影が疾る。

 

 正確にはそう思わせるだけ、存在を消した男達だ。
 つい先刻まで彼等は、〈力〉による一方的な加害者となる予定、だった。
 上官から彼等へ下った任務は、
 この、現在位置する艦内の占拠だったのだから。

 

 だが実際には、大部分の仲間が決行の準備に入った段階で潰されていた。
 たった一人の男に。
 彼等の立場は、一転して狩られる者へと変わっていた。
 通信もどういう訳か、使えなくなっていた。

 

 ふと浮かびあがりそうになる畏れの感情をどうにか消す。

 

 

 ―――と、彼等の進行先、その更に深くから、
 待ち構えていたかのように、影が動き出していた。

 

 それもまた、音を立てる事無く行動している存在だったが、
 それは気配も断ち、空気すら僅かに揺らす程度だった。

 

 もし、それに気付けたとしても。―――それは既に手遅れだった。

 

 そして、静かな―――鈍い打撃音。

 

 

 ふ、と染み出るかの様に、黒衣の男が現れる。

 

「・・・・・・・・」

 

 黒衣の男―――アキトは、
 悠然と転がっているそれらを一瞥する。

 

 解かっていた事ではあるが―――、
 声を洩らさずに、嘆息する。

 

 

「あとは・・?」

 

 虚空に向かって問う。
 呟き声に反応したのか、ウィンドウが浮かび上がる。
 数秒の間、目の前に浮かび上がったウィンドウを見て続ける。

 

「・・・・・もう少しか」

 

 無造作に踵を返して。

 

 

 ―――また、闇に溶け込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ  もう一度逢う貴方のために

第7話 Aパート

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サセボを出て、とある海域を航行中のナデシコ。
 正式に出航してからまだ一日―――、サセボでの後始末が終わった翌日。

 

 ―――その午後の事だった。

 

「―――ん?」

 

 ピッ

 

 軽快な音と共にウィンドウが一つ浮かぶ。
 ―――メッセージの送り主は、オモイカネとルリだった。
 出航してから、二人には頼み事をしていたのだが―――

 

 内容は予想通りだった。

 

(そういえば、そうだったな――――と)

 

 今からだと、ほんの少し後手に回る事になるが―――、
 最終的には余裕が出きる事だろう。

 

「プロスさん、後頼みます」

 

 そう言い、ウィンドウを見せる。
 プロスが頷くのを確認すると、ブリッジを退出した。

 

 

「うーん・・」

 

「どうしました?」

 

 そのアキトを見ながら、首を捻っていたミナトを見たフィリアが、横から声をかける。

 

「あ、フィリアさん。

 

 ・・・艦長――アキト君って何歳でしたっけ?」

 

「えぇと、たしか――――」

 

「テンカワ・アキト、火星生まれ。火星会戦後、地球へ避難。その後、
 ネルガルに就職。エステバリスのテストパイロットとその開発に参加。
 その後、数度の戦闘経験からナデシコの艦長として誘いを受ける。
 生年月日は2月26日、現在18歳」

 

 フィリアの後を次いで、ルリが手元の資料を適当に抜粋し、述べる。

 

「・・・」

 

「ミナトさん?」

 

 固まってしまったミナトに、訳が解らない、とばかりに首を傾げる。
 ルリとしては珍しい事に、口調が会って間もない人相手に、フランクなものになっていた。
 その辺りは、この一月の間に見た事聞いた事思った事、ついでにこの艦の雰囲気に、
 それと―――彼女の、自分への柔らかな雰囲気を感じるからかもしれない。
 そこの所は、まだよく解らないけれど。

 

 

 まだ固まってるミナトの代わりに、隣で聞いてたメグミが聞き返す。

 

「・・・えーとルリちゃん?最後のとこ、もう一度。わんもあぷりーづ」

 

「ですから艦長ことアキトさんは、現在18歳です」

 

「・・まぢ?」

 

「はい、まぢです」

 

 即答。
 ―――そしてほんの少しの、間。

 

「「えええぇぇぇぇ――――――――ッッッ!!??」」

 

 ブリッジを劈く絶叫は、
 まあ取り敢えず、間近で聞いていたフィリアとルリの意識を飛ばしかけた。

 

「・・・・。―――あ!ル、ルリちゃん?!」

 

「バ・・・・バカばっ・・・・・」

 

 ルリに至っては、まともに聞いてしまったようで、何時もの台詞も言いきる間もなく、意識が切れる。

 

「じゅ、じゅうはちさいぃ・・・・?」

 

 そう言うミナトの口調は舌足らずになっていた。
 頭の中は、当の本人と年齢をくっつけようとして失敗しているようだった。

 

「・・・・艦長って・・ひとつ違い、ですかぁ・・・・?」

 

 メグミは小さく口を開けたまま固まっている。
 初めて見た時―――、艦長として現れたアキトを思い出してみる。
 戦闘時という非常時だったが、冷静そのもの。その後も穏やかなようでいて、
 はっきりとした意思の強さみたいなものを感じた。
 歴然とした実力に裏打ちされた、強さ、みたいな雰囲気を感じる彼が自分とそう変わらない年だとは―――――

 

「あ、ちなみにあと二月くらいで19です」

 

「・・・・フィリアさん、聞いてないみたいですよ」

 

 反射的に耳を塞いでいたイツキは無事だった様で、マイペースに付け加えるフィリアにそう返す。
 ちらりと上を見てみる。が、その当人、アキトはいない。

 

(・・まぁ、確かに年相応って雰囲気じゃないですけど―――)

 

 そんなに驚くような事なのだろうか?
 と、一人、のんびりと思う。

 

 当の本人に聞こうにも、席を外しているのか、いない。
 他の人にも聞ける状態には見えない。
 その為だろうか―――、
 イツキは、自分の会った頃と今では認識が違う事に気付くのに、多少の時間を必要とした。

 

 

 そして全員が再構築を果たしたのは、少し時間がかかってからだった。

 

 

「あー、いや、てっきり25,6歳くらいだと思ってたわ・・」

 

「私も・・・」

 

「・・・まあ、気持ちは分かるわ」

 

 しみじみとエリナが頷く。
 実質、彼女も本人に聞くまで気付かなかった人間だ。
 今でこそ充分に落ち着いているが、その当時は一分ほど前後不覚となっていたのだ。
 ここら辺、ミナト達を笑えない。

 

 

「・・・・・あ、あのー、みなさん。今から大事なお話、有るんですけど・・・・・、
 聞いてません・・ねぇ・・・・・・・」

 

 プロスが所在無さげに呟く。

 

 どう見ても、聞いていなかった。

 

 ふと遠くを見―――、
 溜め息を吐く。

 

 自分は何をやっているのだろう?

 

(恨みますよ・・・・・・?・・アキトさん)

 

 まだブリッジにやってこない張本人に向け、愚痴っていた。

 

 

 

 

 

 

 ―――少しだけ時間は戻る。

 

 アキトはブリッジを出ると、歩きながらオモイカネを呼ぶ。

 

「オモイカネ」

 

【了ー解】

 

 既に承知しているのか、ナデシコ内を映すウィンドウと艦の図が出てくる。

 

「最短ルートも出しておいて欲しいんだが」

 

【はーい】

 

 艦の図面に道筋が出来る。

 

 

 懐から折り畳んであったバイザーを取りだし、かける。
 この方が―――、“らしい”だろう。

 

 そして、

 

「さて・・・・指定区域、隔壁閉鎖開始。――始めるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「・・ミスター」

 

「解かっていますよ」

 

 コミュニケをいじっていたゴートが、プロスと何か意思の疎通をし、

 

「さて、本題に入りましょうか。
 ―――これよりナデシコの目的地を発表します」

 

「目的地、ですか?」

 

 メグミがオウム返しに聞き返す。

 

「それはまた、どうしてです?」

 

「それはですね、ある種の妨害を予測しての事ですよ。酔狂で戦艦一つ拵えた訳ではないのですから」

 

 それに対しての疑問は出なかった。
 誰かがそれを問う前に、イツキが小さく呟いたからだ。

 

「・・火星」

 

「「へ?」」

 

 イツキの呟きにミナトとメグミが気の抜けた声を洩らし、プロスがそれに頷く。

 

「はい。・・・ナデシコはこれより火星に向かいます」 

 

「それは、火星の資源等を目当てに、ですか?」

 

 ルリが、話を聞いて以来から思っていた事を、そのまま口にした。
 プロスは微苦笑を洩らす。

 

「ふむ。確かにそれもありますよ。こちとら企業ですし、使えるものが残っていればそうするでしょう。
 ですが、その過程以前に、救助を行なう事もまた事実ですよ」

 

 ブリッジにいる人達の顔に理解の色が浮かぶのを確認すると深く頷き、

 

「それでは、火星へ向け」

 

 姿のない艦長に代わって、プロスが号令をかけようとする。

 

「その必要はないわよ!」

 

 不快指数を上げる甲高い声が響き、厳つい男達がなだれ込んでくる。

 

「反乱・・・ですか?」

 

「徴発、と言って欲しいわねぇ。火星なんかに行く必要はないわ」

 

「―――血迷ったか、ムネタケ」

 

 静かな威圧を込め、フクベが恫喝する。が。
 ただ相手がそれを真摯に受け止めるかどうかは、甚だ疑問だが。

 

「こんな性能を持った戦艦をみすみす火星くんだりまで行かせるワケないじゃない。
 この私が有効に使わせてもらうわ」

 

「困りますなぁ、既に軍の方とは話はついてるのですが」

 

 銃を前にして、プロスはあくまでも理詰めで話を進めようとするが、

 

「そんなもの私の知った事じゃないわ」

 

 何とも幼稚な台詞に、プロスが口を閉ざす。

 

「それに他のブロックはもう、出航前に潜入した私の部下がとっくに制圧している頃よ。
 さっさと投降しなさい!」

 

「あ、それの事なんだけど―――」

 

 唐突に、それまで黙っていたエリナが声をあげる。

 

 話の腰を折られた形になったムネタケが睨み付ける。
 あっさり無視されたが。

 

「ちょっと!」

 

「・・まだわからない?では―――」

 

 エリナは、場にそぐわぬ穏やかな笑みを浮かべている。
 ムネタケがそれを咎める前に、
 それは起きた。

 

 停電でもしたかのように、唐突にブリッジ内の照明が消える。
 昼間とはいえ、一瞬、それなりに暗くなった。

 

 それと合わせて上部ハッチが開いたかと思えば、
 それに反応しきる前に鈍い音が響き、ムネタケの引き連れていた部下が、崩れ落ちてゆく。

 

「――――まぁ、こうなる。と言う事か」

 

 倒れた軍人たちの後ろ側にアキトが立っていた。

 

 ―――既にムネタケの部下は、地に伏せ、動く気配を見せない。
 アキトの視線がムネタケへと向けられる。

 

 それ等を見ても、まだ余裕があるのか一歩二歩と後ずさりしつつも、虚勢を張る。

 

「な!他のブロックが人質になってるのよ?!大人しく――――」

 

「そうでもないんですが」

 

 アキトが肩をすくめる。

 

 それを合図に、プロスがコミュニケで誰かを呼び出す。

 

「格納庫の、ウリバタケさん?」

 

 ムネタケの目前にウィンドウが開いた。が。

 

<こちら、格納庫>

 

 リカルドが、何時もの様に煙草を吹かせていた。ウリバタケはその横で何かを指示している。
 明らかにやる気がないリカルドに、プロスが溜め息を吐く。

 

「・・リカルドさん、格納庫では禁煙でお願いしたいのですが」

 

<そんなヘマしねぇよ>

 

 そう言って笑うと、自分が腰掛けていた所―――気絶し、縛り上げられた軍人を差し、

 

<で、どうする?この連中>

 

「コンテナに詰め込みしておいて下さい。後でお迎えが来そうなので」

 

 気怠い口調のリカルドに、アキトが首を向け、付け加える。

 

<だ、そうです>

 

<おし、わかった。―――つー訳で、空いてるのにブチこんどけ>

 

<<<うぃーっす>>>

 

 そう言うウリバタケの後ろでは、縛り上げた軍人を一纏めにしていた整備員達が、
コンテナへと次々と運び始めた。

 

「では、食堂の、ホウメイさ〜ん?」

 

 もう一つウィンドウが開く。

 

<こちら食堂で〜〜〜す>

 

 ホウメイを手伝うアシスタント達の一人が、開いたウィンドウに答える傍ら、
他の四人でピクリとも動かない軍人たちを縛り上げている。
 その後ろに居たホウメイが、

 

<そろそろ仕込み始めたいんで、とっとと終わらせてくれると嬉しいねぇ>

 

 そう言って、豪快に笑った。

 

 

「あまり見くびらないで貰いたいですな。軍の工作など、いかほどでもありません」

 

 プロスが淡々と述べる。
 アキトは再度問う。

 

「・・まだ見ます?」

 

 

「ア・・アンタ、一体なにも」

 

「俺はこのフネの艦長ですよ?」

 

 バイザーの奥で、笑ったような気がした。
 何故か、言い知れぬ恐怖を感じた。

 

 ――アキトの貫手が、額に迫っていた。
 ムネタケが最後に見た光景は、そんな光景だった。

 

 

 崩れ落ちたムネタケをきっかけとして、
 軍人たちを縛り上げようとゴートが動き回る傍ら、
 エリナがムネタケを指差す。

 

「死んだの?」

 

「まさか。こんなのでも、一応は連合軍の准将だしな。
 今回に関しては、テロリストとしての最低限の処分をしただけだよ」

 

「・・そう?」

 

 何処か納得してないのか、一旦頷きかけてから、また問う。

 

「―――でも、このテの輩は、ほっとくと逆恨みするタイプよ?」

 

「それについても、大丈夫だ」

 

「?」

 

「このテの輩は、ほっといても勝手に自滅する」

 

 あまりにも、な答えだったが、思わず納得してしまう答えだった。
 今度こそ納得し、頷いたエリナを余所に、偶々聞いていたプロスが冷や汗を流していたが、まあ些細な事だ。

 

 

「それよりも、あれだけ明確な証拠があったのだから、さっさと捕えても問題無かった気がするのだが?」

 

 一人、腑に落ちない表情でゴートがぽつりと呟く。

 

「それはですね――――、こうして行動を起こしていただいた方が、対処も楽なんですよ。
 ・・後で賠償請求のネタにもなりますし」

 

 そう返すプロスの答えも尤もだった。
 実際、ムネタケの場合は、そのプライベートデータをオモイカネに調べ上げた時点で、すぐ判明した。
 ただ、その部下はそれなりに考えていた様で携帯しているだろう火器の位置が不明だった。
 真っ向からやれば、少なからず被害も有り得たので、このような方法を取っていた。
 ただ、プロスの浮かべている表情からして、理由は後者であろう。

 

 

 事の推移を見ていたルリに、アキトの指示が飛ぶ。

 

「ルリちゃん? この付近の海域を索敵。多分、連合軍の艦隊が居ると思うから」

 

「はい。・・・・索敵完了。
 連合軍の艦艇を三隻確認。及び、休止中のチューリップも一つ付近海中に確認してます。
 引き続き艦艇の照合―――確認。連合軍所属艦、トビウメ、クロッカス、パンジーです」

 

「停止状態のチューリップか・・。
 一応動向に気を付けといて。何時動き出しても不思議はないから」

 

「はい」

 

 

 

「さて、次は連合軍の極東方面軍提督よ。どうする気?」

 

「まぁ、取り敢えず話くらいは聞いとくさ」

 

 エリナに向けそう応えるアキトの視線の先には――――、

 

 浮上を開始してきた、艦艇三隻。

 

 その内の一隻―――トビウメ。
 それは、連合宇宙軍、極東方面隊の旗艦だった。

 

 

 

 

 

「―――少しは、筋の通った話ができるのかな?」

 

 アキトの目が静かに、
 ―――その艦にいるだろう人物を見越して、トビウメを映していた。

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「妙な事になってきたかな・・?」

 

 エステバリスでムネタケ達が詰まったコンテナを運びながら、イツキが腑に落ちない顔でぼやく。

 

「交渉、と言っても決裂は目に見えてるのに・・・。アキトさんはどうする気なんでしょう?
 ―――フィリアさん、知ってます?」

 

 回線は繋げておいたのか、フィリアのウィンドウが浮かぶ。

 

「さあ・・。でも、いつか軍の人に知り合いがいるとか言っていったような気がします」

 

 それを聞いて、更に曖昧な表情になる。

 

「・・・知り合い?」

 

 

 

 

 

 その一室には、二人の男が居た。
 一人はアキト。
 彼に対峙しているのは、壮年の男―――ミスマル・コウイチロウだ。

 

「お久しぶりです、と言うべきなのでしょうか――――?」

 

「ふむ。少なくとも私はそれで構わないと思うよ」

 

 彼等の雰囲気は、交渉時のある種の緊張感とは無縁の様だった。
 話はするだろうが、自分達の立場は一時置いて話し出しそうだった。

 

 事実、交渉自体は、プロスとエリナによって行なわれている。

 

「では改めて。
 お久しぶりです。コウイチロウおじさん」

 

「うむ。半年ぶりになるか――――」

 

 コウイチロウは、目の前の黒衣の男を見、目を細める。
 彼の古い記憶では、まだ彼はほんの小さな子供だった。
 つい最近までそれは変わらなかったのだが―――
 今、目の前にいる落ち着いた物腰の青年に会った時は、驚いたものだ。

 

(大きくなったものだ――――)

 

 ふと、自分が昔に浸って居る事に気付くと、苦笑気味に目を閉じ、そして目を見開いて、本題に入る。

 

「率直な話、ナデシコには軍に協力してもらいたい。との事だよ」

 

「それが本部の結論ですか?」

 

「余裕がないのだよ。・・特に今回の事で、自分達の益が減る事を恐れる連中と、それに群がる輩がな」

 

「辛辣ですね」

 

「事実さ」

 

「それに関しては、それこそ知った事ではありませんよ。
 セクト争いにかまける連中や、利益にのみ走る存在など、ね」

 

 自分に負けず劣らずの毒を吐くアキトに、
 コウイチロウは、何か、実の息子の愚痴に付き合っているような気分に陥りかけ、内心で苦笑した。

 

「だが―――いくら君が、君達が火星へ向かうにしても、無謀に過ぎると思うのだが?」

 

「そうですか?」

 

「幾ら高性能でも、多勢に無勢。単純な計算だよ。
 ・・・それに火星の現状は既に不明となって久しい」

 

「確かに無謀と思われるでしょうが、今回の火星への遠征は、戦闘が目的ではないですから。
 幾らでもやりようはありますよ。
 それと、火星ですが―――」

 

 一端切り、

 

「火星との連絡は取れています」

 

「な・・・!」

 

「とはいっても、それを知るのは極一部ですが。
 ・・・所で――――――」

 

 アキトの雰囲気が、変わる。

 

 それに応えるようにコウイチロウの表情が、自然と引き締められる。

 

「この戦争の真実と現実。
 ・・・知る覚悟はありますか・・・・?」

 

 何故、との疑問は自然と起きなかった。

 

 一切の誤魔化しの無い、ただただ剄い光を放つ眼を前に―――、

 

 

 

 ―――答えは、決まっていた。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 一応生きてはいますが、キノコ退場。
 もう2度と現れる事は無いでしょう(書くの面倒だし)
 ―――グッバイキノコ。

 

 アキトですが、現在その外見は、雰囲気的に精神年齢並に見える様で。

 

 

 

 諸事情により短くお送りしています。
 次回には、大幅増大――――するようなしないような(超弱気)

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

 

かわさんからの投稿第十弾です!!

アキト・・・年齢を疑われていますね(笑)

まあ、仕方が無いですかね?

でも、精神年齢に比例した外見に見えるって・・・それはそれで凄いですね〜

しかし、キノコ・・・さらばだ(苦笑)

 

それでは、かわさん投稿有難うございました!!

 

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