悠久を奏でる地にて・・・

 

 

 

 

 

 

第10話『ナンパ王決定戦!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――四月二十七日―――――

 

 

四月最後の週・・・その最終日。

本来なら、週末ということで、受け持ちの仕事にあくせくしなければならないのだが・・・・

皆の仕事ぶりも調子がよく、昨日でやるべき事を済ませてしまい、平日ながらものんびりと過ごせる一日となった。

 

と、いっても、ちょうどこの日は皆の給料日・・・給料を計算していたアキトの元に、一人の来訪者が現れた。

 

 

 

「おい!アキトはいるか!?」

「俺ならここにいるよ。どうかしたのか?血相変えて・・・・」

 

 

アキトの云う通り、血相を変えたアレフが、ジョートショップのドアをけたたましく開けながら入ってきた。

どれ程けたたましいのかというと、目の不自由なアリサのために付けてあるカウベルの音が、

ほとんど聞こえないくらいのけたたましさだった。

 

 

「大変だ!街の女性達が、流れ者の男に、手当たり次第にナンパされているらしいんだ!!」

「・・・・・確かに、アレフにとっては大変そうだな」

「なぁに言ってやがる!!お前のファンだって言うもナンパされたんだぞ!悔しくないのか!!」

「何をそんな冗談言ってるんだ?俺なんかにファンができるわけ無いじゃないか」

 

 

アキトは無意味なまでににこやかな笑顔で、アレフの言葉を否定した。

その様子、口振りからして、本心でアキトが言っているのは間違いはない。

アレフも、アキトが本気で言っていることに呆れ果て、絶句していた。

 

 

「お前な・・・・それ本気で言ってるのか?」

「俺がこの街に来て二ヶ月も経っていないんだぞ?知り合いだって、そんなに多くないし・・・・・・」

(こういう奴ほど、なぜか女性にもてるんだよな・・・・・世の中間違っているぜ・・・・)

 

 

アレフは、何となく不条理さを感じ、思いっきり溜息を吐いた。

 

 

「あのなぁ・・・なんで仕事の依頼人は、女性が多いと思ってるんだ?」

「アリサさんを気遣ってくれてるんだろ?」

「自覚が全くない・・・・もういい、その内に気がつくだろうしな」

「一体何のことだ?」

「気にするな、これ以上口論しても俺が疲れるだけだ。んな事よりも、流れ者の所に行くぞ!!」

「結局それか・・・・まぁいいか。わかった、ついて行けばいいんだろ」

「その通り!!いざ、やつが根城にしている『さくら亭』に!!」

「そこまで分かってるのなら、一人で行けばいいのに・・・・そもそも、なんで俺を連れていこうとしてるんだ?」

「なに、もてる男の義務を果たす為さ」

「?????(だったら尚更アレフが一人で行くべきだよな・・・・どういう意味なんだ??)」

「さ、行くぞ」

 

 

しきりに首を傾げているアキトだったが、アレフが店を出ていったのを見て、

理解するのを諦め、仕方ないと溜息を吐きつつ、アレフの後ろをついていった。

 

 

 

 

カランカラ〜ン♪

 

 

「いらっしゃい!・・・・・って、アキトとアレフか」

「そんな言い方はないだろ、パティ」

「いいのよ、あんたにはそれで・・・アキトはどうしたの?こんな時間に来るなんて珍しいわね」

 

 

パティの言うとおり、アキトが昼時を過ぎた時間に、さくら亭に来るのはかなり珍しい。

料理は自分でしてしまうアキトだから、自然とさくら亭に行く機会が減ってしまうのだ。

もう少し遅い時間帯ならば、仕事の休憩時間などで、お茶を飲みに来る場合もあるのだが・・・・・

 

 

「確か、今日は店の手伝いを頼んでないはずだけど?」

 

 

アキトは、偶にアルバイトとして、さくら亭の厨房に立つことがある。

主にお金を稼ぐという目的なのだが・・・・自分の料理が気に入ってくれた人が居たから・・・・と、言う理由もある。

 

昼間は仕事のため、アルバイトの時間帯が夜になる・・・・その為、パティと二人で店を切り盛りしている姿を見て、

『さくら亭の未来は安泰だな』というヤジを飛ばす酔っぱらいも度々いたりする。

もちろん、パティは顔をまっ赤にして否定していたが・・・・・

 

ちなみに・・・・パティの両親は、『男っ気のない娘にも春がきた!』だのなんだの言って、

諸手をあげて喜んでいる・・・・・・という、結構、お気楽な夫婦だったりする。

 

 

「今日はアレフの付き添いでね」

「そうなの?」

 

 

パティは、店内を見回していたアレフに視線を向ける。

そのアレフはというと、目的の男を血眼で探していたりする。

 

 

「こんにちは、アキト様」

「こんにちは、アキト君」

「こんにちは、シーラちゃんにクレアちゃん。二人とも昼食で?」

 

「ええ、今日は兄様が所用でいませんでしたので、昼食の準備をしなくてもよかったので、

それならば、偶にはパティ様のところでお昼をとるのもよろしいかと思いまして」

 

「そうなんだ。シーラちゃんは?」

「私も似たようなもので、ジュディが用事で隣町に行ってるから、昼食をさくら亭でとろうと思って・・・・」

「そうだね・・・俺も、偶にはさくら亭で昼食を食べてみようかな?」

「そういえば、あんた、料理を作りには来るけど、食事には来ないからね」

「今度、お昼でも食べに来るよ」

「その時は、私が腕をふるって料理を作るからね。絶対に美味しいと言わせてみせるから」

「さくら亭に来るお客さんの顔を見れば、パティちゃんの料理が美味しいぐらい、すぐにわかるよ」

「煽てたってなんにも出ないけど・・・・素直に受け取っておくわ」

 

 

パティは、少し赤い顔をしながら、照れを隠すかのようにそっぽを向いた。

 

 

「ところでアキト様。アレフ様の付き添いと言われましたが・・・・何かあったのですか?」

「ああ・・・・なんでも、余所の街からきたナンパ師に、彼女をとられたらしいんだ」

「それで・・・でも、そういうのはあまり感心できませんね。女性は、自分一人を見てほしいものですから」

「そうね。私も、クレアちゃんと同意見だわ」

 

 

クレアとシーラは、やや冷たい感じの視線を、アレフに向ける。

 

 

「そうなんだ・・・・」

「ええ、基本的に・・・・ですけれど。でも、例外も色々とございますから、一概にそうとは言えませんが」

「私には・・・・わからないなぁ」

 

 

シーラが、解らないといった感じで、悩み始めた。

アキトはその隣で、そうなんだ・・・・、と呟きながら何やら考えていた・・・・・・・

 

 

「そうなると・・・・あの時、ルナさんの気持ちはどういったものなんだろうな・・・・・」

 

 

アキトが、ボソリと呟く・・・・以前・・・・というか、前の世界にいた時、

ルナを筆頭に数名もの女性とアキトを結婚させようとしていた、とある女王を思いだしていたのだ。

 

ルナは、嬉しそうな、それでいて優しい笑顔をうかべていたのだが・・・・

それは本心だったのか?と、アキトは今さらながら思い悩んでいたのだ。

 

 

(あの世界を去った俺が言える事じゃないけど、何か悪いことをしたような気がするな・・・

女性にとって、結婚とかいうのは、かなり大切なものらしいし・・・・・)

 

 

色々と世話になった挙げ句、変な凝りを残して、世界を去ったのではないかと、

今さらながら、アキトは罪悪感を全開にして悩んでいた。

 

ちなみに・・・ルナ達の心情は、アキトの予想とはまったく違っており、

重婚することに、喜びこそすれ、変な拘りだの悩みだのはいっさい持ち合わせていない・・・・

アキトがそれを知るには、まだまだ先のことなのだが・・・・・それは別の話だろう。

 

 

「アキト様?どうかなさいましたか?」

「え?いや、なんでもないよ」

「そうですか・・・・・・・」

 

 

しかし、クレアとシーラの耳には、『ルナ』という単語だけが聞こえており、

それが女性の名前だということに、気がついていたが、

苦しく誤魔化すアキトに、二人はそれ以上のことを訊くことができなかった。

 

そうこうしているうちに、店内を隅々まで見回したアレフは、

店内に目的の男がいない事がわかり、従業員たるパティに近づいていった。

 

 

「パティ、ここに昨日から泊まっている奴がいるだろう、あいつは何処に行ったんだ?」

「昨日からって・・・・あの、軽そうなナンパ男の事?」

「そいつだ!!奴が何処いったかわからないか!!」

「知らないわよ、朝方出ていったきり、帰ってきてないわよ」

「従業員なら、宿泊客の管理しろ!」

 

「あんた無茶苦茶なこと言ってるわね・・・・そもそも、料金も前払いだったし、荷物も持ってないみたいだからね、

そのまま街を出ていったとしても、不思議じゃないし、

私としても、清々するから願ったりかなったりなんだけどね・・・・・」

 

「と、言うことは・・・・パティ様も?」

 

「まぁね。店に入ってきた途端、声かけてきたわ。

鬱陶しいから『仕事の邪魔するな!』って言ってやったんだけどね」

 

「凄いわ、パティちゃん。一体どうやったらそれだけで引き下がってくれるの?」

「簡単よ?こうやればね」

 

 

パティは、素早い動きで、腰の後ろ辺りに手を回し、そこに備えてあった黒い短棍を掴み、

近くに立っていたアレフの喉元ギリギリに突き付けた。

その間、一秒と少々・・・・かなり速い。(なにげに手慣れているような気もするが・・・・・)

 

 

「なかなか速かったよ、パティちゃん。動作に淀みもなかったし・・・結構練習したようだね」

「褒めてくれてありがと。前に言われたでしょ?自分の実力に責任を持てって・・・だから毎日練習してるのよ」

「そうなんだ・・・・」

 

 

アキトは、自分の言いたいことを理解し、実践してくれているパティに、喜んだ。

パティも、アキトが喜んでいるのを知り、多少照れていた。

 

ほのぼのとした、暖かい感じがする光景だった・・・・アレフを除いて。

 

 

「パティ!アキトとほのぼのとする前に、突き付けた棍をしまえっての。心臓に悪いぞ」

「ああ、ごめん。ちょうどいい感じだったから」

「だからって、なんで俺より距離が近かったアキトにやらないんだよ・・・・・」

「何か言った?」

「なんにも・・・・・・」

 

 

アレフは、パティのきつい視線から逃れるように、顔を余所に向ける。

アレフは何気なく、店の入り口に目を向けると、ちょうど扉が開き、カウベルが鳴った。

 

 

「なんなんだ?この街は・・・この私がこうも立て続けに断られるとは・・・・・」

 

 

世間でいう『二枚目』に分類されるであろう容姿を持つ男が、何やらブツクサいいながら店に入ってきた。

男は何やら、理不尽だとか、理解できない・・・・と、ぶつぶつ呟いている。

 

そして、ふと顔を上げると、自分を見ていたパティと目が合い、すぐさま笑顔を作り、歩み寄る。

 

 

「これはこれは!お嬢さん、私をそんな熱い瞳で見つめるとは、誘いを受けてくれる気になりましたか?」

「仕事中よ、あつかましいからどっか行きなさい」

「それはつれないお言葉・・・・私の心はあまりの寒さに凍えてしまいそうです」

「どうせなら氷漬けになりなさいよ。しぶとく蘇生しそうだけどね」

 

 

パティは、さも面倒くさいと云わんばかりの対応で、男をあからさまにあしらう。

男は、それにめげずに話しかけようとしたが、パティの右手が腰の後ろに回ったのを見て、

顔をひきつらせながら、すごすごと引き下がった。

 

そして、今度は少々離れた位置にいたクレアとシーラに目を付け、

またもや爽やかそうな笑顔を作りながら、(自称)優雅な歩調で歩み寄ろうとしていた。

 

アキトは、男の行動に呆気をとられながら、隣から動かないアレフに声をかけた。

 

 

「アレフ。俺はてっきり、お前が男の姿を見た途端、食って掛かると思ったんだけどな・・・・」

「俺もそうしようと思ったんだけどな・・・・様子がおかしかったからタイミングをはずしてな・・・・」

「いきなり店に入ってきて、ブツブツ文句を言っていたら、確かに躊躇するな・・・・」

「まぁな・・・それに、あいつの無様な姿を見てからでも遅くないと思ってな」

「無様?」

「まぁ見てなって。結果が分かりきったナンパをするのは愚かだって事が、よくわかる例がみられるからな」

 

 

そういって、アレフはシーラ達に近づく、流れのナンパ師に目を向けた。

アキトも、理由はよくわからなかったが、アレフに言われたとおり、シーラ達に目を向ける。

 

 

(一応・・・・気をつけておいた方がいいな。万が一の場合があったら、後悔しきれないからな・・・・・)

 

 

アキトは、シーラやクレアに、万が一にでも危害がないように、男の動きに気をつける。

男はそんなアキトに気がつくことなく、悠々とシーラ達に話しかけ始めた。

 

 

「これはこれは、お美しいお嬢様方。どうか、この私が話しかける栄誉をお与えください」

 

 

男の歯の浮くような台詞・・・・演劇か何かでないと、とても口には出せないような言葉を素で言う男を、

シーラとクレアは、呆れさえも通り越したかのような表情で見ていた。

 

 

「貴女達の可憐さは、正に地に降りてきた天使、美しき宝石でさえも、貴女達の前には霞んで見えるでしょう。

よろしければ、私にその姿を間近で見ることをお許しください」

 

「お断りします」

 

 

その対応、一秒を切っているのかではないかと思うほどの返事をするクレア。

にっこりと、綺麗な笑顔で言う台詞は、あまりにも冷たい。

 

男の方は、その冷たい言葉を聞くよりも、クレアの笑顔に見とれ、しばしの間、惚けてしまっていた・・・が、

すぐに正気を取り戻し、今度は悲壮的な顔をしながらクレアに訴えかける。

 

 

「なんとつれない言葉・・・私には可憐な少女を愛でることすら許されないのですか!?」

「同じ事は二度も言いませんよ」

 

 

なんとか、食い下がろうとする男を、クレアはまたもや笑顔の拒絶で、キッパリと切り捨てる。

清々しいまでに即決ぶりだろう。返事までの時間を合計しても、一秒すら経っていないように思える。

 

男は、クレアの完全なる拒絶に動揺しながらも、それを表に出すことなく、隣にいたシーラに標的を変えた。

 

 

「そちらの美しい黒髪をもつお嬢さん、貴女はどうでしょうか?私と共に、夕食でも?」

「え?あ、あの・・・その・・・・」

 

 

人が良い程、優しい心を持っているシーラは、自分に言い寄ろうとしている男の申し出でさえ、

無下に断ることができないのだ。

なんとか断ろうとしても、男の次々と繰り出される言葉に、二の句が継げない状況だった。

 

 

(シーラ様!頑張ってください!!)

 

 

クレアは、シーラを助けようとはせず、心の中で声援を送っていた。

今のままでいれば、シーラはどのような男に大しても、一歩後ろに引いたままになってしまう。

それを危惧して、クレアはわざと、シーラの手助けをしないようにしていたのだ。

 

ただし、男が強引にせまろうものなら、腰に下げてある袋に入っている、携帯用の長刀なぎなたが、

男を躊躇なくしばき倒すであろうが・・・・・

ちなみに、パティもシーラ達の様子を見ながら、短棍に手を伸ばしている。

 

 

「どうですか?私に、美しい夜景が見える場所をお教えくださいませんか?」

「あ、あの!」

「なんですか?」

 

 

男は、もう一押しだ!と思いつつも、焦らずにゆっくりと口説き落とそうと、心を落ち着かせようとする。

が、次のシーラの発言に、完全に表情が凍り付いた。

 

 

「私、好きな人がいるんです!だから御免なさい!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「本当に御免なさい!!」

 

 

シーラは、男に謝りつつ、頭を下げている。

 

クレアとパティは、心の中で、複雑ながらも称賛を送っていた。

男はといえば、いけると思っていた相手に断られるとは思っていなかったらしく、口を開けたまま沈黙していた・・・

 

 

「なあ、アレフ。シーラちゃんの好きな人って誰なんだ?」

「それをお前が聞いてどうしようってんだ?」

「世話になっているからね。できる限り力になって上げたいと・・・・」

「・・・・・・・・・・いいからお前はなにもせず、黙ってみていろ・・・・・相手をするのも疲れる・・・」

 

 

アレフは本日一番と思われる深い・・・・深い溜息を吐きながら精神的疲労を感じていた。

それはともかく・・・・呆然としていた男は、何とか精神崩壊寸前から立ち直ると、

無意味に髪を掻き上げ、キザったらしい微笑みを浮かべる。

 

 

「そ、そんな嘘をつかなくても良いのですよ、お嬢さん。私はただ、貴女と共に居たいだけなのですから」

 

 

男はシーラの言葉をその場しのぎの嘘と決めつけ、なおも食い下がろうとした。

さらに、逃げ場を無くす為か、肩に手を回そうとした。

 

それを見たパティとクレアは、手に持っていた武器で男をしばき倒そうとする・・・・・が、

シーラが行動をおこす方が僅かながらに早かった!

 

 

「いや!!」

 

 

シーラは、嫌悪感と共に男を思いっきり突き飛ばす!!

不意打ちと、意外なほど鍛えられていたシーラの筋力により、男は無様にも数メートルほど転げていった!

 

幸いながら、男の飛んだ先には障害物テーブルなどがなかったが、

あったとすれば、盛大に壊れていたかもしれないほど、思いっきり突き飛ばされた。

男は、文字通り七転八倒し、店の床に倒れ込んだ。

 

周囲の客は、哀れさといった感情が溢れていた。同情は皆無だったが・・・・・

 

 

「クッ!」

「誰彼構わずナンパするからそうなるんだよ」

「なんだと!『ナンパ』のナの字も知らないド素人に言われたくないな」

「ンだと!この野郎!たった今ふられたような奴がそんな事言えると思ってるのか?」

「ふられてなどいない!見ていろ!!」

 

 

男はすぐさま立ち上がると、服に付いた埃を払うそぶりをし、ポーズを決める。

結構練習でもしていたのか、その仕種はかなり様になっている。

 

しかし・・・かなり突き飛ばされた割には、その動きはしっかりとしすぎている。

アキトは、男を横目で見ながら、結構丈夫な奴なんだな・・・と、感心していた。

 

かくいう、アキトは何をしているのかといえば・・・・・半泣きになっていたシーラを慰めていたりする。

男に言い寄られた際に感じた恐怖・・・・そして、感情の暴発により、暴力をふるってしまったため、

多少、情緒不安定になっていたのだ。(決して、男を突き飛ばしたことに対しては、罪悪感は感じていない)

 

気の強い女性ならば、この程度はなんとも思わないだろうが、シーラは優しすぎたのだ。

 

 

「シーラちゃんは悪くないよ。だから泣きやんで・・・・・・」

「でも・・・・暴力をふるうなんて・・・・・」

 

(まいったな・・・・俺の周りには、あの程度のことですませる女性の方が少なかったからな・・・・

なんて言ったらいいか、よくわからないな・・・・・・・)

 

 

アキトは、なんとかシーラを慰めようと、必死に答えを考えた。

迫ってくる女性の対処は、少々経験があるものの、こういった場合の対処には慣れていないアキトだった。

(慣れたら慣れたで、問題があるような気もするが・・・・・)

 

 

「あ〜・・・・・ほら、シーラちゃん。男の人も怪我がないみたいだから。心配しなくても大丈夫だよ。

それにね、過ちはくり返さないようにすれば良いんだ。シーラちゃんならできるよね?」

 

 

アキトは、なぜか幼子に対するような口調で、シーラに話しかける。

実は、アキトもシーラに泣きつかれて動揺しているのかもしれない・・・・・・

 

 

「うん・・・・―――――ッ!」

 

 

シーラは、男が再び近づいて来ているのを見て、アキトの陰に隠れようと、後ろに回り込んだ。

アキトも、一瞬驚いたものの、仕方がない・・・と思い、男の方に向き直った。

 

 

「どけ、私はそこのお嬢さんに用があるのだ。貴様は邪魔だ」

「その通り、邪魔をしているんだ。悪いがシーラちゃんを、これ以上、怯えさせるわけにはいかないからな」

「なんだと!?この私の何処を見れば、怯える必要などあるというのだ」

「鏡を見て出直してこい。そんな表情の上に、血走った目をしていたら、野良犬だって怯えるぞ」

「ふっ、何を馬鹿なことを・・・・」

 

 

とか言いつつも、男は胸のポケットから小さな手鏡をとりだし、自分の顔をチェックする。

ナルシストの気があるのだろうか、少しばかり、うっとりとした表情をしている・・・・

 

それを見た周りの皆は、男から一メートルほど距離をとった。

 

アキトも、やや後ろに引きながらも、なんとか声を出した。

 

 

「それに、名前すら名のらない、会ったばかりの女性を口説く失礼な奴は、ろくでもないと決まっているからな」

 

「フン・・・これはこれは失礼を。私の名前はガイ、各地を転々と流浪しながら、

美しいお嬢様方に一夜の夢を与える旅人です」

 

「率直に訳せば、その土地の女性を弄び、次の日になれば姿を消す。それの繰り返しというわけだな・・・・

ナンパ師云々じゃなくて、寄生虫レベルの外道だな・・・・・・」

 

 

アキトは、無意識の内に、練りこんだ氣を手の平に集束させていた。

かろうじて、死なない程度に集束されていたが、あくまで即死しない程度だった。

 

無意識とはいえ、かなり器用だ・・・・実は意識してやっているのではないだろうか?

 

 

「フッ・・・・それは誤解と言うもの・・・私は愛の伝道師。女性に愛の素晴らしさを説いているのです。

それはさておき・・・・お嬢さん、私とお付き合い願えませんか?」

 

「本人が嫌がっているんだ。いい加減にやめろ

(今すぐ氣を叩き込んだ方が良いか?名前からして、体が丈夫だろうし・・・・・)」

 

 

確かに・・・同じ名前の、不死身な男は(異世界に)いるが、

この『ガイ』までそうだとは限らない・・・・が、些細な問題なのだろう。

 

アキトは、腕に力をこめて、ガイに氣を叩き込もうとした。適度に手加減をして・・・・

 

 

「先程からなんなんだ?貴様は・・・・―――――はっ!!そうか!貴様がこの街一番のナンパ師だな!!

そちらのお嬢さんを既に虜にしていたのか!なんと恐ろしい奴・・・・・」

 

「誰がだ・・・・・・・・それはお前の後ろにいる男・・・・・アレフだ。

それに、俺は女性を虜にできるほど、もてるはずないからな・・・・・」

 

(よく言うぜ・・・・エンフィールド一の女殺しが・・・・)

 

 

アレフがアキトに対して、胸中で毒づく。

あながち間違った認識ではないが・・・・・本人はまったく気がついていない。

ハッキリと言われるまで気がつかないあたり、重症とも言えるだろう・・・・・・

 

シーラ達は、呆れたような、それでいて悲しげな溜息を吐く・・・・理由は・・・言うまでもない。

 

 

「お前のような奴がこの街一番のナンパ師?この街の女の程度が知れるな」

 

「この野郎・・・俺のことならまだしも、この街の女性達を冒涜するとは・・・ぜってぇ許さないぞ!

それに!俺の生き甲斐を邪魔した罪は、海よりも深いぞ!!」

 

「邪魔をした?一体何の事だか・・・・・」

 

「今日、俺がデートする予定だったシャニー!俺が行くまでにお前がナンパしたんだろうが!

しらねぇとは言わせねぇぞ!!」

 

「ああ、あの・・・・それで私に突っかかってくるのか・・・フッ、やはり負け犬の遠吠えか」

「貴様!」

「◎♂◇▼■△♀○!!」

「♀☆◎▼▲♂〇■!!」

 

 

ガイとアレフは、激しく言い争いを始めた。アキト達そっちのけで・・・・・

その言い争いは、徐々に子供の屁理屈のような、情けないものへと移行し始めていた。

 

アキト達は、そんな二人の様子を、遠い風景でも見るような達観したような目で見ていた。

 

 

「なんだかな・・・アレフに付き合ってここまできた俺が馬鹿みたいだ・・・・・」

「男って・・・・・馬鹿よねぇ」

「パティちゃん。そこまで言うのはちょっと・・・・・」

「そうですわ、パティ様。ああいったものが、全ての男性に当てはまるとは限りませんわ」

 

 

シーラとクレアは、呆れた目でアレフ達を見ているアキトに視線を向けた。

パティは、二人が何を言いたいのか悟り、慌ててフォローを入れる。

 

 

「ごめんごめん。シーラ達が言いたいことはわかってるって」

「それならばよろしいのですけど・・・・」

「でも・・・・ああいうのを見れば、パティちゃんの気持ちも解るような気もするけど・・・・」

「・・・・・・・・・・そうですわね」

 

 

パティ達は、再びアレフ達に視線を向けた・・・・と、同時に、店の扉が開き、

テディを胸に抱いたアリサが入ってきた。

 

 

「あ、ご主人様!アキトさんはカウンター近くにいるッス」

「わかったわ、テディ」

 

 

アリサは、アレフとガイの喧噪など、微塵にも気にした様子もなく、悠々とアキト達の方に歩いていった。

アレフとガイも、そんなアリサの態度に毒気をぬかれたのか、言い争いをやめ、アリサに注目した。

 

 

「アキト君、急なお仕事が入ったの。できるなら、早めに帰ってきてくれないかしら?」

 

「ええ、わかりました。俺の用はもう無いみたいですから、一緒に帰ります。

じゃぁ、パティちゃんにクレアちゃん、シーラちゃんも、また今度」

 

「はい」

「お仕事頑張ってください」

「今度は、何か食べにきてよね、アリサさんも一緒に」

「ええ、是非寄らせていただくわ」

「僕には何も言ってくれないッスか?」

「ごめんごめん、もちろん、テディもね」

「大盛りで頼むッス!!」

 

 

ちゃっかりとお願いしているテディに、アリサとアキトは苦笑しながら店を後にした。

 

後に残されたのは、やや呆然としているアレフとガイ・・・・・

ガイは、すぐさま正気を取り戻すと、やや熱っぽい目を店の入り口に向けた。

 

 

「なんと麗しいご婦人・・・・・あれこそ、私が長年求め続けた最高の女性だ!!おい貴様!!」

「なんだよ・・・・」

「貴様がこの街一番のナンパ師と自称するなら、この私と勝負しろ!」

「この話の流れからいって・・・・まさかアリサさんを口説けというんじゃないだろうな」

「ほう、察しがいいな。その通りだ。どちらが先にあのご婦人を落とせるか勝負だ!」

「ちょ、ちょっと待て!!」

「まずは準備だ、あのご婦人に合う花を見繕わなければ!」

 

 

ガイは、アレフの言葉に耳を貸そうともせず、意気揚々とした表情で店を出ていった。

後に残されたアレフは・・・・・・

 

 

「一体どうすればいいんだよ・・・・・・アリサさんを口説ける奴がいるはずねぇよ・・・・・」

 

 

途方にくれた表情で、力無く呟いた・・・・・・

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「っと言うことなんだ。どうすればいいと思う?」

「俺に訊かれてもな・・・・・」

 

 

アレフの問いに、アキトは困ったような声で返事をした。

あの後、アレフは解決策が思い浮かばず、アキトに相談を持ちかけたのだ。

もちろん、場所はジョートショップ。アリサは店の奥で何やら用事を片づけている為、この場にはいない。

 

 

「俺にアリサさんは口説けねぇよ。あの人は、死んだ旦那さん一途な人だからな。

それに、俺はアリサさんを母親みたいに思ってるんだ、親を口説ける奴がいるかってんだ・・・・・」

 

「だからって、なんで俺に相談に来るんだ?」

「それはお前・・・・こんな話、アキト以外の誰に相談しろってんだよ」

「・・・・・・・・確かに」

 

 

アキトの脳裏に、クリスやピートといった友人達が思い浮かんだ・・・・

が、こういったことが相談できるとは思えない。

 

 

「俺が言えるのは一つだけだな」

「??一体何なんだよ」

「全てアリサさんに話せ」

「おいおい、それでどうにかなると思うのかよ・・・・」

「何とかなるさ、丁度いい、タイミングだしな」

「・・・・・・??」

「後で話すよ、アリサさん!ちょっといいですか?」

「なに?アキト君」

 

 

アキトに呼ばれ、アリサは店の奥から出てきた。

そして、アキトはアレフから聞いた話を全て伝えた。

 

 

「なるほど・・・確かに、アキト君のいう通り、丁度良いタイミングね」

「ええ、でもすみません。本当なら、俺がやることだったのを、アリサさんに押し付けるようなことになって・・・・」

 

「気にしないで、アキト君。これぐらい、なんでもないわ。

それに、アキト君が来てから、大分楽をさせてもらっているのですもの。偶には率先して働かないとね」

 

「それこそ気にしないでください、俺はただ単に、恩を返しているだけですから」

「アキト君が恩を感じることはないわ。私は命を助けてもらったのですもの・・・・・」

「それは・・・・・・って、言い合っても仕方がないですね」

「フフフ・・・・そうね」

「―――――!どうやら、くだんの男が来たみたいですね」

「そうなの?じゃぁ、アキト君とアレフ君は、店の奥にでも隠れていて」

「わかりました。一応、気をつけてください。俺達も気をつけておきますけど・・・・」

「アリサさんに何かあったら、悔やんでも悔やみきれないからな」

「ありがとう。さ、隠れて」

 

 

アキトとアレフが奥に隠れて程なく・・・・・くだんの男、ガイが、大きな花束を持ってやってきた。

服も新調したのか、さくら亭の時とは違ったモノを着ている。かなり値がはりそうなのは、一目でわかる。

 

 

「失礼、アリサ・アスティアさんはご在宅でしょうか?」

「はい。アリサは私ですが・・・何か?」

 

 

アリサは、さも何も知らない、初対面です・・・・といった風情で応対する。

とても、何かを企んでいるようには見えない。

 

 

「初めまして。といっても、先程お会いしたのですが、挨拶もできなかった無礼をお許しください」

「そうでしたか、あまりお気になさらないでください」

「それはそれは!ありがとうございます」

 

 

ガイとアリサは、表面上は笑顔で語り合っていた。頭の中で考えていることはまったく別だったが・・・

アキトとアレフは、そんな二人の様子を、物陰からこっそりとうかがっていた。

 

 

「おいアキト、さっきアリサさんとお前が言っていた事ってなんなんだよ」

「ああ、複数の女性から依頼があったらしいんだ。流れ者の男から、自分の部屋の鍵を取り返してくれって・・・」

「まあ、あの性格だからな、そんな依頼が来ても不思議じゃないな」

「確かにな。だから、俺が取り返しに行こうとしたんだ・・・・が、その寸前にアレフが来てな・・・・」

「だから、丁度良いタイミングとか言ってたわけか・・・・・」

「そういうこと」

 

 

アキトとアレフが話をしている間にも、ガイはアリサを口説くのに躍起になっていた。

 

 

「アリサさん、この花をどうぞ・・・美しい貴方に合うように、私自らが選びました。どうかお受け取りください。

そして、よろしければ、御一緒に食事でもいかがでしょうか?」

 

「あらあら、こんなおばさんと?」

 

「その様なことは仰らないで下さい。それに、そんな事は関係ありません。

現に、一目貴方を見たときから、私の心は貴方に釘付けなのです!」

 

「そうですね・・・・・私のお願いをきいてくださるのであれば、考えないこともありませんけど・・・・」

「それはなんでしょうか?私にできることであれば、何なりとお言いつけください」

 

「そうですか・・・・それでは、貴方がこの街に来て、声をかけた女性達の部屋の鍵を、

全て彼女達に返すというのであれば、一回限り、我慢して、お付き合いいたしますわ」

 

「なっ!?!!?」

 

 

アリサの言葉に、ガイは驚きのあまり目を大きく見開いた。

自分がどういった人物であるのかを、アリサに知られていたと悟ったからだ。

 

 

「私、女性を傷つけても平気な方とは、お付き合いはおろか、知り合いにすらなりたくありません」

 

「クッ・・・・・・・・・この街の女はどいつもこいつも気に喰わん!!

いいだろう、こんな男を見る目がない女が多い街など、こっちから願い下げだ!」

 

 

ガイは、スーツのポケットから鍵の束を取りだし、思いっきり机に叩きつけると、

激情をそのままに、店の扉を乱暴に開けて出ていった。

 

 

「私からすれば、それはこの街の女性は、男の人を見る目が備わっているという事よ・・・・・」

 

 

アリサは、机の上にある鍵を手に取りながら呟いた・・・・・・

鍵の数は、束と表現するには、大げさすぎるのではないかと言うほど少ない。

 

アキト達は男が出ていったとほぼ同時に、部屋の奥から出てきた。

 

 

「アリサさん、お疲れさまです」

「そんなこと無いけど・・・・ちょっと言い過ぎたかしら?」

「そんな事無いですよ。アリサさん、格好良かったし」

「ありがとう、アレフ君。でも、アレフ君も女の子と泣かさないようにね」

「はい、肝に銘じておきます・・・・・」

 

(無駄だと思うけどな・・・・ナンパを趣味にしている限りは・・・・・・・いや、そうでもないか)

 

 

アキトの脳裏に、女性をナンパばかりしていた戦友アカツキを思いだした。

その男も、一人の女性に出会ってから、まったくナンパをしなくなっていた・・・・・・

 

アキトは、故郷の事を思い出しつつ、アリサ達に気づかれないように店を出ていった・・・・・

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

憤怒の表情をしたまま、エレイン橋を歩いているガイ。

その手には、少ないながらも荷物を持っていることからして、今すぐにこの街を出ようとしていることがわかる。

 

 

「まったく!なんなんだこの街は!!この私が声をかけているというのに、女性達は思ったようにかからない!

挙げ句の果てに、宿泊所では上玉に逃げられるは、変な男に邪魔をされるは・・・・・・胸くそ悪い!!」

 

「今までの報いからすれば、そんなのは軽い方だ・・・・・・・」

 

「なんだと・・・・・貴様か・・・・いいところに現れたな。私は今、無性に機嫌が悪い。

貴様を殴り倒して、少しはスッキリすることにしよう」

 

「ああ、好きにすればいい。出来るのならな・・・・・・・氷結弾フリーズ・ブリット!!」

 

 

話しかけた男・・・・アキトは、右の掌の上に、青みがかった光球を生み出すと、ガイに向かって狙いを定めた。

その光球は、驚くガイを余所に、足下に着弾し、ガイを急速に凍らせてゆく!!

足下から徐々に這い上がってくる氷に、ガイは焦り、何とかしようともがくが、凍る速度が変わることはなかった!

 

 

「な、なんなんだ!!?」

「安心しろ。死なない程度に加減はしてある」

 

 

アキトの言うとおり、氷はガイの頭を包むことなく、肩口を凍らせた辺りで止まった。

少なくとも、これで呼吸困難で死ぬ可能性はなくなった。

 

 

「わ、私をどうするつもりなんだ!」

 

「別に・・・・少しばかりお仕置きをしておこうと思ってな。

安心しろ、海に流れ着くまでには誰かが助けてくれるだろうさ・・・・多分な。

それまで・・・・川の魚と仲良くなるといい。大丈夫、頭が下にならないように、細工はしてやるから」

 

 

アキトはそういうと、赤竜の力で作り出したナイフを手に持ち、ガイにゆっくりと近づいた。

ガイは、そんな光景を嫌々ながらも眺めつつ、恐怖に顔をひきつらせた。

 

 

「やめろ・・・・やめてくれーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

そのすぐ後、大きな水音と共に、一人の男がエンフィールドから去った。

 

後日・・・・川の下流にある街で助け出されたガイは、そのままその街の自警団に捕らわれた。

なんでも、今まで騙されてきた女性達が訴え、指名手配されていたらしい・・・・・・

 

それを聞いたアキトは、ただ一言、『自業自得・・・・・』とだけ、呟いたらしい・・・・・・

 

 

 

(第十一話に続く・・・・・・)

 

 

 

―――――あとがき―――――

 

 

どうも、ケインです。

今年に入って初めての投稿となります。

 

さて・・・・今回の話は面白かったでしょうか?

原作を知っている人は、このイベントを楽しみにしている人もいましたからね・・・

楽しんでいただけたのなら幸いですけど・・・・・

 

次回の悠久は、シェリルのイベント『アンダー・グラウンド』が元です。

今まで出番の少ないシェリルと、ほとんど無かったイヴが出てきます。本当に出てくるだけなんですけどね・・・・

 

では最後に・・・K・Oさん、m-yositoさん、watanukiさん、アッシュさん、ホワイトさん、外川さん、時の番人さん、

絶望さん、百華さん、遊び人さん、ナイツさん、ノバさん、ソウリュウ(漢字を忘れました)さん。

 

感想、ありがとうございます!!

 

次回は二週間後で、『赤き力の世界にて・・・』の投稿です。

よろしければ読んでやってください。それでは・・・・・・

 

 

 

代理人の個人的な感想

げーぷ、もうおなかいっぱいです(爆)。

なんつーか、胸焼け起こしそうだ(苦笑)。