「俺が帰るべき場所は・・・ナデシコだ!!

皆が揃っているナデシコだ!!

何処に飛ばされ様と、俺は絶対に帰ってくる!!

例え、遥かな距離だろうと、時を越えても―――」

 

 

 

パシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!

 

「俺は帰ってくる!!だから!・・・・・」

『ねえ、アキト兄、ねえねえ』

「みんな・・・・・って何だ、ブロス、今大事なとこなんだぞ』

『・・・・・アキト兄、もうジャンプアウトしてるよ。ボク達』

「な、何?!まっ・・・マジっすか?」

『マジ、マジ』

「・・・・・・・ぎゃふん」

 

 

 

 

 

〜今、この瞬間を〜(仮)

 

プロローグ

Secret of my heart

 

 

 

 

 

「・・・・ま、まあいいか・・・・。ところでブロス、ここが何処だか解るか?」

 

俺はバイザーを外しながらブロスに尋ねる。・・・・と、ふと気付いたのだがホログラフで姿を現しているのはブロスだけで、ディアがいないのだ。

 

『ぜ〜んぜん分かんない。データに無いよ、こんなトコ』

「そうか・・・・ところでディアはどうした?何で出てこないんだ?」

 

もしかして何か損傷でもあるのだろうか?

 

『ディアならプログラムの隅っこの方でスネてるよ・・・・』

「・・・・・な、何故に?」

『・・・・多分、別れる時に誰もディアの事に触れてくれなかったからじゃない?』

「むぅ〜・・・・そう言えばそうだな」

 

しかし・・・・あの時はしょうがないというか俺の方が人気が高いというか・・・・・って理由にならんか。

「と、取り合えず・・・ディア〜出ておいで〜」

 

そう言ってしばらくすると俺の前にふくれっ面のディアが姿現す。見ただけでもかなりスネている&不機嫌な事が分かった。

 

『・・・・・何?(怒)』

 

・・・・・怖い!!なんちゅうか・・・・さすがラピス&ルリちゃんに創られただけはあるなっ。

 

「あ、あのな・・・ブロスに聞いたんだが・・・あの場合仕方がないと言うか何て言うか・・・・・」

『・・・・・ふんっ!そんな事言って、どうせ自分の方が人気が高いからだとか思ってるんでしょ!!』

 

・・・・・図星!!さすがナデシコの少女クルーだっ!!

「いっ・・・いや、その・・・・ディアはホントにみんながディアの事をどーでもいいとかって思っていたと思うのか?」

『そうだよディア。それにあの場合は本当に仕方ないと思うよ?』

『・・・・分かってる!全部分かってる!!どうせプログラムの私よりアキト兄の方が大事ってのも・・・・。・・・でも・・・・』

 

―――・・・何か・・・寂しいよ・・・―――うな垂れ、涙声でそう呟くディア。

 

俺はその時・・・始めて気付いた・・・・。

・・・ディアが・・・高性能すぎる故に・・・・いや、人に近すぎる故に、自分がプログラムである事にずっとコンプレックスを持っていた事に・・・。

俺はディアに手を伸ばそうとし―――そして、ディアという存在がどういう物かを改めて認識した。

ルリちゃんとラピス(ハーリー君も)――――オペレーター以外の人間の温もりを直接感じれない事は勿論、触れて貰う事すら叶わぬ存在。

それでも誰かを思う気持ちは人と同じか、それ以上に強い。

・・・そんなディアが二度と会えなくなるかもしれない大事な人に声もかけて貰えない。それはもの凄く悲しい事だろう。

・・・・でも、俺は思う・・・・

 

「・・・・・ディア。君を創ったラピスやルリちゃんはディアの事を本当に好きだと思うよ。

ただあの時、みんなは俺に前科があるから心配になっただけだよ。きっとみんなは、ディアは言わなくてもちゃんと帰って来てくれる、

自分の子供が遊びに出かけても夜には必ず家に帰って来るように。・・・・きっと・・・心の中でそう思って筈だよ」

 

ディアの目を真っすぐ見て語る。・・・・ぶっちゃけて・・・・俺には似合わんがなっ!。

 

『そうだよ、ディア。ラピ姉とかって奥手・・・・・・じゃないけどアキト兄以外にそう言う事言うのを照れくさがる人達なのディアもよく知ってるでしょ?』

 

ブロス、ナイスフォロー!!

 

『そ、そうだよね・・・・。うん!そうだよ!・・・えへへ〜すっかり忘れてたよ〜。・・・・ごめんねアキト兄、ひどい事言って・・・』

 

涙を拭き、笑顔を浮かべながら頭を下げるディア。

 

「いいよ、謝らなくて。もう慣れっこさ、ははははっ」

 

何となく気恥ずかしいのと、実際そう思っていた後ろめたさを笑って誤魔化す。

まっ、これにて一件落着なのだっ!!・・・・・と、俺の運命がそうすんなりと行く訳ないのだ・・・・残念ながらなっ。・・・はぁ・・・・・。

 

『そうそう、謝らなくてもいいよ。じっさいディアの言った事って当たりだもん。ねえアキト兄?』

 

「そうなんだよ〜、もう焦ったの何のって・・・・・ってハッ?!」

 

慌てて口を塞ぐがもう遅い。ゆっくり正面を向くとそこには・・・・・・

 

『ふ〜ん・・・アキト兄。シェイクしたげるっ♪』

 

・・・・・彼女達が・・・・お仕置きの時に浮かべる・・・・あの笑顔が・・・・

 

『レッツビギ―ン♪』

「ちょっと待ってっ!!せめてシートベルトをっ・・・・ノオオオオオオオオッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

プロローグとか書いときながら・・・・続くかどうかは謎です

 

 

 

後書き

どうも、琴音祐希です。

最近、『〜黒き牙を継ぎし者〜』が行き詰まっており(でも九月中には書くのです)、こんな物を書いてみました。

いや〜シリアスは僕にはこれが限界かな〜っと思う作品になりました。・・・・しかもショボッ!!

いや〜そう考えるとギャグ、シリアス、ダークをこなすBenさんは・・・・・すげーなオイ(^^;)

さて・・・これが続くとしたらアキト&ブローディアが別世界(別のアニメともいうが・・・)に行って頑張るというお話になるつもりです。

ちなみに題名が(仮)になっている理由なのですが直感的に浮かんだ題名なのでどこかのssと被っている可能性があるからです。そんだけです。

・・・・サブタイトル・・・・どこまで歌関連でいけるかな?・・・・それではっ。

・・・・しかし・・・・短いな、このプロローグ・・・・

 

 

続くとしたらこんなキャラのいる世界に飛びます↓(うっすいな〜)

 

 

 

 

代理人の感想

 

シリアスと言いつつしっかりオチとるな(笑)。

まあ、プロローグだけでない事を期待しましょう。

しかし、この絵のキャラって・・・・(笑)。