機動戦艦ナデシコ

時の流れに アナザー

アキトと北斗

 

 

 

 

 

 

 

 

《何時かの何処か………………………時と世界の果て》

草原があった。そこで、二人の人影が倒れていた。

 

 

 

 

 

「………がはっ。」

 

「ゴホッ………………がああ……」

 

 

 

 

アキトと北斗が倒れていた。

たがいの昂氣をその身に受けて…………それでも立ち上がる。

 

 

 

「(肋骨が折れたか………)楽しかったな……………アキト。」

 

「ああ。」

 

 

互いに心残りはない。

 

 

アキトは北辰と戦えるだけの力を伝えた。アキトがいなくなっても戦い抜けるだろう。

北斗は北辰と手下を消した。アキトの心残りをなくすために。

 

 

ここには立会人としてブローディアとダリアが二人を見下ろすように………………

主に仕える騎士のように……いた。

最後の時が近いことだ分かるのか………ダリアが泣いているかのように…………寂しげに吼えた。

 

 

北斗は最近、女であることにストレスを感じなくなっていた。あきとにひかれている自分に……………

枝織と北斗二人とも………

 

 

アキトは、ナデシコにいることに耐えきれなくなった。(ユリカ達のお仕置き……………のせいでもあるが。)

ナデシコの雰囲気に対して自分は異質であると感じたためだ。

同時にそのためにナデシコが連合軍・木連に秘密裏に処理されそうなことも…………

 

 

 

 

「最後に一つ。……いい?」

 

「なんだ。」

 

「おまえは…………あなたにとって、私は…………俺という存在はなんだったんだ?

 枝織なのか………それとも、北斗なの?」

 

互いにひかれていたからこそ…………枝織と北斗のどちらをアキトは見てくれているのか………

どちらを受け入れているのか……知りたくなった。

 

 

 

「今の俺達にとって大事なことなのか?」

 

「そうだ。………あーくん。おねがい…………答えろ………」

 

 

 

最近、二人の境界線が揺らいでいた。ここで気付いた。枝織も………アキトのことが好きだと。

揺らげば揺らぐほどその想いは強く感じられるようになった。…………枝織が北辰を殺すほど…………。

 

北辰を消そうとしたのは北斗…………消したのは枝織ちゃん。

なにより北辰のことを優先するように手なずけられた枝織ちゃんが……………。

そのことを知ったとき………ここに現れた北斗を見たとき…………悟った。

枝織ちゃんと北斗がもうどちらとも違うことを………もう、戻れないことを……………

先ほどの一撃も……力無いモノだった。

 

 

「俺にとって………どちらでもあったよ………北斗でもあり、枝織ちゃんでもあった。」

 

「………………ひどいな。………答えになってないよ。あーくん」

 

「……すまない。………が、これが偽ざる俺の心だ。北斗と闘っていても……

 枝織ちゃんと遊んでいても。二人といたようだったよ………。」

 

「これじゃあ……………俺が…………壊れちゃう………。アキトよ、

 …………あなたは……………強いが…………卑怯だね。………それに残酷……………だよ。」

 

「…………………………………………そうだな。さあ決着をつけよう。………それとも共に生きるかい?」

 

「そうだな……………。それもいいかもしれないね。」

 

「…………………。」

 

「だけど………。これで終わりだ。…………私たちが壊れてしまう前に。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の彼らのことは分からない……………何処かで生きているのか…………死んでいるのか……

火星において回収されたブローディアとダリアに残された映像はこれ以上の解析は出来なかった。

 

だが…彼らは、最後の瞬間…………幸せそうに笑っていた。

 

 

 

ナデシコ内で血を吐き、片耳が墜ちているのが発見された。DNA鑑定によるとアキトのモノだった。

 

この日以来アキトがいなくなった。

 

 

 

 

ディアの報告で、異常な画像を発見西暦2203年3月20日…………現場を特定、急行する。

そこでは、またかなりの量の血液を採取した。

 

 

 

 

その後。記録のあった日に、ここに調査にきたナデシコDの報告によると…………

幸せそうな夫婦が子供達と静かに暮らしていたそうだ。

 

 

 

 

おしまい

 

 

 

 

 

あとがき

 

…………………面白味がないシリアスモノになってしまった。

おお、神よ………なぜ私はこのようなシリアスを止められないのですか!!

などと自戒の念に駆られる(笑)小舞子などという者です。

「はははははっはははははあはあははは……似合わねーーーーー。」《天の声》

 

………笑うな!!

 

それはともかく…………北斗、いいねえ。

この北斗がいい味だしてます………はい。(個人的にはブロスもいい感じ)

 

それにしても、なんだか………やおい、という感じですね。(男×男ではなく、やまなしおちなしという意味)

 

北斗がアキトに完全に負けるのは北斗と枝織が、一つになったときなんじゃないかな?

まあそれについてはBenさんの続編に期待ということで………

(北斗が自分を取り戻すときという意味です。おとされたという意味では無いですよ。)

 

 

 

管理人の感想

 

 

 

小舞子さんからの初投稿です!!

いやはや、凄い決着ですね〜

でも、これも一つの可能性ですよね。

アキトが自分の居場所に疑問を抱き。

北斗と枝織が自分を保つ事が出来ず、壊れる。

・・・ある意味、救いが無いものかもしれません。

さて、本編の二人はどうなるのでしょうか?

 

それは・・・今後の話をお待ちください。

 

それでは、小舞子さん投稿有難うございました!!

 

さて、感想のメールを出す時には、この 小舞子さん の名前をクリックして下さいね!!

後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!

出来れば、この 掲示板 に感想を書き込んで下さいね!! 

 

 

ナデシコのページに戻る