<注意>


<機動兵器接近>



「所属不明の機動兵器接近!映像・・・出します!」


出航間近のナデシコに機動兵器が接近してきた。ハーリーが接近する機体をモニターに映し出す。










機動戦艦ナデシコ





A Story after the Movie...





“E”s from Venus






第5話 元訓練戦艦ナデシコ艦長とうじょう!











「これはエステバリス?いやアルストロメリア?」


「ネルガルの新兵器ですか・・・。これはパイロットに通信を入れないと」


アルストロメリアはネルガル重工の開発した新兵器で、短距離ボソンジャンプが可能なエステバリスの発展型である。まだ軍には配備されていない機体のはずであるが・・・。


「こちらは連合宇宙軍所属の戦艦ナデシコC。アルストロメリアのパイロット、応答願います」


ルリがアルストロメリアに通信を入れると、すぐに応答があった。


<・・・・・・>


映像が映るとパイロットは黒の短い髪の女性だった。瞳の色は茶色がかっている。年の頃は20歳くらいだろうか?しかし、音声スイッチが入ってないらしく、口がパクパクと動くのみである。


「あの〜、アユムさん?音声が入っていませんよ?」


それを聞いて、ようやくスイッチに気付いたようである。


<あ〜、ごめんごめん。この機体って初めてのったもんやから、ちょっと緊張してんねん。基本はエステとかわらんねんけどなぁ・・・>


その女性パイロットからは関西弁が口から飛び出した。関西地方の方言をゴッチャにしたあやしげな関西弁ではあるが、イントネーションは間違っていない。


「ひゅ〜♪大尉は相変わらず可愛いねぇ。今度デートしない?」


サブロウタさん!!任務中です!!いきなりナンパをしないで下さい!!」


サブロウタはいつも通りにナンパな口調でデートに誘う。これは彼の挨拶のようなものだが、ハーリーは今でも慣れなていないようだ。


<あはは♪やっぱナデシコはかわらんなぁ>


大きく笑みを浮かべながら、パイロットはそう喋る。
このナデシコの雰囲気はユリカを筆頭になって作り出された雰囲気だ。やはりナデシコという艦ははこうでなくては。
ブリッジを見回したそのパイロットは目を大きくしてこちらを見つめた。


<あれ?みんなおるんですか?!?>


そうやってブリッジにいるユリカやミナト、ユキナといったナデシコ訓練艦時のクルーを見つけだす。


<ああ〜、久々やわぁ。やっぱナデシコはええなぁ。本気で転属考えよかなぁ・・・


その女性パイロットはしきりに感激している。


「それはそうと。御用は何ですか?」


一連の経緯を見ていたルリが当然の質問をする。


「そうですよ。軍にも配備されていないネルガルの最新機にのって来るということは何かあるんですよね?」


鋭い視線とともにハーリーが言い放つ。
ただ、そう思っているのはハーリーだけで、実際は鋭い視線でも何でもない。
しかし、ネルガル重工最新且ついまだに軍に未配備のアルストロメリアである。裏に何か抱えていると考えるのは当然であった。


<あれ?連絡行ってないんですか?>


「ええ、来ていませんけど・・・?何の連絡です?」


<まあ、詳しくはそっちで話させてもらえません?着艦許可をもらいたいんやけども>


ナデシコ内で報告をするといった彼女は、着艦許可を願った。
ルリはそれを認めて着艦を許可する。


「わかりました。格納庫に入って下さい。ハーリー君、ナビゲートお願い」


「了解。じゃあこちらの指示に従って着艦して下さい」


<了解しました。ではまた後ほど〜>


そういって通信が切られた。






















「失礼します!シモザワ・アユム連合宇宙軍大尉。本日から特務によりナデシコに同行することになりました!
以後よろしゅうお願いします!!」


威勢のいい声とともにアユムがブリッジに入ってきた。


「アユムさん、特務というのは?」


ルリが当然の疑問を口に出す。まあ大体は予想がついているような様子だが。


「ええ、ミスマル総司令からの命令ですわ。現在からナデシコCに乗艦し、ナデシコDの捜索・保護任務につきます。
ルリル、いやホシノ少佐、よろしいですよね?」


アユムはルリに向き直って、同意を求める。


「ちょっと待ってくださいね。ハーリー君、ミスマル総司令に確認をとって」


「了解」


ハーリーが連合軍本部に回線をつなぐ。


<うむ、ルリ君?何かね?>


コウイチロウの顔がウインドウに映し出される。


「はい。アユムさんがパイロットとして見えられたんですが、ナデシコには連絡が入っていないので確認をお願いしようと思いまして」


簡潔に用件を伝えるルリ。
コウイチロウは怪訝そうな顔をしてそれに答える。


<うん?おかしいね。アユム君たっての願いであるから、ユリカには伝えてあるんだが?>


「ということは・・・?」


ブリッジクルーがユリカに顔を向ける。


「あ、そういえばそんなことも聞いたような気が・・・。
うんうん、確かに聞いたかな。新しいパイロットが新機体と一緒に来るって。それがアユムちゃんだったなんてね」


「ユリカさん、困ります。そういうことは早くに言って頂かないと」


ルリは、ちょっと不満げな様子でそう言う。しかしユリカのことだから仕方がない、というようなことを思っているのだろうが。


「あはは、ごめんなさい。でも、せっかく久しぶりにアユムちゃんが来たんだからいいじゃない」


そういって、ユリカは追求から逃れた。相変わらず責任逃れは上手い・・・。


<まあそういうわけだよ。だからといってはなんだが、頼んだよ>


会話を聞き終わってから、コウイチロウからの通信は切れる。
総司令からの命令であるし、何より信頼できる人が加わったので、ルリが断るわけもなかった。


「わかりました。乗艦、同行を許可します。すぐに部屋を用意しますから」


ルリは乗艦許可を出す。心なしか、微笑んでいるようである。


「ええ、別にどこでもかまやしませんって。それに・・・」


「それに?」


「今度はみなさんと最初っから搭乗することができて、うれしいってもんですわ♪」


「ちょ、ちょっと大尉!何するんですか?」


アユムは嬉しそうにハーリーをペチペチと叩く。それは彼女のスキンシップの方法で、癖だ。ハーリーだからイヂメている、という説もあるが・・・。


「で、アユムさん?あのアルストロメリアは何ですか?」


ルリはハーリーで遊んでいたアユムに質問を投げかけた。


「ああ、アレね。休暇前にアカツキさんに頼んどいたウチの専用機や。まナデシコへの持参金、嫁入り道具ってとこ。あはは」


ハーリーを今度はバシバシと叩く。


「イタイ、イタイですって、大尉ッ!」


ハーリーは痛がったが、しばらくアユムはハーリーを叩き続けた。


「楽しそうですね、アユムさん・・・」


その様子を眺めていた、ルリ、ユリカが顔を見合わせて笑いあう。
艦長席の周りでは談笑が繰り広げられる一方で、ハーリーいじりにはサブロウタも加わって、いっそうハーリーの不幸度は増していた。


「アユムちゃ〜ん、ハーリーなんかと遊んでないでオレとデートしない?」


「サ、サブロウタさん!何を言ってるんですか!そ、そんなことよりボクを助けてくださいって!」


ハーリーが悲鳴を上げるが、アユムとサブロウタはハーリーいじりを続ける。


「え〜、サブロウタさんとなんてイヤやわぁ。ウチはハーリー君とデートしたいなぁ〜♪今度どない〜?」


その言葉にハーリーは顔を真っ赤にした。


「ボ、ボ、ボ、ボ、ボクは・・・艦長一筋・・・です。ですから丁重にお断りを・・・」


「うわぁ、ハーリーなんかよりも魅力ねえのかオレ・・・ショック〜」


ハーリーの言葉は「艦長一筋」というところがボソボソと喋っただけだったが近くにいたアユムとサブロウタにはきっちりと聞こえていた。


「いけずやなぁ・・・。ええやん少しくらいは♪」


アユムはハーリーを突っつく。ますます赤くなって、焦りだしたハーリーであった。

そんなハーリーの様子を見てアユムはプッと吹きだした。


「あははは。じょーだんじょーだん♪ハーリー君とデートするにはもう後5年は待たへんとなぁ。じゃ、ウチは他の人たちに顔見せに行って来るわ〜」


ハーリーで遊ぶのを切り上げて、手をヒラヒラとさせながらブリッジを出ていくアユムであった。





「ナデシコがまた騒がしくなりそうですね」


「そうですね、艦長。おい、ハーリーもいい加減に復活しろよ?」


そういったサブロウタの視線の先には、トリップ状態になったハーリーが佇んでいた。











〜あとがき座談会〜

こーそんおう「さて、今回から座談会形式になりました。最初のゲストは、烏滸がましくも新オリキャラのシモザワ・アユム大尉です」

アユム「ども〜、シモザワ・アユムです〜。今後是非ともよろしく〜!」

こ「一応設定上はDC版の主人公。元ナデシコの艦長やね、一応は。しかし、また中途半端っぽい関西弁やねぇ」

ア「何いうてんねん。語尾に『がや』ってつくような半端でエセな関西弁喋るあんさんに言われとうないわ」

こ「そんなひどいこといわんでも・・・」

ア「事実や。ウチのシャベリが中途半端なんも、全〜部あんさんのせいなんやからな?」

こ「そ、そんなこというてもさぁ・・・」

ア「はぁ・・・、全く何でこないな作者の下にウチは召喚されたんやろなぁ。泣けてくるわ・・・」

こ「いや〜。そんなに誉められても・・・」ズガッ

ア「誰が誉めとんねん!100人に聞いたら99人はけなしとるって言うわ!」

こ「・・・なら、後の1人は・・・?」

ア「・・・・・・アンタしかおらんわ」

こ「いや〜、だからそんなに誉め・・」グジャッ

ア「逝ねや!このドアホがッ!!!
ふう、さてアホがおらんなったところでウチの紹介せんとな。
作中にあるようにウチは連合宇宙軍の大尉。歳は21。身長159cm、体重・スリーサイズは秘密や♪」

ピッ(作者のコミュニケ作動音)

<別に隠すことでもないやろ?・・・身長159cm 体重49kg B:80 W:57 H:81>

ア「タイマー設定とは、なかなかやるやないけ・・・」



ぐじょっ バキッ ぶりゅりゅっ



ア「で、紹介の続きな。
アホな作者が言うてるように、ナデシコ訓練艦長やってたときに南雲の反乱が起こったわけ。
ま、ウチの華麗な活躍もあって無事に鎮圧。
でも記録は消されてほとんど残ってへんから、そこが残念やわ。
これでも、エステの操縦は地球圏のエースの1人、って目されるくらいや。
ま、こんなとこかな?



ん?
元作者やった肉か、もとい生ゴミが、そこに腐乱しとるからウチが言わなな♪
感想、誤字・脱字・誤植、批判等意見なんかはお気軽に出して下さいな〜♪」

 

 

代理人の感想

 

Benさんもそうですが・・・・・関西の人ってみんな地雷踏みんですか(爆)?

 

 

それはそれとして、今更ながらの疑問ですが「Venus」から来る者って一体なんなんでしょう?

もしやそれが火星の後継者の黒幕?