機動戦艦ナデシコ

 

アキトの野望

 

第四話 早漏すぎて「さよなら」!

 

 

 

「アキトォーッ!!!

 俺の、俺のチンコしゃぶってくれぇぇぇぇっ!!!」

 

チューリップとの戦いを終えて、ナデシコに帰艦したアキトを出迎えた第一声がこれである。

「どわぁっ!?」ズルッ

思わずエステのコックピットから落ちそうになったアキトが、恐る恐る発声源の方に振り向く。

 

「俺に、俺に思い出をくれぇーッ!!」

 

そこにはチャック全開で股間のイチモツをブンブンと振回しながら、ジョーが死んだ場面を鑑賞した時のような

熱い涙を流しながら、こちらに向かって全力疾走してくるガイの姿があった。

ゾクゾクッ!!(恐)

さすがのアキトも恐怖のあまり、全身を冷たいものが走り抜ける。

 

「俺と一緒にファイナル・フュージョン

 承認だー・・・・・ってぐはぁっ!!」

 

アキトが投げつけた人間ミサイル(注:整備員です)の直撃をくらって、ガイは壁際に吹き飛ばされた。

「勝手に承認するな・・・・・・・!(怒)

そもそも暑苦しいおっさんの【承認】など、秋●さんの【了承】に比べたらゴミのようなもんだぜ!」

なにやら意味不明の発言をしながら、アキトは撃墜したガイを見下ろす。

「お、俺と合体・・・・・・!」

人間ミサイル(整備員)の下から平気な顔で這い出して来るガイ。

破壊力を増すため、できるだけ大型のミサイル(大柄な整備員)を選んだのにタフな奴だ。

アキトは感心したが、それを片手で投げつけたアキトの膂力こそ脅威であろう。

「くそっ、100キロ級ミサイルじゃだめか。じゃあ次は120キロ級ぐらいで・・・・・・」

きょろきょろと格納庫を物色するアキト。

その様子に身の危険を感じた整備員達が、蜘蛛の子を散らす様に逃げて行く。

「ちっ、感のいい奴等め。直接殴るのが一番早いんだが、できればあんなのに触りたくないからな・・・・・」

只それだけの理由で整備員を犠牲にするアキト。

彼の機体に爆弾が仕掛けられる日も、そう遠くあるまい。

そこへちょうどノコノコと、何も知らない犠牲者(候補)がやって来た。

「おい天河、ちょっと話が・・・・・・」

「超大型ミサイル発見ーーーっ!!」

ゴート・ホーリー

享年●○才

ナデシコ格納庫にて名誉(?)の戦死。

同僚Aからの弔電「やっぱり200キロ級は破壊力が違いますね♪」

脇役に相応しい、おもしろ可笑しい最後であった。(殺すなよ(笑))

ありがとう、ゴート・ホーリー

さようなら、ゴート・ホーリー

僕達は、君の笑顔を忘れない・・・・・・・・!(涙)

 

 

殉職したゴート(まだ死んでないって(笑))を医務室に運ぶと、アキトは気絶したガイをロープで縛り上げる。

「AT(アキト・天河)フィールドの影響か・・・・・・」

遅まきながらガイがおかしくなった(元からおかしいという意見もあるが)原因に、アキトは気が付いた。

「男にも有効だとは思わなかったな・・・・・・」

それ以前に、そもそもガイの存在などすっかり忘れていたアキトである。

今のアキトに、かつての友情パワーは微塵も残っていなかった。

「ATフィールドのかけ直しをすればいいんだけど、それだとせっかくオトしたルリちゃんにも影響が出るからな」

なんといってもATフィールドの有効範囲は広い。

少なくともナデシコ艦内に居る限りは、個々人に別々の処置を施すのは不可能だ。

そこへようやく、逃げ出した整備員達から事情を聞いたブリッジクルーの面々がやって来た。

「アキトーッ!ヤマダさんに襲われたって本当!?」

「アキトさん!ヤマダさんとホモダチだったって本当ですか!?」

「アキト君!両刀だったって本当!?」

「って、なんじゃそりゃー!?」(怒)

ユリカ、メグミ、ミナトの問い詰めに憤慨するアキト。

ルリはブリッジで留守番のようで、一人だけ来ていない。

「さすが私の見込んだ王子様!両刀とはまいりましたな、はっはっはっ!」

「むう・・・わしの若い頃を思い出すな・・・・・・(遠い目)」

「こら、そこの髭メガネとじじい!既に確定したような言い方をするな!!

 え〜〜い!こいつのせいで、こいつのせいで!」

感心しているプロスとフクベにつっこみつつ、アキトはガイの頭をゲシゲシと踏みつける。

「やるじゃねーか天河!見直したぜ!」

「違うっつってんだろうが、ナシバタケ!」

「誰が、ナシバタケだ!俺はウリバタケだ!」

「え〜い、そんなもんどっちでもいいわ!」

「いいことあるかーー!!」

不毛な言い争いを続けていると、操縦をオートに切り替えたルリもやって来た。

「ル、ルリちゃん!君だけは信じてくれるよね!」

だがアキトの言葉にルリはブルブルと首を振る。

「そんな・・・・そんな・・・・工藤君が好きなのはスエタケ君だけだと思ってたのに・・・・・!

 先生、悲しいわ〜〜〜!」

「ちょ、ちょっとみか先生ーー!!

 そんなマイナー過ぎて、絶対誰にも分からないようなネタ使うのやめましょうよー!」

悲しみのあまり意味不明のセリフを口走るルリと、動揺するあまり同じく意味不明なツッコミをかますアキト。

ちなみにこのネタわかった人、あなたはかなり(人生)ヤバイ所まで来てしまってます。

手遅れになる前に引き返しましょうね。(笑)

「皆さん落ちついて下さい!アキトさんは両刀なんかじゃありません!」

しばらくして正気に戻ったルリがアキトのフォローにまわる。

「ル、ルリちゃん・・・やっぱり君だけは分かってくれるんだね・・・・・・!」(感涙)

「アキトさんはわたしの身体に欲情する、真っ当な嗜好の持ち主です。(←おいおい(汗))

 あんな汚らしい物体に興味を持つ筈がありません!」

なにげにヒドイ発言をするルリ。

いつの間にか復活していたガイが、悲しげに床にのの字を書いている・・・・・・・

「いーんだ、いーんだ・・・・どーせ俺なんか・・・・」

・・・・・・・・両手を縛られているため、股間のイチモツを使って(核爆)

「・・・・・・・ってキャー!バカ!えっち!変態!」

思わず直視してしまったユリカが『ソレ』をゲシゲシと踏みつける。

「●○★☆#£%¢!?」

声にならない絶叫を上げて、ガイが口から泡を吹いている。

ちなみに他の女性陣の反応は様々で、手で顔を隠しながら指の隙間からしっかり覗きこんでいるメグミ。

「わお♪」

平気な顔で感心したような声を上げたミナト。

「・・・・・・・ふっ」

昨夜のアキトのモノと比べて、鼻で笑ったルリ。

こうしてみるとメグミが一番真っ当な反応である。

(だから人気無かったのかな(爆))

あ、ちなみに作者はメグミ好きですよ。

某組織の人達、その辺誤解しないように。(笑)

「それにしてもこんな変態さんをスカウトするなんて、プロスさんいったいどういうことですか!?」

悶絶しているガイを無視して、ユリカが聞いてくる。

「はあ・・・・・おかしいですなぁ。

確かにマトモな人ではありませんでしたが、ここまで異常ではなかったんですが、はい」

「ねえプロスさん、こんな変態は早く追い出しましょうよ」

「メグちゃんの言う通りね。即刻クビにするべきよ!」

「はあ、しかしミナトさん、彼はパイロットとしては優秀でして、契約もありますし、はい」

「とにかく艦長命令です!早くあの変態さんを・・・・・」

 

「アキトォォォォ!!

 お前の象さんと、俺の象さんが

 こんにちはぁぁっ!!」

 

突然復活したガイがユリカの発言を遮り、縛られた状態で絶叫をあげる。

「お前な・・・なんでそうすぐ行動に移すかな・・・・?」

さすがのアキトもあきれ果てて、もはや攻撃する気力もない。

いくらATフィールドを受けたといっても、これは異常だ。

やはり元々の人格に、かなりの問題があると見るべきだろう。

「ふっ、それはな・・・・・・・・俺の右脇腹の浪漫がそうさせるのさっ!!」

「「「「「「「・・・・・・は?」」」」」」」

「かつて我が師匠、東堂源三郎校長は言っていた・・・・・・」

 

 

────────────ガイ回想──────────────

 

「よいかガイよ!

男には胸にがあるように、右脇腹に浪漫が存在する!」

「ろ、浪漫・・・・!?」

「胸のが熱血によって動くように、右脇腹の浪漫は心のトキメキによって回転!

 その回転力に応じて、すさまじいエネルギーを発生させる!」

「そ、そんなエネルギーがあったとは・・・・・・・!」

「浪漫エネルギーにつき動かされ、男はコスミケで何時間もならんでエロ本を買い!

 トレカに何十万もの金をつぎ込み!

 カラオケでアニソンを徹夜で歌いまくる!」

「お、おお・・・・・!」

「右脇腹に浪漫を持つ男、人は彼等を真の浪漫チストと呼ぶ!!」

「こ、校長ォーーッ!!」(感涙)

 

────────────回想終了──────────────

 

 

「・・・・・・・というわけだ。どうだ、わかったか?」

「「「「「「「わかるかーーっ!!」」」」」」」(怒)

「浪漫が回ればチンコも回る。いや、回さずにはいられねえんだ・・・・・」(感涙)

言いながら股間の暴れん棒を振回すガイ。(いい加減、しまえよ(笑))

ちなみにこのネタまでわかってしまった、ダメ人間確定なあなた。

手遅れです、既に引き返せない所まで来ています。(自爆してるぞ、おい(笑))

もはや真っ当な人生はあきらめて、我が道を突き進みましょう。

そんなあなたに送る言葉・・・・・

「道なんてモノは、俺の通った跡に出来るものだ!」(byサンソン)

あなたの人生に幸あれ!(他人事のように言うなよ(笑))

 

 

「こ、この男は・・・・・・・!」

いっそ、ムネ茸に射殺させようかと思ったが、そこでアキトはある計画を思いついた。

「ふっ・・・・・・・・・ま、とりあえず、こいつはこのまま縛り上げておいてと・・・・・ユリカ」

ガイを黙らせるために猿轡(さるぐつわ)を噛ませながら、ユリカに話し掛けるアキト。

「え?なになにアキト?」

「その振袖・・・・よく似合ってるよ」

そうなのだ。正月・・・なのかどうかは知らないが、今日のユリカは艶やかな振袖姿なのである。

「え!?アキト、気が付いてくれたんだ・・・・・ユリカ感激ぃ!!」

「おいおい、大袈裟だな(キラッ)」

抱き着いてきたユリカをやさしく受け止めてやりながら、アキトは歯を白く輝かせる。

当然他の女性陣が黙っている筈もなく、アキトの周囲で殺気が膨れ上がる。

それを爆発させないために、アキトは本命の用件をきりだす。

「ところでユリカ・・・・連合宇宙軍にビッグ・バリアを開放してもらうように、交渉するんじゃなかったのか?」

「あ、そういえば忘れてた、てへっ♪」

 

 

地球連合統合作戦本部・総司令部内大会議場

現在ここでは地球連合軍総司令官による、ナデシコ弾劾の演説が行われていた。

(注:青字のセリフは英語です)

「ナデシコ許すまじ!

国家対国家の紛争が終わった今、地球人類は一致団結して木星蜥蜴と戦うときだ!

だがナデシコは、火星に向かうという!

こんな勝手を許していては、地球はどうなる!」

「総司令!緊急通信が」

「ホワット?」

「その・・・・・ナデシコからです」

「明けましておめでとうございまーす♪」

スクリーンに現れたユリカの艶姿に、会場は騒然となる。

「フジヤマ!」

「ゲイシャ!」

「ショーグン!」

「・・・・・と言ったら、暴れん棒将軍だー!」

ガイの叫びと共に、スクリーン一杯に広がった『暴れん棒』のアップ。

プツッ!

つぎの瞬間、画面が真っ白になり、「しばらくお待ち下さい」のテロップが入る。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・いや、わが子ながらとんでもない暴れん棒ですな。

 ・・・・包茎姿に皮が余り過ぎる。

 ・・・ふふっ、ふふふっ、ふふふふっ!」(ショックで混乱してます)

水を打ったように静まり返った会場に、ユリカパパの笑い声だけがいつまでもいつまでも響き渡った・・・・・・・・

ちなみにもちろんこの会場に、二度と再びナデシコからの通信が入ることは無かった。

 

 

「こ、この露出狂の変態が・・・・・・・・!」(怒)

猿轡(さるぐつわ)を噛み千切って通信に乱入して、全員にフクロ叩きにされたガイを足蹴にしながら、アキトは

吐き捨てた。

それにしても今回ガイの大活躍(?)のおかげで、なんだかアキトが常識人に見えるのは作者だけだろうか?

今回完全にガイに(いろんな意味で)くわれてしまいそうなアキト。

このままでは、主役の座も危ういかもしれない。

アキトも危機感を持ったのか、ガイを蹴る足にも力が入る。

恐らく、今のうちに抹殺してしまおうという腹だろう。(いや、マジで(笑))

「まあまあ、王子様それぐらいにしておきましょう。

 ヤマダさんの邪魔が無くても、どのみち交渉が通じる相手ではありませんでしたし、はい」

プロスがコトをまるく収めようと(手遅れだけど)、アキトの肩を叩く。

「・・・・・それもそうですね、僕としたことがつい我を忘れてしまいましたよ」

トドメを刺す前に邪魔されて内心舌打ちしながら、反省したような表情をするアキト。

あと三秒止めるのが遅ければ、確実に殺っていただろう。

奴は既に鬼畜王に並んだかもしれない。

「・・・で、これからどうするんだプロスさん?」

「現在地球は、七段階の防衛ラインで守られています。

 我々はそれを逆に、一つづつ突破していかなければなりません。

 スクラムジェット戦闘機の航続高度は既に突破、空中艦隊はバッタと交戦中。

 事実上、この二つは無力化していますから、現在は地上からのミサイル攻撃、すなわち第四防衛ラインを

 突破している最中です。」

 

ドガアアアァァァンッ!! 

 

その時ディストーション・フィールドに接触したミサイルの振動が響き渡る。

「きゃっ!アキト〜、ユリカ怖〜い!」

「あん!アキトさん、ルリのことしっかりつかまえててくださいね」

「あ、ずる〜い二人共。じゃ・・・・アキトさ〜ん、私も!」

「艦長にルリちゃん、メグちゃん、抜け駆けはダメよ!」

どさくさまぎれに女性陣がアキトに抱きついてくる。

無論このチャンスを逃すはずも無いアキトは、自分の廻りを囲んでいる女性陣の身体に手を這わせていく。

ユリカ「あん!ア、アキトだめだよ・・・・こんな、こんな所で・・・・・・・・」

ルリ「アキトさん、ルリ・・ルリ・・変になっちゃいます・・・」

メグミ「あっ!そ、そんなアキトさん・・・いきなり・・・・そんなとこまで・・・」

ミナト「ア、アキト君・・・す、凄い・・・・こんなの・・・・初めて・・・・」

一度に四人の女性を手玉に取る、アキトの手練の技が彼女達の全身を襲う。

その速さたるや、まるでアキトの腕が何十本にも増殖したかのような錯覚を覚える程だ。

これこそがラピス達と日常的に4Pをこなしてきた(爆)アキトの編み出した神技・・・・

 

千手官能だ!!

 

文字通り無数の腕によって与えられる官能の渦が、瞬く間に彼女達の全身を駆け巡る。

全身を這い回るアキトの腕が、服の上から下から絶妙なタッチで性感を刺激する。

「ア、アキト〜、ユリカ、ユリカ・・・・変に、変になっちゃうよお」

「アキトさん・・・・ルリ・・・・ルリ、イっちゃう、イっちゃいます!」

「あふうっ!アキトさんアキトさん!ああ、あたし、あたしぃ!」

「アキト君・・・お願い・・・・これ以上じらさないで・・・・!」

「地球引力圏脱出速度は秒速11.2キロメートル。

 そのためには、ナデシコのメイン動力である相転移エンジンを、臨界までもっていかないとそれだけの

 脱出速度は得られないわけです、はい。

 ですが相転移エンジンは、真空をより低位の真空と入れ替えることによってエネルギーを得る機関ですから

 して、より真空に近い高度でなければ臨界点は来ないわけで・・・・・

 ・・・・・・って、誰も聞いてませんね。

 そもそもこの説明は、本来ルリさんの役目だったんですけど・・・・・

 いいんです、いいんです、どうせ私は中間管理職ですからね、はい」

アキト達の乱交を尻目に、プロスは一人イジイジと床にのの字を書いていた。

「むう、ワシの若い頃を思い出すな・・・・・・」

何故か前かがみになりながら、遠い目をするフクベ。(まだ現役なのね(笑))

しかし、このじじいの若い頃っていったい・・・・・・・・・・(汗)

ちなみにこの場に居合わせれば涎を垂らして喜んだであろうウリバタケは、残念ながら現在別の場所に居た・・・

 

 

「いったい、いつまで我々を軟禁するつもりだ!」(怒)

「この扱いは、明らかに国際法に反してるぞ!」(怒)

喚きたてる反乱分子達。

確かに彼等の言うコトは正しい。

なにしろ彼等は、素っ裸にされた上に全身を亀甲縛りにされて、天井から逆さ吊にされていたから(笑)

「がたがた言ってると、脳みそだけ残して、体改造しちまうぞ。

 おとなしくしててよね、まったく」

ウリバタケが、天井からぶら下がる気色悪い物体から、視線を逸らしながら警告する。

そして一度もそちらに目を向けることなく出て行ってしまうと、ムネタケが部下に何かを確認する。

「どう?」

「絶対無理です〜〜・・・・・・・・(泣)

 この縛り方は、明らかに玄人ですよ」(←何の!?(笑))

「あたしはこのままナデシコと一緒に、宇宙まで付き合う気分じゃないわ。

 戦闘が始まったら、脱出よ」

部下のセリフの内容を全く無視して、ブツブツと独り言を呟くムネタケ。

「だから絶対に無理です〜〜・・・・・・(泣)」

「そう、でもあたしはナデシコと一緒に、宇宙まで付き合う気分じゃないわ。

 戦闘が始まったら、脱出よ」

「だから絶対に無理です〜〜・・・・・・(泣)」

「そう、でもあたしはナデシコと一緒に、宇宙まで付き合う気分じゃないわ。

 戦闘が始まったら、脱出よ」

ルルルーと涙を流しながら、部下達とムネタケとの会話はエンドレスでいつまでも続いていった・・・・・・

 

 

第三次防衛ライン

「止めたまえアオイ君。君は士官候補生なんだぞ」

「ナデシコを止めるのは、僕の使命です!」

ユリカパパが、ナノマシン処理を施そうとしているジュンを必死で止めている。

「だが、ナノマシン処理は・・・」

「そうですよ、あなたがこれをやる必要は・・・」

ユリカパパに続き、軍医もジュンを止めようとする。

「なんてことありませんよ。パイロットなら誰でもやっていることです

 これなしでは、IFSを使えませんから」

「私はもうユリカのことはスッパリあきらめた。

 だから、なあ!」

「貸せ!」

「ああ!」

業を煮やしたジュンが、軍医から注射(のような物)を奪い取り、自らの首に当てる。

プシュッ!

「ああ・・・・」

その瞬間、ジュンの頭の中を今までの人生が走馬灯のように走り抜けた。

朝寝坊なユリカを毎日起してあげたこと・・・・

料理が全くできないユリカに、毎日弁当を作ってあげたこと・・・・

学校の行き帰りには、当然のように鞄を持ってあげて・・・・

ユリカが物を壊した時は、罪を被って代わりに怒られて・・・・

頭は良いけど、面倒臭がりなユリカの分も宿題をやってあげて・・・・

ユリカが野良犬に追いかけられた時は、代わりに襲われて・・・・

・・・・・・・・・・ジュン、本当に後悔しないのか?(汗)

作者は他人事ながら心配になった。

なにしろこれから、もっとヒドイ目に遭うんだから・・・・・(ホロリ涙)

 

 

「ぐずぐずするんじゃない!急げ!」

格納庫では、急ピッチで発進準備が進められる。

「少尉、このデルフィニウムは基本的には、思った通りに動きます。

 増槽を付けときましたんで、一時間は確実に飛べます。

 ベクトル失敗しなければ落下することはまずないんで、なんとかココまで戻ってきてくださいよ」

「いろいろありがとう」

説明してくれた整備員(?)に礼を言うジュン。

しかし、今初めて乗った戦闘機でいきなり実戦・・・・・チャレンジャーだな、ジュンよ。(汗) 

ポスト碇シンジを狙ったんだろうか?(そういえば似てるな・・・・・・・・・不幸なところが(爆))

「では、ご無事で!」

「さよなら・・・!」

コックピットのハッチが閉じると、ジュンは悲壮な覚悟で言った。

「目標・・・・・機動戦艦ナデシコ!」

 

 

「とりあえずヤマダさんは使い物になりませんし、アキトに迎撃してもらいます」

アキトに振袖の着付け直しをしてもらいながら、ユリカが指示を出す。

こんなこともあろうかと、アキトは振袖の着付け技術も身に付けておいたのだ!(無論、脱がすのも自分だ!)

ちなみに女性陣は何故か全員服装が乱れており、ほのかに染まった肌の色と、上気した吐息がエロティックな

魅力を醸し出していた。

彼女達の足元の床には、透明な謎の液体が広がっており、まるでコップの水でもこぼしたかのようだ。

「さすがは王子様!まさにハーレムですな!」

ひょっとしてインポなのか、プロスは平気な顔でアキト達を観察していた。

「むう、ワシの若い頃を・・・・・・・・・・・うっ!」ドピュッ!

前かがみの姿勢のまま両手で股間を押さえていた元気なじじいは、ピクっと身体を痙攣させると、なにやら

満足げな表情で呻き声を上げた。

 

「俺が出るのはかまわないが・・・・・ユリカ、ガイも出撃させるぞ」

「ええー!?なんで?どーして?」

「味方の数は多ければ多いほどいい・・・・・・戦略の基本だろ

 所詮、戦争は数の勝負だからな」

正論である、が、無論アキトの目的は別にある。

そのことは後に語られることになろう。

「ガイ、行くぞ!」

先ほどのリンチで、いまだ気絶したままのガイの足首を掴むと、アキトはそのままズルズルと引きずって行く。

ガンッ!ゴンッ!ドカッ!

床の段差を通過する度に、なにやら鈍い音が廊下に響き渡るが、まったく無視して格納庫に向かうアキト。

ガイの命運や如何に・・・・・・・・・!

 

 

「お〜、来やがった!来やがった!束になって来やがった〜っ」

どうやら生きてエステに乗り込めたらしいガイが、敵編隊の姿に興奮している。

「もう少し距離がいるかな・・・・・・・・」

アキトはガイの後方で、なんのつもりかナデシコとの距離を冷静に計測していた。

「アキトォォォッ!俺達の愛と友情のパワーで、この戦いはもらったも同然だぜっ!」

グッとアキトに向かって、親指を中指と人差指で挟み込むように握った拳を突き立ててみせるガイ。

良い子は真似しちゃいけないよ!(良い子はこんな小説読まねえよ(笑))

「・・・・いいから、とっとと行け・・・・!」(怒)

こめかみに血管を浮かび上がらせて、アキトはガイのエステにライフルを突き付ける。

「よっしゃー!俺とお前はトキメキラブハートでレッツ萌え萌えだぜぇぇぇぇっ!」

意味不明な叫び声と共に、一気に突入して行くガイのエステ。

「アタック!」

ほとんど同時に、ジュンの合図でデルフィニウムからの攻撃が始まった。

数十のミサイルをぎりぎりまで引き付けて、ガイは急旋回で進路を変える。

それを追う様に敵編隊がガイに迫ると、アキトは距離測定メーターを確認した。

「くっくっくっくっ・・・・・・頃合だな。」(ニヤリ)

モニターの中で、ガイは完全に敵に囲まれてしまっている。

アキトは敵編隊とガイを射程に収めると、彼等への最後通告をおこなう。

「くっくっくっくっ・・・・・ガイ、大変そうじゃないか・・・・・」

「おおっ!アキト、我が心のホモ(誤字に非ず)よ!早く助けてくれぃ!」

「助ける・・・・・・何故・・・・・・?」

「な、なに、アキトお前何言って・・・・・・!」

「天河アキト!僕と勝負しろ!」

突然ジュンが通信に割り込んでくる。

「やあジュン・・・・・焦ることはないさ。(ニヤリ)

 どうせ君達の人生は、ココで終わるんだからね・・・・ふふっ、ふふふっ、ふふふふふっ・・・・・・!」

悪魔も裸足で逃げ出しそうな、邪悪な笑みを浮かべて嘲笑するアキト。

「て、天河・・・・・・君はいったい・・・・・?」(汗)

「ア、アキト・・・・お前、まさか・・・・・・」

うろたえるガイに、アキトが蔑むような視線を向ける。

「ガイ、君はいい友人だったが、君の浪漫がいけないのだよ。」

「図ったな、アキトォ!」

この状況でもけっこうノリのいいガイの反応に満足しつつ、アキトは力を開放する。

「行くがいい!永遠の夢の世界へ!

 

 AT(アキト・天河)フィールド

 発動!!

 

その瞬間、理性では制御できない強烈な眠気が彼等を襲った。

そう、アキトはこの瞬間を待っていたのだ。

ナデシコから十分に離れて、ルリに影響無く『ATフィールドのかけ直し』が出来る、この時を・・・・・・!

「こ、これは・・・・ね、眠い・・・・・天河・・・・いったい・・・・なにを・・・・」

「ア・・・アキト・・・この感覚・・・・以前にも・・・・・」

「くっくっくっくっく、くっくっくっくっく・・・・・・眠れ・・・・・・・眠るがいい、愚民どもよ・・・・・・・!

 なにもかも忘れて、新しい自分へと生まれ変わるのだ!!

 我が『ガイア帝国』の忠実な下僕として、帝国の礎となるがよい!!

 うふっ、ふふっ、ふふふっ、ふふふふふっ、はーはっはっはっうひょひょひょひょひょっー!

え〜と・・・・・・(汗)

もはやコメントするのもはばかられるような奇声を上げて、勝ち誇るアキト。

このまま、ガイは悪の力に屈するのか!?

巨大な悪の前に、正義の力は無力なのか!?

立て!立ち上がるんだ、ガイ!!

地球の未来を、人類の希望を守るために!

進め!ダイゴウジ・ガイ!

負けるな!ダイゴウジ・ガイ!

愛と勇気と熱血を胸に。

戦え!僕等のダイゴウジ・ガイ!(あれ?主人公誰だっけ?(笑))

 

 

「今ごろ地球では、核融合炉の爆発に伴う、大規模なブラック・アウトがおこっているでしょうな。

 ま、自業自得ですが・・・」

無事に地球を脱出したナデシコ艦内では、プロスが状況説明している。

アキトに回収されたジュンも現在ブリッジにおり、ユリカと向かい合っていた。

「ユリカ・・・・ゴメン」

「あやまることなんて、なーんもない。

 ジュン君は友達として、あたしのこと心配してくれたんでしょう。ね?」

「うん、ユリカは僕の親友だからね」(ニコッ)

アキトのATフィールドの効果であろうか、なにかふっきれたような、さわやかな笑顔で微笑むジュン。

しかしいったいアキトは、今回のATフィールドで誰のイメージを送り込んだのだろうか?

ジュンの様子から、ユリカ以外の人間なのは間違いあるまいが・・・・・

「ありがとうアキト。あたしの友達を傷つけないでいてくれて」

「当然だろ、お前の友達だからな」

そっと、ユリカの手を握るアキト。

「アキト・・・・・」

「ユリカ・・・・・」

見つめ合う二人。

もはやユリカなど眼中に無いジュンは、その光景を見てもやさしげに微笑んでいる。

しかしもちろん女性陣はそうはいかない。

「アキトさん、ルリ以外の女性に触れちゃだめです!」

「あ〜っ!ユリカさん、ずる〜い!アキトさん、私も・・・・」

「そーよ艦長!ちゃんと順番を決めましょう」

ルリ、メグミ、ミナトがアキトを取り囲む。

「はいはい、みんなちゃーんと相手をしてあげるからね♪」

アキトが両手の指をワキワキと動かすと、再び神技『千手官能』が炸裂した!

「「「「あ、ああ〜〜〜んっ(はぁと)」」」」

ブリッジに女性達の嬌声が響き渡り、フクベがもはや条件反射のように前かがみになる。

「さすが王子様ですな!」

プロスはあるいはホモなのか、相変わらず平然と観察しており、ジュンは・・・・・

「・・・・・・・・・・はぁ」

まるで恋に悩む乙女のごとく、みんなから離れた所で、一人頬を染めて溜息を吐いていた。

彼の心に棲みついてしまった人物とは、はたして何者であろうか?

ちなみにゴートは、いまだ人間ミサイルの影響で医務室でダウンしていた。

そして残ったガイはというと・・・・・・

 

 

「まったく、なんなんだアキトの野郎。こんな所で待ってろなんて・・・・」

ブツブツと文句を言いながら、ガイはアキトの指示通りに格納庫で待機していた。

無論、彼のATフィールドの上書きは完了済みだ。

今のガイは、新しい恋に生きる男だ。

そう、目を閉じれば愛しい人の姿が浮かんでくる・・・・・・

プシューッ!

「ほら、入れ!」

「ちょ、ちょっとなんなのよ!服ぐらい着せなさいよ!」

入り口が開くと、何者かに裸のまま連行されて来たムネタケが、格納庫に入れられるところだった。

連行してきた男はさっさと出ていってしまい、ムネタケだけが残された。

「ちょっとあんた!開けなさいよ!

 だいたい服も着せないなんて、どういう了見よ!

 ねえ、ちょっと聞いてるの!」

ドンドンとドアを叩きながら喚くムネタケ。

いまの彼は、背後から迫り来る恐怖を知るよしもなかった・・・・・・・・・

 

「キノコォォォォ!!

 お前のキノコと、俺のキノコが

 こんにちはぁぁぁぁ!!」

 

「ひいぃぃぃぃっ!!なによ、あんたぁぁぁぁっ!!」(恐)

 

キノコの絶叫は、いつまでもいつまでも格納庫に響き渡った・・・・・・・・・(合掌)

 

この日ここでなにがあったのかは、オモイカネの記録が抹消されているため定かではない。

確かな事は、これ以来ガイとキノコが二人で仲睦まじくしている場面が、多数目撃されているということだ。

そして、それを遠くからものほしそうな表情で見守るジュンの姿もまた数多く報告されているということだけである。

ガイとジュン。

ムネタケをめぐる、彼等の愛のドラマはまだ始まったばかりである。

そう、この物語は彼等三人の信頼と友情、そして真実の愛を描ききった感動の人間ドラマである!

次回より始まる、彼等の愛の歴史を喝目して見よ!

この冬、感動をあなたに届けます・・・・・・・・

 

・・・・・・・というわけで次回より新連載。

『愛のムネタケ物語』をみんなで見よう!(ホントにやったら怒りますか?(笑))

 

 

 

続く


次回予告

 

無限に広がる大宇宙に、愛機エステバXを駆るムネタケ・サダアキ。

友よ来てくれ、俺とヤルぜ!

新宿の二丁目に船出した男を待ちうけるは、大宇宙のマゾか!?

脚本に、くりいむレモン「亜美・それから・・・」の綺羅 光(違うだろ(笑))を迎え。

ゲテモノ度150%アップ(当社比)でお送りする。

次回 機動戦艦ナデシコ アキトの野望

    桃色宇宙に『ときめき』

をみんなで見よう!

 

 

 

 

 

クリさんからの五回目の投稿で〜す!!

いや〜、クリさん復活おめでとうございます!!

やはり、クリさんの作品は勢いが違いますね〜(笑)

前回のひきからガイの暴走は予想してましたが・・・

予想を超えてました(苦笑)

しかも、鬼畜王に並ぶと称された、あのアキトをすら忘れさせる存在感!!(爆)

そして、最後の獲物はあのキノコ!!(核爆)

・・・まあ、ジュンは妥当だろう(本当か?)

 

では、クリさん投稿、本当に有難うございました!!

 

あ、ちなみにこれはR指定ね(今更何を言うかなこの管理人は)

 

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後、掲示板になら感想を書き易い、と言う方もおられるので。

この掲示板に出来れば感想を書き込んで下さいね!!

 

 

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