赤き力の世界にて・・・

 

 

 

 

 

第48話「闇、砕け散るとき・・・・」

 

 

 

 

 

 

覇王ダイナストが頭上にかかげた右手の先に、巨大な暗黒球が浮かんでいた。

凄まじいエネルギーが集束しているのか、暗黒球の周りには無数の雷光が走っている!!

 

 

精神世界面アストラル・サイドからも痕跡を残さず消え去れ!!」

 

 

さらに巨大化する暗黒球に、何とか対抗しようと立ち上がるルナとニース。

だが、覇王ダイナストより受けたダメージは重く、まともに立つことすらままならない。

 

一番ダメージの少ないメアテナとリナは、皆の先頭に立ち、暗黒球に対抗する手段を思案する・・・・

 

 

「リナさん、何かいい手がある?」

「ただいま思案中・・・と言いたいところだけど、取る手は二つしかないのよね・・・」

 

 

リナの考えている二つの手・・・それは、混沌による迎撃。

一つは、最強最悪の魔術、重破斬ギガ・スレイブを使い、覇王ダイナストもろとも暗黒球を消滅させる。

もう一つは、混沌を刃にする魔術、神滅斬ラグナ・ブレードにて、迫り来る暗黒球を斬り裂く・・・

 

どちらでも迎撃は可能なのだが・・・それを使うということは、最後の手段を使ってしまうということに他ならない。

そして、そのどちらを使うにしても、リナは本気で魔術を使わなければならない・・・いや、使わざるをえない。

 

 

(生半可な力じゃぁ、迎撃できそうにないからね・・・・

それに、覇王ダイナストがわざわざ魔術の行使を見過ごしてくれるかどうか・・・)

 

もし、詠唱途中にリナの魔術に気がつき、すぐにでも覇王ダイナストが暗黒球を放てば、

リナ達は全滅することはなくとも、確実に何人かは死に、残りも多大なダメージを受ける。

 

(でも・・・このままでも全滅は必死なのよね)

 

リナは巨大化する暗黒球を見ながら、焦る心を無理矢理落ち着ける。

 

 

重破斬ギガ・スレイブは相討ちになる可能性が高い・・・だったら、神滅斬ラグナ・ブレードしかないわね。

後のことは・・・・・後で考えましょうか!!」

 

 

リナは両手を胸の前で付き合わせ、神滅斬ラグナ・ブレードの詠唱を開始・・・・しようとしたその時、

隣にいたメアテナが、突如、自分の身体を抱きしめながらうずくまる!

 

 

「どうしたの?メアテナ!?」

「か、身体が・・・・身体が熱い!」

 

 

うずくまったメアテナの身体より、眩いばかりの赤い光が発せられる!

その光は、赤竜の力によるものだということをすぐさま見抜いたリナは、

本来の持ち主であり、赤竜の力を熟知しているであろう自分の姉・・・ルナに問おうと振り向き、驚いた。

 

ルナの身体からは、メアテナのそれとは比較にならないほどの光が渦巻きながら立ち上っていたのだ。

身体の怪我も、急速な勢いで癒えているのが、傍目でもわかるほどだった!

 

 

「赤竜の力が・・・暴走している?いえ、アキト君の赤竜の力と共鳴しているの!?」

 

 

ルナは、アキトの中にある赤竜の力が怒り強い感情によって高まっているのを感じていた・・・

高まったアキトの赤竜の力が、ルナとメアテナの中にある赤竜の力と呼応し、一時的に増幅されているのだ。

 

 

「バカな!此処は我が結界によって外界とは遮断されているはず!なぜ遙か彼方にある力と感応するのだ!!」

 

「貴方らしくない質問ね。神や魔にとって物理的な距離なんて些細なものでしょ・・・・

それに・・・いくら貴方が異空間を作り、隔離しようとも、元は同じ力の共鳴までは防げなかった・・・それだけよ」

 

「クッ・・・・まあ良い。これで・・・・貴様達は終わりなのだからな!!」

 

 

覇王ダイナストが完成した暗黒球をルナ達に向かって投げ放つ!!

 

 

「そんな事・・・させるわけないでしょ!!神滅斬ラグナ・ブレードォッ!!

 

 

ルナと覇王ダイナストが話している隙に呪文の詠唱をすませておいたリナが、

混沌の力で創りし刃で、迫り来る暗黒球を音もなく真っ二つに斬り裂いた!!

 

 

「やった!!」

「甘いわっ!!その程度で防いだつもりか!!」

 

 

二つに裂かれた暗黒球は、まるで磁石が引きあうかのように接近し、一つに戻ろうとする!

その二つの間にいたリナは、混沌の刃を真横に薙ぎ、さらに二等分したが、効果はなかった!!

 

(ヤバッ!!)

 

迫り来る暗黒球に挟まれるリナ!!

だが、間一髪、背後から強烈な力で引き寄せられ、挟まれる危機を脱出した!!

 

ただし、今朝食べたものが逆流しそうなほど締め付けられたが・・・

 

 

「大丈夫!?リナ!」

「大丈夫・・・吐きそうなこと以外は」

「なら問題はないわね!!」

 

 

ルナは、リナを引き寄せた赤竜の鞭を再び大剣に戻すと、暗黒球に向かって斬りかかった!!

さすがにリナと同じ過ちを起こすつもりはなく、暗黒球を斬らず、破壊することを目的としていた!

 

赤竜の剣と暗黒球が激しい閃光を発しながら拮抗する!!

 

 

(一時的に赤竜の力が増幅しているとはいえ、やはり先のダメージが大きい・・・押し留めるだけで精一杯ね・・・)

 

 

ルナは歯を食いしばりながら必死に暗黒球の圧力に抵抗する!!

結界内にいた精霊達の助力もあるのだが、如何せん、数があまりにも少なく、微々たるモノでしかない!!

 

だが、必死になっているのはルナだけではない!

覇王ダイナストもまた、暗黒球を維持し、力をそそぎ込んでいるのだ!!

 

 

「グ・・・・ヌヌヌ・・・・まさか、赤き竜神の騎士スィーフィード・ナイトがここまで抵抗するとは・・・・全く予想外よ・・・」

「それはどうも・・・リナ!私が抑えている内にアレを!!」

「わかった!」

 

 

ルナの言いたいことをすぐさま理解したリナは、最強最悪の魔術・・・重破斬ギガ・スレイブを使うべく、精神を集中させる!

しかし、それを黙って見ている覇王ダイナストではない!!

 

 

「フン、その様な隙など与えるものか!まとめて砕け散るがいい!!」

 

 

覇王ダイナストは残りの力と、融合した相転移エンジンより流れるエネルギーを全て暗黒球にそそぎ込む!!

さらにエネルギーを得た暗黒球は、色合いを漆黒へと変え、身に纏う雷光はさらに激しさを増す!!

それに従い、圧力も比較的に上がり、ルナを今まで以上に圧倒する!!

 

 

ピシィッ!!

 

 

あまりの圧力に、赤竜の剣が耐えきれず、小さなヒビが入る!!

 

 

「クッ・・・・・耐えきれない・・・・」

「まだだよ!ルナ姉さん!」

「その通りだ!!」

「メアテナちゃん・・・・それにニース、貴方、身体は!」

「そのようなことを言っている場合じゃないだろうが!!」

 

 

ルナと同様、赤竜の力が増したメアテナと、満身創痍のニースがルナに加勢する!!

しかし、それでも暗黒球の破壊までにはいたらず、拮抗するのがせいぜいだった!

 

 

「ふん・・・まだ抵抗するか・・・ならば、暗黒球に蓄えられしその力を解き放てばどうなるかな?」

 

『―――――ッ!!』

 

 

もし、途方もないエネルギーを集束した暗黒球が、至近距離で爆発すれば・・・・・

欠片すら残らず、消滅してしまうだろう・・・・

 

 

(仕方がない・・・か・・・)

 

 

最悪の展開を打破するために、ルナは覚悟を決める!!

赤竜の剣の刀身が赤い光となり、さらに蔦のように伸びて、暗黒球を束縛するように包み込む!!

 

 

「メアテナちゃん!ニースと協力してリナとガウリイさんを包み込むように防御壁を!!」

「―――――ッ!?まさか・・・ルナ!!」

「早く!それしか手はないでしょう!!」

「しかし!!」

「ニース!貴方も戦士なら、この状況下で最善の手を取りなさい!!」

「それならば、余力のない私より、ルナの方が!!」

「貴方なら大丈夫。その為の仕込みでしょう?」

「気づいていたのか・・・・・」

「なんとなくよ・・・さぁ、早く!!」

「クッ!!メアテナ!!」

「は、はい!!」

 

 

ニースとメアテナは、リナとガウリイの所まで戻り、協力して二重の防御壁を張る!!

 

 

「ニース!姉ちゃんは一体何をするつもりなの!?」

「ルナは・・・爆発の威力を少しでも弱めるつもりだ・・・その命に代えてな」

「そんな・・・」

「お前は早く例の魔術を完成させろ・・・・覇王ダイナストの隙は私が作る」

「でも姉ちゃんが!!」

「いいから早くしろ!ルナの行為を無駄にするつもりか!!」

 

 

リナはまだ何か言おうとした・・・が、強く拳を握りしめ、必死に耐えているニースを見て、なにも言えなくなった・・・

そして・・・暗黒球を封じ続けている姉に目を向けた。

 

 

「小癪な真似を・・・だが、それもこれで終いだ!!」

「最後まで・・・諦める気持ちはないわ!!」

「忌々しい神の力もろとも消え去れ!」

 

 

覇王ダイナストより巨大な力が暗黒球に流れ込む!!

膨大な力がそそぎ込まれた暗黒球はさらに巨大化し、蓄えたエネルギーを解き放とうとする!!

 

 

(ごめん、アキト君。『生きて帰る』っていう約束、破っちゃったね・・・・・・)

 

 

ルナは、遙か上空にいるアキトに心の内で謝ると、

最後の足掻きといわんばかりに、暗黒球の束縛を一気に強めた!!

 

 

―――――その時!!

 

 

パキィィーーーン・・・・・・

 

 

「え!?!」

 

 

あろう事か、暗黒球は赤い蔦の締めつけに負けるかのように、澄んだ音と共に粉々に砕け散り、

蓄えられていたエネルギーも、まるで嘘だったかのように消えていた!!

 

ルナは異常事態に驚きながら、暗黒球の創造主たる覇王ダイナストに目を向ける。

すると、そこにはもがき苦しんでいる覇王ダイナストの姿があった!!

 

 

「おのれぇぇっ!!あの役立たずが!!」

 

「アキト君、やったのね!」

 

 

ルナは、アキトがブラック・サレナもろとも、覇王ダイナストが融合したもの・・・『相転移エンジン』を破壊した。と、直感した。

その考えは、この場にいる全員の考えでもあり、事実であった!

 

 

「なんだ?身体が急に・・・・」

「ニースもなの?私も・・・・」

 

 

ニースとリナ・・・そしてガウリイ、メアテナは、急速に体力が回復しているのに気がついた。

いや、体力だけではない。ニースやガウリイは、外傷すら癒されている!

 

 

覇王ダイナスト・・・この世界の均衡を崩した貴方に、精霊達もかなり怒っているみたいよ」

 

 

ルナの周囲に膨大な数の精霊達が集結する!

この精霊達が、リナ達に《外氣》を運び、体力や怪我を癒していたのだ。

 

覇王ダイナストは、いきなり相転移エンジンからのエネルギー供給が無くなったため、暗黒球はもちろん、

結界の維持ができず、精霊や《氣》を遮断できなくなっていたのだ。

だが、相転移エンジンが破壊された瞬間、暗黒球へのエネルギーの流れを逆転させ、

その力の殆どを体内に戻したのは、さすがは高位魔族といったところか・・・

 

 

「貴方は精霊の介入を拒絶した・・・・精霊の通る道は世界を運営する力の流れそのもの。

それはすなわち、世界を拒絶するということ・・・・精霊がもっとも嫌うことよ」

 

 

ルナの周囲に集った風の精霊達が赤竜の力を受け、上位の存在へと昇華する!

だが、特筆すべきなのはその量と範囲!

 

とてつもなく広いこの広間全ての空間が、蒼い輝きに染められていた!!

 

 

「グ・・・・人間と下級精霊風情が・・・・」

 

 

融合したモノが破壊されたため、深いダメージを負った覇王ダイナストは、憎々しげにルナと精霊達を見る。

しかし、ルナはその眼光を、真正面から睨み返す!

 

 

「さぁ・・・アキト君も終わったようだし・・・私達も終わらせましょうか!」

 

 

ルナが赤竜の大剣を大きく振りかぶる!!

部屋に満ちている風の精霊の半分が、赤き刀身に集結する!!

 

 

「風の精霊達よ・・・闇を斬り裂く刃となれ!!」

 

 

横薙ぎに振るわれた赤竜の剣より、蒼き衝撃波が放たれ、覇王ダイナストを吹き飛ばす!!

しかし、いくら弱体化したとはいえ、仮にも魔王直属の配下五人の腹心の一人。

 

後方に吹き飛ばされはしたが、蒼き衝撃波を受け止める!

だが、それは始まりに過ぎない!真の技はこれからであった!!

 

ゴゥッ!!

 

受け止められた蒼い衝撃波は爆発するように破裂し、さらに覇王ダイナストを吹き飛ばす!

その為、覇王ダイナストの周囲から空気が無くなり、一時的に真空状態となった!!

 

 

「精霊剣技 風精波乱曲・・・・・・」

 

 

周囲の蒼き風が刃となり、真空空間の中央にいる覇王ダイナストに向かって殺到する!!

中心に向かって逆巻く蒼き風は一本の巨大な竜巻となり、覇王ダイナストに向かって吹き荒ぶ!

 

 

「ガアァァァァッッッ!!」

 

 

魔を滅する蒼き風の刃でできた竜巻は、覇王ダイナストを容赦なく斬り刻む!!

しかし、それでも闇を滅するには足りず、竜巻が収まった後には満身創痍の覇王ダイナストの姿があった!

 

 

(チッ!やっぱりしぶとい・・・けど、私には好都合ね!!)

 

 

それを見たリナは、腰に下げてあった小剣ショート・ソードを抜き、両手で構えながら覇王ダイナストに向かって一直線に駆ける!!

 

 

「リ・・・・・」

 

 

ルナはリナの突然の行動に、制止をかけようとしたが・・・やめた。

自分を横切ったときに聞こえた、呪文の詠唱から、リナが何をやりたいのかを理解して・・・・

 

(なるほどね・・・なら、あなたの好きなようにやってみなさい。リナ・・・・)

 

 

リナはルナが制止を取りやめたことに感謝しつつ、精神を集中させながら、呪文の詠唱を続けた!

 

 

「この世の魔を統べる王  血の流れよりもあかき闇よ

    我が力 我が身となりて 共に滅びと復讐の道を歩まん

      神々の魂を切り裂くその力  我が手に集いて刃となれ!!」

 

 

「我が弱っているからといって、接近戦を挑むつもりか!!

あの時のような小細工も無しに、我に勝てると思うな!!人間風情が!!」

 

 

覇王ダイナストの両手に、漆黒の大剣グレート・ソードが創り出される!!

そして、左手の大剣グレート・ソードをリナに向かって振り下ろし、漆黒の衝撃波を放つ!!

 

だが、漆黒の衝撃波はリナの後方より飛来した黄金きん色の閃光に迎撃される!!

 

 

「妹のやることをフォローするのも、姉の務めよね」

(サンキュー!姉ちゃん!)

 

 

赤竜の剣の刀身に黄金きん色の炎を纏わせたルナに、リナは心の内で礼を言う。

 

 

「ならば、直接叩き斬るだけだ!!」

 

 

覇王ダイナスト大剣グレート・ソードの間合いに入ったリナに向かって、右手の大剣を振り上げる!!

先のリナの詠唱が、『金色の魔王ロード・オブ・ナイトメア』に対するものでないため、深い用心はしていない!

 

事実、人間が用いる魔術で、覇王ダイナストの大剣を受け止められる術は、神滅斬ラグナ・ブレードをおいて存在しない。

だが・・・それは振り下ろされれば・・・と、付く!

 

漆黒の大剣グレート・ソードが振り下ろされようとした瞬間、標的であるリナの背後より紫色の妖光を纏った魔剣が現れ、

大剣グレート・ソードを握る覇王ダイナストの右手首に突き刺さる!!

 

 

「悪いが、俺はこいつの保護者だからな!やらせるわけにはいかないんだよ!」

 

 

精霊達のおかげで回復したガウリイは、リナのフォローをするべく行動していたのだ!

 

 

「グゥゥッ!だがそれまでだ!大剣は二つある!!」

「させるかぁっ!!」

 

 

ボシュッ!!

 

 

ガウリイが吼えると同時に、妖斬剣ブラスト・ソードが一際輝き、覇王ダイナストの右手首付近を破壊し、塵に変える!!

予想外の出来事と苦痛に、リナに振り下ろそうとしていた左腕の動きが止まった!

 

 

―――――次の瞬間!!

 

 

「神魔融合 混沌の刃カオス・ブレード!!」

 

 

赤い光を放つ混沌の刃を持ったメアテナが、覇王ダイナストの静止した左腕を付け根から斬り飛ばした!!

メアテナもまたガウリイと共に、リナの後ろに続いて走っていたのだ!

 

 

「―――――ッ!!」

 

 

攻撃手段を失うと共に、身体の一部も失った覇王ダイナストは、激痛のために完全に動きを止める!

その隙を見逃すほど、リナは甘くはない!!

 

 

「これはルークとミリーナの分!!」

 

 

覇王ダイナストに向かって、リナは小剣ショート・ソードを振り下ろしながら、

唱えてあった魔術を発動させる『力ある言葉カオス・ワーズ』を口にする!

 

 

魔王剣ルビーアイ・ブレードォォッ!!」

 

 

ヴォォォンッ!!

 

 

空気を振動させるような音をたてながら、リナの小剣ショート・ソードに赫い光が発生し、

第二の刀身となって覇王ダイナストの残った右腕を付け根から斬り飛ばす!!

 

それを見たガウリイは驚きに目を見はる!

それは、かつて共に戦い、そして死んでいった戦友ともが使っていた魔術だったから・・・・

 

 

「生憎と、完全な再現はできなかったけどね・・・でも、この一撃は効いたでしょ?」

 

 

ルークが編み出した『魔王剣ルビーアイ・ブレード』そのものは、使い手の死と同時に失われた。

しかし、それを参考にリナとエルネシアが試行錯誤の末、編み出したのが、リナ・バージョンの魔王剣ルビーアイ・ブレード

 

元となる刀身がないと、魔力の刃が形成されないという難点などがあるが・・・

威力では、ルークの魔王剣オリジナルのルビーアイ・ブレードにも引けをとっていない事は、覇王ダイナストへの一撃にて証明されている!

 

 

「もう一撃!!」

「グオォォォォ・・・・・・・」

 

 

リナはもう一撃加えようと、魔王剣ルビーアイ・ブレードを振り上げる!

覇王ダイナストは低く呻いているのみ・・・それだけなのだが・・・・

 

ルナとニースは覇王ダイナストを見て、顔色を変えた!

 

 

「三人とも!後ろに跳びなさい!!」

 

「オオォォォォッッッ!!」

 

 

覇王ダイナストが城をも震わせるかのような咆吼を上げる!

それと同時に、覇王ダイナストの身体に漆黒の粒子が急速に集束する!

 

 

「武器を盾にして受け流せ!!」

 

 

ニースの助言と同時に、覇王ダイナストの身体より漆黒の衝撃波が放たれる!!

ガウリイは妖斬剣ブラスト・ソードで衝撃波を受け止め、自らも後ろへと跳んだ!

メアテナもほぼ同じで、神と魔の力を融合させて創り出した『混沌の盾カオス・シールド』で受け止めながら、後方へと下がった。

 

だが・・・・・リナは違った!

 

 

「でぇりゃぁぁーーーっ!!」

 

 

魔王剣ルビーアイ・ブレードをそのまま振り下ろし、覇王ダイナストに斬りかかる!

放たれた漆黒の衝撃波もろとも、覇王ダイナストを斬り裂くつもりなのだ!!

 

魔王の力を元とした赫い光刃ルビーアイ・ブレードと、覇王ダイナストが放った漆黒の衝撃波が正面から激突する!

 

さすが魔王の力と云うべきか!赫い光刃の前に、漆黒の波動は受け止め、大きく撓む!!

 

(いけるっ!!)

 

光刃越しに伝わってくる手応えから、このまま斬り裂ける!と、確信するリナ。

しかし、そう思ったのも束の間、

赫い光刃が衝撃波を斬り裂くよりも先に、リナの軽い身体が圧力に負けて、盛大に吹き飛ばされる!!

 

後方に吹き飛ばされたリナは、床に激突するときの衝撃にそなえて、身体を丸め、目を瞑った!

 

・・・・が、激突するよりも先に、襟首を強い力で引っぱられて受け止められた!

リナは顔だけを後ろに向け、自分を受け止めてくれたルナに目を向けた。

 

 

「ありがと、姉ちゃん」

 

 

やはり姉だからか、素直に礼を言うリナ・・・・

だが、ルナは少々憮然とした表情で腕に力を篭め、リナの顔を自分の目線の高さまで持ち上げた。

 

リナは首根っこを掴まれた猫の如くぶら下がりながら、頬を引きつらせながらルナを見た・・・・・

 

 

「ありがと・・・じゃない。バカな真似をして。人の言うことを少しは聞きなさい」

「あ、あはははは・・・・・・」

「まったく・・・・・」

 

 

ルナは軽く溜息を吐くと、そのままリナを後方に向かって放り投げた。

固い床に尻を打ちつけたリナは、強い衝撃に顔を顰めつつ、痛む部分をさすった。

 

 

「いつまでも座っていない!さっさと立つ!」

「は、はい!!」

 

 

 

強い口調で言うルナの言葉に、リナは半ば反射的に従い、ピシッと背筋を伸ばしてその場に立つ。

痛みなど気にしている余裕はない・・・

モタモタすれば、後でその痛みを上回るお仕置き激痛がまっているのだから!!

 

 

「私とニースが覇王ダイナストの動きを止めるから、リナはトドメの準備をしなさい」

「え?でも・・・姉ちゃん達が倒した方が早いんじゃぁ・・・・・」

 

 

リナは両腕を失った覇王ダイナストを見る・・・・

暗黒の闘氣を発し、腕を再生させてはいるが、以前よりそのスピードは段違いに遅い。

ダメージがある上に、余力があまりないのだろう。

 

 

「そうね・・・確かに、私達が倒した方が手っ取り早いわね。

でも、私かニースが覇王ダイナストを倒すと、要らぬ勘違いをして、しゃしゃり出てくる神族バカがいるからね・・・

色々と面倒なことになるのよ・・・ただでさえ、現状は微妙なのにね・・・・・」

 

 

困ったものよね・・・と、云わんばかりに溜息を吐くルナ・・・・

 

ルナの云う『微妙』というのは、神と魔の勢力バランスを指している。

今現在、存在している神は火竜王フレア・ロード空竜王エア・ロード地竜王アース・ロードの三神・・・

対する魔族を率いている存在は、海王ディープ・シー獣王グレーター・ビースト、そして覇王ダイナストの三人。

 

かつて・・・というか、つい最近までは、魔族側に動きを封じられた魔王の一欠けと冥王ヘル・マスターがいた。

それをもって、神魔のバランスはとれていた・・・ただし、やや魔族側に傾いていたが・・・・

 

だが、今は・・・・先に述べたとおりの現状・・・

いつ、神族側が好機チャンスと見て攻め込んでもおかしくない状態。

 

もし、神の力を持つルナが覇王ダイナストを倒せば、ある程度世界を視ている竜王はともかく、その配下たる黄金竜ゴールド・ドラゴン達は、

赤き竜神の騎士スィーフィード・ナイト』ルナ・インバースを魔族討伐の旗頭として掲げ、魔族との全面戦争に踏み切るだろう。

 

それが魔王の力を持つニースだとしても同じ事・・・いや、尚更悪い。

魔王の力と、神魔戦争の英雄たりえる技術を合わせ持つニースを、危険因子として排除しかねない。

魔族側につけば、これ以上ない脅威となる可能性がある・・・・・・・・・・・という理由だけで・・・

そして、確認されている魔王がいなくなれば、腹心が二人だけとなった魔族を殲滅にかかるだろう・・・

 

世界の安定のためには、手段は選ばない・・・それが、神の配下たる黄金竜ゴールド・ドラゴンなのだ。

ごく僅かに例外もいるだろうが・・・・結果は変わらない。

 

それが、ルナの考え出した結論だった。

そして・・・それは、限りなく現実になりえる可能性が高いものであることは、

神と魔の実態を少なからず知っているリナから見ても明らかだった。

 

 

「その点、リナが覇王ダイナストを倒せば、面倒ごとは少なくてすむからね。

私としてはとても楽なのよ。色々とね・・・手間がかなり省けるし」

 

「は?何の手間?」

「リナは気にしなくていいの、こっちのことだから」

 

 

そう言い終えると、ルナは床にむかって赤竜の剣を一振りする。

すると、剣は音をたてることなく床を斬り、線のような一筋の傷をつけた!

 

(思った通り、覇王ダイナストの力が弱まったから、かなり脆くなっているわね)

 

覇王ダイナストの力で創られている城・・・その床の強度を確かめたルナは、赤竜の大剣グレート・ソードを逆手に構えた。

 

 

「とにかく・・・時間稼ぎ、及び好機チャンスは作ってあげるわ。だから・・・・きっちりと仕留めなさい。

もし・・・・準備が間に合わなかったり、仕留められなかったら・・・・・」

 

「仕留め・・・・られなかったら・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・続きを聞きたい?」

「いえ、結構です!!絶対に間に合わせてみせますとも!お姉さま!!」

「そう・・・・じゃぁ、時間稼ぎを始めましょうか!!」

 

 

ルナは逆手に構えた赤竜の大剣グレート・ソードを大きく振りかぶると、全力で床に突き刺す!!

剣の威力に負けた床はひび割れ、粉々に打ち砕かれる!!

しかも、そのひび割れは周囲に広がらず、覇王ダイナストに向かって広がり、足場を完全に破砕する!

 

 

「大地の精霊よ、汝らの力で我が敵を束縛せよ!!」

 

 

ひび割れた床の下から、銀の輝きを放つ水晶クリスタルの鎖が無数に飛び出し、

両腕を修復し終えたばかりの覇王ダイナストの身体に、幾重にも巻き付き、束縛する!!

 

覇王ダイナスト水晶クリスタルの鎖を引きちぎろうとするが、さすが精霊術と云うべきか、

多少の身じろぎまでは許すものの、それ以上の動きは頑としてさせない!

 

(さすが姉ちゃん!私も負けてらんないわね!)

 

リナは、ルナの精霊術によって身体を束縛された覇王ダイナストを見ると、

すぐさま重破斬ギガ・スレイブの行使のために精神を集中させ、呪文の詠唱にはいる!

 

 

「黄昏よりもなお暗きもの 夜よりもなお深きもの・・・・・・・」

 

「サポートします!だから全力でいってください!リナさん!!」

 

 

メアテナが両手に二つの赤い光球を作り出す!

右手には赤の竜神フレア・ドラゴン・スィーフィードの・・・左手には、赤眼の魔王ルビーアイ・シャブラニグドゥの・・・・

同じ赤い色という力ながら、神と魔という性質が全く逆の力・・・・

それが、メアテナの意志により、一つに融合し、まったく別の・・・高位の力へと変化する!!

 

 

「神魔融合・・・開け、混沌ヘの扉カオス・ゲート!!」

「混沌の海よ たゆたいし存在もの 金色なりし闇の王よ・・・・・・」

 

 

メアテナの掌の上に、混沌が発生する・・・それと時を同じくして、リナの掌の上にも・・・

二人の手にある混沌は、金色の光を放ち、徐々にその光度を増してゆく!!

 

 

(メアテナが導かれる混沌を制御してくれているおかげね・・・・・負担がかなり少ないわ・・・

これなら、私は術そのものの制御に専念するだけで良いわね・・・・・・結構楽だわ)

 

そこまで考えたリナは、術の制御・・・つまり、混沌の加工に専念する。

 

リナが作り出した混沌の光球は、揺らめく炎の如く金色の光を発している・・・・

リナ自身は気がついてはいないが、リナの身体より、同じように金色の光が薄く発せられていた・・・

 

まるで・・・金色の魔王ロード・オブ・ナイトメアがリナの体に降臨したときのように・・・・・

 

だが、それをただ黙ってみている覇王ダイナストではない!

 

 

「邪魔をするな、下級精霊如きが!!」

 

 

覇王ダイナストの身体より発せられた暗黒の闘氣が水晶の鎖に浸食し、漆黒に染め上げる!!

黒くなった鎖は、まるで風化するように腐りはて、砂のようにボロボロとなった!

 

 

「やっぱり、精霊術では時間稼ぎがやっとね」

 

 

床から赤竜の剣を引き抜いたルナは、今度は剣の切っ先を覇王ダイナストに向ける!

それを号令に、部屋中にいた風の精霊が覇王ダイナストに向けて突進する!!

 

 

「邪魔をするなと言ったであろうが!!」

 

 

さすが魔族の頂点に立つ者の一人と言うべきか!

襲いかかってくる風の精霊達を、力を篭めた一睨みだけで四散させる!

 

自分の攻撃を容易く散らされたルナは・・・・ショックをうけることなく、軽い微笑をうかべていた。

 

 

「ニース、準備はしてあげたわよ」

「ああ、感謝する・・・」

 

 

今まで、ただ黙って二刀の魔剣を共鳴させていたニースは、ルナに軽く礼を言うと、剣を握る手に力を篭める!

それに比例し、魔剣の共鳴は高まり、強烈すぎるそれは、甲高い耳鳴りと共に軽い衝撃波を発した!!

 

それに伴い、覇王ダイナストの周囲に、数多あまたの赫い光の粒子が発生する!

 

 

「これは・・・赤眼の魔王ルビーアイ様の力!!バカな!突如発生するなどありえない!」

「だろうな・・・」

 

 

赫い光の粒子・・・それは、ニースが先に放ち、黒蛇に噛み砕かれた剣閃の残滓だった。

ニースは、無為に残光翔裂破を砕かれていたわけではなく、真の目的は、魔力の残滓をふりまくことだったのだ。

 

幾度も剣閃を放ち、噛み砕かれるたびに増えてゆく残滓・・・

魔剣と同じ魔力波形である残滓を共鳴させ、力を活性化させて輝かせているのだ!

 

先程のルナの行動は、風による攻撃が目的ではなく、残滓を覇王ダイナストの周囲に集めることが目的だったのだ!

 

 

「アキトにすら見せたことのない裏の技だ・・・あの世への手向けに受け取れ!!」

 

 

ニースが激しく共鳴している二刀の魔剣を大きく振り上げる!

それに反応した赤い光の粒子は、覇王ダイナストを中心に大きく渦を巻き始める!!

 

 

「魔影裏式 魔光旋華!!

 

 

覇王ダイナストを、赤い光の粒子でできた竜巻が包み込む!!

一つ一つは大したことのない小さな光刃だが、その数が半端ではない!

巻き込まれた床の欠片など、数秒も経たずに微塵に砕かれ、塵となっている!!

 

覇王ダイナストは瞬時に漆黒の障壁を展開して防ぐ!

・・・・・が、それすらも数秒で微塵に斬り裂き、覇王ダイナストを斬り刻み始める!!

 

その間にも、リナは着々と詠唱を続けている!!

 

 

「我ここに汝に願う 我ここに汝に願う 我が前に立ちふさがりし 全ての愚かなるものに・・・・・」

 

「グゥォォォオオオーーーー!!」

 

 

覇王ダイナストより吹き出した暗黒の闘氣が、巨大な竜巻となり、ニースの残光旋華を内側から破壊する!!

そして、身動きのとれないリナに向かって、両手をつきだした!!

 

 

「ヌンッ!!」

 

 

覇王ダイナストの両手より放たれた黒い閃光は、目にも止まらぬ速さでリナに襲いかかる!!

その絶体絶命と思われる状況でも、ルナとニースはリナを庇おうとはしない・・・・

 

なぜなら・・・・自称『保護者』が、リナを絶対に守ると確信していたから!!

事実、閃光とリナの間に、紫の妖光を纏う魔剣を構えた金髪の剣士が割って入り、閃光を斬り裂いた!!

 

 

「リナは俺が守る!!」

「おのれ人間風情がっ!!」

「そう言っている限り、あなたは・・・魔族は私達には勝てないわよ」

「―――――なに!?」

 

 

ルナの言葉と共に、覇王ダイナスト黄金きん色の炎に包まれる!!

その為、覇王ダイナストの視界は遮られ、ルナ達を見失う!

 

 

「この程度の炎!!」

 

 

すぐさま覇王ダイナストは両腕を一振りし、炎をあっさりと散らす!!

 

―――――しかし!!

 

覇王ダイナストの視界が遮られた一瞬で、ルナとニースは左右に分かれて上へと跳んでいた!!

しかも、その手の内には、それぞれが内包する力で創られたであろう赤き槍が握られている!!

 

 

「我と汝が力もて・・・・」

 

「―――――クッ、ならば!!」

 

 

忌々しそうにルナとニースを睨み付けた直後、覇王ダイナストの身体の輪郭がぶれ、透き通った!

が、それも一瞬のみ!なにも起きることなく、覇王ダイナストの身体は元に戻った!!

 

 

「―――――なっ、なぜ貴様達・・・がここにっ!!」

 

 

あらぬ方向を見ながら、怒気と驚愕の感情を混ぜた咆吼を上げる覇王ダイナスト!!

 

―――――その直後!!

 

ルナとニースより投げ放たれた赤き槍が覇王ダイナストを貫き、半壊した床に突き刺さった!!

 

 

「グゥォォォッッッ!!!」

 

 

痛みに悶えながらも、覇王ダイナストは赤い槍に手をかけ、引き抜こうとする!

しかし、二つの槍魔槍と神槍はびくともせず、覇王ダイナストをその場に縫い止める!!

 

 

「等しく滅びを与えんことをっ!!」

 

 

空間転移で逃れようと、覇王ダイナストの身体が幾度も霞むが、ただそれだけ・・・

その場から転移することも、消えることもできず、赤い槍に貫かれたままだった!!

 

 

重破斬ギガ・スレイブッ!!」

 

 

力ある言葉カオス・ワーズ』と共に、リナの手の内にある混沌の球が縮小し、空間を越えて覇王ダイナストの体内に出現する!!

出現した混沌の球は、圧縮された力を解放し、黒い火柱のようなものとなって覇王ダイナストを包み込む!!

 

 

「ガアァァァアアアアアーーーッッッ!!」

 

 

黒い火柱は、その巨大さのあまり天井と床を消滅させながら、その猛威をふるう!!

 

覇王ダイナストは我が身が消滅してゆくことを感じつつ、必死に混沌を抑え込もうとする!!

だが、リナとメアテナの二人掛かりで繰り出した重破斬ギガ・スレイブは、

覇王ダイナストの抵抗すら歯牙にもかけず、膨大な虚無で全てを消滅させる!!

 

このままでは自らが消滅すると悟った覇王ダイナストは、自分の転移を邪魔する存在に思念波を送った!

 

 

『二人とも!力を貸せ!!』

何故なにゆえ?貴方に力を貸す理由はありませんが?』

『いいのか!われがこのまま消滅すれば、神と魔のバランスは!!』

『それは貴方が考えることではありませんわ・・・・・魔族をやめた、いえ、やめていた貴方には・・・ね』

『な・・・・・・全面戦争になるのだぞ!』

『ルナ・インバース殿はそこまで愚かではない・・・』

 

『『自らが起こしたこの戦い・・・・自らの命で幕を引くといい・・・・覇王ダイナスト・グラウシェラー!!』』

 

「き、貴様等ーーーー!!」

 

 

覇王ダイナストは、憎悪の念を込めて咆吼する!!

 

―――――その直後!!

 

ジュワッ!!

 

 

蒸発するような音と共に、覇王ダイナストは物質世界、精神世界面アストラル・サイドの両方から消え去った・・・・

 

 

 

覇王ダイナストグラウシェラー・・・神との戦いのために力を得たものの、

その最後は、神でも、人ならざる力を持った者ではなく、強い意志を持った人間に敗れた・・・・

 

人間への侮りと蔑み・・・・魔族が当たり前のように持つ認識故に・・・

 

 

 

(第四十九話に続く・・・・・・)

 

 

 

―――――あとがき―――――

 

 

どうも、ケインです。

やっと、覇王ダイナストとの戦いが大方終わりました。

 

後は事後処理みたいなものだけです。

最後に声だけ出ていた方達や、アキトとルナが合流するとかですね・・・

それと、ちょこっとしたイベントがあるかもしれませんが・・・まあ、些細なものです。

 

それでは・・・最後に、K・Oさん、1トンさん、15さん、K−DAIさん、NTRC直さん、oonoさん、pedoroさん、

             tomohiroさん、カラクリ人形さん、サテライトさん、ナイツさん、ホワイトさん、やんやんさん、

             逢川さん、時の番人さん、大谷さん、霧幻草さん、ノバさん、零さん、GPO3さん。

 

 

感想、誠にありがとうございます。

 

では・・・次回四十九話『終焉・・・』(仮)で会いましょう・・・

 

 

 

代理人の感想

あらららら・・・・・・。

ついに仲間にすら見放されたか。

こういう風に決着がつくとは・・・ですねぇ。

 

とは言え、完全破滅志向のスレイヤーズ魔族の行動としてはやや違和感があるのも事実。

スレイヤーズの魔族は例えばGS美神の世界のそれのように、

単に闇を司るだけで自分の勢力伸張を意図する点では光の側と変わらないような存在ではなく、

「世界を殺して俺も死ぬ〜」って感じの自爆テロリスト集団ですからねぇ。

つまり、「光と闇の勢力争い」ではなく、「世界を維持するものと壊すもの」との戦いな訳ですよね。

 

覇王は魔竜王とちがって「世界の破壊」という目的を失っていたわけではありませんし、

世界壊すだけなら別にあれでもいいんじゃないかなーと。

つまり神の側はともかく、魔族の側は基本的に「勢力均衡」なんて考えないんじゃないかと。

あるとすれば確実に世界を破壊して自分たちも滅ぶために何らかの計画があるとか、そう言うことくらいでしょう。

 

 

・・・まぁ、その辺は事後処理のあたりで説明があることを期待しましょう。

 

それでは・・みなさん、長々とお疲れ様。