守護者、そして……

第二話





唐突だが、俺達は今戦闘中だ。
空が黄色く染まるようなバッタの群れども相手にたった三機で戦闘しているのだ。
片方の手に持っている高出力レールキャノンをぶっ放して五機ぐらいあっさりと貫通させて吹っ飛ばしたり、反対の手に持ったブレードでぶったぎったり。
近くのカイトも同じようにして潰す潰す潰す。
にしてもぜんっぜん数がへらない。
コミュニケから聞こえてくるブリッジからは痺れを切らした声が多数。しかし俺達には関係ない。
火星ではこんなことは日常茶飯事だからだ。
……………の、はずなんだがなぁ。
爆音。
「にゃははははははは!!!」
地上施設でときたまどっかんどっかん爆音が響いてくる。
『彼女』の攻撃だ。
「え〜い…こうなったら幻の
反応弾でも…」
「「やめんかっ!!」」
彼女の物騒な発言を俺とカイトは即座に反論しておいた。冗談抜きでやりかねん。
はぁ…生きていたのは嬉しいのだが…もうすこしまともな性格になってくれればなぁ…いつもはまともなのにときどき壊れるしなぁ…。
とか考えつつも俺達は適当にバッタどもをぶっ壊していくのだった。


時間はさかのぼり、アキトたちはナデシコを眺めていた。
ここに来るまでに何度か守衛との騒動があったが、とりあえずは入れた。中ではプロスペクターは二人を待っていたのだが彼らはどうせなら入り口で…と思っている。
「これが、我がネルガルの誇る最新鋭の機動戦艦ナデシコです」
と、プロスペクターが心なしか胸をはって紹介した。
「へぇ。ディストーションフィールド実用化したんですね」
カイトが左右に突き出した船体を見ながら呟く。
「はいそうですとも。他にも相転移エンジンやグラビティブラストも装備しておりまして。地球圏ではほぼ最強ですよ」
「最強クラス、の間違いでしょう」
ぼそり、と呟いたアキトにプロスペクターが苦笑する。その通りなのだ。
「いやはや、厳しいところをつかれましたな。その通りですよ、あのヴェクトーラには流石に勝てませんよ」
「機動軍大型機動戦闘空母ヴェクトーラ。全長5kmの超大型艦で火星会戦時に撃破した木星蜥蜴の実に60%を迎撃した史上最強の化け物。コスト度外視の機動軍最後にして最強の戦力ですからねぇ」
しみじみとアキトがいう。彼は以前一度だけその艦を目にした事があるのだ。
「ですが、さしものヴェクトーラもグラビティブラストには耐えれませんでしょうから、使いようによっては…」
「希望的観測は禁物ですよ、プロスさん」
「おやおや、私とした事が……まあとにかく、艦内をご案内します。ついてきてください」
そういうとプロスペクターは二人を連れて格納庫へと案内しはじめた。
格納庫へ案内されるとピンクに塗装されていたエステバリス…どう見ても仮組みしたばかりのエステが暴れている。
果敢にもそのエステの正面に一人の整備員が飛び出しメガホンで叫んだ。
「どういうつもりだ、そいつはまだ仮組みしたばかりなんだぞっ!」
『わーーーっはっはっは! 心配無用っ、このダイゴウジガイが敵なんぞゲキガンガーで返り討ちにしてやるからよっ。博士!!』
エステに備え付けられたスピーカーから暑苦しい男の声が聞こえてくる。
「誰が博士だっ」
メガホンを持った整備員とエステパイロットの言い合いが繰り広げられ始める。
「…なんすか、あれ」
「……ゲキガンガーて、あのゲキガンガーだよなぁ」
エステと整備員を指さしながらプロスへと振り返るカイトに一人考え込むアキト。
「ああ、あちらのメガホンをもった方は整備班長のウリバタケさんです。え〜とエステのパイロットは……ヤマダジロウさんですか?」
『ヤマダジロウは世を忍ぶ仮の姿、魂の名はダイゴウジガイだぁーー!!!』
「暑苦しい奴だな」
カイト君の言葉はアキトも同意していた。実際、暑苦しい奴である。
『わははは。では見せてやろう、このガイ様のスーパースペシャルグレートな必殺技ガーイ…』
『えーいっ、五月蝿いっ。整備の邪魔するなこの
とかいうの!!』
エステが奇妙な動きをしたのと同時に後ろから女性の声が聞こえてくる。相当怒っているようだ。
「…俺の聞き間違いでなければ、ガイではなく
と発音したような気がするんだが」
「心配するな兄貴。俺も聞こえた」
アキト達の会話の最中、エステの後ろからエステの二回り程の大きさの白い機動兵器が出現した。
その機動兵器はいまだにやかましい声を張り上げているエステを捕まえた。
『うおっ、何しやがるお前!』
『今です班長っ、この
引きずり出してください』
「まかせな、いくぜ野朗ども!!」
「「「「おおー!」」」」
ウリバタケの号令の元整備員がわらわらとエステに群がりヤマダが引きずり出されて格納庫の床に転がされた。
「仮組みを使うんじゃねぇ」
「人の邪魔するな!」
「これ以上残業させるんじゃねぇ!」
「俺なんかもう一週間寝てねえんだよ!」
「仕事増やすな!」
「や、やめ、ごはぁっげひょひょ」
不眠不休で作業をしていて殺気立ってる整備員達に包囲・殲滅されるヤマダジロウ。
しばらくして仕事に取り掛かる整備員たちだが、ヤマダは見るも無残な肉塊として存在していた。
「おー、何処の船でも殺気だった整備員は強い強い」
「思えば俺達も昔はよくぼこられたよなあ」
その光景をしみじみと眺め、感慨にふけるアキトとカイト。
「なんならもう一度ぼこぼこにしましょうか、隊長、カイトさん」
いきなり後ろから声をかけられた二人だが、何事もなく頷いた。
「そうそう、こうやってレナちゃんにボコられたなぁ………え?」
「兄貴は無茶するからな………あ?」
ばばっ、と後ろを振り向くと、長い腰まである艶やかな蒼銀色をした髪と蒼銀色の瞳を持っている女性がいた。
その整った顔立ちには笑みが浮かんでいる。
「おひさしぶりです。アキトさん、カイトさん」
「「レ、レナぁ!?」」
驚いている二人とぼけ〜としたような顔をしたミズキ・レナ。
「はい、ネルガル重工所属機動戦艦ナデシコの機動兵器整備オブザーバー兼パイロットレナです」
びしっ、と格納庫の奥に固定されている三体の紺、黒、そして先ほどヤマダのエステを押さえつけた白の機動兵器を指差した。
その動作に唖然としているアキトとカイト。
「……………本物だよな?」
「当たり前です。あ、信じてないんだ…う〜…い〜もんねい〜もん、アキトさんの機体のアサルトピットに爆弾積んじゃうもんチューリップも一撃のよ〜なの」
「だぁ〜っ!? やめやめ、死ぬから止めろっ!!!!」
頬を膨らませて早速スパナを持ち黒い機動兵器へと歩き始めるレナをアキトが後ろから抑えるが、ずるずるとアキトを引きずっていく。
「お〜い、んじゃ、その髪は?」
「えと、ちょっとした事故で遺伝子変わっちゃったんです」
くるりと身をひるがえし、カイトへ答える。
その過程でアキトが吹き飛ばされたりしているがまあ、問題ない。
「んで、あの紺のが俺の?」
アキトが吹き飛ばされて壁に激突したのを見てみぬフリで問い掛けるが、額から脂汗が流れている。
「はい、そうですよ。レナブランドシリーズ最高傑作にして地球圏最強のエステ個人カスタマイズ!! 通称XXAFシリーズ!!!」
目をきらきら輝かせて紹介をし始めるレナ。
後ろでアキトがようやく起き上がり始めたようだ。
「火星での反省を克服してカスタムしたらまあ、全長が2倍ちょいになりましたけどね。新開発の内燃機関GPDを搭載し行動範囲を増大…ま、試作品ですけど。重量かさんだんで機体あちこちにスラスタをゴテゴテくっつけたら脆くなったんで装甲をルナリウム複合材合金の複合装甲にしたら…って具合にです」
「…ほ、ほお……」
「すげ〜な、おい」
実際には既にエステバリスという機種の範囲外なのではあるが、彼らはそのことには触れない。マッドに文句つけて機嫌悪くさせたら翌日おきて身体を見れば改造されていた、なんてことにはなりたくない。
「で、骨格から作りなおしたんです。機動性も、装甲も、火力もエステの比じゃありません。戦術戦闘攻撃型兵器ですよこれ。…………ま、スタンドアローン可能なワンオフモデルですけどね」
「…修理がきかないのか?」
「いえ、ただし大破しちゃったら終わりですし、GPD壊れたら終わりですからね。注意してください…というところですけど…」
何故かレナはバツの悪そうな顔をした。
「GPDの開発が間に合わなかったんで、エンジン積んでません。ということで基本的にエステとかわりありませんね」
てへっ、と舌を出しながら苦笑するレナ。
「分かった」
「おう」
そう答えるとアキトとカイトはしばらくそれぞれの機体を見上げた。
「あ、機体は開発コードブラックサレナ、正式名称はアキトさんのがサレナ。カイトさんのはナイトっていいますから」
そういうと、レナはウリバタケと合流してヤマダが転がしたエステバリスの整備を再開した。
が、
Beeeeeeeee!!Veeeeee!
いきなり大音量で警報が鳴った。
「ん?」
「何だいきなり」
「ほえ?」
三人が警報を鳴らしているスピーカーをまるではじめてみた珍しいもののように見つめた。

警報がなる中、ブリッジは結構平和だった。
「あれ? ルリちゃん、お昼のサイレン?」
そう言ってナデシコのオペレーターである若干12歳の少女ホシノルリを見つめたのは通信士のメグミ・レイナードだ。
「違います。6時方向距離1万に多数の反応あり。IFF(味方識別)識別なし。オモイカネの推定結果99.8882%の確立で木星蜥蜴です」
「ちょっと、どうするのよ! 何とかしなさいよ!!」
警報とルリの報告を聞いて大声を上げたのはブリッジの指揮官ブロックに居るキノコ…もといムネタケ・サダアキ。ナデシコには副提督として乗り込んでいたのだった。
「現在、地上軍が迎撃展開中」
「オペレーター…ルリくんだったか。上の様子を表示してくれ」
「分かりました」
提督席に座っている老人が落ち着いた声でルリへと話し掛ける。その老人こそがこのナデシコの提督であるフクベ・ジンだ。とはいえ、ナデシコは単独行動艦であるために提督の仕事は極端に減っているので、主な仕事はクルーのオブザーバーだ。
画面に地上の様子が大きく表示された。
赤い無数の敵が緑の地上軍へとまっすぐに進行している。一部では既に戦闘も開始されているようだった。
「地上軍、苦戦している模様」
緑のマーカーがみるみる減少していく。全滅は時間の問題だろう。
「何とかしなさいよ。火星で50隻もの民間シャトルを地球に送り届けたこの私がいるのよ。守りなさい!!」
「どうやってですか?」
メグミが素朴な疑問を投げかけた。
「きまっているわ。対空砲火を上に向けて発射するのよ!!」
「ひっどーい」
「最悪ぅ」
操舵士のハルカ・ミナトとメグミが揃って批難の声を上げた。
「とにかく撃つのよ!」
「無理です」
大声を張り上げるムネタケに対し冷静にルリが言った。
「なんでよ」
「マスターキーがありません。艦長の持つマスターキーがなければナデシコは役立たずです」
「その艦長とやらはどこ!?」
「いや〜、それがですね。遅刻しておりまして」
「遅刻?!」
叫ぶムネタケの後ろに突然出現したちょび髭男もとい経理担当プロスペクター。
艦長が遅刻という軍隊ではまずありえない事態に対してムネタケは絶句した。
そんな中、ブリッジのドアがスライドし二人の人影が入ってきた。
「みっなさーん。私がナデシコの艦長のミスマル・ユリカですっ。ぶいっ!!」
『ぶい〜〜っ!?』
「………馬鹿ばっか」
その瞬間、ブリッジの機能は停止した。

ズシン、ズシンと格納庫が揺れる。
「わったったった」
そんな中ふらふらと行ったり来たりするのはレナ。ちなみに彼女の服装は何故か
『メイド服』である。何処でそんな知識を仕入れたのか首に革製の黒いチョーカーもつけてたりする。
「……戦争か」
「懐かしい匂いが漂ってくる」
それを無視しアキトとカイトは上を見上げた。
彼らが嗅ぎなれた匂い…すなわち、戦場の匂いが漂ってくるのだ。上から。
別に硝煙の匂いとか血の匂いとかではなく、雰囲気が漂ってくるのだ。そんな彼らから発せられるぴりぴりした空気が整備員を巻き込んでいく。
「プロスペクター」
コミュニケ展開。プロスへと接続。
『海底ゲートを抜けて背後からグラビティブラストでしとめます』
『なるほど…しかし、そう上手くいくかね?』
『エステバリスを囮にします』
コミュニケから女性と老人の声が聞こえてくる。
「ふっ、面白い」
アキトはにやりと笑うと、漆黒の機動兵器サレナへと歩み始めた。
「兄貴、まてよ」
カイトもまた、ナイトへと向かっていく。
『まあ、パイロットが1人、医務室にいますが、彼らにお任せしましょう』
接続しっぱなしのコミュニケからプロスの声が聞こえてきた。
しかし、もう聞く者は居ない。しばらくするとウインドウが閉じてしまった。
整備員が格納庫を動き回る。
黒と紺の機動兵器が重い足音を立てて小型挺用の後部発着場へと向かっていく。
重力カタパルトで発進した場合はドックの壁に衝突という運命がまっていたりするので後部発着場から出て地上へのエレベーターで上がるのだ。
標準重量が砲戦フレームを上回る機体だけに音だけは迫力がある。
「ラピッドライフルはまだ梱包を解いてないんだ。すまないが固定武装だけで戦ってくれ!!」
ウリバタケが二階の通路から叫んだ。
「エンジェル4よりエンジェル1、2へ。各機体の飛び道具はレールキャノンのみ。残弾は一丁につき徹甲弾200」
『エンジェル1了解』
『エンジェル2諒解』
アキトとカイトの返信に頷いたレナもまた己の愛機へと乗り込んだ。
「地上エレベーターの隔壁を開放。出るぞ!」
アキトの声とともにサレナが白煙とスラスタの蒼い炎を残し上昇していった。
続いてカイト機も出撃。
「れっつ、いんたーせぷとみっしょ〜〜ん!」
ノリノリな声でレナも宣言するとエレベーターシャフトを通過していく。

アキトが外に出ると、そこは見渡す限りの黄色一色。
その光景にアキトは立ち止まってしまった。否、アキトだけではない。他の二人も同じように止まっている。
脳裏に過去の思い出が浮かぶ。
人類がナノマシンの恩恵にあやかっていた星。軍神の納める火の星での出来事。
――俺(私)はあの時、何も出来なかった!!
全機の重力波受信ユニット兼ウイングスラスタが大きく開かれる。
『警告メッセージ:現在重力波供給ライン外です。及びGPDが起動しません。内部バッテリー作動』
正面に開かれた警告メッセージと共に、バッテリー残量が隅に表示される。
各ステータスは良好。不具合はないし、IFSの反応はスムーズで処理速度も速い。
アキトは右手にレールキャノン、左手にイミディエットブレードを構えてバッタの群れに向かって飛び出した。
「火星での借りは返させてもらう」
一番近いバッタをロックし、レールキャノンから徹甲弾が放たれる。
徹甲弾は余りの高速で周囲の空間をゆがめながら…そう表現するしかない速度で飛翔した。
バッタを五匹ほど貫通し、六匹目で炸裂。近くに居たバッタを巻き込んで爆発した。
「………………おい」
 アキトは絶句した。彼がこんな顔をするのは数年ぶりだ。戦争がはじまる前まではよくしていた顔だが、ここのところはそんなことは一度もなかった。
『…隊長、そのレールキャノンは対艦用ですので…その、機動兵器相手には…』
「……そういうことは早く言えっ!」
(確かにこの火力なら戦艦どころかチューリップにもダメージ与えられそうだな)
それだけの火力を持つものを装備していること自体尋常じゃないのだが、そのことにアキトは気付かない。
『トドメに言いますけど…飛び道具はそのレールキャノンだけです。あとはブレードとナックルですね。ワイヤードフィストは構造上装備できませんでした』
「『………』」
痛いほどの沈黙が戦場を支配する。
「ふ……」
『はっはっはっは』
『うふ…うふふふふ…』
三人の怪しげな笑い声が電波に乗って周囲に流される。怪しげな笑い声が一通りおさまると一緒に、
「『『こうなりゃ(れば)ヤケだ』』」
手持ちのレールカノンを乱射しはじめたのだった。

数分後、
「のろい」
背後から忍び寄ったバッタを振り向きもせずにブレードで切り裂く。
機能を停止した鉄屑を地面へと蹴り落とす。
「レナ、先行して連中を叩き落し…いっ!?」
アキトが見た彼女の機体は、左腕に装備している小型シールドのようなものをバッタの集団に向けていた。
そのシールドの内側に格納されているものを見つけたアキトは驚いて目をこすった。
もう一度確かめてみるとまだあった。
「……レナ」
『何ですか隊長?』
コミュニケの向こう側にいるレナは……目がイっていた。
「その、左腕に装備されているミサイルの弾頭のようなもの…赤い帯と
N2という文字が書かれているのは見間違いか?」
『あたりです。SCM−62Nの弾頭です』
アキトの記憶に間違いがなければ、SCM−62Nは62式空間巡航ミサイルN2弾頭…もっとわかりやすく言えば5キロトン非汚染型戦術核弾頭ミサイルのはずだった。
いくら軍務についていたものとはいえおいそれと手に入る代物ではない。反応兵器は連合艦隊でも両手両足で数えられるほど少数の一部の艦艇が装備しているに過ぎない。
「まさかと思うが撃つなよ?」
『え〜、ダメですかぁ?』
彼女の不満そうな声。撃つ気だったらしい。
「ダメだ。ナデシコが爆発に巻き込まれて沈んだらどうする」
それ以前に彼ら三機とも蒸発するのがオチなのだが気にしてはいない。
『は〜い』
レナの機体が左腕をおろし、ブレードを装備して突撃。彼女の通ったあとに連続した爆発が発生する。
『アキト、もういいんじゃないの?』
バッテリーの残りや敵の数、ナデシコの様子を理解していたカイトが言った。
「そうだな、全機合流地点へ。敵をひきつけるぞ」
『了解』
『お〜にさんこ〜ちらっと』
カイトの真面目な返事とレナの気の抜けた声。きちんと敵をひきつけつつ移動している。
アキトもバッタをひきつけながらナデシコへと通信を送る。
「こちらアキト、今からそっちへいく」
『こちらはいつでもOKです』
コミュニケの向こうで銀色の髪をした少女が言った。
少女がブリッジ要員にいるということに内心驚きながらも海へと向かう。
既にバッタのミサイルは尽きているし、機関砲は避けやすい。逃げるだけなら問題はなかった。
バッタはバッタでプログラムに従い、敵戦力を逃がさないように追撃を行う。
そうしているうちに海が見えた。
「全機飛べっ!」
『海は青いってことで飛べぇっ!』
『あ、鬼ごっこじゃなくてハーメルンの笛吹きか』
三機が上昇。直後に海中からナデシコの白い船体が出現した。
『敵戦力、全て射線に入っています』
『グラビティブラスト、てぇーーっ!!』
女性の艦長の声と共にグラビティブラストが放たれた。
黒い集束重力波がバッタを包み込み、押しつぶし、大爆発していく。
『す、スゲエ…』
カイトの声が聞こえた。大量のバッタを一度に撃破できる攻撃に驚いているらしい。
確かにこれはすごい、とアキトも思った。
『た〜まや〜』
レナに対してはアキトも口を閉じた。もはや何も言うまい。
「ナデシコ、これより帰…」
『アキトアキトアキトアキトアキトアキトアキトアキトアキトアキトアキト!!!』
アキトはアサルトピットに響く大音量の叫び声に驚き、ひっくり返った。


あとがき。
もはやなにも言い逃れが出来ないほどの長期にわたる更新停止・・・。
ああ、なんとお詫びすればよいのやら・・・。やはり、切腹か?
アキト「だな。腹切ってよんでくれている読者に詫びろ。ほら」(ぽいっと日本刀と和紙と白装束をKEIに渡す)
う、うむ。(白装束姿で刀を手に持って・・・)
アキト「安心しろ、俺が介錯してやる。いや、いっそのこと俺が斬ってやる」
お、怒ることないだろう。
アキト「人の出番散々なくしやがって・・・」
仕方がなかったんだよ!スパロボが次々と出てクリアするのに忙しくて・・・あっ!!
アキト「ほう・・・・・・そうか、そういうことだったか」(怒りの炎と共に刀をかまえる)
今のはなかったって事で・・・
アキト「できるかーっ!!!!」
斬。
・・・・・・
・・・
アキト「ふう、KEIはきちんと制裁したし・・・。じゃ、みなさん第三話で会おう」
テンカワアキト退場

・・・・げふっ・・・きゅ、救急車・・・・・

 

 

代理人の感想

ま〜、間を空けようとなんだろうと再開するのはいい事です(自爆)。

 

しかし・・・・・やっぱ扱い悪いな、ガイ(苦笑)。

マッドなパイロットだかなんだかは何故かエプロンドレス着てるし。

そんな恰好で整備できるのかおい(笑)。