いつもは撮る側だから逆になるとなんか緊張するわね

 

_そうでしょうね(笑) とりあえず自己紹介をお願いします

 

マリア・ウェンリーク、
(カメラをいじりながら)これで生計立ててるから一応プロのカメラマンってことになるのかしらね?

 

 

「漆黒の戦神」アナザー
マリア・ウェンリークの場合

 

 

_先日発売された写真集「戦場にて」拝見しました、
いつもは南米をメインのフィールドにしているそうですが、なぜ西欧方面に?

 

まぁ好奇心という奴ね、
軍の上層部が大々的に宣伝してる英雄ていうのがどんな奴だか興味があったのよ。

 

_それでプロのカメラマンの目から見て「彼」はどうでした?

 

そうね、初対面の印象は普通の青年って感じだったわね、
こんな商売してるから人を見る目には自信があったんだけど。
そのときは失敗したかなーと思ってたのよ、
まあでも「彼」の瞳の奥に少し違和感を感じたからそれが気になったんでそのまま同行しようと思ったの。
軍の上層部に掛け合って遊撃部隊に同行する許可を貰っていたしね。

 

_違和感ですか?

 

そう、深い後悔を持つものだけが宿す暗い光が見えたの、
以前「第1次火星会戦の英雄」と呼ばれたフクベ ジン提督にインタビューしたことがあったんだけど
あの人の瞳にも似た光があったわ。

 

ところが戦場でファインダーを通して見ると大違い、
激しいオーラでも放ってるんじゃないかって言うくらい躍動感に満ちた「彼」がそこに居たわ。

 

魅せられたわね、軽やかに機動兵器を駆りトカゲ達を倒すその姿にね、
まるで自分の中の激情を吐き出してるみたいだったわ、
気がつくと手持ちのフィルムを全部使い果たしていたぐらいだもの。

 

_それからはどうなされたんですか?

 

どうもしないわ、「彼」が西欧戦線に出向中は影からずぅーと見つめつづけたわ。
いろんなことがあったの、ひどく陰惨な事件もあったわ、
「彼」のプライバシーにかかわるから詳しくは言えないけどね
でも「彼」はそれをすべて自力で乗り越えたの、あのときの「彼」の慟哭は
関係者の心から一生消えないでしょうね・・・私も含めて。

 

_あなたにとって「彼」とは?

 

そうね・・・私の「一生」をかけて追い続けても惜しくない存在って所かしら?

 

_ご存知でしょうが「彼」は倍率高いですよ

 

ふっ、望むところね。

 

_これからも「彼」を追いつづけると?

 

もちろんよ、今はネルガルにナデシコに乗せてくれるように交渉中だけど、
あの会長秘書とか言う女が手強いのよね、彼女も「彼」に好意を持っている様だし、
秘蔵の隠し撮りでも使ってみようかしら・・・

 

_まぁがんばってください、本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

民明書房刊「漆黒の戦神、その軌跡」4巻より抜粋

 

 

 

 

「あー、ルリちゃんずっこい!! その「うたた寝してるアキト」は私が狙ってたのにー」

 

「私はユリカさんのことホントに心の底から尊敬していますよ、
 ですからその「エプロン姿のアキトさん」との交換でならこの写真お譲りします」

 

「ダメーこれもそれも全部ユリカの物なんだからー」

 

「ではダメです」

 

「うー、ルリちゃんの意地悪」

 

 

「ちょっとラピスちゃんあなたその写真で6枚目でしょう、取り分は一人5枚までよ!!」

 

「でもメグミはそれで8枚目」

 

「うッ、何で知ってるの(この娘、侮れない!!・汗)」

 

 

「フンフンフ〜ン♪」

 

「あらレイナやけにご機嫌ね」

 

「そうなの姉さん、ジャ〜ン、見て見てアキト君と私のツーショット写真。
 覚えてるなー、私がエステの整備してたらアキト君が「遅くまで大変だねレイナちゃん、
 はいこれ簡単なものだけど差し入れだよ」って・・・(ポッ)」

 

「ずっずるいわよ、私だって彼と二人っきりの写真持ってないのに、こんなものこうして、こうやって」

 

「ちょ、ちょっと何するのよ(怒)」

 

 

「なあアリサ、俺とおまえは戦場におけるパートナーだ、
 テンカワ以外で安心して背中預けられる奴ははおまえぐらいのもんだ、いわば一心同体って奴だな。
 つまりお前の物は俺の物、おまえがさっき取った「組み手してるテンカワ」も俺の物って言えるよな?」

 

「もちろんですリョーコ、ですからあなたがゲットした「一人静かに瞑想するアキトさん」の所有権を
 私が主張しても、もちろんかまいませんよね?」

 

「「うふ、うふふふふふふふふ・・・(怒)」」

 

 

「あのー、イネスさん?  その「子供と戯れるアキト」の写真譲ってくれませんか?」

 

「説明しましょ、あなたはこの写真に自分とアキト君を重ね合わせて未来の家庭を思い描こうと
 云々・・・」

 

「説明でごまかそうとしてもだめです!!」

 

 

 

「おやおや何の騒ぎだい? これじゃあ商売になりゃしないよ」

 

昼時を過ぎたナデシコ食堂で繰り広げられる阿鼻叫喚の巷にさすがのホウメイさんも少々呆れ顔

 

「この本に出てくるマリアさんって人が西欧方面軍時代のアキト君の隠し撮り写真を送りつけてきたの、
 でその所有権をめぐってこの騒ぎ」

 

本を片手に疲れたように解説するのはミナトさんだ

 

「へー、あのテンカワに気づかれずにこんなに撮れるんだ、たいした腕前じゃないか」

 

「ちょっとショックですよ、俺もアキトも全然気がつきませんでしたしね、これじゃあ護衛失格だ」

 

「ほらほら、ヤガミ君もそんなに腐らないで」

 

「そう言えばホウメイガールズのみんなはどうしたの?」

 

「あそこだよ、まったくあの娘達にも困ったもんだよ」

 

ホウメイさんが指した厨房ではホウメイガールズ達が写真の鑑賞会を開いていた。

 

「ところで肝心のテンカワはどこいっちまったんだい?」

 

「そういえば・・・ ヤガミ君知ってる?」

 

「お仕置き室に引っ張られていったのは見ましたけどね、その直後のこの騒ぎ、
 多分忘れられてるんじゃ無いんですか?」

 

「やれやれ、あいつも大変だねー」

 

 

 

一方そのアキトはというと

 

「はあ、生きてるって素晴らしい・・・(喜)」

 

「アキト兄、追い詰められてたんだね(汗)」

 

「だめだよブロス、あまり本当の事言ったら」

 

「はあ、生きてるって素晴らしい・・・(喜)」

 

「さっきからそればっかり・・・」

 

「そっとしといてあげよう(涙)」

 

「はあ、生きてるって素晴らしい・・・(喜)」

 

誰も居ないお仕置き室で一人静かに生きていることの喜びを噛み締めていた(笑)。

 

 

終わり

 

 

 

 

 

あとがき
やはり戦場カメラマンというのは外せませんよね(笑)
今回のキャラのモデルは少年サンデーで以前連載されていたサッカー物
「俺達のフィールド」の時任あきらです(もうこれ知ってる人も少ないかな?)外見イメージもね。
僕敵に黒髪ロングでぶっきらぼうな性格、がもろにHitしたキャラでした(爆)

 

とにかく、このような駄文にお付き合いいただきどうもありがとうございました。

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

黒貴宝さんからの投稿第四弾です!!

ははは、時任アキラですか。

う〜ん、懐かしいキャラですね〜

もう、「俺達のフィールド」が終ってから随分と経つんですね〜(遠い目)

いやはや、懐かしい作品名でした。

まあ、アキトも今回は幸せそうだし(爆)

誰も不幸にはなりませんでしたね!!

 

それでは、黒貴宝さん投稿有り難う御座いました!!

 

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