時の流れに・if 「ナデシコ学園」

 

 

第5話・前編 「1日目・1時間目」

 

 

 

 

 

初日、最初の授業は「エステバリスの訓練」だった。

俺達はまず、シミュレーションルームに向かった。

 

「よ〜し、みんなそろったな!!」

 

今回のこの授業の担任はウリバタケ先生、整備関係者だ。

 

なぜウリバタケ先生かというと、エステの操縦技術を把握し、

整備に活かすためには実際に見るのが一番、との本人の言葉。

 

「では、パイロットはシミュレーターに入って、

 ルリルリ、ラピラピ、ハーリーはエステのプログラムの方を、

 後のみんなは応援なりしていてくれ。」

 

そして俺はシミュレーターに入った。

俺のエステバリスライダーとしての実力はB+なので、機体はスーパーエステバリスカスタムだ。

 

ちなみに、実力がAランクより上の人は自分専用のエステを与えられ、

卒業後、正式に自分の物となる。

 

(だいたい軍でたとえるとCランクが新兵、Bが一般のライダーレベル

Aがエースレベル、Sは一人でチューリップを破壊が前提、SSはもはや人外レベル、)

 

このクラスでBランクは俺一人であり、みんなはAランク以上である。

 

(前はジュンの奴も参加していたが、才能がないためきっぱり諦めた。ちなみにランクはC−)

 

今現在、教師を含め、学園最強のエステバリスライダーは北斗であり、ランクはSS+、

 

「よし、みんな入ったな?ではランクはBからスタート、

 撃墜された者は休憩だ。反省でもしていろ!

 くれぐれも怠けた成績を出さないように!!ルリルリ達が採点しているからな!!

 そんな奴はそれなりの成績を出すまで出してやらね〜からな!!」

 

「それはないんじゃないのかい?ウリバタケ先生?」

 

「うるせ〜ぞアカツキ!!ゴートの旦那みたいになりたくなかったら

 根性だしやがれ!!」

 

「はいはい・・・」

 

そうして・・・シミュレーションは始まった。

 

「みんなの調子はどうなんだ?ルリルリ。」

 

「皆さん頑張っているようですよ?それにまだレベルはB+ですし。」

 

「ま、それもそうだな・・・」

 

その他の連中は前のスクリーンを見ているようだ。

 

「アキトー!!がんばってー!!」

 

「アキト様!!頑張ってください!!」

 

「アキト!頑張ってAランクになってね!!」

 

「アキト君!!頑張りなさいよ!!」

 

「アキト君!Aランクになって私に機体を整備させてね〜!!」

 

「アキトさん!!ファイトです!!」

 

「「「「「アキトさ〜ん!!がんばれ〜!!」」」」」

 

・・・なんだか異様にむかついてきたな・・・

テンカワのシミュレーションプログラムに悪戯でもしてやるか?

 

「ウリバタケ先生・・・そんな事したらお仕置きしますよ?」

 

「うっ・・・ルリルリ・・・俺、声に出ていたか?」

 

「ええ、しっかりと。なんなら再生しましょうか?」

 

録音までしている・・・迂闊なことをしない方が良さそうだ・・・

まあ、男子全員のシミュレーターの振動リミッターは切ってあるんだがな・・・

 

そして、徐々に難易度が上がってゆき、パイロットの皆も休憩のために

シミュレーターから出てくる。

 

「いやー、ちょっと油断してしまったよ、

 まさか、あんな所に伏兵がいたなんてね・・・」

 

「すみませんアカツキさん、援護が間に合わなくて・・・」

 

「いいっていいってイツキちゃん、あの程度くらいで撃墜される僕が悪かったんだよ

 それにしてもウリバタケの奴・・・危うくバターになるところだったぞ・・・」

 

「私も北ちゃんについていこうとしたら撃墜されて・・・」

 

「しかたないよ零夜、北斗様には誰もついていけないもの。」

 

「そうそう、あげな動き誰もついていけんとよ・・・」

 

「私達にできるのは、北斗様が背後を気になされないよう、敵を掃討するだけよ」

 

「あ〜あ・・・あんなに早く負けちゃった。」

 

「ヒカルはあんな所でフルバースト使うからよ・・・」

 

「だってイズミ〜、危なかったんだよ〜」

 

「なんなら山田君に守ってもらったらいいのに・・・」

 

「だって山田君・・・万葉ちゃんのフォローに行っちゃうし・・・

 チューリップが出てきた途端にフルバースト使っちゃってすぐに撃墜されるし・・・」

 

「所でヤマダは?」

 

「ああ、何でも振動のリミッター切ってあったらしくて・・・

 頭ぶつけて気絶してる・・・」

 

「ナオ様〜!!私、最高新記録出しました〜!!ほめてください〜」

 

「わかった!!わかったから抱きついてこないでくれ!!」

 

「ふふっ・・・この映像をミリアさんに転送しよっと・・・」

 

「な・・・なにか寒気が!!なぜかラピスちゃんがこっちを見て笑っているし・・・」

 

「まあ!!大変ですわ!!今すぐ私の体で暖めてあげます!!」

 

「わ〜!!やめろー!!」

 

何やってるんだか・・・っと、そろそろAランクも終わりだな。

今残っているのが・・・北斗にリョーコちゃん、アリサちゃんに・・・アキト?

あいつはB+ぐらいの腕だったはずじゃ・・・

 

「ルリルリ!!今のテンカワのエステの状態はどうなんだ!!」

 

「はい・・・!!今現在、被弾数ゼロ、バーストモード使用なし、

 武装はイミディエットナイフに強化ライフルです。

 ただ・・・撃墜率は4人の中で最下位です。」

 

それは仕方ないことだろう・・・

だが、あの機体でSクラスの手前だ・・・撃墜率を多くは求められないだろう・・・

しかし・・・もし今乗っている機体がテンカワ専用だったら?

皆もそんな気持ちだったんだろう・・・全員スクリーンに集中している・・・

 

だが・・・テンカワの奴はそんな俺達の予想を上回っていた・・・

 

 

俺は驚いた・・・

ジョロやバッタの動きが遅く見える。戦艦の砲撃の軌道を一目見たらわかった。

はじめは、ただ調子がいいだけか?とも思ったが違う。

頭が理解している・・・体が反応している・・・

どの位置を攻撃したらよいか、みんなが戦いやすいように戦場を導く。

 

あの記憶・・・もう一人の自分「漆黒の戦神」

彼の経験が自分の血となり肉となり、実力となっていた。

 

なぜ、その様な現象が起こったかわからないが、

あの記憶を、もう一人の自分の記憶を受け入れた・・・

 

この世界は平和だ・・・彼の求めたように・・・

彼の悲しみを知った・・・彼が夢見たようなこの世界・・・

守りたいため、力を受け入れた・・・誇りを持って!!

 

 

「Sクラスにはいる前に少し休憩しよう!!」

 

「俺はまだまだいけるぜ!!」

 

「私もまだいけます。」

 

「休憩なぞ必要ない、さっさと始めるぞ。」

 

「まあまて、テンカワの機体のデータを取り替えたいんだ。」

 

「お!!テンカワ!!Aランク飛び越していきなりSランクかよ!!」

 

「アキトさん!!おめでとうございます!!」

 

「ほう・・・アキト、見込んだだけはあるな・・・良いだろう、早くしろよ。」

 

「よし!!じゃあルリルリ、ラピラピ、頼むぞ。」

 

「アキトさんの為ですもの!!」

 

「喜んで頑張る!!」

 

「僕には一言もないんですね・・・」

 

そして・・・この世界に、あの黒い機体がデータ上ではあったができあがった。

 

「この変形型追加装甲は私とラピスが考え出した

 アキトさん専用の機体の前身機です

 ・・・が、機体性能が強くて、思うように操縦できるか・・・」

 

「それに後期型も計画中なんだけど・・・

 これ以上の性能の上に、追加オプションが複雑すぎて制御システムが追いつかないの。」

 

「ああっ・・・ボクの台詞がない・・・(涙)」

 

「大丈夫なのか?・・・まあ良い

 所でテンカワ、この機体の名前とカラーリングはどうする?

 その機体と同じピンク系統にするか?それとも誰かと同じ色にするか?」

 

リョーコちゃんやアリサちゃんが期待したような目つきで俺を見る。

ごめん、これだけは譲れない・・・

 

「名前は・・・ブラックサレナ、カラーリングは黒でお願いします。」

 

「わかった・・・しかし黒ユリか・・・

 休みの間に何かあったのか?」

 

「いえ・・・ただのこだわりですよ・・・わかりやすいし。」

 

「そうか・・・それで、装備の方はどうする?

 まあ、小型グラビティキャノンが付いていれば大抵どうにでもなるが・・・」

 

「DFSをお願いします」

 

「おっ、おまえ!!前に試したとき刃すらでなかっただろうが!!」

 

「そうだぞ!!アリサや俺でさえ媒体がないと不可能なのに!!」

 

「そうです!!アレが扱えるのは北斗さんぐらいなものです!!」

 

それにアレは北斗に相談されてデータ上作ったものの、扱える人物はいないと思った・・・

北斗が操ったときは驚いたのを通り越して戦慄さえ覚えたぞ、俺は・・・

 

「それに「良いじゃないか。」

 

北斗が通信に割り込んでくる、楽しそうに笑っている?

 

「たかだかシミュレーションでのことだ、何をしようと自分の責任だ・・・

それに・・・この俺が見込んだ男だ、このぐらいはやってもらわんとな・・・」

 

「・・・わかった、ルリルリ。」

 

「もうやりました。」

 

「早いな・・・準備していたのか?」

 

「ええ、私とラピスはアキトさんを信用していますから

 アキトさんができると言いました。私達は信じるだけです。」

 

「そうか・・・そうだよな!!よしテンカワ、俺がフォローしてやるからな!!」

 

「そうです!!アキトさん、私も頑張ってフォローします!!」

 

「決まったか?そろそろ再開するぞ・・・」

 

そして・・・この世界に『漆黒の戦神』が降臨した・・・

 

 

(後編に続く)

 

あとがき

どうも、ケインです。

おかしいな〜、ギャグ中心に書きたいと思ったのに?なぜ・・・

まあ、気を取り直して(人、これを開き直るという)

この第5話は「この世界のアキト君が異世界のアキトの記憶を受け継ぐ」

をテーマにしています。このシリアス?が終わるとギャグ中心の授業にしたいと思います

どうか見捨てないでください。

 

 

代理人の感想

 

・・・記憶と一緒に性格も受継いでしまうんでしょうか(爆)?

それとも性格はあくまでこの世界のアキトのまま?

それはそれで驚異だな〜(笑)

まあ、北斗が楽しい学園生活を送れているというだけでも結構驚くべき出来事だと思ってますが(笑)。

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

ケインさんからの投稿です!!

・・・さり気無く修羅場を希望してないか? 代理人よ?(苦笑)

しかし、今まで最低ランクだった腕前がいきなりトップレベルに・・・

そりゃあ誰も驚きますって。

ところで、もしかして

> 「ああっ・・・ボクの台詞がない・・・(涙)」

これってハーリー?(爆笑)

固有名詞すら出してもらえないのか、お前は(苦笑)

 

ではケインさん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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