それでも読めるようにしてみた。
ル リ:ま、努力は認めましょう。んな物工夫する前に腕を磨けってのが一番当てはまりますが。
カラス:またしても、グサ!
ル リ:なんですかこれは? 説明がかなり抜けてますね。
カラス:例えば「何でムネタケの部下は空気清浄が逆流してたのが分ったか?」ってのが一つだね。
    あれは、偵察に周りに出てた二人組の軍人がなんだか息苦しいな〜って話してたら、
    片方が噴出し口の真横を通過した途端倒れて、残った方が何が起こっているのか気づいて、
    倒れた奴をほっぽっといて報告に来たって場面を一応書いてたんだけど。
ル リ:あまりにへぼいので削除、と。
カラス:うん。他にも削った説明って結構あるよ。
ル リ:甲殻遮蔽機構の説明もですよね?
カラス:うん。あれも最初はパッシブステルスの説明から入ってて、ノンカットだと今の2倍くらい。
ル リ:他にも色々、言い訳しなきゃならない事が沢山ありますね。
カラス:う゛。でも、後書きが長くなりすぎるといけないからこの辺で……
ル リ:もう十分長いと思いますけどね。
カラス:何か言わなきゃいけない事を書き忘れた気もするけど……
    ま、思い出したら次回の後書きで書こう。

ル リ:それでは皆さん。
カラス:さようなら〜♪

補足1:今回出てきた甲殻遮蔽機構=ステルスコートですが、これは「ザ・サード」に出てくる同名の
    システムとは関係ありません。名前を借りただけで、中身は似てなかったと思います。
補足2:お話中に出てくるステルスの説明は、マクロス関係の資料を参考にしています。
    作者本人が理解できてないので、あまり突っ込まないで下さい。
補足3:工業刃物ってマジで凶器にむきません。
    取り外し可能なバイトなんて刃物の癖に鈍器としてしか使えません(^^)


 

代理人の個人的な感想

なにゆえ甲殻遮蔽=ステルス? などと「ザ・サード」を読んでない私としては思ってしまう訳ですが、

それはさておき説明というのは難しいですね。

下手にやると物語のリズムが崩れますし、入れなきゃ入れないでわかりにくいですし。

(あるいは、独創的なアイデアを盛り込むのが難しくなりますし)

 

ちなみに、アキトのお相手ってやっぱりエリナ?

 

 

 

 

 

 

 

 

そーいやジュンはどうなっただろう(爆)。