「……ん」

 カーテンから漏れる陽の光が今の時間を大まかではあるが伝える。

 「ちっ、もう朝か」

 何故か舌打ちをしながら男は寝ていたベッドから自身を起こす。その表情には二日酔い独特の気だるさだけが浮かんでいる。ベッドの周りには大量の酒瓶が散らばっており、足の踏み場も無いほどである。。

 「つぅ」

 頭痛に頭を抑えながら、男はベッドから離れた。ふらふらと床の酒瓶をかわしながら冷蔵庫からミネラルウォーターの入ったペットボトルを取り出す。残り少ないソレを飲み干し、部屋の隅にうず高く積まれたゴミの山にそれを放り投げる。。

 それは、男にとっては変わらない毎朝の儀式。

 1年半前から続いている当たり前の日常。


 コンコン


 「?」

 この生活を始めてから外から叩かれる事のなかった玄関のドアが、男=アオイ・ジュンの人生を変えることになる最初の契機であった。








 斬魔大聖 N−デモンベイン 


 第1話 「汝、魔を絶つ剣を取れ」







 

 「や、アオイ君。久しぶりだねェ?」

 「アカツキか。俺に何か用か?」

 ドアを開けると、ジュンが知っている人間が立っていた。彼の軽薄な挨拶を気だるさだけで迎えるジュン。

 「つれないねェ、これでも『戦友』じゃないか。探したよー、戦争が終わった直後に姿をくらますなんていったいどうしたのさ?」

 とある市街地の外れにあるうらびれたアパートに、アオイ・ジュンは一人で暮らしていた。そこにアカツキ・ナガレが尋ねて来たのである。木連との戦いがテンカワ・アキトの活躍により和平成立となってから、1年半が既に経過していた。

 「うーん、結構すさんだ生活のようだね?」

 室内を見渡しながらアカツキは話す。酒瓶とゴミで埋もれた15畳ほどの埃まみれの部屋を。

 「あ、でも写真だけは綺麗だねぇ?」

 住人に断りもせずに室内に入り込むアカツキ。その視線の先に写真立てを見つけた。様々なものが無秩序に並び掃除もされていない部屋の中で、それだけが綺麗に磨かれていた。一人の女性が写っているようだ。

 「いきなり来て、喧嘩でも売るつもりか?」

 「そうじゃないよ。有能な人材をスカウトしに来たんだけどな」?」

 怒気を含んだジュンに対し悪びれた態度も見せずにアカツキは告げる。

 「ほおっておいてくれ。俺は彼女の思い出と共に静かに生きて行きたいだけだ。今更お前達に対し何かするつもりも無いし、してやる義理も無い」

 「あ、やっぱりそうだったか。でも、ユキナちゃんは心配してるよ? 誤魔化してここに来るのは大変だったんだから」

 ジュンの返答を分かっていたかのようにアカツキは答える。さりげなく彼の弱点に言及しつつ。

 「アカツキ!」

 「イヤ、出来れば静かに暮らしてもらいたかったけど、ちと厄介な事態になっててねェ? あ、最近新聞とか読んでる?」

 「いや、全然」

 「だろうね。じゃあ、ちょっとコレを見てもらえるかな?」

 そう言って新聞をジュンに差し出すアカツキ。

 「な、何だと?」

 1面全体を飾る一つの記事群に一通り目を通したジュンは驚きを隠さずに呟いた。そこには、


 『”同盟”、火星の後継者基地を殲滅』

 『”鬼機神”、今回も出現』

 『犯行グループの近親者等1万人を拘束、明日裁判開廷か』

 『先日の”突然の一斉検挙”された5000人の安否は不明』

 『行き過ぎる”安全保障”に連合が10回目の抗議』

 『上記に関してのテロは今のところ発生せず』


 「どういうことだ、これは?」

 「……どうもこうも無いよ。これが、今の世界の現実だよ」

 やりきれない表情でアカツキは更に告げる。

 「和平が成立した後でのテンカワ君の失踪事件は流石に覚えているよね?」
 
 「ああ、今はどうなってるかまでは知らないが」

 「流石にあの中から一人だけ選ぶってのが出来なかったみたいでサ、色んな世界を転々としていたんだよ」

 「やけに詳しいな?」

 「そりゃ、その時はボク達『組織』も活躍したからね」

 「ふん、相変わらずだな」

 ナデシコ乗艦時代の組織と同盟の『抗争』を思い出すジュン。

 「でも彼女達からは逃げ切れなかったのサ、彼は。で、結局全員と結婚したんだよ」

 「そ、それは随分と凄い事になったな」

 ユリカ達の行動に呆れるジュン。

 「まァ、そこで済んでいれば話は簡単だったんだけどね」

 「?」

 「その後が大変なんだよ。普通、こんな婚姻が世界的に認められると思うかい? 先の戦争で多大なる戦果を残した最強の集団が、戦争後も一つに纏まるんだよ? しかも結婚という手段で一層強固な結束を誇る集団に生まれ変わる」

 「その気になれば軍事的にも、政治・経済的にも他者を圧倒できる能力を有する集団が突如現れたら、他の国はどう考えるかな?」

 「! まさか?」

 「そう、当然『違法な婚姻』をネタにしていくつかの国が抗議したのさ。それだけで十分なネタになると判断したんだろうけどね?」

 「で、どうなったんだ?」

 最悪の事態を脳裏に描きながらジュンの声に緊張が走る。

 「数日も経たない内にそうした国のVIPが”何故か”行方不明になってしまったんだ」

 「!」

 「勿論、同盟…… あ、彼女達は対外的にもそう名乗っているんだ、今は。が関与した証拠は一切発見できなかった。限りなく黒に近いけどね」

 「そ、そこまでやるのか」

 ナデシコ時代から行き過ぎた部分は多々あったが、ジュンの知る彼女達はそこまで過激では無かったはずであった。

 「それに、今は同盟の『活躍』ぶりはそれだけじゃないんだよ」

 皮肉げに話すアカツキの目には怒りや困惑といった様々な感情が宿っている。

 「まだあるというのか?」

 「そう、自分達の財力で独自の軍隊を編成して草壁派の拠点を壊滅させているのさ」

 「連合軍とかは?」

 「すっかり蚊帳の外さ。同盟は突然出撃し、完膚なきまでに『自分達の敵』を壊滅し、去っていくのさ。お陰で連合軍とかはその後始末係に成り下がっているよ。……近隣地域の被害はバカにならないからね」

 「お、おいまさか……!」

 「そう、無差別だよ。何もかもが……!」

 アカツキの声に明確な怒気が篭る。

 「ネルガルの株式を全て奪われて、何とか生き残ったダミー会社の再編に苦労しているボクには何も出来ないんだ、『今は』だけどね」

 「『今は』だと?」

 「ま、それは後で話すよ。ところでアオイ君、こうした現状をテンカワ君はどう思っていると考える?」

 ジュンの問いをはぐらかすアカツキ。

 「ま、まさかあいつの指示なのか……?」

 「そう、それに近いかな? テンカワ君が対外的に出したただ一つのコメントは『彼女達の行動は正しい物である』という物だけだよ」

 「……なんてことだ」

 「そう。地球と木連との間を繋いだ彼らが、今や好き放題やっている。これが現実だよ」

 愕然と呟くジュンにアカツキは告げる。呆然と記事に目をやっていたジュンがとある単語に気が付く。

 「おい、この”鬼機神”ってのは何だ?」

 「ああ、”デウス・マキナ”の事かい? 逃げたテンカワ君を追いかける途中で見つけたっていう『魔導』の力で動くロボットだね。相当の圧倒的な性能らしくてエステ程度では勝負にならないんだよ」

 「魔導だって? エステが話にならないほどのロボット? そんな御伽噺のような世界が『現実』になっているのか、アカツキ?」

 「ああ、今や世界は科学と錬金術の融合でまた進歩しているよ。まァ、ここいらにはまだ広がってないようだけどね」

 「ち、ちょっと待てアカツキ。れ、錬金術ってのもまさか?」

 自分の知らない間の情勢の変化に頭の中が混乱してきたジュン。

 「そう、ソイツも同盟が他の世界から持ち帰った技術、かな? 科学と魔法の融合した世界、それがキミの今いる世界だよ」

 「……なんていうか、コメントに困るな」

 アカツキの突拍子も無い話にジュンは最早混乱の極地にあった。

 「そうだねェ。錬金術に関するパテントは彼らが抑えてるから、錬金術の便利さに慣れてしまった他の国は大変なもんだよ」

 淡々と現状を評するアカツキ。

 「そうか、今の状況を教えてくれたのは分かったが、こんな話をするためだけにここに来たのか?」

 「イヤ、今のは前フリさ。ここからが君にお願いしたい事なんだ」

 「何?」

 「実は君に探して欲しい物があるんだけど」

 怪訝な表情のジュンに真剣な表情になって話し出すアカツキ。

 「何をだ?」

 「”魔導書”さ」

 「……悪い、昨日の酒がまだ残ってるみたいだ。寝なおすことにする。探しものならプロスさんあたりにでも頼めば?」

 「待った! ホントの話なんだよ! 話だけでも聞いてくれよ?」

 ベッドに向かおうとするジュンに必死になって叫ぶアカツキ。

 「イヤ、もう頭の中が無茶苦茶だから寝てスッキリするよ、おやすm」

 「ユキナちゃんとミナトさんにここの場所を教えても良いんだけど?」

 「…………ちっ」

 舌打ちするジュン。アカツキの方に向き直り、恨めしげな視線を送る。

 「ああ、話を聞いてくれるんだねェ。流石は持つべきものは頼れる友人だよ」

 「さっさと話すだけ話せ……!」

 ジュンから殺気が感じられた。それを意に介することなくアカツキは話し出す。

 「そうさせて貰うよ。さっき、ネルガルの事は話したよね?」

 「ああ、結局乗っ取られたんだろ。で、ダミー会社がどうこう言ってたっけ?」

 「そうなんだよ。で、色々コウゾウ祖父さんが残してくれた物を1年前にようやく見つけたんだよ」

 「えーと、『アカツキ・コウゾウ』だっけ? 一代でネルガルという巨大企業を興した人だったよな?」

 「へぇ、前に話したのを覚えてくれてたんだ。まあ、それはともかくその遺産の中に巨大なロボットがあったんだよ」

 「は?」

 「だからロボットだよ、巨大なロボット。ヤマダ君あたりが見たら大喜びするくらいのね」

 拍子抜けするジュンに構うことなく、彼は続ける。

 「色々祖父さんの文献なんかで調べたら、どうもこいつは同盟が使っている『鬼機神』と同種のロボットであると分かったんだよ」

 「そんなものをお前の祖父さんはどうして持っていたんだ?」

 「ソレは分からないんだ。色々手を尽くしてはみたんだけど、入手経路については不明なままさ。で、さっきから頼んでる『魔導書』がロボットの起動に欠かせないようなんだ」

 「ロボットを動かすために魔導書? 話が今ひとつ繋がらないが?」

 「うーん、凄く簡単に言えばエステとIFSのような関係かな? IFSを持ってないとエステは操縦できないだろ? この場合、IFSと魔導書を同一に考えてもらうと分かりやすいかな?」

 「何となくだが話は分かった」

 「それでキミにその魔道書の探索をお願いしに来たって訳サ」

 「で、どうして俺なんだ?」
 
 とりあえずは納得した物の、ジュンは疑いの眼差しでアカツキを貫く。それを気にせず、

 「だってキミは彼女達からノーマークだから、今」

 「何?」

 「チハヤという女性の面影に縛られているキミは、同盟の監視対象にはなっていないんだよ」

 「アカツキ……!」

 「おっと、コレはボクが言ったことじゃァないからね。という訳で、ボクやゴート君といった主な元ナデシコクルーの男性陣には、監視の目が付いているんだよ。ここに来るのだって相当なリスクだったって事を理解して欲しいなァ?」

 ジュンに胸倉を掴まれながらもアカツキは意に介さない。

 「それはそれとしてだ! ま、仮にだ。その魔道書を手に入れてどうする気だ?」

 「パイロットは既に手配できているからね。キミが見つけてきた魔導書で起動できるなら、彼女達に対する抑止力に使いたいね。それ以外には考えてないよ」

 「本当に? オマエ自身の復讐の為ではないのか?」

 「……そりゃ、自分の会社を乗っ取られた事を恨まないといったらウソになるね」

 あっさり本音を吐露するアカツキ。

 「でもサ、テンカワ君を信じてあの戦いをしてきたのは、『こんな世界』を望んだからじゃ無い、それはキミも同じと思うけど?」

 「!」

 「某組織として、そりゃ彼とは対立もしたさ。でも、今のような彼女達の行動を容認する人間では無かったはずだろ、ボク達が知っているテンカワ・アキトという奴は……!」

 「それはそうだな」

 それには同意するジュン。

 「だから、彼に直接会って聞いてみたいんだ。それを同盟が阻むなら、それを突破できる力が今は欲しい」

 真剣なアカツキに同意しつつあるジュン。

 「その為の魔道書探しなんだよ、頼む……!」

 「分かったよ、アカツキ。俺で出来るならな、その本探し」

 5秒ほど間を置いた後でジュンはそう答える。

 「ああ! やってくれるかい!!」

 それを聞いて大袈裟にジュンの手を取るアカツキ。

 「それなら日々平穏に行ってくれ。君のサポートをしてくれる人間が居るはずだから」

 「…………用意が良いな?」

 「キミなら分かってくれると思ったからサ?」

 いつもの不敵な表情に戻るアカツキ。

 「分かった、待っている奴には『30分後に会おう』って言っておいてくれ……!」

 それだけアカツキに伝えると、ジュンは部屋のシャワールームへと足を向けた。

 「ああ、今の君にぴったりな相棒にはそう言っておくよ?」

 ジュンの姿が視界から消えた後でアカツキはそう呟き、携帯電話を懐から取り出した。




 「おや、今日も飯をたかりに来たのかい?」

 「あ、ジュンちゃんだ。今日は早いのね?」

 「……いっつも俺のことをそーゆー目で見てたんですか? あ、ライカさん。こんにちは。で、『今日は』ってどういう意味ですか?」

 「そりゃそうさね。ふらっとやって来ては一言も話さずにメシだけ食って帰る。『仲間』じゃなかったら、とっくに出入り禁止にしてるトコさね?」

 アカツキとの話からきっちり30分後、ホウメイの経営する『日々平穏』にジュンの姿はあった。オーナーでシェフのホウメイと、1年前から住み込みで働いているライカが声をかける。

 「だって、いつもは夜にしか来ないじゃない? しかも何だか顔が少ししゃっきりしてるし。遂に引き篭り人生に終止符を打ったの?」

 円形の眼鏡の下にある瞳がジュンをしげしげと見る。その動作にあわせてブロンドの髪が揺れ、同時に豊満なバストも揺れる。

 「だ、だから俺は元々引き篭りなんかじゃないですよ!」

 少し赤くなりながらジュンは反論する。

 「ふーん、そうかなぁ? 『引き篭りは現代の深刻な社会問題です、容易に直らないので周囲の人は根気と愛を持って接してあげましょう』って前見たTVで言ってたし」

 「愛ですか? 毎回人をネクラとか社会不適合とか、キングオブ引き篭りとか言って馬鹿にする人が俺に愛を持って接してくれていたとでも?」

 「そうだよ? でなければホウメイさんに出入り禁止にしてもらってるよ? 傍から見たらかなりアブナイ人だったもの」

 「だった?」

 「こんなに話してくれるジュン君を見るのは今日初めてだけど? いっつも私が何か言っても煩そうにするだけだったし」

 「うっ」

 今まで碌に彼女と話していなかったという事実を改めて思い出し、ジュンは言葉を失った。

 「それで、こんな早くにどうしたんだい?」

 「今日は待ち合わせなんですよ、アカツキの奴に言われて」

 タイミング良くホウメイが話を振ってくれたので、ほっとした様子でジュンは答える。

 「へェ、そうなのかい? アンタ以外にはアタシとライカしかこの店には居ないけど?」

 「え? ま、まさか?」

 「アッハハハ! ここんとこあの元会長さんには会ってないよ?」

 「ふふっ。そういえば、全然私の好みじゃないわりにしつこく誘ってくるキザなロンゲさんは来てないですね」

 「そ、そうなんですか?」

 一瞬緊張したジュンであったが、笑い出したホウメイとライカを見てそれを和らげる。アカツキに対するライカのコメントは忘れるジュンであった。

 「しかしあの元会長さんからの話だと、やっぱり『彼女達』絡みかい?」

 「! なんでそれを?」

 「アンタを呼び出して何かしようとする時点でソレしか考え付かないよ。あの子達が皆テンカワの事を好きなのはともかく、こんな事になるとはね。世の中分からないモンだねェ」

 溜息をつきながら話すホウメイに、ジュンは何も言えなかった。

 「そんなに凄い人達なんですか、テンカワさんと同盟って?」

 「ああ、凄かったね。強くもあった。ただ、無益な戦いだけは昔はしなかったし、テンカワの奴は自分の強さを忌避していたようにも見えたんだけどねェ。何がどうなって今の状況になってるかアタシには分からないね」

 ライカの問いに答えるホウメイを、ジュンは無言で見ていた。ホウメイの言葉は今ジュンが考えていることと同じであったからだ。

 「ま、それはともかく! せっかくウチの看板娘と少しは話をしてくれるようになったんだ。何か食べるかい?」

 重くなる雰囲気を嫌ったのか、ホウメイは話題を切り替えた。

 「そうですね、じゃあいつもの」

 「あ、やっぱりだ! ジュンくぅぅぅん!!」

 「うッ!」

 突然の背後からの衝撃に、ジュンは耐えれなかった。

 「あー、やっぱりジュン君だ! まったくもー、今まで何処に行ってたのよ!」

 「い、いや。そのだな」

 「ミナトさんと二人で心配してたんだからね!」

 「って、何でここに居るんだ?」

 何とか平静を保とうとするジュンであったが、

 「アカツキさんから電話を貰ったのよ」

 「あ、あいつ……!」

 あっさり、その努力は崩された。

 「で、疑い80%のまま来たんだけど、ホントに居るなんて……!」

 「あ、ああ」

 意味不明なあいづちを打ったジュンに、ユキナは突然抱きついた。両手を彼の背後に回し、顔を胸に埋める。

 「お、おい」

 「本当に心配してたんだからね……!」

 ジュンの胸に顔を埋めながら、涙声でユキナはそれだけを口にした。

 「わー、女の子を泣かせてるー。ジュンちゃんってやっぱり最低君だね」

 「あ、あー」

 目の前のユキナと背後のライカの攻撃に動揺しまくりのジュンである。

 「突然居なくなっちゃって、私とミナトさんがどれだけ心配したと思ってるの?」

 「う」

 「皆、ジュン君のことなんて気にしてなかったけど、私とミナトさんはほんとに心配してたんだからね!」

 「……そうか。……ゴメンな」

 戦争終了後に正式に軍を除隊しても誰も尋ねる者の居なかったコトをちょっぴり思い出しながら、ジュンは泣きじゃくるユキナの髪を優しく撫でた。

 「ううん、こうしてまた逢えたんだもん。もう良いよ」

 そう言ってユキナはジュンから離れた。涙声だったはずの顔には喜びという感情が溢れている。

 「騙されちゃ駄目よユキナちゃん? そうやって一旦消えておいて自分に完全に惚れさせておいてから、後で人気のない廃屋に連れて行かれて(以下、18歳以上でも聞きたくない世界が展開されている為削除)」

 「外道なのか、俺はそこまでアレなのか? 今までそんな目でライカさんに見られていたのか?! 前略オフクロ様。世間の風は冷たくて、骨まで凍りそうです」

 「あ、それは大丈夫!」

 ライカの言葉をユキナは一言で否定する。ジュンはあっちの世界に逝ってしまったようだ。

 「本当に?」

 「だって、ジュン君にそこまでヤる度胸も甲斐性もあるわけ無いよ! ま、そこが良いんだけど……

 赤くなりながら語尾は小声になるユキナ。

 「あ、天国のおじいちゃん、何だか幸せソウデスね。ボクもそっちに逝ってもいいですかぁ?」

 追い討ちを喰らってさらに違う世界を見ているジュン。

 「それじゃあ、探しに行こう! 『魔導書』を!」

 「え」

 壁に背を向けてブツブツ呟くジュンの背中を叩くユキナ。我に返るジュン。

 「これでも、ちゃーんと勉強したからだいじょぶだよ!」

 呆気に取られているジュンの手を強引に引くユキナ。

 「お、おい!」

 「あ、アカツキの奴から聞いて無いんでしょ? 私がジュン君のお手伝いをするんだよ? 私を指名するあたり、あの人もちゃーんと分かってるよねー」

 「ち、ちょっと待て!」

 「あ、それとジュン君?」

 店を出る手前で、ユキナはジュンの方を向いた。

 「……今まで居なくなってた訳はあとでちゃーんとき・く・か・ら・ね?」

 「それは関係ないだろ、今は?」

 「き・き・た・い・の」

 「だから色々とこっちの事情もあってだな!」

 「え? 何かい・い・ま・し・た?」

 「…………ハイ、ワカリマシタ。アトデヨイデスカ?」

 ステキ笑顔のユキナに反論できないジュンであった。

 そう言いながらもジュンの身体は引きづられて行く。

 「ふぅ、これで少しはあのボーヤも戻れるかねェ?」

 「ユキナちゃん、大丈夫かしら?」

 自分達以外誰も居なくなった店内で、ホウメイはそう呟いた。未だライカは気にしていた。




 時刻は午後4時。

 「ま、そんな簡単に見つかる訳が無いか」

 「ちょっとお腹が空いたなー」

 ジュンとユキナの『探索』は何ら成果を挙げていなかった。

 「ま、今日はこの辺にしておくかな」

 「そうだねー、疲れたし」

 そう呟き、古本屋が立ち並ぶ通りを抜け、大通りに出ようとする二人。だが、

 「あ、この店入ったっけ?」

 ユキナがとある店の前で足を止めた。

 「ん?」

 ジュンも足を止めて店を見る。鉄筋コンクリート造りの2階建ての建物であった。塗装を施されていないコンクリート剥き出しの外壁は、永い間風雨に晒されているようで所々に黒ずんだ汚れが目立つ。

 「うわー、凄い数の本だよジュン君!」

 「お、おい!」

 いつの間にか、ユキナは勝手に店内に入っていた。慌ててジュンも中に入る。

 「た、確かに凄いな」

 無数の本棚が秩序良く並んでいた。びっしり本が詰まっている。

 (他の店と同じくらい古そうな本ばかりだけど、何か他と違うな。)

 「どうしたのジュン君?」

 「いや、何か雰囲気が違うと思ってな」

 「そういえば、ちょっとさっきまでの店とは違った感じがするね? 外からでは分からなかったけど」

 「なんでだろうな?」

 「うーん」

 ジュンの言葉にしばし考えた後に、ユキナも同様のコメントをする。しばし考え込む二人の背後から、

 「おや、お客さんかな?」

 「「うわ(うひゃあ)!」」

 女性の声が聞こえてきた。驚く二人。

 「いらっしゃい、どんな本を探しているのかな?」

 振り返る二人、そこには長身の美女が立っていた。

 「…………」

 「むっ、ジュン君?」

 「あ、ああ。実はですね……」

 女性から発せられている妖艶な色気と、ライカと同様かそれ以上の威容を誇る胸元がやったらめったら開きすぎの黒のスーツに気を取られまくったジュンであったが、ユキナの怒気で正気に返り事の顛末を簡単ながら女性に説明した。

 「そうか、『魔導書』を探しているのかい」

 「信じるんですか、こんな荒唐無稽な話を、ええと」

 「『ナイア』って呼んでくれよ、僕の名前だ」

 女性は優雅ともいえる動作で名乗った。

 「信じるも何も、今やこの世界は錬金術と魔導で満ちているじゃないか? 加えて同盟だっけ? 彼女達も持っているじゃないか? それをキミも探してるんだ?」

 ナイアの声に艶っぽさが加わる。思わずジュンの顔は赤くなる。

 「むっ、だからこの店にそーゆーのはあるんですか?」

 「ああ、そうだったね。ちょっと待って貰えるかな?」

 ソレを察知したユキナの刺々しい視線をものともせずに、ナイアは店の奥に消えた。

 「もう! 胸が大きいヒトにはすぐあんな態度を取るんだから!」

 「いや、それはだな」

 「ふんだ! 5年後には私だってもっとムチムチバイーンになるんだから!」

 「だからそーゆー問題ではないだろ?」

 「あ、それとも無い方が好きなの?」

 「だからだなー!」

 「仲が良いのは結構結構。ハイ、持って来たよ?」

 いつの間にかナイアが戻ってきていた。手には古ぼけた本を何冊か持っている。

 「あ、有難うございます」

 「後でちゃんと話をしようね?」

 ナイアに向き直るジュン。ユキナの言葉は耳に入れないようにする。

 「そうだね、単純な攻撃魔法ならこの『アルテマの書』っていうのがお勧めかな?」

 「「は?」」

 ユキナにとっては聞きなれない単語、ジュンは昔ゲームでやった記憶がある単語をナイアから聞かされた。

 「それともこっちの『ギガデインの書』の方が良いかな、凄い雷を召喚する呪文だけど? 白魔法なら『ホーリーの書』もお勧めかなぁ?」」

 「あ、あるてま? ぎがでいん? ほーりー? 何、ジュン君?」

 「そ、それで”鬼機神”は動くのですか?」

 訳が分からない顔のユキナはさておいて、ジュンはナイアに問う。

 「ううん、動かないよ」

 あっさり首を振った。

 「ちょっと! 騙したの!」

 「まあまあ、ちょっとした冗談だよ。何せ久しぶりのお客だからね、ちょっと遊ばせて貰ったんだ。ゴメンね?」

 憤るユキナに笑いかけながら、ナイアは己が手をユキナの頭に置く。

 「あ」

 「本当にゴメン。だけどね、キミとそこのお兄さんに相応しい本はもっと別のところにあると思うよ?」

 ナイアの瞳を見つめるユキナ。怒りが徐々に収まっていく。

 「どうしてそう言えるんです?」

 「『縁』さ」

 ジュンの問いに一言答えるナイア。

 「キミ達が『力のある魔導書』を探しているように、魔導書の方でも『キミ達』を探しているからさ。縁があればきっとお互いに巡り逢えるよ、きっとね?」

 「え、ええと、そう悠長に待っている時間は無いんだけどな」

 「大丈夫さ、『出会いは突然に』って奴さ。遅刻寸前で走っている途中に美少女にぶつかってスカートの中を見てしまう。ほっぺたを叩かれて学校に着いてみればさっきの少女が転校生、更には自分の席の隣になってしまう位、出会いは突然で縁が生まれるものだよ」

 「な、なんか例えがなんていうか」

 「ある意味物事の本質と僕は思うけどね?」

 唐突にジュンに近づくナイア。その顔をくっつく寸前にまでジュンに近づける。

 「ち、ちょっと! ジュン君に近づかないで!」

 「さぁて、君にはどんな『縁』が待っているのかな? うん、とっても楽しみだよ」

 それだけ言ってナイアはジュンから離れた。

 「ゴメンよ、ちょっと悪ふざけが過ぎたかな?」

 「わ、分かってくれればそれで良いの」

 ユキナに謝罪するナイア。

 「それじゃあ、君達が『逢える』ことを楽しみにしているよ、見つけたらまた遊びにおいでよ?」

 それだけ言い残し、ナイアの姿はジュン達から消えた。

 「ふー。何だか疲れた」

 「そうだな、今日はこれで終わりにするか」

 ユキナとジュンもまた、店を後にした。




 「しかし、『力のある魔導書』を俺が本当に手に入れることが出来るのか?」

 「大丈夫だよ、ジュン君は! ……あの色気オバサンに同意するのはちょっと、不服かもだけど」

 「ナイアさんって言ってたな、一体何者だったんだ?」

 「あー、あんなタイプが好みなんだ! そもそも、あんな古ぼけた店なんかにジュン君の探してる本なんか無いよ!」

 その後二人は古本屋を後にしてそんな会話をしていた。時刻は既に夕刻である。

 「さてと、ちゃーんと私を家まで送ってね?」

 「ああ。って何でだよ?」

 「だって同盟の奴らが何処にいるか分からないじゃない?」

 「はぁ?」

 首をかしげるジュン。

 「あっきれたぁ、そんな事も知らないんだ?」

 「悪かったな」

 「うーんとね、最近何かを探してるらしいの、同盟は」

 「何を?」

 「そんなの分からないよ! けどね、あいつ等の近くに居た人達はひどい目にあわされてるっていう話だよ? ……ニュースでは言わないけど」

 悔しげに話すユキナ。そう言いながらも二人は表通りを目指す。

 「そうか、そんなになってるのか」

 「だから、ちゃーんと家まで送ってね? ミナトさんも美味しい料理を作って待ってるし!」

 「……え?」

 「こんな物騒になってる世の中だよ? こんな可愛い美少女を一人で帰らせるなんて、男が廃ると思わない?」

 「なら、俺は男じゃなくても平気だな?」

 「もーう! どの口がそーゆーお外道な台詞を言うかなー!」

 「この口だ」

 ぷんすか怒るユキナに自分の口を指差しながら笑うジュン。

 「あ、それと、」

 「何だ?」

 「色々と話さなきゃイケナイ事もあるしね?」

 再びステキ笑顔で告げるユキナ。

 「ま、まだ覚えていたのか」

 「と・う・ぜ・ん!」

 「だから色々あってだな。話は長くなるぞ?」

 「泊まれば良いでしょ? 幾らでも聞く用意はあ・る・け・ど?」

 「うー」

 どう話せば納得してもらえるかを考えるジュンに、

 「!!」

 頭上からの衝撃が襲い掛かった!




 「……痛ぅ」

 「あーもう! 何なのよ、貴女は?」

 いつの間にか地面に仰向けになって強烈な痛みに耐えていたジュンは、ユキナの声で意識を自分の腹の上に移した。

 まさに『抜けるような』と評するしかないほどに白い肌をした少女が自分の上に居た。

 「くッ、よもやこんなミスをするとはな」

 そう口にする少女を改めてジュンは見やった。


 まず、翡翠色の瞳に吸い込まれそうになった。

 そして10歳代前半と思われる幼さを残す容姿。

 しかし、その年頃の少女が持ちえることのない色気のような物を感じる。

 腰まで伸びた銀色の髪の毛や、幼さを感じさせながらもどこか異性の視線を惹きつけられずには居られない容姿。

 「このうつけ者がッ! 何故にこんな所にいるのかッ! この大うつけめがッ!!」

 その少女はジュンの視線に気が付くや否や、一気にまくし立てた。

 「……なんでいきなり?」

 「それは妾の言葉だッ! 妾の邪魔をするなど、汝も奴らの仲間か? ならば容赦はせぬぞ……!」

 「ちょっと、私のジュン君にいきなり襲い掛かってそれは無いんじゃない?」

 ジュンのお腹に乗りながら戦闘体制? を取り始める謎の少女にユキナは完全と立ち向かう。

 「汝も『同盟』の走狗かッ! ならば!」

 「ちょっと待ってよ! あんなジュン君を蔑ろにする奴らと一緒にしないでよね! 私だけがジュン君をちゃーんと理解してるんだから!」

 「お、お前はいきなり何を……!」

 「……ほう、ならば汝等は同盟の輩では無いと?」

 ジュンのツッコミを無視し、少女はユキナの剣幕に冷静さを取り戻したかのようであった。

 「だから! あの人達はジュン君とは違う!」

 「ふむ、汝等は『違う』とそう言いたいのだな?」

 「だからそうだって言ってるじゃない!」

 「そうか、ならば妾は謝罪しよう。そして忘れるが良い、妾を見たことを」

 「分かったんならそれで良いわ、だから早くジュン君から離れなさいよ!」

 「言われなくても…… クッ……!」

 ジュンから離れようとした少女は、立ち上がる途中で片膝を付いた。その表情は苦しげである。

 「あーもー! 早くどこかへ行きなさいよぉ!」

 「……先ほどで『使い果たした』か……!」

 「おい、大丈夫か?」

 「むっ!」

 それを見て、起き上がったジュンが少女を心配する。ユキナを無視して。

 「やはり、術者なくしては……!」

 「お、おい!」

 「ち、ちょっとジュン君!」

 倒れる少女を抱きかかえるジュン。

 (何だか、凄く軽いな。)

 「あ……!」

 「どうした?」

 抱いた少女の華奢な身体に驚いていたジュンの鼓膜に、息を飲むユキナの声が入り込んできた。自分を見ていないユキナが見ている方向に目をやった彼の視野に


 マシンガンで武装した10人ほどのギャングが居た。全員が顔に『T.A』と書かれたマスクを被っている。

 「畜生! 何なんだよ、あいつら!」

 「……武器持った危ない奴ら相手に逃げるのは分かるけど、なんでそのコまでおぶってるかな?ジュ・ン・く・ん?」

 「流石にあの中に置き去りにするほど人間を捨てた訳じゃない!」

 背後からのマシンガンからの銃弾を避けながら、ジュンとユキナはひたすら走っていた。ジュンの様子はユキナの台詞どおりである。

 「で、これからどうするの?」

 「とりあえず警察に!」

 「あーもー! だからそれは無理だって!! さっきの私の話を聞いてなかったの?」

 「え?」

 「だーかーら! あれは多分同盟の手先だって! さっきから銃声がバンバン鳴ってるのに、パトカーなんて来ないじゃない!?」

 「!」

 少女を背中に背負いながらユキナと一緒に逃げるジュン。その最中の会話でユキナの指摘が正しいことにジュンは気が付いた。その時、

 「こ、此処は?」

 「お前を追ってきたのか? 奴らから逃げている途中だよ!」

 少女が意識を回復したようであった。呼吸をかなり乱しながらではあるが、ジュンが律儀に教えてやる。

 「そうか、汝が妾を?」

 「女の子をあんな訳の分からない奴らの中に一人きりにはさせられないな。それは流石に後味が悪い」

 「……」

 「大丈夫か? すぐに病院に連れて行くからな、流石にそこまでは奴らも無理d」

 「無駄だ。それよりも妾をは、離すがよ……?」

 何かを言いかけた少女の言葉が止まる。自分を見つめるジュンの目をしっかりと見つめなおし、

 「汝、『魔術師』か?」

 「は? 何だそれは?」

 「イヤ、汝からは『暗い闇の匂い』がする。答えよ、汝は魔術師か!」

 「違う! 俺はそんな訳の分からない奴じゃない!」

 「汝……!」

 「俺は元ナデシコ副長だ! それ以上でも以下でも無い! そりゃ『魔導書』を探してはいるが、それとこれとは関係ない!」

 「くッ、ならば汝は『魔術師』では無いと申したな?」

 「そうだ!」

 苦しげに少女は問う。ジュンの答えを聞き、

 「……つまり『書』を持たぬということか、ふむ。よく見れば潜在的な能力を感じるな、まあかなりご都合主義とも思えるが、この状況ではむしろ僥倖か。『縁』とは分からぬものよ」

 「それだけ話せるんだったら、降りて走ってくれ! っていうか何を言ってる?」

 「ちょっと! 何ジュン君と話してるのよ!!」

 「時に汝、名はなんと申す?」

 「は?」

 「ちょっと! このユキナを置いてジュン君にモーションをかけるのは駄目ェ!」

 ユキナの叫びを無視しながら少女は再び問う、ジュンに。

 「そーゆー状況じゃない!」

 「良いから答えよ、人間。名は大切だ」

 叫ぶジュンを無視する少女。

 「だからだな!」

 「答えよ、人間ッ!」

 自分達の置かれている状況を無視する彼女に、最早投げやりにジュンは叫んだ。

 『ジュン! アオイ・ジュンだ!! 魔術師でもなければ正義のヒーローでもない! ただの元ナデシコ副長だ!! こんな状況、どうにもできねぇぞコンチクショー!』

 「そうか、ならばアオイ・ジュン、妾は汝と契約する」

 そう言った少女は、器用にジュンの背中からするりと抜け出した。その身体をひたすら走るジュンの真正面に向かわせる、とその刹那。

 「あ……!」

 ユキナの叫びを無視して、自分の唇を

 ジュンのソレに

 やさしく

 重ね合わせた。

 「え?」

 思わず走るのを止めるジュン。その瞬間、二人とユキナを白い光が包んでいく。

 (ふむ、汝だけでは妾の『主』となりえぬようだ。)

 (な、何を言っている?)

 (妾の『世界』に入ってきたあやつ……)

 (ゆ、ユキナか? 白鳥の妹のあいつが?)

 (ほう、シラトリ・ユキナと申すか。汝とあの小娘の二人で『一つ』か…… 今まで妾が知りえなんだ魔術師だが、これもまた『縁』という物か?)

 (だから、どうなっているんだ?)

 (……まあ良い。アオイ・ジュン! そしてユキナとか申す小娘! 我が名をしかと心に刻み込め! 我が名は『アル・アジフ』! アブドゥル・アルハザードにより記された最強の魔道書なり!)

 (な、何が起こってるの〜?)

 (お、俺が知るか……!)

 ユキナとジュン

 何が起こっているのか分からないまま、彼らは光の中に飲み込まれていった……!


(続く)










<後書き>

 どうも、ナイツです。という訳で? 時ナデとデモンベインのクロスを書いてみました。連載モノです(汗)、北シリーズも終わってませんし、リクエスト頂いてるほのぼのも途中です(滝汗)。ですが書きました、書きたくなってしまいました。時間は確実に掛かりますが、完結させます。絶対に。

 プロトタイプに感想を頂いた皆様、感想以外板で『神話』に関するアドバイスを頂いた方、さらには様々なネタやアドバイスを頂いたノバ氏には最大限の感謝を。

 本編についてはまだプロローグ段階なので、何も言えないです(汗)。デモンベインを知らない方にも興味を持って頂けるよう頑張る所存です。……知ってる方にも勿論ですが(滝汗)。

 とりあえず、次回以降もお読み頂けると幸いです。それでは、失礼します。

 

 

 

 

代理人の感想

クロス・・・・と言っていいもんかどうか。

あんなもん書いてる人間が言うのもなんですが(爆)。

 

 

ところでタイトルを「にゅー・でもんべいん」と、「N」に「にゅー」とルビを振って読んだ人手をあげて(爆)